情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 5日目 6日目 エピローグ 終了 / 最新
[1] [2] [3] [4] [5] [6] [7] [8] [9] [10] [11] [12] [13] [14] [15] [16] [17] [18] [19] [20] [21] [22] [23] [24] [メモ/メモ履歴] / 発言欄へ
[どれくらい眠っただろうか。
桜の花びらが鼻をくすぐって、目が覚めた。
膝の上にいた筈の猫は、そこから降りて脇に丸まっていた。
手を伸ばし、そっと胸に抱く。
少し、お腹がすいたかな、と思って立ち、店の中へと入っていった。]
-→Kirschbaum 1Fへ
―Kirschbaum・喫茶室―
[階下へ降り、店主にチキンカツカレーの特盛りを注文。
ついでにそこで、金髪の楽士が消えたことも伝えられる。]
…そうですか。
[スプーンを咥えて思案顔。]
[カウンターで店主と話をしている赤毛の男を横目に、いつもの隅の席に座ってコーヒーを待つ。
話している内容は、聞き取れるような聞き取れないような。]
[席を立ち、(ちなみに、しっかりカレーを完食してからだ)
その銀髪の女性の前へ行く。]
…猫、好きなのか?
[どう切り出すべきか迷って、選んだのはこんな言葉。]
[窓からの光が翳る事で、初めて目の前に人が立ったことを知り顔を上げる。
目の前に、先ほどまでカウンターに居た赤い髪の男がいた。]
…好き。
猫に限らず…動物は、好き。
[言って、再び猫に目を戻す。
黒猫は、ひとことも発さずに膝に座っている。]
…貴方は、嫌い?
[もう一度ダーヴィッドを見上げ、首を傾げた。]
割と好きな方かな…。
やわらかいし、あったかいし。
もう少し愛想よければなお良いんだが。
[猫に手を伸ばし、首のところを撫でようとする]
[彼女を満たし、包み込む力の気配。
それが、生気とか活力とか呼ばれるものなのだというのが漠然と判る。
それだけじゃなく、世界の全てが、ほんの少し違う感覚で伝わってくるようになってきては居たが、
まだ慣れぬその感覚をうまく自分の中で言葉に出来なかった。]
[ダーヴィッドが伸ばした手を、黒猫は不意に体をひねらせて地面に降り、ひらりと避けた。]
…嫌われた。
[ほんの少し、口の端を上げてダーヴィットの顔を見上げた。]
[その笑顔をじっと見て、やはりどことなく似ていると感じる。
消息を絶った娘を案じる、穏やかな方。
命を育む母の力を統べる竜。]
君は、自分が何者なのか…知ってる?
[静かに問い、見つめる彼の目は、縦に切れた爬虫類の瞳。]
…何者か?
[聞き返すと、彼の目に少し驚く。が、それは一瞬の事で、すぐに無表情に戻り]
…知ってる。
母は気高き種族と、
人は「バケモノ」と。
[小さく、それでも目をしっかり見返しながら言葉をつむぐ。]
[一度目を閉じ、瞳は擬態の小さな円に。]
…確かに、人間からみたらバケモノにみえるんだろうな。
“俺達”の力は、あまりに大きいから。
[“バケモノ”。
その言葉で彼女がどんな扱いを受けてきたのかなんとなく判って、目を伏せる。]
「俺達」…?
…あぁ、貴方、も?
[言って少し首を傾ける。]
力は、大きいの?
良く、分からない。
竜の力を使った事は無いから。
[貴方も?との言葉に、頷く。
使った事が無い?…自覚がないのか、それとも…違う異質な力を持っているのか?
未熟な火竜にはそこまでは判らず。]
あぁ。その気になれば未熟な俺でも…この街くらいなら。
だから、人の世へと出向く竜は、掟と刻印に縛られる。
俺達の力は、世界の流れを守り、歪みを正す為にあるから。
[襟元を引いて、鎖骨の間の逆鱗に刻まれた、金の繊細な紋章を見せる。]
人の世へと出向く…
掟?刻印…?
流れをまもる?ゆがみを正す?
え…?
[次々と降り注がれる、分からない単語に眉をひそめる。
そして鎖骨の間の逆鱗から目が離せない。]
それは、何の話?
良く分からない。
[紋章をじっと見たまま、ふるふると首をふる。]
やっぱり、何も教えてもらって居ないのか…。
いきなり言われてもわかんねぇよな、うん。
[苦笑いを浮かべて、襟元を正す。]
君は、刻印を持って無い?
流れを乱す…?
[やはり、良く分からない、と首を振る。]
刻印……
[言われ、長々となやんでいたが]
…知りたい、と思う。
[ぽつりと言うと、突然カタリと席を立つ。
足元で丸くなっていた黒猫が、驚いて少しとびすさった。
そのまま彼女はぐいぐいとダーヴィットの手を取って階段へ向かい、自室へと入ろうとする。]
[自室へ入ると、後ろを向いて上着とシャツを脱ぎだした。
ダーヴィットが驚くのにもかまわず、そのまま後ろ半身をさらけ出すと、その首筋から背中いっぱい、二の腕までもびっしりと何か模様が刻まれていた。]
これの、こと?
[それは、ひどく不細工な紋章。皇竜ほどの力を持つものにとっては小さな紋章ですもうが、力ない竜がそれを施そうとすると、これほどのものになる、その証だった。
体の成長に合わせところどころ掠れ始めてはいるが、一応効力はあるようであった。]
[その白い背中に刻まれた、文様に目を奪われる。
たどたどしく、つたないが、丁寧に、思いを込めて描かれた封印。]
君の…お母さんが?
[はぐれた竜が、娘の為に、娘が人の中で生きられるように、自らの手で刻んだものだろうか?]
[1] [2] [3] [4] [5] [6] [7] [8] [9] [10] [11] [12] [13] [14] [15] [16] [17] [18] [19] [20] [21] [22] [23] [24] [メモ/メモ履歴] / 発言欄へ
情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 5日目 6日目 エピローグ 終了 / 最新