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[騎士の向こうに見える、赤髪の少女と青髪の男の姿。ぎくしゃくとした様子]
……………
[思考。]
逢瀬の途中だったか。邪魔をした。
[何故か納得をしたように言って、その場から立ち去ろうと。
ダーヴィッドにも、邪魔はしない方がいいのではないか、などと言いつ]
―Fairy's fire前―
[青年は熱が冷めないよう蓋がされたマグカップを2つ持ち、
イレーネの店の前に到着…して看板を見る。]
[この村では…伝承のおかげで妖精の名前を持つ店は多いけど…]
……イレーネ自身が妖精と関わり…があったりな……
[そうなれば、この不可解な問題とにも何らかの対処方が…
……と、ほとんど、そうなれば良いと言う願望的な呟きをしつつ]
[少年の言葉に思わず噴出しそうになった。
どうにかこうにか衝動を押さえ込んで]
…そ、そうですね…
[震える声はきっと衝動を殺していた所為。
此方に気付いてしまっているユリアンとミリィには会釈だけして。
広場の方に立ち去ろうと、して。
取り残された鼠を発見]
[…すっかり聞こえなくなった声。
まぁ、落ち込んでいるのだろう、と、特に気にすることもなく…]
…金の光が王様…で。
銀の光が…
[………と………?
その手を止め…軽く頭を振る]
…もし、王様の檻とか言うのに…
入れに行こうとしたとして、その理由が分からないわ…
[髪の毛をくしゃり、とかき、そのイメージを頭の中から追いやる。
…銀の光はどんな形にしようか…]
う……。
[思わず上げた声に素で返されて。困った]
いやその、なんでそこでそういう言葉が出てくるのかとか。
[逢瀬とか……という部分は、ややかすれたか。
その一方で、相棒は呑気に騎士に向かって尻尾をゆらゆら。
挨拶しているらしい]
……………
[顎元に軽く握った手を当て。
ミリィを助け起こしたユリアンの姿。それに、少女の反応]
……見た儘を、簡潔に述べたまでだが。
[仔細な説明が必要なのか、と言わんばかり。]
[少女が心配だったから、施設のほうを訪ねてみようかと思った]
[そして広場を通り掛かり]
…あら。
[見慣れた数人を見掛け、更に逢瀬という言葉が聞こえ]
[思わず隠れて様子を伺ってみたり。丁度さっきダーヴィッドがいた辺りだったりする]
[店の戸が叩かれる音がして…顔を上げると]
…ぇぇ、開いてるわ…
入ってきてもらって良いわよ?
[…その声の主…話とは珍しい、と軽く首を傾げつつも、机の上に出していた羊皮紙を片づける]
…あの、私…これで、失礼します…
[消え入るような声で呟いて、少女は、なんとかその場を立ち去ろうと試みる。手足が一緒に前に出たりしているが]
[尻尾をゆらゆらさせている鼠を両手で掬い上げる]
雪の上では寒いだろう?
とはいえユリアンはあの状況だし…
暫く私の肩で我慢して貰えるかな?
……みたまんまって……。
[きっぱり言い切られ、反論のしようがない状態。
どうしたものか、と考えていると消え入りそうな呟きが耳に届き]
って、ちょ、待った!
そんな歩き方してたら、また転ぶだろっ!
[そういう問題でもないような]
……仕事中すまない…時間は大丈夫か?
[青年はそう言いつつ店内に入ると「…土産」と言って
マグカップの内一つをイレーネに差し出す。]
……………………昨日のこと…なんだけど
エーリッヒが消えた時のことなんだけど…
[どう話しを切り出せばいいんだか…
青年は、若干口篭もりながら話しを切り出そうとする。]
[青年のどたばたをどこか他人事のように眺めつつ。
その相棒は騎士の申し出を理解したように、きゅ、と鳴きつつ、こくりと頷いた]
[反論が無い事に、うむ、と何故だか頷いて]
では、失礼する。
[今度こそ立ち去ろうとして、]
[先程ダーヴィッドの居た付近に潜む女の影]
[何と無く、既視感。]
ぇぇ、大丈夫よ?
今、どんなのを作ろうか考えて…詰まってた所だし。
[マグカップを受けとると、ありがと、と微笑んで…]
…エーリッヒ…ね。
[少し考え…商談しにきた者に勧める椅子を持ってきて]
…立ったまま、話すのも…変だし。
わざわざ店に来たって事は、すぐに帰る気じゃないんでしょ?
…いいんです、私なんて、転んだ方が…
[とぼとぼと歩きながら、少女はそんな風に呟いた。ああ、空が青いと思ったとか思ってなかったとか]
[ああ、やっぱこいつ確定可愛くねぇ……とか思いつつ。
耳に届いたミリィの呟きに、ぐしゃ、と前髪をかき上げて]
っとに……もうっ!
どういう理屈だそれっ!
俺はお前が転んでも、嬉しくねーぞっ!
[それもそれでどういう物言いなのか]
詰まっていたのか…物を作る仕事は…大変だな
[青年はイレーネの言葉を聞けばそうポツリ。
続く言葉にはコクリと頷き、
勧められた椅子に礼を言って素直にかける。]
…………なんだったんだろうな…と思って。
昨日のこと…それに、団長のことも…
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