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[玄関前、すっかり雨を吸い込んだスカートの裾を軽く絞り。スポーツバックからタオルを取り出し軽く水滴をぬぐいながら中へと入れば、同じようにずぶぬれの二人と天野が見え、軽く頭を下げた。]
[手早く熱いシャワーを浴びて、そのまま身体を洗う。
蒸気の上がる中、ホゥと息をついた。
冷えた部分は気をつけて温め、脱衣場に戻ると]
「大丈夫?」
[風呂上りらしい響子がいた。
先刻は急いでいて気が付かなかったが、その時からいたらしく]
あ、はい。大丈夫です。
ちゃんと温めてきましたから。
「ヨウコちゃんもたまにボーっとしてることあるよね。
そういうの見ると従兄妹なんだなって思うよ」
[からかうような口調で言われれば、困ったように下を向いた]
[マコトとウミの様子を、どこか微笑ましく見つめながら、頭を下げたサヤカに気付いて]
5人目……雨に濡れるのが流行なのか?
[すでにぼやきに近いかもしれない]
……よく、覚えてたな。
[先に口を開いたのは洋亮のほう。内容は昨日送られてきたメールのこと。]
「…まあね。どーせ、そっちは覚えてなかったでしょ」
失礼だな。……まあ、そうだけどさ。
「全く。何で私のほうが覚えてんだか」
[呆れ声の友梨の顔は微かに笑っていたように見えた。]
「…父さんのことなんか、殆ど覚えてないっていうのに」
[そんなじゃれあいにも、まわりからは見られるだろう雰囲気。
ちらりと窓の外を見やれば、細い雨がまるでカーテンのように見えた。
言葉がとまる。
テレビの音。]
校庭に佇む、桜の大樹。
雨に濡れ、静かに佇んでいたその周囲で大気が揺らめき、揺らぎ、そして──
ざわり、と言う音が響き。
緑色の葉が、激しく揺れた。
──と、思うと緑色は唐突に枝を離れ、吹き抜けた風により、天高くへと舞い上がる。
静寂。
それを、リン……という音が打ち破る。
「……さくら、さくら……」
音に続き、小さな声が響いた。
「いのちのまつり。
おもいのめぐり。
きみゃくはめぐる、ちからのままに。
きざめ、きざめ、いのちのしるし。
ゆくかいなかはだれもしらぬよ。
さくら、さくら。
はなはひらきてみまもるのみ。
さくら、さくら」
響く、歌。
それに呼応するように、大気が震え、そして──。
……ごう、と。
不意に風が強く吹き抜けて。
それが過ぎた後には──色彩鮮やかな花びらを散らす、満開の桜の大樹。
リン……と。
また、鈴の音が響き。
昨日、誰かが座っていた枝の上には。
桜色の小袖をまとった、黒髪の、幼い少女の姿があった──。
「いのちの、まつり。
こうさが、はじまる。
はじまるよ?」
どこか楽しげに、こう言うと。
少女の姿は、花びらの色彩の中へと、溶けて、消えた──。
……?わた……おにいちゃん?
何、?
[突然、謝られた意味がわからずに顔を向けると、ぐいと肩に手が掛かる。強い力だった。
男の力だった。]
[そこで立ち止まったのに、特に理由はなくて。
あるとすれば、昨日の怪談話を思い出したくらい。
だから直ぐに立ち去ろうと、足を1歩―――]
―――わっ…?!
[揺らぎ。
大樹がざわめき、晴れ渡った空へと、緑が舞う。
耳に届いた音色は、鈴だろうか。
辺りに響いた声は、歌だろうか。
訳もわからずに、巻き起こる風に、片腕で顔を庇う]
[咲き誇る、季節外れの、薄紅色の花。]
…っ、なん………
[眼差しは、ほんの一時、誰かの影を捉えたか。
しかし遠目では少女であるとの視認までは出来ず、
瞬きの後には、その姿はもうなかった。]
……………なんだ、コレ。
[ぱちくり。
幾度かの瞬きの後、自らの頬を抓る。
痛い。
ついでに、雨上がりの空気は多少冷えているとは言え、
それは春には程遠く、夏のもの。
夢ではない、らしかった。]
[相変わらずのお節介なマコトの言葉にタオルの下の目は益々細められ。ケンの名前に僅かにピクリと反応するものの]
…………余計なお世話
[乱暴にそれだけを言い残すと、マコトに髪の水分を少し吸い取ったタオルを投げ付け、サヤカの存在には気付きつつも声を掛けることなく寮の中へ
すれ違うその目に不機嫌な色が宿っていたのはおそらく髪に隠れて誰にも見えなかっただろうか
もちろん制服は濡れたままなのだから、廊下には点々とした水溜り]
5人目……?流行……?
[天野へと小首を傾げ、そうして普段の彼女よりもどこか楽しげな口調で。]
傘を持ってない人が雨に降られてしまった、単にそれだけの話では?
[腕が、落ちた。]
……?
[離れるのではなく、近づいて。
何か声が聞こえたかもしれないけれど、それすらわからなかった。
だって綺麗な、花が咲いていたから。]
[やって来たサヤカに気づいて一礼し、ヒサタカのぼやくような呟きに、それは違うんじゃ、と言おうとした矢先、濡れたタオルが投げつけられ]
って……ウミ!?
[不機嫌な声と、走り去る様子に、思わず声を上げる]
……何なんだよ、もう……。
大きなお世話って、心配するのは……。
[当たり前じゃないか、と。
小さな声で呟いて、軽く、唇をかみ締めて]
亘……?
[どこか遠い。すべてが遠い。
テレビの声も、窓の外の雨も。
自分の体にも咲いた赤い花も。
義兄の背が視界に入る。
崩れたその背には大輪が。]
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