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[湯上り、いつもの様に身支度を整え紅を引く。]
……さて、と。情報が足りなさ過ぎるし、こちらの情報も伝えておかなきゃ、ね……。
―→廊下―
[マイルズの部屋に向かう途中で、前方に何か気配を感じて僅かに身構えた。
だが、その気配が昨日シャロンの備考をお願いした相手であると気付き、すぐに戦闘態勢を解いた]
……姐さんか?
―自室―
[記憶は束の間過去へ飛ぶ。
まだ幼く生きていくのだけに精一杯だった頃。
ボスとなる人物との出会い。
ただ害となるばかりだった力の制御を学んだこと。
そして]
ああ、あの時も珍しく白羊のが表に出てきたんだっけネェ。
他の皆が混乱して、獅子のを手に掛けて。
[思い出す高揚感、口元が吊り上がる]
いや、何を言ってるんだか……。
[だが、その言葉の意味は十分に理解していた]
……大体、裏切り者の跋扈を防げていない時点で、俺等だって同罪ってもんだ。
だから、謝罪なんざ意味ねーってよ。
それより、さっきシャロンがやられた。
エドガーが自分で殺したって言ってんだが、そのおっさんの言だと、シャロンが裏切り者だったらしい。
[そう前置きして、先程の検死結果を疑問点を報告した]
この状況で会っても大丈夫そうなのは…。
[暴走は辛うじて止めている。
だがもしものことがあってもその影響を受けないであろう人物は]
白羊のか、ディーノだろうネェ。
天秤のボーヤと会う前に聞いておくか。
[ゆらりと立ち上がり、部屋を出る]
わかってるのだけど……それでも、ね。
[軽く肩を竦め]
……へぇ。シャロンが、裏切り者って……。
[聞かされる幾つもの疑問点を自分なりに頭の中で整理してゆく。]
─自室─
さて……いつまでも、こうしてらんない、な。
[小さく呟き、身支度を整える。
それでも、漆黒の翼は広げたままで。
その様は、死を告げる天使のそれとも見えようか]
そろそろ、動かにゃならん訳だが……。
御方に仕掛けるのは、どうしたもんか。
二対一になる可能性……やってやれん事は、ないだろうが。
[やはり、不利は否めないな、と。過ぎるは微かな苛立ちか。
だが、その苛立ちも、扉の向こうから聞こえる声に、かき消され]
っと……。
ああ、いるけど?
[御用ならどーぞ? と。返す声は、いつもと変わらぬ軽いもの]
[考えているアヤメを少し見つめた後で、...はそっと彼女の耳元に唇をよせた]
これから、俺はミュウのところに行く。
もしおっさんとミュウが共犯で、尚且つこっちを混乱させるために、わざと殺し方を変えていたとしたら、ミュウは抑えておかなくちゃいけねぇ。
……もし、俺が戻らなかったら、悪いけど姐さんとマイルズで動いてくれ
邪魔するよ。
[応えがあれば遠慮なく扉を開き、中へと入る。
後手に扉を閉じて、窓辺に立つ部屋の主に笑いかける]
どうした、空でも恋しくなったかい。
[入ってきたミュウに、やー、と言いつつひらっと手を振って]
ああ、ちょっとばかりね。
自由に飛びまわれないのは、イロイロと辛いんですよねぇ。
[冗談めかした口調で言いつつ、くすり、と笑い]
んで、何か御用かな?
[『……私がオーフェンの部屋にたどり着いた時、オーフェンの部屋から出て行った人物はその場にいたもう1人じゃない、って事かしらね。幻術の類でも使っていない限りは。
そもそも、なぜエドガーはシャロンを裏切り者と断定したのかしらね?
まー、限りなくエドガーが胡散臭い、って事には変わりないか。そっちから攻めてみましょうかね?』
そんなことを考えていた時、聞こえたレッグの言葉に顔を上げ]
マイルズ、ね。彼は……信用しても大丈夫?
というかね、戻ってきなさい。これ以上こちらの駒が減っちゃ辛いわ。
オーフェンも…違ったしね。
ああ、ちと確かめたいと思ったのさね。
アンタの言ってた「簡単に割れる方法」という奴の結果だよ。
それは白羊のが裏切っている、と示したのかい。
[軽く漂う香気。
目を細めて問い掛ける]
勿論、アンタの真実は即ちアタシの真実となる訳じゃない。
だが現状で手がかりの無い身としては、手持ちのカードを増やしておくべきだろうかと思ってネェ。
ああ、その話かぁ。
[軽く言いつつ。
微かに感じる香気を払うように、軽く、翼を動かして]
ま、誤魔化しても仕方ないから、はっきりお答えしましょ?
トキノカミの過去視……Chronosの力がオレに見せたのは、白羊宮の御方が裏切っている、というコト。
そこに至る過程までは知らない。
ただ、その過去から続く螺旋が、現在(イマ)を作った。
オレに言えるのは、それだけ。
信じる信じないは、キミ次第、だね。
成程ネェ。
それならあれだけ敵視してても不思議じゃない。
[手の中のリボンの質が変化する
固い感触に変わったそれを手元に引き寄せて]
マイルズは気が付いているようだったかネェ。
他の誰かにそれを言ったかい。
まあ、そゆコトかな。
[不思議じゃない、という言葉に、ひょい、と軽く肩をすくめて。
続いた問いには、僅か、碧に陰りが走ったか]
ああ、マイルズくんは、聡いしね。
誰かに……か。一人、話した。
キミと同じように、聞きにきたんでね……まさか、直球で突っ込んでくとは思わなかったけど、な。
[零れ落ちる、ため息。
片手がコートのポケットの中へと滑り、中の物を軽く、握った]
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