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[ヒビは深く焔の赤にまで達し、迂闊に触れば砕けてしまいそう。
純金で接ごうか。 春雷は光通さず、焔がかげる。
透明を注ごうか。 奥は埋まらず、身の内に雷を抱くまま。
春雷を削ろうか。 きっと玉は耐えられず、二つ身に割れる。
いっそ溶かしてしまおうか。 それでは玉は別の玉。
一晩考えて考えて。
アマンダは――頭を冷やしに行く事にした。]
−→Kirshburm−
……あー。
[朝食を終え、ソファに寝そべるがどうにも気分が晴れない。
ひょいと立ち上がり、事務所を出る。
ドアの札を「Closed」に差し替え、南通りへ。
何か適当に食材を買ってくるつもりらしい。]
―自宅兼事務所→南通り―
[紅茶と、おまけという名目でついてきたハーブクッキーを摘みつつ]
おや……寝冷えでもしましたか?
しっかり休息を。
[部屋に戻る、という若竜を見送って]
……ん?
[何気なく見回した店内に、昨日まではなかったそれを発見する。
菫色の、ふわぽふしたもの。姿形が彼にとって妙に馴染みぶかく思えるのは、その翼のせいだろうか]
[道を行く途中で、ティルに手を振る。
日課のお散歩をしているベアトリーチェにも、出会ったなら挨拶しただろう。
やがて、店に着き扉を開ける。
菫色のふわぽふしたものには、気付いただろうか。]
―南通り―
[買出しに行く予定だった……が。]
げ。
[さっき追い払った冒険者達がうろついている。
くるりと回れ右。
「Kirschbaum」へ身を隠す事にした。]
―南通り→Kirschbaum―
これは……まるで……の、ぬいぐるみ。
[ぽつり、呟く。その呟きに、カウンターの店主はやや苦笑したろうか。
肩の相棒が菫色のそれにの横へ行って、じい、と見つめる。
白と菫のふわもこ立ち並び。妙にほのぼの]
―Kirschbaum―
邪魔するぞー……お?
[白と菫のふわもこ揃い踏みを目撃。]
……おー。
[右手がわきわき。触りたいのかもしれない。
が、理性で必死に抑えようとしている。]
こんにちは、オト。ヴィンター。それと…?
[アマンダは不思議そうに菫色のふわぽふを見る。
とてもファンシーな菫色の縫い包みは、美人と評判の奥さんの趣味なのだろうか。
ヴィンターが菫の傍に行ったのに対抗してか、千花もアマンダの肩から滑空し、反対側に着地する。
アマンダは茶・菫・白の三つ並びに笑って、いつもの席で岩清水]
っと……。
やあ、こんにちわ。
[翠の双眸に一瞬険しさを浮べていたものの、賑やかな声にその色彩は溶け。
挨拶をする時には、いつもの人のいい笑み。
白梟は、反対側に来た千花に、不思議そうに首を傾げて]
[挨拶を返すオトフリートに手を振り、ほぼ同時にやって来たハインリヒにも挨拶]
やあ、ハイン。
…可愛いね。
[右手のわきわきを見て、笑う。
甘いものが好きで、縫い包みが好き。アマンダから見れば可愛い]
……何だ、と聞かれましても。
[正体は気づいているが、言っていいものやら]
俺にはぬいぐるみに見えますが。
[円らな瞳をきょとん、とさせ、翼をちょっとちたちたさせている物のどこがぬいぐるみなのかとも言うが]
……そうか。
出来のいいぬいぐるみだな。
[ぬいぐるみだと思ったらしい。]
…………う、うるさい。
可愛いとか言うな。
マスター、ブラックコーヒー一つ。
[可愛い疑惑払拭の為、可愛くない物を注文してみる。
その後、カウンターの定位置へ。]
[アマンダは縫い包みが動いている事も気にしない]
「アンアンッ、チッ」
[千花は動く縫い包みに親近感を持ったのか、両前足で抱きつこうとする。
翼では出来ないだろうとか、思ってるのかもしれない。]
ええ、本当に。凄いぬいぐるみですねぇ。
……あれ。甘くないものなんですね、今日は。
[ブラックコーヒーを頼むハインリヒの様子に、くす、と笑みをこぼす。
白梟は、千花の行動を不思議そうに見つめ。
……抱きつかれたら、ぬいぐるみはきゅー、と鳴くかも知れないが]
[アマンダは、意外なものを注文するハインに不思議そう]
遠慮しなくて、いいのに。
[可愛いということか、注文か。
アマンダは一昨日の吹っ切れたハインリヒを見ていない。
それから、オトフリートの髪留めに気付いて目を丸くする]
わあ、きれいな子!
[金緑石を見て、嬉しそうに笑う]
……え?
[突然の嬉しげな声にきょとん、としつつアマンダを見る]
きれいな子……って、ああ。
[その視線が向かう先に気づいて、苦笑]
[オトの苦笑に気付かずに、大きく頷く]
とてもきれい。大事にされてる。
よかったね。
[金緑石に向かって微笑んで、千花を見て笑う。
そしてハインからもらえないだろうからと、ハーヴに千花の為の果物を頼む]
「チッ! チチチチチチチッ!」
[千花は、声を上げた縫い包みに円らな目を大きくして鳴く。
菫の声は誤魔化されたかもしれない。
しばらく抱きついて満足すれば、果実に釣られて*離すはず*]
はあ、そうなんですか。
[初対面時のパフェの印象が強いせいか、何となくブラックコーヒーとハインリヒが結びつかなかったりするのだが、さすがにそれは言わず]
……『生命の親』からの、唯一の贈り物ですからね。
[大事にされている、というアマンダの言葉には、苦笑したまま、呟くように]
……さて……それじゃ、俺はちょっと、散歩してきますか。
ヴィンター、行くぞ。
[ふわもこを見つめる白梟を定位置に呼ぶと、*ふらりと外へ*]
……意外そうな顔するなっての。
マスター、しばらく厄介になる。
いや、もうちょっとしたらいつもの奴も頼むって。
[事務所にいると、面倒なのがわんさかやってくる。
この店でほとぼりを冷ましていた方が*いいだろう。*]
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