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[ 力をかけた瞬間、痛みを増す腕。
寝転がった体勢からしゃがんだ状態へと変えつつも、
それ以上は未だ動かず ]
コンティニューの出来るゲームオーバーなんて、中途半端だろ。
どうせなら、徹底的にやりゃいいのに――
救おうなんて考えてる辺りが、天界ってのは、甘いよな。
[ 抑えられど、己の身体から抜けてはいない事は容易に解る。
もっとも、単純に“憑かれた”訳ではないから当たり前と言えたが。
昏い色を湛えた侭の眼を、タマキへと向けた ]
暴れるにも、狭いしなー。
流石に、力は幾らか抑えられてるし。
そっちは多少は、回復してんの?
[じっと九尾(黒)を見る。確かに、力を持ったままのコイツならば、危険に危険を重ねてくるだろう。
ただ……]
『……あれ、半分はお前の地だったよな?』
……否定はしない。
[ある種、一番封印しなければならないのはこの男かもしれない]
……ただ、絶対に傷つけないさ。
『もし傷つけたとしても、魂の融合という絶対不変な形で互いを補えるように魂を吸収する予定だった。
傷つけるという肉体の楔に拘り過ぎなんだよ。天界連中は』
……それは初耳。
『そりゃ失礼』
……でも、それなら、どっちでも同じか。一概云々ではなくて、世界なんて俺にはどうでもいいからな。
─屋上─
[例によって、出入り口を通り、屋上へ。
中で転寝していた時間が思っていたよりも長かったのか、大気の感触や空の色彩は変化を始める頃合い]
……っつーか、昨日一日で色々ありすぎだっての。
[はあ、とため息を一つつき、空を見上げ]
……さて。
『封護の陣』、調律かけていかんとな……。
……わかる訳無いじゃないか。俺は俺で、マリーじゃない。例えどれだけ思っていたとしても、他人の気持ちなど、十分の一も理解はできない。
『そりゃそーだ。恋人同士だから。家族だからって何でもかんでもわかったよーな口聞いて、幻想抱くのは人間の性だな』
……ただ、五分の一はわかってる。おそらく、彼女は俺のために無理をしているんじゃない。いや、俺の事もあるだろうが、それだけならば彼女は五神だ。一度はかけあってどうにかする道を模索するだろう。ならば、そうならなかったのは……。
[そこで顎に手を当てて考え込んだ。俺のために無理するのは理解できる。ただ、それだけではどうにも埋まらないナニカを感じていた。
それは何だ? 一体何が彼女を追い詰めた?]
……あ。
[そこではっと何かに気づいて、彼はケイコを見た]
……アズマはこっちにきてるのか?
─『隔離の陣』・霊亀の個室─
[気配というものを探してみた。やっぱり蒼龍の知識を漁ったりしたわけだが、風もようしてるからか。それとも木の生徒会長が作った結界内だからか。というかつかってなかったのかなり無駄だったのでないかとか。とりあえずたどり着いてノックをしたが返事もないので、静かに入ったのだが]
……はぁ…やべ。本気で不甲斐ねぇー…
[気を流動させないように抑えながら座して待つ]
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中身も戻ってきてみたら直後に発言があってびっくり。親戚故のタイミングです。
とりあえず勝手に部屋の中に入ってみておいた。
−自宅−
[昼頃、もそりと起き。
それからもそもそと食事を食べ始める。
自分が作ったものではないので、あまりおいしいとは言えなかったが。
そのあと部屋でしばらくぼーっとしたあと、夕方過ぎに思い出したように出かける支度。
上の姉からどこ行くの、と聞かれて]
…ガッコ。
[私服だけど。
そんな突っ込みは聞かないふりをする。
自転車に乗り、学校へ。
昇降口でアイスコーヒーを買ってから、屋上へ]
地なんかい。
[思わず素でツッコミ入りました]
マリィをそんな奴に…いやそれは言っても始まらないし。
[おまいは父親かとばかりに。でも一途に愛し合ってるのは嫌でも知ってますからね。溜息一つ]
そう頭の痛いことばかり言いなさんな。
マリィを生み出したのは、そしてアンタを生み出してマリィと引き合わせたのは、この世界なんだぞ?
一つになるってのは響きがいいけど、愛してるって心まで手放すってことだ。それは、あまりオススメしない。
[気の流れを辿り、読み解く。
陣を張る際に力をかけすぎたのはどこか、どこを律して、正しき形となすか。
そんな事を考えていた所に感じたのは──火気の近づく気配]
お、と。
[緩く、瞬き、陣への干渉を中断して。
階段の方を振り返る]
─家屋・宛がわれた個室─
[静寂なる部屋に響くノック音。しかし返す声は発されず。静かに部屋に入って来た人物の気配にも気付くことが出来ずに幸貴は眠り続けている。着替えさせられた浴衣姿、蒼白な顔に白いそれは嫌に映えて。寝返り等の身動ぎもしない様子は陰鬱な雰囲気を漂わせた]
[長い長い時間をかけて。廊下を歩いてきたそれは、幸貴の部屋の前で立ち止まる。誰も居らぬなら無理矢理扉を開けようとしただろうが、気配を察するとその扉を頭突き、ノックを行う]
――っはは、全くですね。
[相手の言葉に、一度、眼を見開いて。
一度眼を細める。くつりと喉を鳴らした。――嗚呼、]
…その通りです。
「天魔」が天魔である以上、本人が望もうが望むまいが、
――「気脈を乱す存在」なのは変わらない。
友人、知人? …例外なんて、ある筈もないのですがね。
[甘い人たちばかりですよ。 楽しげに、嗤う。
彼らに比べたら、よもや同じ四瑞とは思えない言葉だろう。
…尤も、そう言われた所で、彼には痛くも痒くも無いが。
向けられる闇に、薄く眼を細める。
楽しげに、しかし何処か気だるげに視線を向けた。]
…もちろん、貴方もです。
少々、骨が折れそうなのが――面倒ですが。
[「救う」という大層な事をするつもりなんざ、有りはしないが。
徹底的にするには、少々厄介であるのは、事実だった。
天魔以外を屠る趣味は無いし、上が煩いし。
――何より、これでもこの友人は気に入っているのだし。
続く問いには、小さく肩を竦めつつ。]
完璧にとは言えませんが、一応は。
[ぎ、と軽く扉を軋ませて朱から紫の滲み始める空へと続く場所へ。
階段を上がるたびにひしひしと感じていた気配を見つけて、ものすごく嫌そうにため息をついた。
自分が放り投げた姿は屋上にはぱっと見当たらないようだったのでどこかへ運ばれたのだとなんとなく想像がついた]
いや、全部を分かれっていうんじゃなくて。
[どうしてこのクラスメイトとは微妙にすれ違うことが多いのか。まあ、それでも気にはなる相手(恋愛感情に非ず)なのですが]
………。
知らないケド。
さっき、結界が微妙に揺れてた、かな?
[物凄く頼りなさ気にだが。
サキ以外の誰かが連れてこられた気はする、と]
…見に行くなら一緒に行く。
[身動きもせず、顔色も悪い。死んでいるのではないかと心配になっているが、呼吸は行われている。己の属性では何もできない…どころか陰の関係であることに苛立ちすら感じていたが]
ん?
[ノック音。まさか頭突きが行われてるなんて知りはしないが。そっと立ち上がり、扉を開ける。
目線に誰も移らない。首をかしげながら探すように目を動かすと]
お…いた…ぁあっと。黒亀とかいわれてたっけか。
[現れるなりため息をつく響の様子に、何となくがじ、と頭を掻いた。
まあ、心理的には、似たようなものなのかも知れない、なんて思いも多少あるが]
……なんか、お探しですか、先輩?
[ともあれ、何にも言わないのもなんなので、軽い口調で、声をかけてみたり]
……ああ、大丈夫。コイツに操られていた時、何か小部屋みたいなところに居た。イメージだと思うが、手は繋げる。心も一緒。バッチグー……。
[どうやら、彼的にはそれで問題ないらしい]
あ……ただ、言い忘れ。こいつが無茶したのも、こんなにバタバタ怪我人出てるのも、いきなり仕掛けてきたそっち側の責だと思う。だから、一概に責められてもおかしくないんじゃないかなぁ?
[最後は、五神のケイコの心に問いかけてみた]
……リカは己の心の向くままに。許せないが、まだ理由としては許せる。だって俺と同じくエゴを貫こうとしただけだけだから。
……だから、理解はできるが感情が許せないだけ。
[開けられた扉に首を擡げる。名を呼ばれた亀は恭也を見上げ、くり、と首を傾げた]
[部屋の中へ入ろうと、亀は一歩踏み出す。しかし手のひらサイズ故にちょっとした段差も亀にとってはかなりの壁で。部屋へ上りあがろうとして、ころんと転げた。しっかりひっくり返ってしまい、両手足をおぶおぶと動かす]
[言い忘れの講釈を垂れつつ、結界が揺れたという言葉を頼りに廊下に出た]
……九尾には、アズマが連絡用にと風の印をつけていた。もし、ソレを使って虚偽をマリーに教えたとしたら?
例えば、話し合いで助けられる可能性のある俺を取っ掛かりにして、九尾の命も危ないと脅しをかければ……。もしくは両方か? 今天界側をどうにかしないと、『ヒサタカも九尾も命はないぞ』なんて話をされれば……。
[あの心優しい恋人は思いつめ、親友にさえ牙を剥くかもしれない]
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