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─ 宿屋 ─
[宿屋の中に入ると、自分が座るための席を確保し。
先日フォルカーがお茶を淹れていた場所でお茶を人数分淹れる。
最初こそ物がある場所が分からなかったりで手間取っていたけれど、お茶を淹れるだけなら手馴れた様子で行い。
カップに注いだお茶をイレーネ>>97とゲルダへ配膳した]
どうぞ。
[虚ろな瞳を瞼に隠し、笑みを作る。
今の状況にそぐわないものだったかも知れないけれど、僕はどこまでもいつも通りに行動していた]
[自分の分のお茶を手に席に戻ったところで、小さな声と共にフォルカー>>98が姿を現した]
お帰り、フォルカー君。
……何か、あったかい?
[消沈しているような様子に首を傾ぎ、彼に問いかけてみる]
― 宿 ―
[何かを抱えているオトフリートとはちょうど擦違うように宿に戻る。
向こうに気づき視線を向けると>>100、手の動きにこっくりと一つ頷いて返した。生憎両手が塞がっていて、細かな返事は出来なかった。
入り口の痕には気づいたが、気に止めるだけで不快は感じず。
かといって昨日はなかった、まだ新しめなそれを踏みつける事もせず上を跨いだ。
宿にいたものらにはひらと手を振った後。
『何があった』と手で問いかけ、入り口とを交互にみやった。]
― 前日/宿 ―
[フォルカーの同意>>44に少女は嬉しそうに頷く。
御伽噺の中の登場人物は勿論その二人だけではないけれど
それでも印象深かったのは彼の話した一場面>>1:329
御伽噺の中では事件に巻き込まれたのは何人だったか。
牙に倒れたのは誰だったか。
チラと不吉な何かが頭を過ぎり少女は其処で意識を傾けるを止める。
僕も、と声が聞こえればゆるむ表情]
お揃いみたいでうれしい。
[合図のようなその笑みと言葉がくすぐったくて
はにかむような仕草をみせた]
[結局その日、少女が加工師の姿をみることはなく
フォルカーの言>>46を聞いたことで
彼女はしっかりした人なのだという評を付加するか。
見送る言葉にありがとうの言葉をそえた。
一言、二言のそれがお守りのように思え
少女の不安は幾分か和らぐ]
― 前日/雑貨屋 ―
[道中何事もなく戻れば母親が店先で待っていた。
自衛団員からそれなりの説明を受けたらしい。
身振り手振りで案じる言葉を向ける母親に
少女は彼女を安心させるために笑みを浮かべる]
……大丈夫。
[何が大丈夫なのか口にした当人にもわからない。
現状に不安を抱きながらも
それを表に出さぬように気をやる]
[その日から雑貨屋を訪れる者は減った。
必需品である生活雑貨を扱う為にぽつぽつと客は居たが
何時もどおりに接しても客の対応は何処か余所余所しく感じる。
一人になれば溜息がくちびるから零れ落ちた]
――…。
[容疑者として自衛団に集められた。
その実感を少女が感じたのはこのような事から。
カウンターの奥にある本棚から一冊の本を取り出して
その表紙をそっとなぞった]
御伽噺の彼らも、
こんな思いをしていたのかな。
[伝承学者ならそんな疑問にも答えてくれるだろうか。
残念ながらその場に彼の姿はなかったのだけれど**]
―宿―
[お茶を淹れて回っている幼馴染に首を傾げて。]
何。今日は、宿屋の手伝いなの。
どういう心境?
[言いながら自身もお茶をもらっておきました。]
─ 自衛団詰め所 ─
……うわあ。
[来なきゃ良かった。
それが、率直な感想だったが、口にするのを耐えたのは我ながら偉いと思う。
既に教会からの報せは届いていたのか、団員たちはいつになく浮き足立っているようで。
やっては来たものの、声をかけるタイミングがすぐには取れなかった]
あー、えー、とー。
お取り込み中のところ、大変申し訳ないんですがっ!
[それでもどうにか、見知った自衛団の副長がどこかへ出ようとするのを見つけて、捕まえる。
なんだ、と怒鳴られたが、それで凹むほど、殊勝なタチはしていない]
なんだ、じゃあないですよっ!
えらい事が起きたから、報せにきたのっ!
[負けじと怒鳴り返して、籠を突きつける。
きっちりと包まれたそれは傍目にはなんだか全くわからないが、微かに漂う独特の臭いは、中身を連想させるに十分に足りたようだった]
―宿―
ありがとう。
アンタはこんなときでもかわらないんだねえ……
[ヘルムート>>103が笑みを浮かべるのに僅かに瞳を細める。
疑っているというほどではない。
でも普通すぎてそれが変に見えるような状況の中では視線に疑いがまじるのも仕方がない。
それでも受け取った茶をすすったのは、こんな場所で毒をいれるようなことはしないだろう……とかいう思考ではなくてただ頭が廻っていないだけだった]
おはよう、二人とも。
[フォルカーとライヒアルトが連れ立って宿にくるのを見てひらひらと手を振る。
なにがあったという問いに、『団長の首が玄関先に落ちてた』と仕草で返す。
普段より動きが鈍いその仕草はフォルカーにはもしかしたら読めたかもしれない。]
― 宿 ―
[修道士>>105に手を引かれながら戻り、デザイナー>>104に呼びかけられて恐る恐る顔を上げた]
団長さんが。
[殺されていたと一息では続けられなくて、ひゅっと息を吸った]
─ 宿屋 ─
団長さんに、いつも通りに過ごして良いと言われましたし。
[そう言う問題でもなさそうだったけれど、僕にとってはそれが全て。
イレーネのぼやきのような言葉>>112には微笑んだまま返した]
[フォルカーに問う間にライヒアルト>>105もやってくるのが見え。
挨拶代わりに軽く頭を下げた後、示された手話にしばし意味を考える]
ええと……ぁ。
宿屋の玄関先に、団長さんの頭がありまして。
[答える前にイレーネが手話で伝えていたようだったけれど、そちらは見ていないためにはっきりと口にしていた]
団長のじー様の……首。
……今朝方、宿の玄関先に、これだけが転がってた。
見た感じ、その場でどうこうしたっていうより、他から、これだけ持ってきたとか……そんな感じだったよ。
[戸惑いながら、中身は何か、と問う副長に、素っ気無い口調で見たままを話す。
死者の頭部を運んできて、淡々と告げる様子は、かけられている容疑と相まって異様なものを団員に感じさせたようだが、気には止めず]
なんで、持って来たのか、って?
あのねぇ……玄関先にあったんだよ、玄関先。
この意味、わかる?
そんな、人が通るとこに、いつまでも転がしときたい?
最初は報せるだけで待ってようかとも思ったんだけど、色んな意味できついよ!
[村では、死体など見慣れていない者の方が多いはず。
まして、首だけ、というのは色々とショックが大きすぎるだろう、と、持ってきた理由を説明して、それから。
がじ、と後ろ頭を掻いた]
― 宿 ―
[イレーネから返答が返ると>>112、翡翠が細められた。
ということはあいつが持ってったのは首かと、息を零す。
面倒してなきゃいいがとちらと思いつつも、ここからは動かず。
『体の方は林に転がっているのをフォルカーが見つけた。
今頃自衛団に引き取られているだろう』と、フォルカーを指したりする動作を交え、居た者らに伝えておいた。大半に伝わらなくとも、イレーネがいれば周囲にも知れるだろうと、口に出す事はせずにおいた。
ヘルムートがフォルカーに問いかけていたので>>104様子を見たが、フォルカーはやはり答えられないようで。>>113
フォルカーに、椅子に座るよう促し、少年の為に茶が欲しいとヘルムートには伝えた。お茶を飲む仕草であれば、彼にも伝わっただろう。
獲物は一旦、テーブルに立てかけるようにして置いておいた。]
……んでまあ、こういう事になったわけで。
俺たちの扱いがどーなるのかは、一応、聞いときたいんだけど……。
[後ろ頭に回していた手を前に戻して、緩く組む。
問いかけるとき、深緑の瞳はちょっとジト目になっていた]
……はあ。これから協議する……か。
んじゃ、とりあえず今すぐどーにかこーにかはしなくていいんだね?
[確かめるように問いかけると、返されるのは肯定]
わかった……んじゃ、宿で待ってればいいのかな。
決まったら、報せてくれるんでしょ?
……はいはい、ちゃんと大人しくしときますよー。
[今後の対応については協議した後報せる、という副長の言葉に、やや大げさなため息をついて。
最後はちょっとだけ投げやりな口調で言うと、宿へ向けて歩き出した]
―宿屋―
ンー?
[黒く滲んだ痕に首を傾げる。
とりあえず踏まないようにしながら中へと入る。]
何?
何があったノ?
[と周りに尋ねるが団長が死んだとの言葉に、
その場に荷物を持ったまま座り込んだ。]
……ほんとに?
[搾り出すように確認の言の葉を紡ぐ。
応えはあっただろうか。]
─ 宿屋 ─
うん?
どうもしないよ。
お茶淹れてやれって言われたから、そうしただけ。
[リズの問い>>110にはだいぶ端折った説明が為された]
フォルカー君居なかったからね。
[もう一つ付け足した説明は、納得に足りるものだっただろうか]
団長さんが?
……あれ?
もしかして、団長さんの身体が?
[フォルカーの言葉>>113は続けられなかったけれど、様子がおかしいことから思いついたことを口にする。
疑問はイレーネの言葉>>120で解消され、フォルカーが何故そんな様子で居たのかを理解した。
その後にライヒアルト>>118からお茶の要望を受けて、諾の頷きを返して。
増えた人数分のお茶を淹れようと考えながら歩いたら]
───!!
[テーブルに立てかけられた物に蹴躓いた]
―宿―
[躓いたのは見えたが手が届くような距離でもない。反射的に手を伸ばしたかもしれないがそのまま転ぶのが見えて苦笑する。]
なにやってるの…。怪我はない?
カップとか割っちゃったりしてない?
あまり、別のこと考えながらやってると危ないって何時も言ってるじゃない。
[起きられる? と傍までよると手を差し出します。]
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