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─広場─
[広場で待ち受けていたのは儀式の支度。
対象となったのは、紅の少年。
止める事はしなかった──否、できなかった。
止められるだけの論拠もなければ、少年への疑念はない、とも言えぬが故に。
そして何より、深紫の捕えた力の残滓の方に、強く心奪われていたから]
[儀式は進み、少年は樹の懐へ。
そして──エリカの宣。
揺るがぬ意思の強さに、す、と目を細める]
……強い子だ。
[零れる呟き。
少女の力を証立てる術はある。確信も掴んだ。
しかし、自身もまたある意味では「余所者」の身。
直接の口添えは、混乱を深めるやも、とその場は沈黙して]
……っとに……ぎゃあぎゃあと騒ぐのはおよしよ!
[エリカが下がるのを見計らい、声を上げた]
確かに、あの子の言葉を裏付けるモンはないかも知れん。
でも、疑うばかりでいいのかい?
何も信じないで、ただ、流されて、疑うだけ。
それじゃ悪循環でしかない。
―昨夜―
[水鏡の中に映し出されたのは二人の幼馴染み。闇に染まりかけた陽光の翼、解き放たれ、闇をはね除けた紫星の翼]
…………
[封印されるネロの姿に軽く舌打ちを漏らし、人々の前に名乗り出たエリカに案ずる視線を向けて吐息をついた他は、ただ黙って、全てを見つめていた]
アタシも元を正せば余所者だから、アタシが何か言っても疑わしいのは百も承知だ……でも、これだけは言うよ。
こうやって、疑われるだけなのに、それでも出てきたあの子の覚悟……それを、その意味を考えてみな、ってね!
[静かに言い切り、苦い面持ちの長老に一瞬視線を投げてから、広場を立ち去るエリカを追い]
ほらほら、これからどこに行って何するにしろ、アンタが寝に帰る場所はアタシんとこだろ?
か弱い娘が森で一人で夜明かしなんて、承知しないからね!
[軽い口調で言いつつ、問答無用とばかりに*家へと連れて戻ってゆく*]
[やがて、水鏡から視線を上げると、ふらついて倒れてしまったネロと慌ててその世話をするリディアが目に入り]
いくら唆されたとはいえ、どうして、これを堕天尸と思えるかな。
[*軽く目眩がした*]
−結界樹上空−
[風に乗り、一路目指したのは結界樹。
空高く旋回すれば、枝に見慣れぬ色の翼が見えた。]
………カルロスか。
随分と痩せているが…闇色ではないな。
[遥か上空から透明に近い紺碧の翼を一瞥し、呟く。
その下、木の根元に蹲るラスの姿が見え、眉を顰める。]
無理が出た様だな。
…………しばらく放って置くか。
[顔を見せればまた責任を感じて動くかと判断し、片翼を引いて鋭く進路を変える。
時はもう昨日封じが行われた刻限に近くなっていた。急ぐ。]
−聖殿−
[着いたのは、紫紺が夜空に融ける頃。
アヤメとカレンの姿もそこに在り、深く息を吐く。
エリアの姿もある事に眉間の皺を刻むが、文句を言う立場になく。皆から離れた場所に静かに降り立った。]
…………。
[上空から見た時、ネロは既に押さえつけられていた。
手は要らぬとだろうと儀式そのものではなく、それを見る人々の様子に目を配る。
目に付いたのは、やはり愉快そうな気配を隠そうともしない狐。]
…………。
[声に出さず口内で呟き、下がろうとする長老へ足を向ける。
だがそれより早く歩み出る影。エリカの通る声が響く。]
…………あえて出たか。いい覚悟だ。
[口の端を上げ、動揺の広がる場を見回す。
様々な感情が渦巻く。
そしてそれを抑えるべく声を張り上げるアヤメの姿。]
……説教は後回しにしておいてやるか。
[地を蹴り、大きな羽音を立てて中心近くへと舞い降りる。
顰め面で辺りを睥睨すれば、それがきっかけになり人々はそれぞれに散り始めた。]
[長老は酷く疲れた風に見えた。
いつ終わるか判らぬ連日の儀式が老体に堪えているのだろう。]
………報告が遅れたが、リディアとジョエルが堕天尸でない事は俺も彼女から聞いていた。
少なくとも、今この場での思いつきで出た訳ではない筈だ。
[エリカの去った方向に視線を投げ、呟く。]
[飛び立つ薄い金色の翼を見送り、共にいた男へと目を向けた。
仮面はわらう。狐の笑みに全てを隠して。]
………それともうひとつ。
ケイジの面の下、不穏な気配を持つ傷があった。
蠢く闇の様だった。あれは――危険だ。
闇の種は災いの芽を出し、虚の花を咲かせるかもしれん。
[既に災いの芽は出ているかも知れぬがと呟き、遠く狐を睨む。
長老は思う所があるのか、何も言わず静かに聞いていた。]
………叶うならば、結界樹で清めた方がいい。
他に堕天尸と確実に判る者がいれば、話は別だがな。
[返事を待つ事もなく、老人を残し階を上がる。そして飛翔。
狐が保身に動くつもりか否かは、面越しに見る事はなかった。]
―広場―
[降りると、長老が現れ、ネロを封印していた。
狐はわらう。
ロザリーとは違い、目を瞑ることはなかった。もっとも、狐の下では誰に見ることも出来ないが。
――そしてエリカの声。]
なるほど。
やはりあの実は取れる、のだろうな。
[ひくく呟いたことば。
わらい、含んで。]
−回想−
[己の肩を掴んだ。
奇形の翼は、晒したまま。
ひかりの鳥も、少女の傍を漂う。
森へと歩を進め、広場の喧騒から少し離れたところで、投げられる声]
フィオーラ?
……でも、
[追ってきた世帯主に、目を見開いた。
声は続かず、視線をうろつかせたのちに、小さく頷いた]
……ぁ、…………ごめんなさい。
[感謝は上手く言えず、口をついてでるのは謝罪ばかり。
俯いて、叱られた子どもの態で、後をついてゆく。
躊躇いがちに伸ばした手。*指先が、彼女の服の裾を掻いた*]
― 自宅 ―
[聖殿から森を飛び、自宅前へ。婆様の墓標に祈りを捧げた後、家に入り服を着替えて寝所に転がる]
……眠い
[目を閉じると、ものの数秒で意識を手放す*]
[父親の寝息が苦しげなものから落ち着いたものに変わり、安堵の溜息をついて立ち上がった。
そういえば施療院へ残りの金を渡しに行かないと、等と思いつつ、玄関から出て裏手に回り羊の世話をする。
いつもは眠そうに彼を迎える羊が、鋭い悲鳴を上げて首を傾げた。]
…疾風といい、どうしたんだ?
[その笑みはいつもの人懐こい笑みで。
少し強引に羊を押さえつけつつ、仕事をこなした。]
−森・結界樹−
[湖のほとりに立ち、
高く聳える樹木を望む。
水面に映る緑を、金糸雀色の瞳が写す。
背に生えた、二対の異なる銀翼が揺れた]
……、
[微かに震えかけた手を、拳をつくって抑える。
トンと地を蹴り、根の上へと渡った。
細い手が、そっと、幹に触れる]
[アヤメの言葉にも、狐はひょうとくちぶえを吹くような音をたてるばかり。
そしてスティーヴが長老のそばへと。
――一度狐を見るのは、何ゆえかなど、よくわかるようなもの。
くすり、くすりとわらった。]
――鷹目殿は厄介なもので。
あァ、でも ……、
[足下を見回すも、落ちていたのは枯れた実のみ。
頭上高くにある新しい実は、己の手には届かない。
視線を水平に戻して、膝を突く。
一対目の翼がピンと張り、
二対目の翼は根に沿うように流れた]
AIRANAC,
'honom uri... uru inakan ?
[呟くような声に呼応して、
湖面が仄かに金を帯びて光る。
ひかりの鳥は、深くにいるようだった]
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