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だって、
だって、
[部屋に引き戻され、優しく諭されても尚も言い募ろうとしたが。]
・・・・・・っつ、
[一層増した蒼花の熱がそれを押し止めた。]
[アマンダの声。
それは、全く違う誰かに、昔言われた言葉を思い出させ。
続けて感じた、衝撃と、痛み]
……って……。
[ぼんやりしていた意識が、僅かなりとも覚醒する。
蒼の瞳が、瞬き。
ぶつけられる言葉]
……俺…………。
[ぐるり、見回す。
いつの間に、こんなに人がいたのかと、ぼんやり考え]
…………ごめん。
[ぽつり、と。何に対してかわからない謝罪が、零れた]
[広間の中、シスターがイレーネに話しかけているのを視界の端に捉える]
[外から銃声が聞こえてくれば、不思議そうに窓の外を見る]
銃声・・・
訓練でもしてるのかしら・・・?
[ようやく事態の深刻さに気がついたようだ][扉の外に向かう]
でもっ…!
[それでも尚、食い下がろうとし視線を落とせば、ぽたりと足元に血が落ちるのが見えて。]
アマンダさん、怪我、して…。
[剥がれぽたりと血を滲ませる彼女の指を見る。][そうすれば少しは冷静さを取り戻しただろうか。]
[すでに脈は止まっていた。
いや、見た目だけでそれは理解していた筈なのに、それでも...はそうしたかった。
ほんの僅かな希望ではあったが……。
それを振り払うように、大きく首を振ると...は強引に意識を現状に戻して、アーベルの手をとって立ち上がった]
戻りましょう。
どちらにしても、この場にいるのは危険ですから……。
[血を流して倒れている人をそのままにしていこうとする倫理観が、大きな罪悪感となって襲ってくるが、その感覚を強引にねじ込めて、その場で戻ろうと主張しているアマンダやマテウスと一度だけ視線を交えた]
……っぷは、
[意識と視界が、僅かながら鮮明になった。
音を捉え、形を目にする。近くに在った、幼馴染の姿も。
滴り落ちる水を袖で拭いながら、男に抱きとめられた少女の傍へ歩み寄る]
リュー、
リューディア。
僕が、わかる?
[平静になるように務めて、声をかける]
……。
[傍にあった手を掴む。
震えていた手は、静かな声に、優しい声に少しずつ治まって]
あ……シス、ター…?
[今の現実を認識した途端に走った頭痛。
握った手に些か強い力が篭った]
はい、今は…。
[手を握ったまま、ゆらり、と]
[痛みにか熱さにか顔を歪めた少女に、また声をかけようとして、男は近付いて来た青年に振り向く]
リューディア、ほら友達だぞ?
[彼が呼んだのと同じ呼び方で少女の名を呼び。そちらを向くようにと姿勢を変えて促す]
[外にいたはずの自衛団員の姿は見当たらない]
あら、みなさんどこに行かれたのかしら。
[辺りを見回して][次に何かの音が鳴るのを待ち、耳を澄ませている]
さっさと戻れ!喰い殺されてぇのか!!
[硝煙立ちのぼる銃を持ったまま怒鳴る。
指し示す先、
集会所の明かりだけが、
死に冷え切った世界のなかで唯一あたたかい。]
ううん、平気。
[アーベルの謝罪に返した答えは、彼女からの回答か、
それとも彼の祖父に代わってのそれか。彼女にもわからない。]
ミハエル君が手を引いてあげて。一応ね。
ブリジットは私といらっしゃい。
四人居れば人狼は襲えない。
ただの狼は襲ってくるかもしれないけれど、
それは「紳士」にまかせましょう。
ブリジットさん、今この暗い中で治療しようとしても、まともに見えません。
戻って落ち着く場所で治療した方がいいと思いますよ。
[先程までのトランス状態から一変して、理性が体を支配すると、途端に死体の側である認識が恐ろしいものに変化した。
だから、自分のためにブリジットを促した]
……ああ。
だいじょーぶだいじょーぶ。
[ブリジットに怪我を指摘されれば、軽い調子で笑った。
いつものように、朗らかでいることが、自分のつとめだ。]
あとで消毒、してちょうだい。
[諭すような声と、怒鳴り声と。
それらは皆、同じ言葉を投げてきて]
……もど……ろ。今のうち……に。
[小さく、呟くように言って]
大丈夫。一人で、歩ける。
この程度で、参ってたら……父さんに、怒られちまう……。
[ようやく正常に戻ったアーベルを確認すると]
ふん。そんな謝罪も後だ後。そろそろ新しい食事を狼どもも求めだすだろうからな
いくぞ。
[有無も言わせぬ口調で言って、周りの人間を見渡し]
走れ。走ったら止まるな。振り返るな。
お前らの背後は俺が守ってやるよ
[銃声に身を竦ませ。][その向こうにいる狼らを見。][マテウスがアベルを殴るのを見て。][身を強張らせ。]
[ミハエルが『誰か』の手を取り、その命の流れが止まってしまった事を確認したのが見えた。]
[全てを理解したわけではなかったが。][アベルの様子と。][血の海に倒れた、見覚えのある血に赤く染まった服の色が。]
[ぼんやりと何が起こったかを連想させて。][謝罪するアベルが。無事な事にはほっとした。]
[むせ返る血の匂いの中で。][酷い事だけど。][ほっとしてしまった。]
大丈夫よ!
いまそっちにいくから!
銃を持っているなら、狼を見ていて頂戴!
[エーリッヒにそう怒鳴り返して、
アーベルが足を進めるのを確認すると、集会所へと*歩き出す*]
エーリッヒさん、今から戻りますから、先導をお願いします!
[自分を叱咤するために、そう叫ぶ。
それでも近くにマテウスがいるから、そう願える分冷静だと自分で感じた]
[身体はハインリヒがしっかりと支えていると言うのに、視界がぐらぐらと揺れる。
熱いのは肩か、頭か、それとも他か。それすら分からない。]
・・・・・ぁ、
[何処か遠くで呼ぶ声が聞こえた。
ぼんやりした眼が一瞬だけ、焦点を結ぶ。]
ユー、リィ?
・・・・・よか、
[微かに笑みが浮かんだだろうか。そちらに向けて、手を伸ばし――
それが届いたか認識する前に、少女の意識は*途切れた。*]
[短刀を一つ懐から出し
エーリッヒを横から狙っていた狼の額を狙って投げつけて命中させると]
エーリッヒ!前は任すぞ!
[五感は昂ぶり心は冷静。いい状態だ。巨剣を肩に担ぐようにして持つと凄みのある笑みを刻み、彼らに行け。と促す]
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