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[立ち止まっている姿を自警団に見つかる。
それは先程工房に来た一人で。
今までどこに居たかを語気強く聞かれた]
…てめぇの脳味噌はついさっきのことすら覚えてないのか?
工房からの一本道歩いてたよ。
……そもそも何があったってんだ。
[騒ぎの原因が分からず、逆に自警団に訊ね返した。
返って来た答えは、ギュンターが何者か──明らかに人とは思えない相手に殺されたと言う事。
その話を聞いてあからさまに眉を顰めた]
…ふん、それで俺を疑ったってことか。
アンタ頭に血が上って忘れてるかもしれないが、俺はさっきまで工房に居た。
そこからアンタらを抜いて村の入り口まで行くのはちぃと難しく無いか?
[そう言い返したのに返って来たのは、人狼ならばありうる、と言う言葉。
それには苦々しく表情が歪んだ]
…容疑者に変わりは無いってことか。
ともかく、俺はやってねぇ。
……いい加減飯食わせてくれよ。
[盛大に溜息をつくと、何か叫ぶ自警団を無視して歩き始めた]
[自警団にまくしたて、その隙に宿の中へと入る。自分の後をつけていたティルには気づかないまま]
よぅ。
[口から出たのはいつもと変わらぬ挨拶で]
[闇の中に浮かび上がる、酒場の明かり。
きい、と音をたててそのドアを開ける。
見慣れた背中が立ち上がりかけるのが見えた。]
……エーリッヒ様。
[ドアに手をかけたまま、安堵の息とともに、彼の名を呼ぶ。]
え、わっ!?
[扉が開いてミリィの顔が見える。
ホッと安堵の息をついたら途端に手を引っ張られ、数歩もつれかかりながらも中へ。掴まれた手首に痛みを感じたがそれは隠して、ただ促されるままに部屋へと通される]
無事だったのなら何よりです。
ああ、絵を描く邪魔をしてしまいましたか。
[どこか力なくも、笑みと取れるものを浮かべて。
さてどこまで伝わっているのだろうかと悩む]
なら、痣くらい我慢するといい。
[エーリッヒに返す言葉も、また軽い。
その間に外から話し声が聞こえて、顔を動かした。内容までは掴み取れないが、自衛団員同士の会話にしては、少々、荒い]
誰か、来たかな。
[呟きと同時に、扉が開かれる]
ああ、バウムさんか。
[追いかけてはみたものの。何事もなく宿にたどり着いた]
…あー…狼だとしても、そう簡単には尻尾ださないよなぁ…
[自分で自分の浅知恵にあきれはしたものの。
自警団員と話して中に入っていくハインリヒを追いかけて、宿に向かう。
気がついた自警団員が何か言っているが、無視して素早く中に入った]
こんちはー。
[女将さんや中の人に挨拶をしつつ、中を見る。
ブリジットの作っている果物の塔に驚きつつも、お目当てのハインリヒの近くの席に座る]
ハインリヒのおっちゃんもこんにちはー。
[笑顔を作って、挨拶をした]
…大丈夫よ、姉さん。
何もしないで居ると、色々嫌な事ばかり考えるのだもの。
[大人しく休んでいるよりも、動いた方が気がまぎれると思い、
それに…あの自警団長をあんなふうにしたバケモノが隠れているのならば、見つけなければならない。
そう思って客席へ出ると、テーブルを拭き始めてみたり。]
あら、ブリスせんせ。
…塔は、天目指し積み上げるほどに揺らぎ、
倒れる事を恐れて地へと並べれば、それは塔にはならず。
…そういうの、でしたっけ?
……我慢するにしても、手首を痛めたら、ピアノが弾けんだろうが。
[アーベルの軽い言葉に、真顔で返し。
それから、呼びかける声を捉えてそちらを振り返る]
ああ、ユーディ。
[刹那、掠めたのは安堵の色か]
……騒ぎが起きたから……どうしたかと思ったけど。
そっちは、何事もないみたいだね。
ん、ああ。
しかし塔は容易に崩してしまってはいけない。
木の棒で成った塔ならともかくもだ。
そう、ともかくも!
[アーベルに話しかけられると、そんな事を言いつつも]
そうだな。そういえば喉が渇いた気もする。
何でもよい、貰おう。
[頷いて答え、ざわめきに続く戸の開く音にそちらを見る。ハインリヒの姿に]
やあ、今晩は。好調かい。不調かね。それも事実。
ブリジット=フレーゲがお邪魔しているよ。
[次に入ってきたティルやユーディットに向けても手を振った]
で、噂をすれば――ってところかな。
随分、賑やかになったね。
[次々に入って来る面々に、そんな事を言いつつ]
厭なら面倒臭がらずに防衛手段を講じろ、
しなかったなら報いと思って我慢しろ、って、
言ってるだけですけど?
[真顔で返される場違いな言葉にも、口が減る事は無い]
[にこにことしたまま、オトフリートの正面に座る]
―――無事?
それは、私が人狼に襲われなかったってこと?
それとも、私が人狼だと思って、誰かに殺されていないかってこと?
[笑顔のまま、すらすらとそう告げた]
[つかつかつか、とエーリッヒの元まで歩いていく。
周りの客のことは見えていない様子。]
ああ、ユーディ。
じゃ、ないでしょうこの馬鹿ご主人様っ!!
[一気に声のボリュームをマックスにして怒鳴る。]
人がどれだけ心配したと思ってるんですか!?
[既に宿にいた数人から挨拶があり。一人一人、誰がいるのか確認をしながら挨拶を返し席に着く。後から入ってきたティルが珍しく自分の席の傍に座るを見て]
よー。ティル。俺のすぐ後に来たって事は…結構近く歩いてたのか?全く気づかなかったが。
[それとなく様子を見て]
村の奴らにひでーこととかされては無いみたいだな。…しばらくは一人では出歩かねーほうがいいぞ。めんどくせー話だけどな。
あ、わりーが煙草吸わせてもらうぜ。
[OKかどうかの返事は待たず、煙草を咥えて火をつける]
ならば、此の世は何より成った塔でしょう。
[ブリジットに目を向けると、彼女に話しかける姉の姿が見えたが、敢えて声をかける事は無く、頷きに了解の意を返して、奥から酒瓶を手にして戻って来る]
ワインは神の血、とも言われるんでしたか。
[卓上にグラスと共に、それを置いた]
[奥から出てきてブリジットに話しかけるノーラの姿を視界の隅に止め。
多少なりとも落ち着いて見える様子に、微かに安堵の息を漏らしつつ]
……はい、そこで理屈をごねない。
ま、今後度が過ぎるようなら、それなりに対処する、って事で。
[アーベルにむけて、こう返しておいた]
[あまりにもさらりと告げられた言葉にこちらが息を飲む]
ああ、ええ。
どちらも、でしょうか。
[しどろもどろな答え方]
私も冷静とは言い難いですが。
自衛団員を始めとして、皆殺気立ってきましたからね。
まぁ、無理もありませんが。
一人で居るのは危険です。
塔は希望の象徴であり絶望の象徴である。
力の証明であり無力の証明である。
崩れないからこそ塔であり、崩れるからこそ塔なのだ。
それ故に!
存在する限りは、祈る事だよ。
[テーブルを拭くノーラを眺めながら、その問いに語るよう返し。空いている方の手を広げ掲げてみせ]
[向けられた怒鳴り声に。
思考停止、数秒。
緑の瞳は、どこかきょとり、として]
あ……ああ。
……すまなかった。
[間を置いて零れたのは、こんな言葉]
そだね。
ギュンターのおじいさんが殺されちゃったんだもんね。
みんなが信頼していた人が……いなくなっちゃったんだ。
みんな……怖いんだよ。人狼が。
……私も、怖いよ。
あの強かったおじいさんでさえやられちゃったんだもん。
……先生も、怖い?
如何こう言う前に、他人に叱られないようにしたら?
[眼差しにも声にも、笑みを含んで言う]
言われても言われなくても解らないんだから、
たっぷり言ってやるといいよ。
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