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[食事中のイヴァンに小声で、]
昨日もだけど、その前も、……ありがとう。
[わからないという顔を返されると、]
倒れて、ずいぶん迷惑をかけたみたいなので…。
[申し訳なさそうに言い添える。]*
─ 広間 ─
[投げかけた問いに、ユリアンは目を伏せて小さく首を振る。>>92
その仕種に微か、身を震わせた直後に、端的な答え>>93が返された]
……ぇ。
[それに対して上がったのは、掠れた声。
かくん、と力が抜けて、その場に座り込んだ]
…………また?
[いっちゃったの、と。
声には出さないけれど、その言葉は頭の中をぐるりと回る。
黒猫が案ずるように鳴くのが、どこか遠い。
しっかりしなきゃ、と思いながらも、どこかがふつり、と切れてしまったような感覚に囚われ、動けなくなっていた。*]
[>>26その銀の刃は、女の胸にたやすく突き刺さった。
足元に広がる白、紅を散らしたその上に倒れ伏し]
(あやまらなくて、いい)
[薄れ行く意識の中、>>27届いた声に微か、微笑む。
少年が謝る必要は無い。
彼は間違いなく敵を討ったのだし]
(私だって、謝るつもりはないもの)
[女にとっても、生きる為、死なせない為に彼の祖父を殺したことを悔やんではいないから]
(…私は、小父様が朱花だと知らなくても。
小父様を殺すって、決めていたもの)
[女の命を奪った少年が、少しでも罪の意識を持たぬ様に。
もう発せない声では届かぬと知りながら、命尽きるまで独白を続けた*]
─ 広間 ─
[頭の中がぐるぐるする感覚は、祖父の死を目の当たりにした時と近いもの。
元引きこもり少年は、本当の意味で他者に心を許す事が滅多にない。
その彼が信を向ける、というのは実は相当な事で。
それだけに──失った反動は、大きくて]
…………。
[ユリアンが椅子を引いて、座るように促す。>>97
出されたお茶の香りが少しだけ気を静めてくれたけれど、漣は消えなくて]
……わかん、ない。
けど。
いるなら、さがさなきゃ。
[探してみつけて。
その先にあるものを思うと、どこかが軋むような心地がした]
……ライヒアルトさん、部屋、なんだよ、ね。
ちょっと……行って、くる。
すぐ、戻ってくる、から。
お茶、このまま、冷ましとい、て。
[途切れがちにそう告げた、直後にだっと走り出す。
立ち上がった時の弾みで離された黒猫が、慌てたようにその後を追いかけた。**]
[失われた女の意識は、すぐに浮上する。
一体何故と思い目を周囲に向ければ、雲越しの弱い日の下に広がる真白の上に咲いた大輪の朱花と。
その中心に横たわる自身の姿を見止めて、息を飲んだ後]
………そういう、こと。
[死しても、この『場』から離れることは出来ないのか、と。
現状を理解して、緩く息を吐き出した]
[祈りは届くだろうか。
物心ついた時から日課としてあったそれ。
死者となりしその朝も、それを行う。
閉ざされたこの『場』に
生きる者の無事を祈り、
普段と同じように過ごすのは、
そんな生き方しか知らなかったから。
静寂に包まれ紅く染まる部屋で
祈りのかたちをたもつまま修道士は目を伏せる。**]
[聲を共にしていた彼がこの場に駆けつけたのは、程無く。
けれど、それより早く姿を見せたのは、>>56オトフリートで]
…ううん。
謝るのは、私の方。
[だって、護るというその言葉を、私は信じられなかった。
信じて良いのか、どうしていいのかわからなくて、彼に問うことすら出来ないままで]
……護るって言ってくれたのに、お礼も言わなくて。
ごめんなさい、オトフリート。
……それと。
護るって言ってくれて、ありがとう。
[自分の傍ら、跪いて優しく触れてくれるその指先を見つめながら謝罪と礼を紡いだ後]
──…私の分まで、イヴァンのこと、護ってくれる?
[どうか、と切なる想いを届かぬ声で願った]
[そうしている内、>>48駆けつけたイヴァンがエーファに問いかけるのを皮切りに交わされる言葉を聞いて。
>>57泣くのを堪えるように強く唇を噛む少年を、眉を下げて見つめる。
そんな心を痛める必要なんかない。
そう言った所で伝わる訳は無いし、エーファが他者の命を奪って心を痛めない訳が無いことも分かっているのだが]
私たち…私は、生きる為に、死なせない為にしたことを悔やんではいない。
[悔やむのはただ一つ、少年一人に自分の命を背負わせてしまったことだけ]
貴方は、そんなもの。
抱えなくて、良いのに。
[届かなくても、紡ぐ言葉は止められなかった]
[その間にも、オトフリートは自分の骸の傍に跪いたまま。
>>58部屋まで連れて行くという声にそちらを向けば、彼の腕に抱えられた自分を見つめる]
……男の人に抱き上げてもらったの、初めてね。
[命を失くした後でもそんなことを思うなんて、と何だか可笑しく思えて顔を歪めた]
[そうして、部屋へと向かうオトフリートについていこうとした所で。
エーファとの会話はまだ続く中、>>66イヴァンがオトフリートに向けた願いに動きを止めた]
…そういえば。
お願いって言ってたのに、そんな余裕もなかったわね。
[忘れないでいてくれたイヴァンと。
>>74了を返してくれたオトフリート双方への感謝に溢れそうになった何かを、目を伏せることでやり過ごした]
[そのまま屋敷の中へと入るオトフリートを見送り、未だ会話を続けるイヴァンとエーファを見つめる。
強く噛み過ぎたのだろう、>>68少年の唇から流れる赤に目を瞠る。
けれどそれ以上に目を見開かせたのは、見極めたという二人の名]
…私を見つけるより前に、居る人はほとんど判別していたのね。
[恐らく明日にはイヴァンを見つける可能性も高いだろうとは、きっと二人ともに思っているだろう。
>>68>>71屋敷の中へと戻り行く二人の背を見送った後、女もその後に続いた]
─ 二階・客室 ─
[屋敷に戻った女が向かったのは、自分の骸が運ばれただろう部屋。
もう既にオトフリートは居ないだろうと思っていたが、>>60彼はまだそこに居て。
今まさに抱えていた女を床に降ろしている所だった]
…もしかして、部屋、探してくれてたのかしら。
[そういえば自分も、他の人の部屋は把握していなかったから。
オトフリートもそうだったのだろうと、余計な手間を取らせてしまったことを申し訳なく思いながら傍らに近付いて]
…そうね。
出来るなら、誰も殺したく、なかったから。
[語り掛ける声に返すのは、穏やかな響き。
為したことに後悔はない。
けれど、出来るなら為したくはなかったのも本心だった]
……でも。
できれば、貴方の音をちゃんと聴けないままで、死にたくなかったわ。
[彼自身は知らないままだっただろうけれど。
女が絵を描く切っ掛けは、まぎれもなく彼のバイオリンで。
その音を、今一度聴いて絵を描けたらどれ程幸福だっただろう]
[子供の頃、初めて彼の奏でるバイオリンの音を聴いたのは偶然だったけれど。
まるで降りしきる雪の様な彩が、目の前に広がった様に思えた。
その彩を自分でも奏でてみたくて楽器を習ってみたけれど、上手く行かなくて。
ならば視覚で再現しようと絵筆を持ってみたら、少しだけ近付けるものが描けて、嬉しかった。
それが、私が絵を描き始めた最初の一歩]
…貴方の彩に近づくことが、私の最初の目標だった。
[何時の間にか、この屋敷から見える景色がそれにとって代わっていたけれど。
根底はずっと、彼の彩への憧れがあったのだろうと思うから]
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