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─二階・祭事泊まり込み用の部屋→シャーロットの部屋─
[箪笥の中から比較的新しい寝間着を発見して、すでに寝かされているシャーロットの元へ運ぶ。着替えを自分がしていいのか悩ましく、結局彼女の衣服の襟元だけを緩めて、枕元に寝間着を置いた。少し考えてから、デボラとミッキーの言葉とアーヴァイン殺害死の旨をメモに書留め、寝間着と共に置く。]
…あたしはどうしよう。
アーヴァインが殺された今、家に戻る機会は最後になるかもしれない。人狼事件の記録が──あの親父は兎も角、ママなら。
[海辺の夜闇は深い。]
[カミーラの言葉を反芻し、頭の中で自分の言語に戻して、間違いがないことを確かめる。
そしてカミーラに、それがここでは『霊能者』と呼ばれる能力であること、同じ力を持つとネリーが主張しているが、その能力の持ち主は一人しかいないはずであることを伝える。
さらに、『霊』や『狼』といった単語も彼女が自分で使えるよう、口に含んで説明した]
[彼は、デボラが「霊」や「狼」と英語で含めるように言って聞かせているのを見ている。
ネリーの視線を感じると、そちらを一度見た。]
何…かしらね。
[窓を背にして窓枠へ軽く腰掛ける。
さっきの声は何だったのかと。デボラがカミーラと話した内容は何なのかを訊ねてから、帰る*つもりだ*]
さて、婆の口から伝えたものかねえ……
他にだれぞ、この娘の言葉が分かるものはいないものかい。
この海から来た娘の言うことには、自分も霊の行方が見えるそうだ。
先ほどの叫びはアーヴァインの断末魔で、狼ではなく確かに人だったそうだよ。
つまりは働き者の娘さん、あんたのライバル登場ってことさね。
[人狼はニ匹に、狼の声が聞こえるものが1人。
見えるものと、死者の声がきこえるものが、一対ずつ。
見えるものは、ミッキーさんとデボラお婆さん。
声が聞こえるものは、ネリーさんと、カミーラさん。
そして、デボラお婆さんが見えるものであるなら。
あるいは、違うのなら]
…ねえ、あなた本当?
デボラさんが嘘を吐いて通訳してくれてるとは思わないけど…。
ねえ、そうなら私もっとあなたと話さないといけないわ。明日、お屋敷から辞書を借りて来る。
旦那様は居ないけれど、ミッキー様にお願いすれば良いと言って貰えるだろうから。
あなたが嘘を吐いているのなら、人狼かも知れなくて…他の人狼の事を知ってるかも知れないのでしょう?
[カミーラへ言って
窓枠から背を離して夜闇の中を、屋敷へ駆けて行った。コートはミッキーへ掛けてしまったので*寒かったのだ*]
[>>71ユージーンの言葉に戸惑い、頭を振って]
亡骸と狼は関係がない。
人であろうと狼であろうと、魂を弔うのはあんたたち墓守の仕事さ。
……そうだと、思っていたのだけどね。ああ、モーガン、あんたはどう思っていたんだろう。
鬼の出る墓場の守り人を、ただ一人で受けたって。
婆はただ、狼が現れたから『狼狩り』を始めるのだと思っていたよ。
そうなのか、もしかして違うのだろうか。
人が狼を招き、狼狩りが始まるのか。人から生じた鬼のため、惨劇を繰り返すのか。
嘆きの島の鬼たちが……いや、それとも……この婆が望んだというのだろうか。
むかしむかしの、再来を……
……すまない、疲れたよ。今夜はもう休ましておくれ。
[老婆はだんだんと声を震わせてうつむきがちになり、やがて大きく肩を落とした。
そして就寝を告げると、なおぶつぶつと自問自答の世界に陥ったまま居室へと*去っていった*]
[いつの間にか、自分が違う服に着替えていることに気が付いて、ワンピースの襟を訝しげにつまんでみた。
きょろきょろと周りを見回し、さっきまで着ていた白い夜着と、男物の外套を見つける。
外套を抱えて、ユージーンのところへ行き、それを差し出した。]
[彼は、デボラの後ろ姿を見送る。]
おやすみなさい、お婆さん。
[また机をじっと見ていたけれど、カミーラから外套を差し出されると、少し笑って受け取った。]
[立ち去り際にユージーンの声を聞き、驚いたように振り返る。
彼の声ではっと現実に呼び戻され、我に戻ったようだった]
なんだい。墓守の坊や。
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