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元が不安定存在ですから、俺は。
これでも大分、落ち着いてるんですよ?
[冗談めかして返す。指摘された事は、己自身が最も良く知る所だから、それ以上は何も言わずに。
それから、返された言葉。それに、す、と異眸は細められ]
……見解は一致、ですか。
[小さく呟いた後、ぽむ、という感じでイレーネの肩を叩き]
俺は、あなたを信じてますよ、精神の同族。
……『対ならざる対』殿と、同じく、ね。
[最後の部分は、イレーネにのみ聞こえるような小声で呟かれ。
そして、異眸は屋敷の喧騒へと*見守るように向けられる*]
怪我人も、対を無くして不安定な者もいるんだし、ついでに、肝心のミリィさんが置き去りになってるよ。
もう少し落ち着いたら?
[リディとハインリヒの顔を鋼の瞳が見つめる]
[加熱する水掛け論に、私は髭の男へと近づいて指先を伸ばす。
落ち着くようにと、服を引こうとする指先は、少し震えて]
……少し、落ち着かれては。
このままでは、話が進みませぬゆえ…。
[口を押さえる茶の髪の少女の様子へと視線を投げてから、男を見つめる]
[ユリアンの言葉に「おっと」と言いながら左手で口元を覆って]
どっちにしろ他の連中にははっきりと説明出来ねぇんだろ。
対だから、それだけで説明がつくとは思えん。
[もう一つの対、精神から聞いた情報であるが故に]
とにかく、俺が得た情報はミリィが機鋼竜の協力者であると言う事。
それに嘘偽りは無い。
[はっきりと、皆に伝わるように告げた]
そんな曖昧なものと一緒にするな。
俺の風は絶対だ。
[これは、虚勢。ここで負けては護るものも護れなくなる。人間を恐れると聞いていた天聖の者が自分に近付き、震える指で服を引く様子に気付けば]
…ああ。
少し、頭を冷やす。
[左手を額にあて、大きく息を吐いた]
[手を軽く叩かれてハッとした。
ごめんなさいとかモゴモゴ言いつつ、でも離しそこなった]
…うん。
どっちにしても、落ち着いて欲しいの?
[力ある者達の激昂。
ちょっと揺れている周囲の空気に少しだけ干渉しつつ]
それぞれの力。
分かりやすく説明するのは簡単じゃないもの。
[それは自分もだから。
上手に説明できているとは流石に思っていない]
……、
[精神の竜の声]
[眉間に刻み込まれる皺]
[他者の会話も耳に入らぬ様子で]
わからない。
[もう一度][同じ言葉を繰り返す]
[ハインリヒとリディが、一応落ち着いたのを見てから、ミリィに一歩近付く]
さて、ミリィさん。
あなたを挟んで、他の方が言い争うのは、あまりにも意味が無い。
だから、僕から尋ねます。
機鋼竜に、会ったことはないんですか?
[その身の帯びる雷撃の精霊力が、翠樹の力を宿す少女には伝わったろうか?]
痛みを隠して言っても、説得力無いだろ。
そんな事ばかりしてると、いざと言うときに信じてもらえないよ?
[人間界の御伽噺にあったね。冗談めかしてけらりと笑う。
続く言葉に、ゆるりと相手へ視線を向ける。
肩に触れる手にも気を留めず、ゆるりと瞬いて]
――、それは、嬉しい言葉だ。
時を司りし我らが同族、君からの言葉は。
[呟かれた言葉の意味と、触れる先の「声」に事を悟ったのか、
ゆるりと屋敷の喧騒の先へ視線を向けて]
[騒ぎの中心となっていた場所から一歩引くと、玄関の横の壁に凭れ、しばらく口を噤む。何か会話があれば耳を傾け、自分の中で情報を整理するだろう]
[いつもと違い声を荒げてしまったのは、対である属性が消えてしまったが故か。会話が終わった後に若干気まずい雰囲気が漂う玄関前から、風を纏い宙へ舞う。そのまま屋上へと上がれば、天球儀の壁に凭れ、ずっと持っていたリンゴに*齧り付いた*]
[うーん、と軽く唸っていたが]
……この世に絶対なんて存在しないんだよ、ハインリヒ
[その一言はやけに冷たく響くが、すぐにもとの困ったような声になると]
それに、私が機鋼竜に協力するメリットって何?
えーと。何が言いたいか、言わなくても分かる、よね?
[そう言って、ハインリヒに問いかけ。]
[アーベルの様子に、小さく苦笑する。
すっごく考えてる、けど多分]
……わからないか。
[だと思った。だって、他の人にでもたまに
判らないって返って来るから。…アーベルには、難しい気がした。
このリンゴをくれた人だから、少しだけ寂しいけれど。]
でも、オレにとっては、違うの。
だから、アルが来るまで、待ってる。
[へらりと、小さく笑って]
[ばちん。雷撃の精霊力を感じながら、ジッとユリアンの瞳を見返していたが]
……ありません。会う理由がありませんから。
[そう言って、にっこり。]
なぜ、笑うんです?
[じっと見つめたまま、一瞬、不思議そうに首を傾げ]
いや、失礼。
判りました。あなたは、機鋼竜に会ったことはない。そして協力もしていない。そう言うんですね?
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