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―二階・廊下―
[僅かに動く気配。
でも声は届いてくるほど大きくなくて]
困ったな。
これどうやって開けよう。
[ひとまず大きくなってみて、肩から体当たり。どん。
弾かれた。廊下に尻餅ぺたん]
むぅ…。
―館・展望室―
[時を遡り、大方の者が眠りにつく少し前。ベッティに「お守り」を渡した後で、男は約束通り、三階の展望室に向かった]
お待たせした。
[先に室内にいるはずのナタルに声をかけ、足を踏み入れると、座り込むその姿を見て、首を傾げる]
どこか?具合でも?
―個室―
[エーリッヒが部屋に入ってき………誰?
って、のぁ、やっぱエーリッヒかよ!
てな表情の変化はあったものの、あたいはエーリッヒをもふるとこまできたのさ。
じっと残骸見つめてたら、エーリッヒからどうした言われたら。]
お…マテウスから、もらった、お守り、壊れ、た。
[って残骸指差したんだ。
にしてもきれーに粉砕されたなー…。
普通なことじゃねえ、のは分かるぞ。これが普通なら、同じとこに着けてたハンカチだってこうなんだろうし。ハンカチは無傷で手にくるまってた。
入ってきたハルナには少し固まってたんだけど。
エーリッヒがあたいだって言っちまったから、色々腹きめてあたいは頷いたんだ。]
―展望室―
[ナタルが、注意を向けたなら、天聖の力の気配が、男の翳した手の平よりも、腰の剣の辺りからの方が強く感じられることに気づいたろう。剣の柄に象眼された、真珠色の少女の横顔を浮き上がらせた薔薇色のカメオも目に入ったかもしれない]
―館二階・ベッティの部屋―
ベチが〜…?
[エーリッヒの言葉首をこてんと、もう一人いた方に向いて、
この場所にいるのはエーリッヒと彼女だけなので]
ベチ〜……?
[そう首をかしげながら彼女の名前を呼べば、そうだと彼女から明かされて、
まぁなんか深くは考えずにそうなんだ〜と納得してた]
追っ払う〜…?エリ〜、すごいの〜…
ということは〜、エリもベチも〜、犯人じゃない〜…?
[こてんと、襲われたものと犯人から守ったもの、つまりは二人とも犯人ではないのだろうと思った]
─三階・展望室─
[呼びかける声に、落ちかけていた目蓋を持ち上げる]
あー……ちょっと、バランスが取れていないようで。
この環境では、已む無し、といえるのですけどね。
[三対が揃う状況でバランスが取れない、というのは、異質な事ではあるのだが。
顔を上げる仕種に合わせて散る白金の粒子に混ざり、それよりは淡い色の光が散った。
そこに微かにあるのは、陽光よりは天聖の気に近いもの]
そんなわけで、具合は大丈夫ですので……て、ちょ、まっ!
[上げた視界に映ったのは、翳される手。
上がる声には、らしからぬ焦りが乗った]
―ゼルギウスの部屋―
う うーん…
[意識は大分浮上して。
ずる、と体を動かして 扉の方へと移動する。
ずるずると 何かを引きずる音が響いた]
マティのおまもり〜…?
[ベティの指差した残骸の方に向いてから、ゲルダなら何かわかるかなと、でも無理はさせたくなくて]
むぅ〜〜……
[自分でそれに触れようとしたけども、自分にはそれに触れることができなかった。
正確には、触れようとするのを拒むように、それ以上手を近づけることができなかったのだが。
少しの時間の間固まったようになってから、手を引っ込めた]
─三階・展望室─
あぶ、な。
[直前で止まった癒しの波動に、はあ、と息を吐く。
もっとも完全に止まったわけではなく、僅かな波動は届き。
それを受けるように、色違いの光の粒子が数を増やした]
あー……これ、ちょっと、止めようないかも知れない。
[呟いた後、ゆっくりと立ち上がる。
紫の瞳は、剣の方へと一瞬向いて細められる]
お騒がせして、申し訳なく。
さて、と。時間には限りもありますし、本題と参りますか?
とはいえ、お伺いしたいことは、大分変遷しているのですけれど。
[それでも、問いかける時の表情は、舞手としての笑み]
―館二階・ベッティの部屋→廊下―
[先ほどよりも少し目を覚ました様子で]
とりあえず〜、ゲルに教えてくるの〜…
[ベッティの部屋を後にしようと、部屋の外に出て、
そこで廊下にしりもちをついているゲルダに気づいた]
ゲル〜……?
[首をこてんと傾げて、ゲルダに近寄り手を伸ばして助け起こそうとした]
―東の泉―
[逃げ出してからどれほどの時間がたっただろう。
あまり放置していても後々不利になるかもしれないとふと思い浮かんで顔を顰め]
――とりあえず用心しつつもどりますかねえ。
[呟き、ゆっくりとした動きで館へと向かう]
[部屋を出る前のこと]
ベチは〜…?
j……?
[首をこてんと傾げて、その後のベッティとエーリッヒの様子ににこにこと]
仲良しなのはいいことなの〜……
[楽しそうににこにこと。
エーリッヒは苦しんでいたような気もしなくはないけど、なんかそんなこんなでベッティのことについてはうやむやになった]
―個室―
……なんで、だろう、ね。
[残骸の匂いかいでたエーリッヒなら分かるかな?と聞いてみたけどどうだったかな。]
わ、たしは、違う。
[ハルナにも、あたいはそういってやったのさ。
…しっかし何回あたいはあたいじゃねーを言ったんだ?まぁしゃーねぇな。
エーリッヒがすげぇのには激しく同意して、こくこく頷いたんだ。
ってこらまた!むぎゅ。
縦皺の刑に処する。
まーちょっとで解放したけどさ…っと油断も隙もねぇな。
悲鳴がちょっと可愛い…じゃなくて、申し訳ないなとも思ったんで、その後撫でといたんだけどな。
ゲルダが来るってんで、あたいはベッドからは何とか降りたのさ。…ん、足動くな。]
―二階・ゼルギウスの部屋前―
あ、榛ちゃん。
ちょっと手伝ってくれるかな。
この扉、誰かが取手壊しちゃったみたいで。
[いちにの、さん、で打ち破ろうと、榛名の手を借り立ち上がる。
中で動くヒトへの配慮が少し足りなかったかも]
―展望室―
[癒しを拒む者も居るには居るが、あぶないと言われたのは初めてだな、と、考えながら、立ち上がったナタルを見つめた]
何が聞きたい?
[早速本題を、という相手に、こちらも端的に応じる]
―二階・ゼルギウスの部屋前―
[ゲルダを助け起こすと]
わかったの〜…
[ゲルダの言葉にうなずいて、いちにのさんとゲルダの掛け声にあわせて、
自分なりにはそこそこがんばっての体当たり、扉は開いたかどうか]
─三階・展望室─
ん……そうですねぇ。
最初にお話しを、と言った時は、この状況をどう見ているか、をお聞きしたかったんですが。
……色々と状況が変わってきているのと。
あと、ぼくの体質的な都合から、さっくりと聞かせていただきますね。
[ぎゅ、と何か抑えるように自分の腕を掴みながら、それでも口調は軽く、言葉を綴る]
……あなたは、何をなそうとしているのか。
如何なる『理(ことわり)』に基づき、己が道を定められているのか。
……ぼくは、それが知りたい。
[問いながら、視線が落ちるのは、剣を飾る薔薇色の方]
─館内二階・ベッティの部屋─
[縦皺の刑のお陰でベッティについての事は有耶無耶になり。
解放されると皺になった部分を撫でられる。
そうしながら榛名がゲルダに伝えに行くのを見送った]
うぅん、分かんないー。
マテウスの匂いもするけど、違う匂いもするだけー。
動物の匂いー。
馬かなぁ?
[残骸から鼻先を離すとぷるぷると首を振った。
人や動物の匂いは嗅ぎ分けられるが、それ以上の事は出来ず。
ベッドから降りる様子にベッティを見上げた]
だいじょーぶ?
歩ける?
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