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「……マ、マリー……。はやく……。逃げたのはいいが、おそらく、あいつはすぐそこに……」
[カリカリと扉を引っかく。それは必死に抑えようとする焦りのせいか]
[あ、お互い様か。と"鳳凰"には納得。
そうして疑問に短く返し、駆け出す背を見送り]
はあ、無茶をねぇ…って無茶ぁ!?
あんのアホ、さっきの今や無いか!
[もちろんvsヒビキと現状の何かのコトです。
懇願とかすこーんと抜けて、慌てて追いかけてみたり]
[九尾の手を引き、寮へと向かう通路を歩く]
………そう言えば璃佳があっち行ったから属の補完しないと。
[これからやりあうってのに、とか思ったのは内緒。力の一部を属の維持へと回しながら、更に歩み進む。少し後に寮が見えてきて]
さて、何号室なんだろう。
[そう言えば自宅生なので寮とかさっぱり分かりませんでした]
――素直だねえ。
どいつも、こいつも。
[ やがてその両の手に収まるは、一対の戦輪。
幅を持った輪の外周は鋭い刃、
円の一部に備えられた持ち手を握り、
を一気に踏み込み、開かれた距離を詰める。
先ずは右の輪で胴を薙ぐ。
身を半ば捻り、勢いをつけた一閃 ]
[玄関の鍵を外し、ドアを開けようとノブに手を触れたところでピタリと止まる。]
…………ねぇ、ヒサタカ。『アイツ』って誰?
[その声は、動揺と焦りと不安と希望の入り混じった声色。]
…んぁ?
[集中していたからこそ。音というか気配に気づいたのだろう。誰か一人また来たようで]
もしかして…もう来たのか?
[来た。ということまでしかわからず、誰かが来た場所。草原へと向かう]
「アイツ……? アイツは、アイツだ……。あの薄汚い……狐野郎……。グゥ! ヤバイ、近づいてくる……。はやく……はやく助けてくれ……」
[致命的なミスをしたとも知らずに、マリーに呼びかける]
[頭に血が上ると痛みを忘れるんは仕様(学習能力以下略)です。
ちょいと遅れて追いかけていったらば、遠く見えるは錫での一撃]
ちょーっとストップストップ!
ミックんトドメさすんは全部終わってからやて!
[止めてるんだかなんだかわからん声を上げ、会長さんを引きとめようとしてみる]
キツネ……やろ、う? 薄、汚い……??
[ポツリと呟く。おかしい。『本当の』ヒサタカならそんなこと、言うわけがない。
ヒサタカは確かにあの子を守りたい、と言ってたのだから。]
……そっか。やっぱりヒサタカ、呑まれちゃったん、ダネ。
[ドアから手を離し、悲しそうな顔でポツリと呟く。
その声はドアの向こうにいるヒサタカ(複身)に聞き取られるか。]
[森から草原へ。遠目から見ると、錫杖で殴ってる生徒会長と、それをみて璃佳が止めてるような(そう見える)光景。何を言ってるのかまでは聞こえてはいない。
更に接近すればそれがミツクニであるとわかり]
ぁーー……大丈夫すか
[心配する両名とは温度差があるのは仕方ない]
素直で悪いか?
和を知る以上、ひねくれ続けるわけにもいきませんて、ね!
[相手は予想よりもう一段早かった。
ギ、と歯を食いしばりながら、左の爪を腹の前へ。寸前のところで刃を滑らせ受け流す。ギィンという鈍い音]
っと!
[一撃の重さに小さく眉を顰めつつ。流される勢いのまま身を翻して、裏拳のように右爪を肩口狙って振るう]
(気配が引いた――?)
[複製の視界に意識を飛ばしていた悪しき心は、扉からマリーの気配が離れた事に舌打ちした。本物のヒサタカは心の中でもがいている。従って複製は彼の思考を読み取って、悪しき心が脚色したのだが、どうやら綻びがあったということか]
クソ! だが、今役立たずは力を使い果たしているはず。そのまま押し切れば俺の勝ちだ!
[複製の手を動かし、ドアノブを回転させた。
あっさりとノブが回ったのを確認すると、そのまま部屋へ押し入ろうと――]
[怒れる会長の後ろから顔を出したものの、裸眼でよく見えません。
なので少し(会長に)怯えながら、側に寄って傷口を覗く]
ぅっわー、また派手にやられてんなあ。
今度は誰になん?
[言いながら近づく気配に顔を上げ、キョウヤに手招き]
あ、キョウヤんちょうどいいところに!
このアホの傷抑えられへん?
うち土やからなー、逆に力引っこ抜きそうでな。
べっつに?
宜しいんじゃありませんか。
[ ぶつかり合い、此方の右腕も後ろへと流されかけ ]
それで痛い目に遭うのは自分だろうしな。
[ 爪の振るわれる先を見定めると、
退くのではなく、また一歩先へ、
そして深く身を沈めて足払いでのバランス崩しを狙う。
金の煌きを抱いた爪が、傍で風を切る音が聞こえる ]
[ドアノブが捻られ、ドアが開かれようとしていることに、ハッとする。あ、そう言えば、鍵までは開けてた!!]
ひっ!?
[恐怖に引き攣った声を洩らすと、部屋の奥の方へ逃走。
だが、体力の戻りきっていない身体では逃げ切ることなど出来ようはずもなく、部屋の隅に追い詰められるか。]
……嫌。嫌だ、来ないで。
[尻餅をつき、ガクガクと震えて迫りくるヒサタカを見上げる。]
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