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−Kirschbaum−
[アマンダはドアベルを鳴らし扉を開ける。
一つ纏めた長い髪を揺らし店内へと入れば、漂う血の香りに首を傾げ]
…おはよう、ダーヴ。
まだ、調子悪いの?
[血は止めたはずなのに、と不思議そう]
ん、…いや、だいじょぶ……。
[片目だけを開けて、ぼんやり答える。
額に巻かれた包帯には、僅かに血が滲んでいた。
痛むのと眠いので、ぼんやりしている。]
そっか、ならいいや。
ここなら、美味しい食べ物もあるし、ゆっくり休めば直るだろう。
[アマンダはダーヴに頷いた。大丈夫との言葉を真に受けたようだ]
…ハーヴ、いつもの…
[カウンターに声を投げ掛けたところで、階段の方から何かの音と、乱れた微かな――翠樹の気配]
ティル…?
―南通り・宿の一室―
[暖かな陽が差しだした。同じ建物の中からここ数日感じていた、流水の気配は無い。]
[朝の陽に誘われて、部屋の隅を動く、小さな影。
ねずみの類だろう。素早く横切ったそれを、追った目の光りは一瞬だけ、獣のもの。封じ、いまは容易く解き放つ事の出来ぬ場所に在る、本性のもの。]
[手の中に形作った、薄い氷のダガアを投げる。
小さな命は貫かれ、僅かの血を流した。
まだ息の残るそれを拾い上げ、口許へ運ぶ。
人を装うための食事でも、精霊としての力の補充でもなく、本性の求めを癒すための、摂食。]
[アマンダは確かめるようにダーヴィッドを振り向くも、彼は既に怪我を癒すための眠りの中へ。
無言のままに階段を駆け上がれば、そこには蹲るような小さな姿]
…ティル! まだ起きては…
[膝を突いて、身体を支える。
上と下、どちらへと迷い、監視の目と食事が得られる階下へと]
―南通り・宿の一室―
[床へ落ちた血を、凍らせる。凍結してしまえばそれは摘み上げることも剥がすことも、捨てることも可能だ。]
[濡れた髪を拭い、身なりを整えて宿を出た。
広場を通って西通り、Kirschbaumへと向かう。
教会が見えたとき、少しだけそれを仰ぎ見た。]
[アマンダはティルを、ダーヴとは別のソファーへと寝せる。
辛そうな様子に、何か甘味を口に運ぶ手伝いをしたかもしれない]
…ダメだよ。
休むべき時に休まなくては、
動くべき時に動けなくなる。
[苦言はそれだけ。
言葉が返らなくても、黙って髪を一度撫でるだけで。
自分も何か力の元を得る為に、ハーヴへ甘味を*注文するだろう*]
―教会/夜―
[ユリアンがティルを連れていく様子を横目に、自分もふらりと外にでる。
思う所は多々あれども。
それは、確たる形を結ばない]
……少し、頭冷やすか。
[呟いて。
足を向けるのは、北]
―Kirschbaum―
[戸をくぐる。小さな鐘の音が出迎えた。]
…いつから此処は野戦病院になったのだ。
[ソファーを占領する二人は、どちらも襤褸襤褸で意識も無い状態。とてもでは無いが、喫茶店の一画とは思いがたい光景だ。]
[王の店先で――と言い掛けたが、王その人とアマンダに軽く宥められ、溜息を吐くだけ。]
…よくこんな場所で甘味など口に出来るものだな。普通、女性というものはこういった血生臭い輩の居るところで食事をとる事を嫌うものだ。
[アマンダの手元へ目を移し、また溜息。]
―北の遺跡/夜―
[静まり返った夜の遺跡にふわりと現れ]
……彼は一体、何をしてましたかと。
[感じとった血の匂いに、ぽつりと呟く。
顔を合わせたら、問答無用の小言、決定]
[ともあれ今は、と陣を展開する。
書、そのものの力を辿るのは難しく。
また、影輝のように均衡の乱れを辿る力は彼にはない。
ならば、どうするか]
……移ろいを辿る……か。
[時の流れの中の、微かな力の移ろい。
その違和を、読む。
それならば、見付けられなくもないだろう]
大きな変化ではなく……小さな移ろいを。
[呟きに応じて。
鎖が舞う]
[ソファへ横たわり、無惨な姿を晒す(その寝顔に危機感は皆無で、また別の意味で無惨だが)ダーヴィッドの、額に巻かれた包帯。そこにも血が滲んでおり、乾ききらない血は乱れた髪とは違った色で、その下の傷口がまだ開いたままである事を示していた。]
[それを見たミハエルは少し、眉を顰め]
[ソファへ身を屈めて、血糊で額へへばりつくダーヴィッドの髪を剥がしはじめる。]
[包帯を解くと、血の止まる様子もない傷口。
抑えていた物が無くなって、流れる鮮血。
立ちあがる香りは甘露。]
[傷口に指を当てる。額を撫でるように、指先でなぞる。
傷口に溢れる血は、水。
凍らせてその流れを止める。]
[力あるものが立て続けに隔絶されたためか、町の中の力の移ろいは大きく。
その一つ一つを辿り、違和を探す。
書ほどのものを隠すのであれば。
いかなる手段を用いようとも、その瞬間には移ろいが生じるはず。
それも、自然ではない、移ろいが]
…………何?
[やがて、捉えた違和。
それが閃いた場所は]
……取りあえず……後で、場所の記憶を辿る……か?
[一つ、息を吐いて空を見上げる。
色の異なる瞳には、やや翳りめいた色]
ともあれ、もう一仕事はしないとな。
[呟いて、再び鎖を舞わせる。
崩れた均衡を正す術は持たないが。
そこから生じる歪みの時に干渉し、*そのうねりが暴れだすのを遅らせるくらいはできるだろうから*]
[ひとたび止血が終わった事を確かめる。
(彼は火のちからを持つものだから、やがて氷も溶けるだろうが)]
[包帯を解いた際に溢れた血が、額からこめかみへと伝っている。ソファへ落ちそうなその雫を、指先で拭った。ミハエルが自分の指を口許へ運んだ小さな動きは、アマンダやカウンターの方からは見えなかったろう。まして舌先で唇を拭った事も。]
[片手で頭を持ち上げ、もう片方の手で器用に包帯を巻いてゆく。始終空きっぱなしの口の中も凍結させようかと思ったが思うだけに留めた。]
…シャワーを浴びる程度の分別も無いか。
[溜息を吐き、カウンターへ。
ミハエルのまだ注文していないにも関わらず、既にアイスティーはカウンターの*隅の席へ。*]
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