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ははは、あの時見た姿が良いおとーさんっぷりだったからなぁ。
印象が強いんだよ。
[訂正するオトフリートに笑ってみせる。続く言葉を聞けば、その笑いはぴたりと止まるか]
妖精界〜?
また俺は奇妙な時空移動をしたってことか。
今回なんて事務所の扉開けただけだっつーに。
[眷属の申し出には、頼む、と頷いて]
……どうする、と言われても。
[はあ、と。
零れるのはため息]
事が起きぬ内から干渉をかければ、余計な揺らぎを招きかねん。
……状況を見守りつつ、力を調律するほか、あるまい?
[だからこそ、気配が増えてきた時点で、自らの分身に流れを見に行かせたりもしたのだが]
[電撃の王、とか。当代の精霊王が打ち揃って、とか。
耳に入る言葉は、通常とはかけ離れたものばかり。
常に行動を共にしている二人の竜が、その筆頭なのは意識の彼方。
それでも挨拶の声には、向き直って頭を下げる]
おひさしゅうございまする、ハイン殿。
ご健勝のようで何より…。
[妖精界、との時の竜の声には、幾度か瞬いて。
ハインの片言に、そういえばと呟くのは婉曲的ながら肯定の声]
………確かに、さほど恐ろしゅう感じる方はおりませなんだ。
[努力中なれど、人間の方が怖いのは相変わらずなりや]
ああ。
人は、多分、いないな。
[むしろ、人の身でここに転がり込めた彼が凄い、とはさすがに言わず]
……で、それは大きなお世話。
扉が……か。
ここの主は、『白き貴婦人』。
彼女の通るための門と、そちらの家の扉の位相が一致した……ってとこですかね。
なるほど、な……。
一体全体、どんな気まぐれを普段から起こしてらっしゃるのだか……?
[翠樹王と雷撃王を交互に見遣り、くすくす笑いながら。]
ま、そんなだから貴方達お二人は上手くいってるんだろうがなぁ。
詰まるところ。
暫くは観客側に回って好いということですね。
[以前のように。言葉は小さく]
全く、此処は話の種には事欠かないようで。
[くつり。
浮かぶ笑みは容姿に合わぬ、子供っぽさを含んだもの]
さて、それでは運びましょうか。
[それきりその話は仕舞いとばかり、影輝の精霊たる青年に向き直る]
………。
[こちらを振り向く子供たちと一匹。
おかしい、ここにくるとなんでこんな小動物とばかり縁があるのだろう。
小さく首をひねって]
……迷子、か?
[取り合えずたずねた]
おぅ、久しぶり。
そっちも相変わらずってとこか?
[最後に会ってからお互いどれくらい経った時間に居たのかまでは分からないが、月日が経っていることには変わりなく。頭を下げてくるナタ・リェに軽く右手を上げて笑いかけた]
ナタ・リェがそう感じてるならほぼ確実か。
今んとこヒトは俺だけみたいだな…。
……で、ホントに何で俺ここに居るんだろう。
[呼ばれたわけでもなく。事実巻き込まれただけ]
[セレスティンに答えを返されて、
目の前の男の人に質問をされて。]
……にゃあ?
[混ざって、なんだか鳴き声みたいになってしまいました。]
『白き貴婦人』?
聞いた事ねぇなぁ…。
位相が一致した、っつーけど、そう言うのは自分でコントロールするもんなんじゃねぇの?
そんなほいほい頻繁に一致したりするんだったら、世の中混乱の渦だぜ。
[オトフリートの説明を聞いても、首を捻るばかり]
[パチパチと目を瞬く。
ハンスの姿と言葉、そして纏う気配。一度気になればそれらがどうにも不均衡に思えてきて。
だがどこがどう、とは言えないのでブンブンと首を振り]
そうですね。
王、こっちのも一緒に運んでしまっていいんですか?
[用意された飲み物を指しつつ、軽く首を傾げた]
……ま、俺はそうはいかんけど、な。
[観客、という言葉に軽く肩を竦め]
傍観は構わんが、程ほどに。
[続いた言葉は、どこか冗談めいたもの。
運ぶ、との言葉に、お任せしますよ、と言いつつ、自分は道具の片付けに取り掛かり]
ええと。
さっきまで、迷子。
[問いかけに、ちょっと悩んでこう返す]
でも、今は、白もふのヴィンターさんが、道を教えてくれるから、違う……?
……まあ。
どうやら、軽く時空間の歪みやらなんやらも発生してるよーでして。
色々と、普通ではない、というとこですかね。
[首を捻るハインリヒにさらっと返すのは、ある意味とんでもない一言]
[相変わらず――倒れている――よな気がしなくもなけれど、上げられた右手に素直に頷いて。
人にしては時の流れが緩やかなよな違和感を仄かに感じつつも、懐かしさに少し目元を和ませた]
……風にでも誘われたのでは。
[疾風の御仁は風に愛される故にでは、と呟くも真理はわからぬ。
その王たる者が今、どこでなにをしているかも――当然の如く]
…そうか。
[小さく、相槌をひとつ。
白もふというのはおそらく少年の方に乗っているもの]
……白もふ。
事の仔細を、可能な限り単純明快な説明を。
[支持する言葉は密やかに誰かへの指示になれた雰囲気]
何か物凄くとんでもねーことさらっと言ってないか?
[オトフリートの言葉に、うへぇ、と少し嫌そうな顔]
この間精霊界に引っ張られた時に似てんなぁ…。
変なこと起きなきゃ良いが。
[参ったな、と言うように頭をがり、と掻く。ナタ・リェの言葉には一瞬その動きを止めてから]
くはは、風に、か。
そうだとするなら、ここへ来たのも悪かないかもな。
[楽しげに笑いを漏らした]
了解です。
[自王に頷き、ハンスと手分けした盆を手に]
なんというか。
動じないんですね、こんな状況でも。
[扉が自然と開くのを見て片眉が上がった。
それとなく探るようなことを言いつつ、皆の集まる方へ]
『……ヴィンター、と申します、陽光の御方』
[拘った。白梟、思いっきり拘った]
『こちらの機鋼竜セレスティン殿が、館内で道に迷ってしまったのですが。
私が魂魄の相方たる時空竜オトフリートと連絡を取り、道を確認した事で、迷子状態を脱し、現在、館の広間へと向かっている所にございます。
こちらのベアトリーチェ嬢も迷い込まれたご様子でしたので、広間までご一緒することと相成りました』
[白梟、説明するだけ説明して、一礼]
……白もふのヴィンターさん、すごいのー。
[感心する所じゃありません]
性質、か。
確かに。
[くすり、笑って。
貴紫の目を軽く、細める。
感じ取るのは、幾つもの見知った気配]
……ほんとに、賑やかなもんだ。
変な事…
[ハイン殿の言葉に僅かに寄る眉。
未だセレスは現れない]
…ええ、そうであるを願っておりまする。
[杞憂である事を、切に。そう心の中で呟いて。
楽しげに笑う姿に会釈して、するり扉を抜けてゆこうと]
…そうか。
ご苦労だった、白もふ。
[もう白もふで定着したらしい。
やや首を傾げていたが、歩き出すことでふたりと一匹を促す]
…こちらだ、ついて来い。
[一度は来たことのある館、足取りはしっかりしたもの]
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