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[聞こえるのは猫の声>>+76。
気にしていたミーレのものかと一瞬思う。
けれど目に映るのは夜闇の猫。
一緒にいるのは見覚えがあるけれど]
――…え。
[問われたのは幼い少年がエーリッヒであると気付くと同時]
痛くないよ。
痛いのは、置いてきてしまったから。
[年下の、子供に接するように微笑んでそう答えた]
[>>+79ナータをゆるす、とは言わなかった。
そんな、おこがましすぎる。
代わりに手の力を緩めずに笑って。それが答え]
ちゃんと、ここにいるから。
[一時的になら手も放せる。特にクレム達のところにいくのなら。
途端にひんやりとする手を拳に握って。
何も見ず温もりの中だけにいたい気持ちを引き締めた]
月は……。
[夜の獣はその守護を受けるとされているけれど。
強いて見上げ、意識したことはなかった。
現実的にもどうだったかは分からないけれど。
それでもどこかでずっと感じてはいたように思う。
水面に揺れる、紅鏡を]
もう痛くないから大丈夫。
心配してくれてありがとう。
姿が違っても優しいのは変わらないね。
[夜闇の猫と少年>>+82に釣られるように和む空気]
……ん。
私もミーレが一緒にいてくれて嬉しかったから。
ありがとうは私の方。
あのこが無事に帰れるといいね。
[今、現の世に願うのはそれくらい。
白猫の行方を気にするように菫色が揺れた]
月のいとし子。
運命(さだめ)揺られて、紅散らす。
願いは何か。
想いは何処か。
導く紅月、ただ静かなり。
[ぽつり、と諳んじるのは青年が調べた古い謡。
その一瞬だけ、翠には大人びたいろ。
しかし、それはすぐに消えうせて]
[ライヒアルトの答え>>+83にふわりと笑う。
ここにいる、という言葉が嬉しい。
けれど岬の方を気にしているのを感じていいから
ここにいて、とは言わずにいた。
もう、何かを我慢させたり苦しめるのはイヤだったから。
聞こえる謡>>+87に意識が向けられる。
その傍にクレメンス>>+86が居る事にも漸く気付いた]
おにいさま。
[会えて嬉しいのと同時に哀しい。
おとうとと同じくらい生きていて欲しいと願っていたから]
[15年ほど昔の姿のまま、こちらに来た弟と妹に手を振って。
ナータに呼ばれれば、どこか哀しげに微笑む。
生きていてほしい、と内心で思っていたのは同じだから。]
……心配させるな。
俺たちは家族だろう?
[結局、言えたのはそんな事。]
[少年と猫のお揃いの行動>>+89にきょとんとして
困った様子にくすくすと愉しげに笑う]
私は違うことないと思うけど。
[一度だけそう返すけれど
あまり困らせるのも悪いと思ってかそれ以上は言葉を重ねず]
……ん。
寂しくないといいんだけど。
[ミーレの傍に仲の良かったエーリッヒは居ない。
寂しくないなんて事ないと思うけど
それでも願ってしまうのは寂しさが分かるからか]
私には何も出来ないから……
せめてあのこが無事に帰れるように祈ってる。
[祈りは願い。
それが叶う事を今は望む]
[立派な髭は何処にいってしまったのだろう。
若返ったクレメンスの姿>>+91は多少驚いたけれど
その姿もちゃんと覚えていたから誰かと思う事は無く]
ごめんなさい。
おにいさまには心配かけてばかりね。
[家族、と聞こえれば嬉しそうな笑みが浮かぶ]
家族でおにいさまにはかわりない、けど
その姿は如何したの?
同じくらいの歳に見える……。
[いくらほど時がたったか。
岬ではなにが起こるのかは想像はついているけれど、見にいきはせず、元宿屋の自分の部屋へと向かっていて]
…自分を見るってのもなんだかおかしな気分だよな
[今更のように呟いた]
ごめんなさい。
[少し離れた場所からナータと同じようにクレムに謝る。
そういえばクレムも姿がと気づいたけれど、その質問はナータがしているから、そのうちには謎も解けるだろう。
心配されるのは嬉しくて、逆に心配にもなる。
自分よりも他人を優先させてしまう。>>+86>>+90
そんな兄であり姉だから甘えながらもハラハラすることが多くて。
どこまで続くか、この連鎖]
会いたい人……。
こちらで気になる人も、いるにはいるけど。
[ナータに言われた言葉を思い出して息を吐く。
喰らいはしなかったが殺しあってしまった人とは、ついぞすれ違ったまま、ここまで来てしまった。
今もって何を話すのかと言われれば困るには困る]
[そして、部屋から出る。人が居なくなり静まり返った元宿屋
ああ、もしかしたら、この元宿屋ぐらいはこの事件によって使われたことを少しは喜んでいるかもしれないなどとも思って]
ぁあ……ナターリエさんが…
[開け放たれた扉より覗いたそれをみて、死んだのか。なんて今更気づきながらも、階段を降りる。
そんな中、こんな風に律儀に歩く必要があるのだろうかなどとおもった。とはいっても見た目上黒い泥が張ってるようにしなみえないが]
かわいい、なんて言ったら怒られるかしら。
[少年の様子>>+94にポツと零して口許を手で覆う。
笑みを隠すその仕草。
隠れたくちびるは緩やかな弧を描いている。
笑み浮かべ向けられた言葉には頷きを向けた。
ライヒアルトの紡ぎ>>+96が聞こえれば]
いるなら、探してみる?
[噂の当人がまさか自分の躯をみているとは知らず
首を傾げて問い掛けた]
[階段を降りるとそこはまるで違う場所でした。なんてこともないのになんだかしょんぼりした。
せっかくなのだからちょっとぐらい変わったことがあってほしかったのだ]
―広間―
[気を取り直して、カウンターに触れてみたが、これといった感触も帰ってこない。
まあでもいいか。理由は知らなくてもこのまま消え逝くよりはお得かな。と思いながらふらふらと玄関のほうへと向かう]
─灯台傍─
[赤を吸う度に唇が同じ色に染まり、まるで化粧をしているかの様相へ。
ゲルダの身体をしっかり抱き締めて、左手でゲルダの右肩を撫でた]
悲しい?
………悲しいって、なんだっけね。
[アーベルの問い>>36に、きょとりとする女性のような顔。
オレは答えながら小首を傾げた。
姉さんと呼ばれても、もはや厭う反応もなく。
重ねられる問いに少しばかりオレは考える素振りを見せた]
……オレは、どっちでもいーよ。
誰がしんでもいーし、オレがしんでもいーし。
『場』を作る条件の「人」のうち、残ってるのはオレ一人。
護る者はね、エーファだったんだよ。
だから味が違った。
[フォルカーの言葉>>38にも答えるように、オレはエーファのことを語る。
知らない振りをしていた『場』についての知識。
外の同胞から教えてもらった事柄。
オレは言葉を紡ぎながら、視線を天に向けて軽く本紫を細めた]
オレさぁ、『場』が出来た時点で生き残るのは諦めてるんだよね。
オレ達人狼が生き残れる確率がものすごく低いのを知ってたから。
それでも色んな奴喰いたかったから、隠れて来たけど。
[衝動に抗うなんて出来なかったから。
死を免れないと思ったから。
だったら最期は美味いものを喰ってやろうって。
そう考えて]
『場』がもう崩れてるのかは分からない。
でもオレを殺せば確実に『場』は崩れる。
そうだよね?
[問いはアーベルに向けて。
コイツは色々知ってるみたいだったからな。
願いを聞くなら>>37と聞いて、天を向いていた本紫がアーベルへと向かう]
ふぅん?
でもどんなお願いか聞かないとどうするかなんて判断しにくいよ。
まぁ、聞いてあげても良いけどね。
[また首を傾げる様子は、アーベルには少女のように見えたことだろう。
オレはもう自分でも生きたいのか死にたいのか分からなくなっていたから、どちらでも良いというような雰囲気を出す。
望まれればきっとその通りにするだろう。
ゲルダを離すこと以外だったら]
[半ば独り言のつもりだったから、ナータに問われて驚いた。
それから少し悩む態]
うん。でも。
何かが聞きたいとか、そういうのじゃないし。
[その人の立場を奪って他の人達を欺こうとした。
謝りたいとか、そういう単純な気分でもない。
ただこう、もやもやと奥に残っている何かがあるだけ]
―灯台―
[予兆はいっぱあった気がする。
だから、それが人狼であっても、その言葉に嘘は感じなかった]
やっぱり、そっか。
エーファは祝福されてたか。
エーファ、だけ……
[なぜだか笑みをこぼしていた。
二人を最初に分けた、自分になくて、エーファにだけあるもの。
真に知識を知るなら、自分にもその片鱗があることを知ることもあったのかも知れないが、表にでないそれを知ることはない]
[ゆるっと頭を巡らせる。
深緑は結局また岬の方に向いた]
行けば、いるかな。
[何を聞かなくても。その人がどんな風に在るのかを見ることができればそれでいいかもしれないと、そんな風にも思ったり]
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