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ほんとうけ?
[手を持ち上げる。]
[小石をじっと見る]
[小兄を見ることは出来ず]
じゃって、ふうれんにいさま、やさしうて。
お歌も上手じゃし。
鞠も上手じゃ。
おら、ふうれんにいさまのこと、好きじゃけぇ、
無理しとったり、おつらかったりしたら、悲しいんじゃ
[ぽつり]
[呟くような言葉]
[さらさら、さらさら]
[川の音が大きく聞こえた]
〔近くには、くうるりくるくる、かざぐるま。
遠くには、ぐうるりぐるぐる、みずぐるま。
風に揺られて、水を廻らせて、それぞれに。
真白の海の中に咲く色は、
臙脂に濃色、それから紫苑に深紫。
草の緑と川の音は心を落ち着かす。〕
[呟くような言葉に、紅緋はまた、まばたく。
不思議そに、不思議そに。
それから。
くすり、とこぼれる笑み]
ねいろは、優しいのだね。
[返す言葉は、何故か揶揄めいた響きを帯びて]
でも、大丈夫なのだよ。
風漣は、そういうものだから。
[曖昧な、曖昧な言葉。
それと共に、立ち上がり、ひょう、と鞠を空に投げ、受け止める]
こういうものは、餓鬼の頃から得意でしてねえ。
[笑み佩いたまま、立ち上がり、片手のかざぐるまを差し出して]
ひとつ、お持ちになりますか?
おらは、優しくなんてなか……
[小兄の言葉を否定して]
[まるで先のねえさまのよう]
[そんな言葉に見た先で]
[高くたかく、鞠があがる]
ふうれんにいさま……
おら、ほんま、にいさまが好きよ?
おやまあ、童の頃とは。
何かしら思い出しにでもなったのかな。
[差し出されたそれを見遣り手を伸ばす]
せっかくだから、頂くとしようかな。
此方は花の冠を作ったことはあるけれど、
其方の風の車は作ったことはないからね。
やさしいよ?
[ゆる、と首を傾げつ、言って。
再び、ひょう、と鞠を空へ。
回る、まわる、鮮やかなる朱と金の紋。
次がれた言葉は、聞いているや、否や。
紅緋が向くは、ただ、華の紋]
それはお目出度い、
と言うべきなのかしら。
[こてりと首を倒して、くるりと回す風車]
此方は未だに霧の彼方、
深く深く煙る白の向こうに。
多少晴れて来はしたようだけれども。
おらは、ちがうんよ
おら……
おらは、
[投げられた鞠の行方は追えず]
[手のなかにある石をみて]
やさしいんは、ふうれんにいさまじゃぁ
[やがて摘むものもつなぐ言葉も何もなくなり。
ふ、と小さく息を吐けば思い出したように梔子の布を解く。
すっかり編み癖のついてしまった髪を解けばそれこそ波のようにふわりふわりと夜の風にあおられよう。
その髪を一房つまみ上げて蜜色はそれを眺めていたけれど]
…。
[ふい、と髪を後ろへと投げやり同じように頭のてんこで布でまとめた。
そしてゆるりと立ち上がる]
[伸ばした手に、華の紋を受け止める。
紅緋の瞳は、どこか困ったよな光を映そうか]
ねいろの方が、優しいよ?
[くすくすと、笑う。
それは、楽しげにも、哀しげにもとれようか]
心次第か。
確かに、その通り。
何方に向いているかは知らぬけれど。
[紫黒は同じように二つの色へと向けられて]
はてなさてな、
濃色の童はわからぬけれども、
臙脂の童は小ねえさまがどうだとか。
なにゆえ、鈴の音に応えたのだろうかね。
おらは違うんよ
[川のせせらぎ]
[笑い声]
ふうれんにいさま……
お歌、うたってけん?
[それを止めたくてか]
[それともただ聞きたくてか]
[口にして]
……違うの?
[それは、童には意外にも思えてか。
笑いは静まり、不思議そな言葉が転げ出る]
唄?
……よいよ。
[続く音彩の言葉に、ゆる、とまばたいて。
こくり、頷き、てん、と一度鞠をつく]
ひいや ふうや
みいや ようや
いつやの むさし
ななやの やくし
ここのや とおや
[響く唄。
鞠をつく、音。
霞揺らめかす風は運ぶか、幼き声を]
[なにゆえ、との言葉には、けらりと笑い]
さてさて、神隠しに遭うて帰らぬは、現と縁の薄い子でしょうかねえ?
いや、子供だけとは限らぬやも。
[悪戯めいて、女を見やる]
[雅詠の前をまっすぐに抜けていく。
襖をぱたんぱたんと開けてゆけばそれはそのまま反対側の縁側へと続く。
そこまですれば満足だったのか、月の明り煌々と落ちる板間の上で空を見揺れば白く細い手が太刀の柄へとすべり、そして──すらりと抜く。
ひと ふた み よ 。
音律はなく、かといって歌も無く。
ただそれは緩やかに太刀が月の下の空気を切り取っていたから舞とわかるようなものだろう]
違うん
じゃって……おらは、
[しかし、続きは口にのぼらず]
[てーん]
[つく鞠の音に、やさしいこえ]
……みいや ようや
[小さくちいさく、口が動いて]
……ふうれんにいさまの、お声、好きじゃぁ
[途切れた言葉は届くや否や。
紅緋はひょう、と空へ舞った華の紋を追う。
伸ばした手は、それを確りとかき抱き]
舞弥のにいさまの他に言われたのは、初めてだ。
[くすくすと、楽しげに。
ごく何気なく、誰かの名を紡いで]
はてなさてな、
縁が薄いのかも知れぬし、
未練がないかも知れぬね。
[三日月の如くに眼を細めてくすくすと]
けれども、それが好く思い出せぬというから困りもの。
[終わった歌に、今度はようやっと、その姿を見ようか]
[鞠はしっかり腕にある]
にいさま?
ふうれんにいさまも、にいさまがおられたの?
[小さく首を傾げて]
[その姿を見上げ]
本当に、困っておいでなのですかねえ?
[零れる声に、肩を竦めて、しかし咎めるふうもなく]
さて、そろそろ夕餉を頂きに戻るとしますか。
あやめ嬢はどうします?
[問いかけて、軽く首を傾げる]
[投げられた問いに、ゆる、と首を傾げ。
何か、想うように紅緋を伏せる]
……うん。
舞弥のにいさま。
風漣を、お守りしてくれ……た。
[意識の霞、その淵に。
ゆらり揺らめくは面影か。
露草色の髪の、若人の姿が揺らめいて、消えて]
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