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[子供は祖父の夢を見た。
人狼何ているわけないさという歌を教えてくれた祖父は、
だけど人狼はいるんだと孫に言い聞かせていた。
子供はすとんとそれを受け入れて、
だから人狼はいるもんだと、昔からずっと信じている。]
(大丈夫だよじーちゃん、おれ、ちゃんと…。)
[目が覚めたら、何の夢を見ていたかすっかり忘れてしまったが。]
― 三日目/黒珊瑚亭・食堂 ―
[アーベル>>156の姿が目に入り、ほっと吐息を零す。
人狼に襲われるのが一人だけだとは思えないから、その無事な姿に安堵して。
ゼルギウスが運ばれて行くのをただ音としてきいていた。
目に灼きついた赤が鮮やかで、そちらに視線を向ける事が出来ず]
─ ゼルギウス死亡日の朝/宿舎 ─
[遅く寝たせいで、起きるのもすっかり遅かった子供は、
ナターリエが出かけたと聞くと、今度はロミを探した。
見つかればちょっとホッとして。]
おいロミ!黒珊瑚亭行くか?
[そう誘いもしたが、
見つからなければ鍋帽子を被って一人で宿屋へ向かう。]
─ ゼルギウス死亡日の朝/→黒珊瑚亭 ─
うぇ、また肉屋くせぇ…。
[今度は宿屋に入る前から、
血の匂いに気づいて足が止まった。
そろっと近づいて様子を伺うと、
玄関には赤い色が見えて、めいっぱい顔を顰めた。]
また誰か、ナタねーと同じ事したのか?
それとも、それとも…。
[また人狼だろうかと。
痕跡を睨むようにして、唇を結んだ。]
― 3日目・朝/黒珊瑚亭 ―
[お茶を配り終えたご主人は、予備のシーツを取って来て目立たない場所に立っていて。黙ったまま渡してくれた]
ありがとうございます。
[それを持って、玄関に続く廊下へと戻る]
エーリ、アーベル。シーツを持ってきた。
俺も手伝おう。
[改めて見る遺体の状態に喉の奥が詰まったような音を立てたが、今朝は手が染まるのを避けずに包む作業くらいは手伝おうとした]
─ 黒珊瑚亭 ─
もしも、お前が人狼を見つけた時は。
絶対、一人で相手はすんな。
こんな風に、食われちまうぞ。
[カヤの返答を待たず言葉を重ねると、耳に顔を近づけて]
…俺はお前が人かどうかは解らんけど。
お前のことは信じてる。
…俺がいなくなったら。
ユー坊とカルのこと、守ってやってくれ。
ユー坊は人間だし、カルは…
[そういいかけて、自分が無意識察した事を悟り。
はたと目を見張ると、すぐに伏せ]
― 三日目朝/黒珊瑚亭・食堂 ―
ほんと、だよね……
こんなことがあるなんて、知らなかったし……
[カルメン>>160に小さく頷き。
たしなめるような言葉に、ゆるりと瞬いた]
甘えるって……どうやるのか、よくわかんない、けど
むりしない、ように、する
─ 黒珊瑚亭 ─
…ユー坊もカルも、女の子だからな。
男は女より強いんだから、守ってやらんと。
[そういうと、いつものように笑って軽く背を叩いてから離れ。
次に視線を向けたのは、友に対して]
ユリ、ちょっといいか?
─ 2日目夕方/黒珊瑚亭自室 ─
[部屋には紙の上をペンが滑る音が響き続けて居た。
思考の整理と同時に行う、薬の処方の明記。
自宅には使い古した書物があるけれど、専門的な表記を避けたものをと]
[何があるかわからない、と、切に感じたのだ。
だから、其の時に、遺した人々が困らぬように。
次の薬師か医者が現れる迄の繋ぎに]
[其の思考も、唯の逃避であったのかもしれない。
誰が人狼かと考えたくなかっただけなのかもしれない]
[其れを裂いたのは]
……、?
[物音、と、声]
─ 2日目夕方/ゲルダの部屋 ─
[其処へと辿り着いた時には、既に数人が部屋に居た。
漂うのは血臭とすぐに察して、しかしすぐには動けなかった]
[部屋の中に踏み込んだのはヘルムート>>75やエーリッヒ>>97とほぼ同時。
専門では無い為に大した判断など出来はしない。
だが……深々と突き立つナイフの位置は確かに心臓。
瞳はもう、此方を見ては居なかった]
[エーリッヒに委ねられ>>98、紅玉はひとつ瞬きを落として。
けれど、知識が深いのは確かに自分だろうと頷いた]
[アーベルからの声>>107に頷きと共に寝台に寝かせ直すように頼む。
傷のひとつひとつを確認し、其の深さと向きから勢いを推察して]
[最後に。
躊躇いがちにナイフを引き抜いても。
鼓動を止めた心臓は紅を静かに零すだけだった]
― 三日目/黒珊瑚亭一階 ―
[玄関に歩み寄れば血の匂いは濃く感じられた。
遠目に見えるゼルギウスの遺体。
赤黒い虚ろが覗き、思わず視線を逸らす]
嗚呼。
また、言いそびれた。
[父が病床のおりに処方してくれた薬の礼。
言えぬままの言葉は心の奥に押し込められる]
―昨日の夕方・黒珊瑚亭―
[部屋にいくのはエーリッヒお兄ちゃんに止められた為、部屋の中をみることはなかったが、見ちゃだめだと>>98止められたために、何があったのかを察するには十分だった。
なによりそれからかけつけた皆の様子が、部屋からできたナターリエお姉ちゃんの様子が…、いろいろと物語っていた。
だから口をついて出た言葉>>80に、エーリッヒお兄ちゃんが謝る様子>>99を感じると]
ううん、エーリッヒお兄ちゃんは…、謝ることないよ。
[そう気遣う言葉を返しながらも、ナターリエお姉ちゃんのことはやっぱり心配だった。
最初に比べれば、こんな時だとしてもずいぶんと打ち解けて話せていると思う。お話もして、教会に送ってもらったりと、むしろこんな時だったからなのかもしれない。
意識的にもうゲルダお姉ちゃんの部屋のほうは見ないようにし、そこから離れる時に]
悪いのは……
[言いかけて]
ううん、悪口とか……、レディのすることじゃないよね……。
[言葉を飲み込み、部屋の方から離れた。子供の自分が何かできることは、たぶんないから…]
─ 昨夜/教会への帰り道 ─
…私の、義務、は…。
[カヤの問い>>152に見上げてくる瞳を見返す。
泣き腫らした瞳がほんの少しだけ滲んだもので揺れて。
カヤと、ロミも居ればロミにも視線を合わせ、口を開いた]
貴方達を、護ることですわ。
[淀まず紡がれる言葉は真を含み、信を乗せる。
この2人が他人の手にかかるようなことは、避けたくあった]
[その後に紡がれる、カヤなりに考えての言葉。
知る者よりも知らぬ者を疑いたくなるのは人の心理と言えよう。
彼の考えを耳にした後に追加された問う声>>153。
彼の考え方ならば、疑問も尤もか]
…では、カヤ君。
貴方がヘルムートさん達を怪しいと思うのは、どう言う部分からですか?
……私が判っているのは、カヤ君が人狼ではないと言うことだけ。
私は、誰を見ても、人狼らしいところを見つけることが出来ませんでした。
それでも、やらなければなりませんでした。
ゲルダさんには申し訳ありませんが……消去法で選んだと言うのが実際のところです。
[その消去法の理由は、自分でも手をかけやすいと言うものが大半を占めていたのだけれど。
そこまでは口にせず。
視線をカヤから外すと、悼むように瞳を伏した]
わ、わたしも……私だって立派なレディだから、がんばるから…。
[でも続けた言葉はナターリエお姉ちゃんにとって喜ぶことなのかどうか、その頑張ることで得る結果を考えれば、微妙な言葉だったかもしれない。
それ以降、返す言葉は少なく、教会につくと祈りをささげるというナターリエお姉ちゃんのことが心配だったけども、自分が余計に心配かけるともっと負担になるから…、結局それに何もいえないままその日は分かれることになった]
─ 三日目朝/黒珊瑚亭・食堂 ─
そぉねぇ……ぼくも、思ってなかったわぁ。
[この状況も、自覚した役目も。
これまでは想像も出来なかったから、つい、ため息が落ちる]
無理しない、はいいんだけどぉ……もう、そういう寂しいこといわないのぉ。
[甘え方がわからない、という言葉>>164に、零れたのは先とは違う意味合いのため息。
それから、避けられないならつん、と軽く額をつついて]
……ユディちゃんは、ぼくと違って綺麗なんだから。
もっと周り頼って、寄りかかっていいと思うのよぉ?
[冗談めかした口調で言って、笑う。
少女が何者か、知る術は自分にはない。
生ける者の判別はできぬから。
けれど、亡骸を前に二度、崩れた様子は疑惑を向けるのも難しく。
願いも込みで、人であってほしい、とそう、思っていた]
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