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―中央ビル一階広間―
『お、これまた美人なお姉サマ。はーぃゴメンね美人サン。
流石に後先考えずに突っ走る猿みたいな事、旦那だってするつもりないから安心してネ。』
[剣は元からそのつもりもないのか、揶揄を含んだ言葉で気軽にオクタヴィアそう告げた。
つまりここで暴れるのは猿以下よ、と暗に言われれば、渋々といった様子で主の棘はゆっくりと引いてゆく。本当まぁヤレヤレと、剣は無い肩を竦めた。
とりあえず大丈夫かと判断したら、ローザの返事に紐は揺れる。]
『こっちこそご丁寧にどもネ。
白雪の坊ちゃんでっかいねぇ、可愛いねぇ。』
[動物好きなのか、いつも以上に上機嫌な調子で剣は現状を楽しんでいるようだった。]
『ふーん、嬢ちゃんはそうなのネ。』
[招待された、と告げられた部分に、へーと感心した様子で呟きながら。傷云々に関してはけらりと剣は笑った。
一瞬、『だよねー。女の子には傷無いほうがいいよネ』と、双方に言える言葉を投げようとしたが、内包された意味を理解できるのは主だけだったので、残念ながら言わずにおいた。]
『旦那はともかく俺ヤダまだ使われたくナーイ。
とりあえずごーはん!ごーはん!』
おまえが飯主張してどうすんだよっ。食えない癖に!
[駄々っ子のような剣の主張に、主の毒気はだいぶ抜けてしまったようだった。]
─中央ビル・一階モニタールーム─
はい、その通り。
『片翼鴉』でございます。
[探るような視線を向けるロミに、軽口めいて返すのはもう一つの通り名]
ああ、全体的に女性の方が多いからな。
今回たまたまこうなのか、それとも『遊戯』自体がこういうモノなのか。
ちょっと突っ込んでみたい気がする。
[軽い言葉を返してくるエルザには、大げさなため息とともにこんな事を言って]
ああ、生憎と途中からしか見れなかったんでね。
『総帥』閣下が動くとこなんて、普通には拝めんのだし。
[問いには、頷きながら肯定を返した]
「ギィンギィンギィン」
おぉっ!?
[だが、放たれた銃弾は黒犬の毛に阻まれ、すべて弾かれる。
そのことに少し驚愕し、突進への反応が僅か遅れる。]
うわっ!! くっ!?
[何とか横に転がりかわすものの、肩口を少し切り裂かれた、
だくだくと流れ出る血を手で押さえつつ、だが、その口元はますます三日月に歪む。]
これはこれは。君を少々過小評価してしまったようだね。
上方修正。きみはカテゴリEだ。
[楽しそうな声でそう呟くと、腰のホルダーからスッと一枚のカードを抜く。]
さて、お詫びもかねてキミにはもったいない代物だが特別に振舞ってあげようじゃぁないか。
[そう言っている間にも、次は確実に仕留めんと黒犬は3度目の突進を敢行する。]
─中央ビル一階・広間─
休息に使う場所を壊されてしまうのは困るのですけれどね。
わたくしは構いませんけれど、他の方はそうも行かないでしょうから。
[朧紗にはそう返したが、殺気の元凶である男が持つ剣の言葉ににこりと微笑む]
それならばよろしいですけれど。
それにしても───。
[言葉を一度途切れさせ、鶸色は片目の男を見遣る]
随分と短期間で整形したものですわね? クロイツァーさん。
[呼び名は端末にあったもの。笑みを向けながら呼びかける]
――中央ビル・1階モニタールーム――
[エルザの言葉に頷きを返す]
それは助かるだよ。
オラ、訳のわかんねえ事だらけで困ってるんだよな。
[参加者たちの優しさに、今更ながら感謝の念がこみ上げる。
尤も、『優しく』されるのは『ナメられている』ことと同義であるかもしれないが。
今は素直にその親切を受け取っておく事にした]
ほー、『片翼鴉』さでも気になるだね。
あの人――『総帥』の戦いは。
[ライヒアルトの軽口を受けながら、その言葉に大きな瞳を瞬かせる。
恐らく自分とは違い、明確な理由を持った『気になる』なのであろうが]
折角だし、オラも同じモン見ようかねえ。
[同意するように言って、部屋の中へと]
―一階・広間―
あらあら。
可愛いって、白雪。
外のひとに言われるんは珍しなぁ。
[娘の楽しげな声にも、虎は警戒を解いてはいないが]
あぁ、招待でない方もいらはるんでしたっけ。
その様子やと、グリズはんたちはそちら側なんかな。
[剣主体のように言って、緩く首を傾げる。
隠された言葉は知らず、ただ漫才のようなやり取りにくすりと笑った]
ふ…フフ。
ちょっとこれは予想外。
[アーベルの答えに虚をつかれたような顔になり。
それから口元を押さえて笑った]
なるほど、それはそれは。
最初から遠慮なく行くわけですね。
折角のお申し出ですけれど、青の死神に払えるほどの報酬は持ち合わせがありません。
それに、私は目立たないといけない理由も実はあるので、守られているだけでは都合が悪いんですよ。
[最後は気まずそうに頭を下げる]
ごめんなさい。
仕事として来てるのかをちょっと探ろうと思っただけだったの。
誠意を踏みにじってしまったわ。
─中央ビル・一階モニタールーム─
意図があったとすれば全員女性で揃えているでしょうし、たまたまだとは思いますが。
ここで実はライヒアルトさんが女性でしたといわれるならば、意図を感じますけどもね。
[くすりと冗談交じりの言葉、返答に対する答えには]
過去記録でしたらそちらで見れるようです。
[ロミに示したのと同じ端末付のモニタを示す。
ロミの返答をもらえば返すのは優しさを含んだ笑顔、
本人に他意は無いただの親切心からくるものなのだが、ここでは異質なのかもしれない。
目の前の少女は特に疑うこともしてないようだが。]
ええ、それではこちらに。
[自分も部屋の中に戻りロミを端末の前に促しながら、ライヒアルトに視線を向けて]
一緒に見ていきますよね。
―一階・広間―
幸いなことに、その心配もなくなったようでんなぁ。
[女性にのんびりとした声を向ける。
直後聞こえた言葉に、小さく瞬いて男を見る]
─中央ビル・一階モニタールーム─
[エルザとロミのやり取りに、何となく毒気が抜けるなー、などと考えつつ]
そりゃあ、気になるさ。
別に、『青の死神』みたいに戦いたいわけじゃあないが……滅多に表舞台に出てこないお人だからねぇ、『総帥』閣下。
[瞬くロミにさらりと返し]
言われて見れば、意図的ならそうか。
……って、残念ながら、性別はオスに分類されております。
[エルザの返答に茶化すように返しつつ、モニタ示されたなら、常磐緑をそちらへと向け]
ああ、別に、一人で見たいわけでもないしね。
[視線を向けられれば、一つ、頷いた]
─中央ビル・一階モニタールーム─
そうですね、先ほどでてきた総帥さんが本物かどうかそれすらも知る術はないですから。
もっともアレで偽者なら、本物はどれほどの人なのかとなりますが。
[ロミとライヒアルトの会話にそんな言葉を交えて、
こちらに返ってきた言葉にはくすりと笑みをひとつ。
同意の返事を受け取れば、ロミに端末の操作のしかたを説明する]
こちらで起動しまして、
検索できるようになりますので、場所と日時で絞れます。
他にキーワードでも、こちらの原理は解析してませんが近しい映像がいくつかでますよ。
─中央ビル一階・広間─
別に…腕の良い医者ならゴマンといる。
誰かにどうこう言う事でもないしな。
[いずれ早いうちに知られると、鴉の忠告が効いていたのか。
動じる事なくそう答え、面倒臭そうに鶸色の視線から顔を逸らした。]
『旦那回復とか早いからネー。』
[剣はあんまし喋るとボロを出すと思ったのか、簡単に一言だけ添えた。]
『えー坊ちゃん可愛いって言われない?
さっき端末データ見て、ここいら周辺に生息してるだろーって変な化け物とか嫌ってほど眺めた後だから、可愛さヒトシオよー。』
[言った後、続いて出てきたローザの言葉に、おぅドストレートととか思ったものの、ぷらんぷらん紐を振ってから適当に暈した。]
『いんや、俺らも招待側?まぁ招待っつーか命令っつーか。そんな感じー。』
[主はお前が何とかしろ、と言わんばかりに無言だった。
くすりとしたローザの悪意の無い笑みに気づけば、主の不機嫌度は、またやや上がっていく。]
――中央ビル・1階モニタールーム――
[エルザに促されるままモニターの前へと向かう。
彼女の意図がどうであれ、親切は素直に受け取るつもりであった。
自身の思考力に関しては、端から諦めているのもあるが]
そうか、そうだよなあ……。
こんなすごい『組織』の長だもんなあ……。
[ライヒアルトの言葉に頷く。
『総帥』を直接目にしたのは1分にも満たない時間であったろうが、それでも彼の圧倒的な『力』は伝わっていた]
『力』って、戦闘の力だけでもないもんな。
オラには想像もつかねえ。
[言いながら、それでもその『力』の一端を見るべく、モニターに目を向けた。
エルザの説明通り、日時と場所から先程の戦闘を検索し、それらしきものを見付ければ再生の操作をする]
[迫り来る巨体にも彼女は笑みを崩すことなく、手にしたカードにひとつキスをすると十字架の上部にあるカードスロットにそれを刺し込み、スライド。]
「FORMRIDE CCCCCCCCCLAW!!」
[電子音とともに十字架が形状を大きく変え、まるで巨大な獣の爪のように変形する。
その時分になって黒犬も本能的な恐怖を感じたようだが、時既に遅し。
ぐわっと爪を振りかぶると、迫り来る黒犬を容赦なく叩き潰した。
ぎゃんっという呻き声を上げる黒犬を今度が掴んで持ち上げると、サディスティックな笑みを浮かべ、]
…………ぐしゃっぼたぼたぼた……
[そのまま『握り潰した』。]
……いくぞグリズ。
『へ?あはーい、4階ね。階段あっち側。
そいじゃ嬢ちゃん坊ちゃんお姉さま、まーたあーとでー。』
[これ以上ここに居るのは色々と面倒だと感じたのか、主は広間を出て、食事の取れる場所へと向かっていった。
剣はひらりと手を振るかわりに、飾り紐をゆらんと愛想良く*揺らしていった。*]
―中央エリアビル街―
…ありがとう。
[戸惑った顔で頷いた。
請けている仕事がある以上、それを頼むことは絶対ありえないが。このまま甘えてみたくなるのはどうしてだろう]
でも、戦うことになったらその時は手を抜かないから。
そのつもりでいてね。
[なぜこんな余計なことを言うのだろう。
首を左右に振って意識を入れ替えた]
大物と戦った後でお疲れでしょう。
お邪魔したわ。またね。
[そう言ってアーベルに背を向けた。
無防備だったと思うのは一人になってからのこと*だった*]
─中央ビル・一階モニタールーム─
確かにね。
あれだけの気迫背負ってるのが偽だったら、それこそ本物どーなってんだ、って話だ。
[エルザの言葉に、刹那、交差した深紫を思い返す]
単に、戦闘力が高いだけなら、これだけ大規模な組織を、長年維持できるはず、ないからねぇ。
[ロミの言葉には頷きながらこう返し。
その手によって再生される光景を、異眸を僅かに細めて、追う]
……念動障壁……とはまた、違うのか?
[弾かれる最初の一撃の様子には、こんな呟きをもらしていたり]
─中央ビル一階・広間─
[朧紗ののんびりとした声には笑みを返して。片目の男──ヴィリーの返答には軽く首を傾ぐ仕草。チリリ、とイヤリングが鳴る]
……そうですわね。
変わろうとも特に問題はありませんわ。
それで仕事がやりやすくなるのでしたら、貴方の利となるのでしょうし。
[変わる、の部分には別の意味も含まれていたが、気付く者は居たかどうか]
回復が早くて何よりですわ。
こうして『遊戯』にも参加出来たのですしね。
[そう返した後、ヴィリーと剣は立ち去るようで。引き留めることなくその後ろ姿を見送る。手を振ることは無く、笑みを向けるのみだったが]
―広間―
あぁ。
そう言うたら、途中にも大きい犬が倒れてましたなぁ。
[納得したように両手を打った。
虎は変わらず金の視線を向けるのみ]
ふぅん。
[信用したのかしていないのか、続きに返すのはそれだけ]
─中央ビル・一階モニタールーム─
TOPにたつべきものに求められるのはさまざまですからね。
大きな組織ほど特に。
[そんな言葉を漏らし、
端末を操作するロミには笑顔]
飲み込みが早く助かります。
[3人でモニターを眺めながらライヒアルトの呟きに]
映らないほどの高速で弾いてる、というわけではなさそうですかね。
どちらかといえば不可視の力、映像には見えない力でしょうか。
周辺にゆがみは感じないことから空間事態に作用を及ぼすよりは…
[分析するような言葉、考え込むように視線は画像に向けたまま]
[べしゃりと黒犬だったものを投げ捨てると、巨大な爪はがしゃがしゃと元の十字架に。
とそこで、腕から血がダラダラ流れてるのに気づき。]
おっと。いけないいけない。
ああもう本当に人間の体って不便ですわぁ。
[言葉の割には楽しげにそう言うと、簡単な応急処置だけして上機嫌に中央ビルへと戻っていった。]
[ユーディトが見えなくなるまでその背を見送った後、自らも踵を返した]
[と、その場に屈み込んで小石を幾つか集めると、おもむろにそれらを円形に並べて置き始めた]
[一分弱後にはそこには小さなストーンヘンジが完成し、そしてアーベルは何処かへ*消えた*]
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