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誰かが寝たまま起きなかったみたい。
あー、誰かなんか死んだっぽいね。
しぶとい奴は手品師 ディーノ、執事 ジョエル、傭兵 カルロス、孤児 オーフェン、少女 カレン、青年 マイルズ、踊り子 ミュウ、くの一 アヤメ、司祭 エドガー、学生 レッグ、旅人 シャロン、情報屋 ノブ の 12 人だと思っておこう。
[時間だけが過ぎていく。
そんな沈黙に気だるさが限界に来た...は、唐突に席を立った]
ちと、便所でもいってくらぁ。
ナナエついてきな。
「かしこまりました」
[本当にトイレなのか定かではないが、二人は連れ立って円卓を後にした。
円卓会議上を含むビル内は無機質なものしかない。
無機質な廊下に壁、挙句に観葉植物まで紛い物だ。その中を少しだけ残った眠気を欠伸に変換しながら歩き続けた。
と……]
ん?
「如何されましたか?」
いや……、そこの部屋から何か……。
[一瞬だけ思考が停止する。
何か?
そんなの、彼には嗅ぎ慣れた異臭が廊下に流れてきている。
鉄分を含んだ、命の腐臭。
...は、ナナエが首をかしげると同時に、部屋のドアノブに手をかけるや、転がり込むように室内に飛び込むと、周囲に人の気配がしない事を確認してから、異臭の元へと視線を巡らせた]
……ナナエ。
「はい?」
緊急事態だ。至急他の十二宮にこの事を伝達。今後の方針について会議だ。
「か、かしこまりました!」
[背後からバタバタと遠ざかっていく足音を聞きながら、レッグは異臭の元である、クローディアに近づいた。
室内はそれなりの広さがあり、窓辺には客を迎える小さなテーブルが備え付けてあった。
彼女は、そこに真っ赤な水溜りの中で座っているように息絶えていた]
銃創って事は射殺か。
ご丁寧に額と心臓に一発ずつ……。普通、銃で殺る時は引き金を二回引くのが慣わしだが、それをピンポイントで急所のみ打ち抜くとなると……。
[...は大きく溜息をつきながら、彼女の足元に転がっているもう一つの死体も見た。
見覚えがある。
クローディア付のメイドだった女性だ。
彼女もまた同じく二箇所打ち抜かれて死んでいた]
このビル内に進入するなんて馬鹿はいねぇ。すると、この死体を作ったのは、俺等の中の誰か……か。
[杞憂になれば良いと考えていた事態が発生し、...は面倒くせぇとポツリと呟いた]
[ふと彼女の嗅覚に何かが引っ掛かる。それは彼女にとって嗅ぎ慣れた、そして彼女に歓喜をもたらす香り]
『ああ、これはもしかすると』
[そして、会議室に駆け込んでくるナナエさん。その言葉を耳にすると、驚く面々を余所に]
……ああ、やっぱり
[そう呟き、口元にうっすら笑みを浮かべた]
過去が人を作り、そして人が未来を作るとはいえ、結局動いているのは現在。単純なこと、なのにね。わからないお馬鹿さんってお気の毒。
[もちろん、本当にお気の毒なんて思ってはいないけども。そうしてティーカップを飲み干した。]
[しばらく後、微かに漂う臭い。ここに来る少し前にも触れた馴染みのある臭い。思わず唇をちろとなめ。]
[パタパタと駆け込んできたナナエの言葉に。]
あぁ……ついに動き出したのね。
[黒曜石の瞳に光が揺らいだ。]
[円卓にて。軽めの朝食をとっている最中に、その一報はもたらされた。]
[無言でゆっくり、噛んでいたサンドイッチを飲み下すと]
…。[誰にも聞きとれない声で、小さく何かを呟いた。「神様」か「畜生」か。]
[血の匂いに気付いたか僅かに眉を顰め―次いで飛び込んできたナナエの報告に]
ついに動き出した、か…そっちがそう来るならこっちも『狩り』を始めるだけだ。
[『獲物』を前にした時と同じ光を双眸に浮かべ、嗤った]
[...は円卓に戻ってきた。
そして一通りナナエから説明を受けたであろう十二宮の顔ぶれをぐるりと見回してから、口を開いた]
あ〜、面倒だから概要だけだ。
クローディアが殺された。
殺害方法は銃。
ただ傷跡から、おそらく9mmパラペラムを使用ってところなんで、誰でも手に入る量産型を使っている可能性がある。何で線条痕を洗っても、本体が多い以上、特定は難しいって感じだ。
死亡時刻は見た限りここ数時間以内ってところか。疑問があるなら、後で見に行ってくれ。
ただ……。
[そこで一旦言葉を区切り、一度だけ僅かな躊躇いを浮べてから再度口を開いた]
死亡時刻から、恐らく犯人はビル内……いや、はっきり言っとくか。
封鎖後なんで、この場にいるメンツ+メイド陣の中に裏切り者がいる可能性が高いってこった。
以上、俺からのクローディア死亡報告だ。
先に言ったように、俺の報告に疑問があるなら、後で勝手に見に行ってくれ。
[そこまで報告を述べた後で、...はまとめ役のエドガーを一瞥して、司会進行役を強引に押し付けてから、自席に戻った]
[風が変わる。その音を聴き、ほんの僅か口端を吊り上げて]
こりゃあまた、丁度良く動いてくれたもんだ。
[レッグの報告を聞いて]
あぁ、ついに犠牲者が出ちゃったかぁ・・・
それも凶器は銃だって?困るよなぁ。そんな殺り方されたら、普通に考えて真っ先に疑いがかかるのは僕じゃないか。
[然し口ぶりはそれ程困った様子も無く]
9mm、ねぇ。
よくそんなので誰にも気づかれなかったもんだ。
一応言っておくと僕が普段使うのは.45ACPだよ。サプレッサーとの相性もいいしね。
[言うと懐から無造作にハンドガンを取り出し、くるくると回して見せる]
ま、こいつはどんな弾でも扱えるスグレモノではあるけどね。
得物は銃か…まあ俺でもそうするわな。焼いたら即俺だってバレるし?
[同じ能力を持つ者ばかりなら兎も角多種多様な能力者が居る中で自分しか使えぬ力を使って殺すなど自殺志願と同じ事だ]
んで、これからどーすんだ?
[お気の毒、という言葉にほんとにね、と頷いて。
すい、と上げた右手を一度握り、ひょい、と開く。
掌の上には、どこから現れたのか、小さな銀色の時計。
キラキラと煌めく二本の光の輪を持つそれは、会議場を照らす光の下、静かに時を刻んでいた]
刻の螺旋は積み重なりて変容するもの……では、あるけどね。
[オレの過去とか動向なんて知っても意味無いのにー、と。
軽い笑いは、感じた匂いに遮られる。
力ある者のそれと容易に察する事のできる、あまい香り]
……これは……。
[ほんの、僅か。碧の瞳は険しさを帯びて。
直後にもたらされた知らせは、その色彩を更に冷たくする]
……おや、まあ。
動き出した……って、ワケ、ね。
本気で殺る気になってるってコトかな?
それとも……。
[くすり、と楽しげに笑いつつ、碧の瞳は一瞬その鋭さを増してどこかへと向けられて。
……しかし、その鋭さはすぐにかき消えて。
ひょい、と素早く右手を握り、開いた時には時計は既にどこにもなくなっていた]
[クローディア殺害の報。
白猫を撫でる手が止まる。]
成程。此の中に裏切り者が居る――と考えた方が良さそうだね。
メイドには僕らに囲まれた中で、此んな大それた事をするとは思え無い。
若し彼女らが兇したのだとて、……其れは双児のの人形と同じだろうね
[小さな姫君にまたねと囁き、手を離すと、
場に集う星々を見遣る]
誰が、兇したのか?
……と云っても名乗りなど出ないだろうが
[顔を上げる。]
メイド達の何れかの仕業、というのは希望的観測に過ぎよう。この中に敵がいるのは間違い無いようだ。
しかも…どうやら私の要望は受け入れられないらしい。なるたけ血を流さず事を収めたかったが…、私の見通しが甘かったようだ。
もはや、大人しく、などと言っても諸君は聞くまい。
それに私自身、些か以上に不愉快だ。
よろしい。この中に3名の敵がいる。その者どもを始末しよう。十二宮の損耗は痛いが…仕方ない。
見通し云々以前の問題な気もしますけどね、白羊宮の御方?
……流血を恐れて、何ができるというのか。
道は既に示されていた。
それを過剰に忌避したが故に、星詠みの君は生命を断たれた……。
[そんな風にも考えられますがね、と。
いつになく静かな口調で言って、肩を竦め]
其うだね
[ディーノの言葉に、祈った口唇から吐息が落ちた]
裏切り者に目的は有るだろう……其うでなくば態々彼女を兇すものか
楽を求めたくは有るのだが……
まァ、何にせよ
僕らに出来る事は、裏切り者を見付け――兇す事だけか
……探すと云っても方法など皆目検討も付かないが
[香気、そして足音。
思い浮かぶ事態は一つ、先刻より姿の無かった星詠姫]
『動いたネェ』
[歓喜と嫌気、相反する感情が交差する。
前者が勝利するは、半端な停滞を嫌うが故か。
ナナエの報告が聞こえた時には僅かに笑みが浮かんだ]
だが流血は最低限に抑えるべきだ。つまり、「裏切り者」のみを始末し、それ以外の者を裏切り者と誤認する事は避けたい。
さて、そこで、だ。まずは諸君、昨夜は何処で何をしていたか。それを証明出来る者はいるか。報告してもらえるかね?
目的……ね。
少なくとも、穏便にコトを片す気は、ないんじゃない?
或いは、そうしようとして、失敗したか。
[シャロンの言葉に、くすり、と笑って]
普通の方法が使えないなら、それこそ普通でない力でも使うしか?
例えば、直接過去を覗き見る……とかねぇ?
[エドガーの言葉に僅か沈黙を保つ。
星詠姫を悼むように僅かに目を伏せた後、ゆっくりと顔を上げ]
星詠姫の更なる星見を恐れたか。
それとも単にカードを欲しただけか。
まあどちらでもいい。
この先をどうするか、だネェ。
あの蛇が僕ら程の力を持つとは思えない。若し裏切り者に穏便に済まそうと思って居たのなら……あの蛇は此うならなかったと思うよ
[其れとも彼女の護衛が怖かったのかね、と唖う]
直接ねぇ。其んな事が出来るならやってやりたいものだ
[エドガーの言葉に、僅か、目を細めて]
報告、ねぇ。
別に隠す必要はないけどさ。
[どぉーせ、監視されてたんだろうしー、と投げやりに言いつつ嘆息して]
そも、裏切り者さんが正直に言うとは思えない状況で、どれだけ意味があるんでしょっかねぇ?
[ディーノとシャロンの遣り取りを聞き、そちらへ顔を向ける]
確かにこの場で馬鹿正直に名乗り出るものもいなかろうよ。
白羊のはどうにもまだるっこしい。
そんな便利な力があるのなら是非とも使って欲しいネェ。
とはいえ真偽を確かめる術も無いが。
話が噛み合わなくて勢いで、なーんてコトもあるかも?
[シャロンの言葉に、くすくすと笑いつつ、こう言って]
まあ、普通はできないもんね。
普通じゃないなら、わからないけれど。
[言いつつ、また右手をひょい、と握って開いて。
浮かび上がるのは先ほどの銀時計]
未来過去現在、人の生。
そのシナリオを見通せるのは、トキノカミくらいのモノだろうしねー。
報告ってもなぁ?ずっと部屋にいました、メイドが一緒です…だぜ?
[なぁ、ディス?と後ろを振り返りメイドに問えば肯定の返事が返る]
こーゆー時は身内の証言はアテになんねぇんだろ?
つまり、君らの昨夜の行動については証明出来る者はいない、そういう事か?
[一つ溜め息をついて椅子に背を預け、]
…まぁ、諸君らの何れかが、「探しものに便利な能力」を隠し持っていたら楽だとは私も思うがな。
それこそ、この場では迂濶に喋れまい。
ああ、困ったネェ。
アタシはドールすら部屋に入れていないんだよ。
[苦笑の混じった微笑を浮かべてエドガーに答える]
答えられるのは「部屋で休んでいた」というだけさね。
悩ましいことだネェ。
嘘をつかれたら判らないね
[ミュウの言葉をきいて、ふむと頷き]
まあ若し分かる者が居るならば……何もいわずとも調べているとおもうが
[其れからディーノの言葉に]
違いない
蛇は要領が悪そうだしね
……時の神ねぇ
分かるのならば教えて欲しいものだ
綺麗な銀だな
白羊の、そもが聞いても無駄じゃないかと思うのだがネェ。
特殊な能力は探すのに便利なものばかりとは限らないだろうよ。
部屋にいながらにして殺害を成し遂げる、そういった能力を持つものがいないと言い切れるかい。
まあこんなことは。
言い出したらキリが無いわけだけどネェ。
そもそも、一人か二人でしかいない状況で、なんの証明ができますか、と。
部屋にいたよ、と言っても、証明できるのは、オレの場合はアイリスだけ。
それだって、口裏合わせ、と言われればそれまでなんだから。
[ため息をつくエドガーに、呆れたように言い放つ。
後半の言葉には、一刹那険しさのような物を瞳に掠めさせ]
まぁとにかく、今この場ではこういうクラシックなやり方しかないのだ。
君らは知るまいが、私の若い頃の推理小説では、探偵はこうやって殺人犯を見つけていたものだ。
対人関係は、限りなく不器用だった感じだしねぇ、星詠みの君。
[シャロンの言葉に、ひょい、と肩を竦めて]
ま、カミサマなんて名のつくモノは、往々にしてタダ働きはしてくれないものだけどさ。
キレイと言っていただけて光栄。
何せ、世界でたった一つの魔法銀ですから?
[魔法銀、という言葉は、どこか冗談めいた響きを帯びて]
其れは全くもって非効率的だね
犯罪者等、嘘を吐くものだろう?
[世間一般的に僕等も其れかとくすくすわらう]
推理小説ね。
今度、読んでみようか。
あの蛇が、対人関係良好だと云うなら、世の中には悪い関係等無かろうね
まァ、云ってももう聞こえないのだろう?
[三日月は嘲笑う]
神様等は其んな物だろうね
居るとは思えないが
魔法銀ね。
詰まりお前の物しか無いと
其れは残念だ、綺麗だから買おうと思ったのだけどね
[冗談の様な響きに、牡牛も同じように軽く]
[シャロンにはその通りだと微笑を返し、エドガーには些か呆れたような表情となり]
どうにもアンタは懐古主義の傾向があるね、白羊の。
全てを否定はしやしないが…どうにもネェ。
地味な仕事が悪いとは言わないが、シャロンの言う通り些か効率が悪くないかい。
おや、魔法銀とはまた空想世界のような品だネェ。
御伽噺のように鮮やかに真実を教えてくれないものかネェ。
[ディーノに向けて再び微笑を浮かべた]
一度解散しよう。
なるほどこの調子なら雁首揃えていても、何かの解決にはならん。クローディアを殺した以上、裏切り者共はやる気だ。いずれ牙を向く。各々好きに過ごすといい。裏切り者の火の粉を払う事があれば、また報告する。
これでどうだ?
白羊宮の御方は……古いものがお好きなようで。
[推理小説、という言葉に呆れたように呟いて]
ま、それは確かに。
[シャロンの哂いに、くすり、と笑みを零す]
そ、カミサマなんてそんなモノ。優しくなんてないったら。
あはは、さすがに譲る事はできないなあ、コレ。
イロイロと、曰くもあるものだしー。
まァ此処に居るだけで解決する様なら、勝手に粛清されて居ただろう
何れ、ねェ。
如何考えても、もう既に牙を剥いて居るとは思うが
……だが云った筈だよ、牡羊の。
僕が君を信用するかは別だ
裏切り者は生きなければならなかろう
其の為なら何でもするだろうからね
まァ好きに過ごさせて貰うさ
若し裏切りを見付けたら、一応は誰かに言付ける
[ミュウの微笑みに、こて、と首を傾げて]
空想世界、か。よく言われる。
でも、オレにとっては魔法の銀時計と言えますから?
御伽噺のように鮮やかに、ね。
まあ、できなくはないかもだけれど。
[道具はウソはつかないからなあ、と。
冗談めかした言葉には、含みめいた響きもあるか]
…一応は唯一神を信仰する教えの徒である私の話を聞かず、しかもそうして興じるのが他の神の話とは、いい度胸だな摩羯の?
私の説教を聞きたいかね?
其れは残念だね
仕方無い、諦めよう
[くすくすと笑いながら]
神様が優しければ何処か何時かに僕だけの銀を手に入れられるかもね
ま、必要無いけれど
白羊宮の御方は、どこまでも受身で行かれるおつもりかな?
……ま、降りかかる火の粉は、言われるまでもなく、払いますよ?
オレは『死の宮の御子』。無為に死を押し付けられるのは、存在に反しますからねぇ。
[言葉と共に、口元を彩るのは冷たき艶笑]
おや、そういやそうでしたねぇ。
[唯一神の、と言う言葉に、艶笑は悪戯っぽいそれに取って代わる]
何分、オレは『神に見捨てられた子供』ですからねぇ。
御方とは、神に関する価値観が根本的に違うんですよ。
……と、言う訳で、説教はご遠慮いたします。
さて……
[と、再び猫に目を移す。もう一度白の姫を優しく撫でて]
ま、
尻尾を出すのを待つしか無いのかね
[*面倒だと又、呟いた*]
うん、諦めてー?
[くすり、と笑って、また右手を握り、閉じる。
開いた掌の上には何もなく]
必要ない、なんて言ってたら、機会自体がなくなるかも?
[冗談めかして言いつつ、猫を愛でるシャロンの様子に、気にいったんだなあ、などと呟く]
さーあて、と。
ここにいるとお説教が飛んで来そうだし、退散しておきましょうかねっと。
ま、何かあったらあったなりに、それなりに。
それじゃ、また後ほどー?
[言いつつ、ひらりと手を振り。
円卓に一瞬だけ鋭い視線を投げかけるも、すぐさま何食わぬ様子で*客室へと歩き出し*]
裏切り者の捜索に君らが協調する気が無いようだから、こうしたつもりなのだがな?
だが無論、受身でいるつもりは無い。私は私で調査を続ける。それらも含めて、好きに過ごせ、という事だ。
[言って、席を立つ。]
私は少し眠る。
[頬杖をつき、レッグの報告を聞く。]
銃、ね……。
[ちらとオーフェンの方を見るも]
……殺し方で足つくようなお馬鹿さんな訳はないか。
しかし、クローディアが殺されたのは痛いなぁ……まぁこれで、彼女の星見が正しいと証明されたようなものだけどね。
裏切り者は確かにいる、と……。
[一瞬、ディーノの手の中に光る時計に目を奪われ]
貴方の螺旋の積み重ねは時計だけが知っている、なのかしらね?それもなかなか浪漫よね。
[そう言って艶めいた笑みを見せた後、真顔に戻りエドガーを見やる。]
昨夜?部屋に一人でいたとしか言えないわ。当然、証明する人なんていないし。
何をしてたかって?女にはイロイロあるのよ。
[ドールじゃ証人に成らない、と云うミュウの言葉に、まァ其うだろうと云って。]
アハッ、確かにね。でも必要無い物の方が手に入りやすく無いかと思う。
……可愛いじゃないか
[ディーノに返した最後の言葉は、少し、憮然とした様に。
可愛らしい白姫が満足したようなら手を離し、*部屋に戻る事だろう*]
[レッグからの報告を聞いていたが、次第につまらなさそうな顔になっていく]
へぇ、銃創……しかも脳と心臓に確実に一発ずつ、ね
それはまた……
[『つまらない殺し方だね』と呟き、軽く肩を竦めはぁと溜め息を吐く]
私は銃なんて面白みの無い物は嫌いだし、そういう玩具に頼らない超人を造るってのが母様の夢なもんだから、今まで撃ったこともない
……けど、そうだね。調べれば簡単に分かることだろうから隠さず言っておくと、私がトリナエスタに指示すれば、可能ではあったよ
[そう言って後ろに控えるトリナエスタをチラリと見遣ると]
だって、この子を棄てた母親のテーマは《人と兵器の融合》だしね。不完全とは言え、銃の扱いくらいはお手の物だよ
ああ、それと昨日のアリバイだっけ?
昨日はトリナエスタと一緒に寝ていたよ。ねぇ、トリナエスタ
[そう言って後ろのトリナエスタに振り向くと、彼女は無表情のままコクリと頷く]
まあ、アリバイにはならないよね。私にとっても、トリナエスタにとっても
[部屋に戻っていく者達にひらひらと手を振りつつ]
敵が態々動いてくれたはいいにしても、結局何にも分からず仕舞い、退屈なのは変わらず仕舞いかぁ・・・思ったよりつまらないパーティになりそうだなぁ。
まぁこんなところでボロを出すようなら此処には居ないだろうけど、ね。
でも僕が裏切り者だったら・・・うん、簡単だ。ターゲットの心臓を凍らせてしまえばいい。誰がどう見たって、心臓発作か毒殺にしか見えないからねぇ。
他殺の可能性すらあやふやに出来るんだから、暗殺としては一番最適じゃぁないかなぁ?
[言ってクスクスと笑う。ちらり、とカレンに目をやり]
まー、つまらない殺し方、ってのは変わらないけど。
一応言っておくと僕もあの後は寝てただけさ。
ホント、眠気限界だったからね。
起きてから部下に連絡取ったのは話したし・・・
あとはシャワー浴びて着替えた。
こんなこと一々言う必要も無いだろうけどさ。
[クスリ、と含み笑い]
[オーフェンの言葉に軽く肩を竦めると]
まあ私が自らの手で殺(バラ)してこその殺しって理論持ってて、手応えの残らない殺しなんて、殺したうちに入らないとか考えているだけだけどね
さて、んじゃ私も引っ込ませていただきますか
[それだけ言い残すと、自室へと*戻っていった*]
―クローディアの部屋―
ふぅん・・・これは相当の使い手だなぁ。彼女が抵抗した跡も無さそうだ。
二発だから自殺、な訳はないし。何より僕の「耳」が防音加工であれ銃声を逃す筈は無いんだけど・・・一体、どうやって?
それもわざわざドールまで消すとは・・・まぁ証人の排除、と考えればごく自然か。
・・・此れだけじゃ証拠は掴めないか。ある程度の憶測は立つけれど・・・
[しばし死臭の漂う部屋の中で口に手を当てて考えるも]
・・・ダメだ。流石にそう上手くはいかないなぁ。
じゃあおやすみ、クローディア。
[それだけ言い残し、ドアを閉じる。そしてそのまま自室へと向かう]
[部屋で目を覚ます。まだ3時間程度しか経っていない。]
[この騒ぎが起きて以降ほとんど眠っていないが、いつ寝首をかかれるか知れない以上、熟睡など出来よう筈がない。]
[厨房に連絡し、適当な食事を頼むと、眠っている間に来た部下からの報告に目を通す。]
…やはり、か。
[部下の行動に制限がかかり始めたらしい。騒ぎの起こりからこうなる事は予想していた。むしろ遅い・漸くかと思ったくらいだが、裏切り者がいる事がはっきりするのを待っていたのかも知れない。]
─客室─
[自室となった客室に戻り、はあ、と一つ息を吐く。
感じる軽い目眩を振り払うように、首を軽く振って。
部屋に控えていたアイリスに、帽子とコートとマフラーを預けて、シャワーを浴びるべくバスルームへと向かう]
に、しても、なあ……まったく……冗談になってない……。
[勢い良く出したシャワーの勢いに紛れさせるように、ぽつりと呟く]
……トキノカミの過去視は……Chronosの力は、オレに偽りは見せない。
それは、オレ自身が一番理解してる……しちゃ、いるけどな。
なんだって、あの御方が?
いや……それならそれで……納得いく部分もなくはない……が。
[呟きは、水の流れる音に紛れて、それと共に消えていく]
……なんにせよ、問題は。
今の状況でそう告げて、果たしてどうなるか。
……読めないねぇ……動き難いっちゃねぇ。
[なすべき事、その結論は一つだが、しかし。
少なくとも、それだけでは終わらない、とわかっている以上、先まで読まねば、という意識が働いて]
さあて……どうするか。
[いつになく真剣な呟きは、水と共に流れて、消える]
ま、取りあえず、と。
[軽く言いつつ、水流を止めて]
……消耗した分は、補わないとなんないか。
何があってもいいように、ね。
[いつも通りの軽い口調で言いつつ、部屋へと戻り]
……あの、さ?
また、もらっても、いいかな?
[濡れた髪を乾かすより先に、アイリスに投げるのは悪戯っぽい笑みと問い。
指先は既に、脈打つ部分に添えられて。
……肯定の返事を得れば、にっこりと、本当に嬉しげな笑みが掠めるか]
―自室―
[ベッドに座り、時計を見ると、丁度夕方に差し掛かろうとしている時刻。さして眠気もないが、なんとなくベッドに横になる。]
ふぅ・・・
[突然の全員召集。このような状況も勿論予想はしていた。それでもこのような状態は、若干11歳の子供が耐えるには少々荷が重過ぎる。そして昨日見た悪夢。根拠はごく薄い物ではあるが、今まで何の躊躇いも無く人を殺めてきた少年の心にも、若干の揺らぎが生じていた。
その様な揺らぎを明るみにすれば、次に狩られるのは間違い無く自分であろう。分かっては居ても抑えきれない焦燥感と不安。それらを纏めて吐き出すように、仰向けになり、自分自身の手を枕に呟く。]
・・・困ったなぁ。
[携帯を開き、メッセージをチェックする。送られてきたのは、作戦中止の伝達。
ふぅ、と一つ溜め息をつき、「了解」とだけ返信を返しておく。]
アレを中止してまでこちらを優先するとは・・・
『もし仮に、裏切り者を見つけ出し、殺したとしても。僕達は元に戻ることは出来ないだろう。
もし仮に、ここで裏切り者が僕等全員を殺したとしても。ボス側は何らかの手筈を打ってくる筈。
つまり、もう僕は・・・用済み、という事だろうか?そして恐らく。ボスは既に「替え玉」を用意しているだろう。
僕達に匹敵する・・・いや、それ以上の上質な「替え玉」を。そうなれば僕等に残された道は・・・』
[ふぅ、と一つ大きな溜め息。]
どちらに付いても辿る道は同じ・・・か?
だが僕は・・・
―客室:シャワールーム―
[柔らかな湯煙の中、細い体が起き上がる。
白いタイルの上に、白い体。
今は閉じられた目蓋の下に紅は隠れる。
銀の髪、銀の鎖。
胸に咲いた紅の花が、シャワーの湯を弾いた。
熱い体を押し隠す様に、一度水を浴びると、手早く体を拭って服を着込む。
昨夜した行為の加減は、矢張り今まで影響して居る。体が高ぶって、仕方が無かった。
――兇したい。
思うと同時に、ぞわりと、二つの手が波打った。]
流石に此処のは手が折れる。
其れにメイドも兇しては、余り望ましくは無いだろうね。
[11星を考え、呟く。]
此の欲を抑えるには、確かに良かろうが……厄介過ぎる事を更に厄介にしてもね。
取り敢えず――真実に外に出られないのか、確かめるか。
―部屋→エレベーター前―
[円卓に着く。もはや会議を解散した以上、ここに来る意味は無いが、部屋にこもるよりは十二宮の様子を]
観察しやすい。
[あえて口に出す。]
[エレベーターのボタンを押す。
然し其れは拒絶の意を。
クローディアの云っていたと云う言葉を思い出し]
嗚呼、其う云えば蛇のカードは如何成ったのか。
兇されたと云うならば、もう其処には無いのだろうが
其れに。
一度、見て置くのも悪くないか。
[手向けの花でも用意しようかと、メイドに聲を掛け]
其うだね、柘榴でも用意して遣って貰えるか?
アハッ、良い事だと思うけどね。
紅一点とも云うし――僕はあれが好きだしね。
それじゃあ、宜しく頼んだよ
[くすくすと哂いながら、向かう先は彼女の部屋。場所を聞いて向かった先に、聞いた状況が在った。]
[クローディアの部屋の中、騒ぎを聞きつけたのかフラリと現れて]
…死んじゃったかあ。
…死んじゃったねえ。
…自分がこうなることは星詠みで判らなかったかい?
…それとも、こうなることを知っていたのかい?
[死体を見下ろしポツポツと呟いて]
それにしても無粋な奴も居たもんだね。
女性の顔に傷をつけるなんてねぇ。
[袖口からふわりと紙が一枚舞って彼女の顔の銃創を覆う]
…それにしても銃ねえ。
屠る術を知らせぬ為か、或いは是が適していたか。
ま、いずれにせよ、ここから糸を手繰らせるような間抜けな真似はしてないだろなあ。
[数秒目を閉じたのは、情報を整理する為か、或いは祈りか]
さて、彼女は柘榴の何を用意するだろうね。
花かな、木かな。
アハッ、如何でも良いか。
[部屋の中に足を踏み入れる。空気に触れた紅は変色していた。其処に倒れる蛇の姿と、もう一人。
命を失った物は其れだけ。
そして其の中に居たもう一人の姿]
やァ、双児の。
お前も手向けを?
―自室―
[あの後、一人クローディアとドールの遺体を確認した後、部屋へと戻り。]
[窓辺に立ったまま煙管をぼんやりとふかしながら、エドガーの「探し物に便利な能力」と言う言葉を思い返し、...は小さなため息を落とす]
ん……厄介、よね……。
私のは所詮、誰かを殺さなけれならない。
かといって無作為に殺す訳にもいかない……。
動き出した、そこから糸口でも見つかれば楽なんだけどね……。
[二つの遺体を脳裏に浮かべ。]
あれじゃぁ、ね……。
まぁ、ヤツらが最初のターゲットにクローディアを選んだって事は、その手の力を脅威に思っているのでしょう。
[そうして、ある一つの考えに思い至りくすくす笑い出す。]
そっか、なら……あえて私自身が餌になる、って手もあるわね。そうすりゃ、向こうからやってきてくれる、かもしれない……。
さて、どうやって餌を撒こうかしら?
―客室―
無駄な動きはするべきでない。
アタシは間違いなく不利だ。
[薄明るい部屋の中に白い肌が浮き上がる。
立ち昇る香気が部屋中に広がってゆく]
だが、ここまでゾクゾクするのは久しぶりさね。
敵さんのやる気が垣間見えるだけに。
…ああ、どこまで押さえておけるかネェ。
[低い低い笑い声が響く。
部屋の中に漂う香りは一段と強くなっていた]
[自室の中から、気配が遠のいては近づき、行っては戻るという十二宮のメンバーの気配を室内で感じながら、気だるそうに息をついた]
結局は、全員近くが俺の報告をあんま信じてないと。
今度からメンドクセー状況調査何ざぜってーしねー。ってか、そういうキャラじゃねーし。
[そうゴチつつ、それでも暇という事実は覆しそうもないため、一度散歩がてら部屋を出た。
そのままのんびりと、やはり人の出入りが激しいクローディアの私室方面に足を運び、彼女の室内でノブとシャロンが一緒に居るのを目撃した]
(何だ? 確かに出入りが激しかったが、わざわざ何故二人で居る?)
[その様子を覗き見ておこうかとも考えたが、万が一二人が裏切り者だった場合、他の十二宮を殺害に走る可能性も高い。
そのため、...はそっと気配を消しながら、クローディアの私室前を後にした]
そうだねえ・・・。
ま、昨日の晩に聖書なんて朗読されちゃったせいかな。
ちょっとだけ今、信心深い気分なのさ?
[おどけたようにシャロンに返す]
君の用事は手向け…だけ?
[其の部屋の前をレッグが通った事に、気付く訳も無い。当然だった。
気配には鋭い訳でも無い。]
然し…見事に、急所だな。
此れは、メイドが殺ったとは思え無い。
[其れから、ノブの聲にくつっと哂って]
僕は既に祈りは済ませたよ。花は後で頼んでおいた。
然し、信心深い、ねぇ…?
ま、其れ以外にも。
エレベーターのカードが若しかしたら無いかと思って来たんだが、ぱっと見は見つからないね。
まァ、裏切り者が、持って居るのだとは思うが
・・・ん?
[暫くはベッドの上で風の音を聴いて辺りの動きを観察していたが、風の音に歪みが生じる。一つの星の気配が消える。]
・・・レッグ?
否、早計は禁物か・・・
それにしてもアリエスはあんなに寝ないでよく平気だよなぁ。
[暇そうに呟く。ベッドの心地よい感触に、思わず睡魔に意識を奪われそうになるも、すぐに取り戻し、再び少年は思案に耽る。]
まあ…殺した以上はきっちり持っていってるだろうね。
逆に残ってたとすると「目的」が見えない分ややこしい。
まあ、死者には弔いは必要だろう?
僕達みたいな仕事でもね。
しかし、めんどくさいことになったねえ。
あまりこうやって二人きりで居るのを『誰か』に見られると厄介かもだねえ。
[レッグの存在に気づいたのか気づいていないのか。ドアの外をちらりと見やるとそう言った]
てなわけだから、僕はそろそろ失礼するよ。
見るべき者は見、やるべきことはやったからね。
[シャロンに手を軽く振ると*部屋を後にした*]
[さてどうするか? と彼は顎に手を当てて考える。
クローディアの私室にたまたま二人が居ただけで、怪しいと踏むのは早計以外の何者でもない。
また、だからと言ってここで手を抜いたため、二人に足元を救われるのは勘弁である。
そうなると、出来れば二人を同時に見張っておいて、ある程度疑惑が晴れるのを待つのが得策だと思うが、ナナエやメイドでは間違いなく荷が重いだろう]
――と、すると、誰かに見張りを頼むか。
[一人は自分が担当するとして、身軽で逃げ足の速いタイプが望ましい。もしくは時間稼ぎを行えるタイプ]
オーフェン、ミュウ、アヤメの三人が候補か。
[そう考えて、足は一番近い私室のメンバーの方向へ向けた]
其うだね、若し残っていたのなら――其れこそ、一体何を考えて、此うしたのかが判らない。
若し焦って忘れる様な事が在ったら良いと思っただけだよ。
[続いた言葉に、違い無い、と小さく。]
別に見られても不都合は無いけれどね。
まァ、裏切り者だと勘違いされるのは勘弁だ。
其れ以外もね。
[紅い口唇が哂って]
嗚呼、また後で、と成るのかな。
[同じく軽く手を上げて、然し自身は部屋に残る。]
痛かったかい、蛇の?
[そうと傍にしゃがんで、其の頬に手を伸ばす。微かに触れるだけ。]
本当に愚かな子だよ。
お前のお蔭で、真実、此処に裏切り者が居ると明らかには成ったがね。
――其れはお前自身の命と替えられる事じゃ無かろうに。
[銀の髪がさらりと手に零れ。
額を隠した紙は取らずに、一度、目を閉じる。
其れから立ち上がると、部屋を出た。]
[思い返すは先の言葉。魔法銀。
――時の神。
あの時は云わなかったが、其れは人が多数在ったからだろうか。
若しも思っている通りならば、彼は誰かが裏切り者か、判別できるのではないだろうかと。
考えるように口元に手を遣って]
−エレベーター前−
[にゃう、と猫が鳴いた。
どうやら本当にエレベーターは動かないようだ]
…さて、どうしましょうかレギーナ?
[ちら、と視線を落とせば首を捻っている猫の灰色の視線に気付く。
このままクローディアの部屋を尋ねてもよかったが、誰かしらいるだろうことは予想されてやめておくことにした。
そのまま、結局足は会議室へと向かう]
いけないね、落ち着かないと。
このままじゃ奴らも巻き込んでしまうさね。
[ヒラリと手を振れば香気は散り、微かな残香となる。
甘くどこか刺激的な香りが仄か漂い続けるか。
それも衣擦れの音と共に拡散してゆく]
やれよ、これではまた白羊のに説教を食らいそうだネェ。
奴らを無駄に刺激するなと。
[考え事をしているからか、その足は遅く。
メイドを捕まえて、彼の部屋は何処かと尋ねた。
殺気には反応するだろう。
然し只の気配には疎い。
悩むように、其の扉へと向かい]
─客室─
[ふ、と、ソファの上での物思いから覚める。
顔を上げる動作に傍らにいたアイリスが、不思議そうな視線を向けた]
……お客さん……かな?
[小さな呟きと共に、碧の瞳が扉へと向く]
―ディーノの部屋の前―
考えるよりも本人に聞くのが正解だろうな
[部屋の中の気配を探れば、其処に居る事は判り。
手を伸ばしコツンと扉をノックする。]
山羊の、聞きたい事が有るが良いか?
[聞こえてきた声──いや、それ以前に、気配である程度は誰か察していたが。
ともあれ、ある程度は想定していた来訪者に、くすり、と笑んで]
ああ、構わないよー?
[いつもと変わらぬ軽い口調で、こう返す。
部屋に入ったなら、微かな血の香りを悟られるやもしれないが、それはそれ、と気にかけずに]
[ノック音と、それに続く声に、扉の方へと振り返り]
…レッグ?
あぁ、どうかしたの?
[吸い終わった後も手持ち無沙汰に玩んでいた煙管を手にしたまま、扉へと。]
―→室内―
[返った聲に扉を開けて。
若し彼が裏切りをしていた場合、其の行為が危険だとは理解している。其の為に、普段より隠れる二つの黒の手は緊張を孕み。
――其れは気取らせぬ様な物で在ったが]
邪魔する。
……本当に邪魔をしたか?
[少女の姿を見やり、其の血の香りに気付いたのだろう。少し揶揄う様に]
[部屋入って来たシャロンの言葉に、くすり、と笑む。
その緊張に気づいているのかいないのか、碧の瞳はいつもと変わらず、飄々とした光を宿し]
邪魔?
いんや、別にぃ?
[のんびりしてたとこだから、とくすくす笑って。
対するアイリスの方は慌てたように立ち上がり、壁際へと控える]
で、何の御用?
[アヤメの警戒心は理解できるので、別段不快感も見せず、それ以上に彼自身も周囲に目配せをしながら、扉の隙間から覗いたアヤメの顔に小さく目礼した]
こんな時間に悪い。
ちょっと、姐さんにお願いしたい事があってね。
[あまり大きな声で言えないのか、小声で顔を少し近づける様子で語りかける]
お愉しみだったように思うよ
[くつっと哂って]
まァ、邪魔じゃなかったなら良い。
…………時の神様はお前に教えて呉れたのか、と、尋ねようと思ってね
[問われた用事を口にするに、逡巡した。]
ふむ・・・
[複数の渦が絡み合う。共に居る時は常に二人。
そしてパイシーズの部屋に漂う空気の蠢く音。]
なぁんだ・・・結構みんな積極的だなぁ・・・
[ニヤリと不敵な笑みを浮かべて。部屋の温度が少しだけ下がる。]
[扉を開けた一瞬、廊下の左右を気づかれないように見やり。他に人はいないのは確認すると少しだけ警戒心を緩め。]
時間は構わないけど……。
お願い事?んじゃ、立ち話もなんだし、ね。
[そして、レッグを部屋へと招き入れた。]
お楽しみって。
疲れたから、アイリスに癒してもらってただけですよお?
[くすくすと、笑いながらの言葉に偽りはなく。
血をもらう、という行為は、力の行使後の疲労を回復する、最も迅速な手段なのだが、それを説明する必然はなく]
トキノカミの……Chronosの力?
結果、知りたい?
[続いた問いへ投げ返す言葉は、どこか冗談めいて。
瞳には、微かに警戒の色彩が浮かぶか]
[徐々に生まれかけた熱を押さえ込んでゆく。
部屋の中の香が殆ど気にならなくなった頃、小さく息をついた]
何時以来かネェ、こんなに手間取ったのは。
気を抜かないように…あちらに出ておくとするか。
[鋭く空を切る音が鳴る。
衣擦れの音が続き、扉の開く音がそれを追いかけた]
ほぅ?
[クツクツと此方も哂い。判って居るのか居ないのか、否、どちらでも構わないのだろう。]
結果ね。
知りたく無いと云えば嘘になろう。だが、お前が云う必要が無いと思うならば云わずと構わないんじゃ無いか?
――真実、面倒で仕方ない。
[口調と裏腹の警戒の様子に、此方も飄々と其う返し。
最後の一言は、何処か投げ遣り。]
ワリ。
[そう言って、再度気配を探った後で、するりと室内に潜り込むと大きな溜息をついた]
や、本当にいきなりですまねぇっすわ。
なんで単刀直入にお願いするけど、ちと、シャロンのストーカーやってくんない?
[悪い意味でのストーカーではなく、スパイ行動としてのストーカーの意味を含めて真正面からアヤメの瞳を見据えた]
シャロンのストーカー???
[ストーカーの言葉に、まっすぐに見据えられた瞳へ数度の瞬きを返し。]
あぁ、様子を探れって事?構わないけど。
……彼、何かヤバい動きでもしたの?
[話しながら、餌を撒くのに使えないかと思考し]
[チラリと気配を探る。
幾つかの近接した気配、幾つかの単独の気配。
唇の端が上がる。
それらの気配には背を向けて円卓へと移動する]
ああ、白羊の。
この場に詰め通しかい、ご苦労なことだネェ。
ああ。
実は、さっきなんだけどよ。
さすがにずっと部屋んなかってーのも暇だし、少し円卓に行こうかと思ったのよ。
……まぁ簡単に尻尾はださねーだろうけど、裏切り者でも見つかればなーくらいに考えてよ。
んで、行く途中で、クローディアの部屋ン中で、ノブとシャロンが二人で会話してたのよ。
もちろん、ただ単純に自分の目で確認に来ただけかもしんねー。
だけどよ?
もし、これが裏切り者の密談を含めたカモフラージュだったら、こっちの足元が掬われちまう。
なんで早計とは思ったんだけど、杞憂で済めばそれでいいしって事で、簡単なストーキングを行いたいんだけど、相手は二人、こっちは一人。
って事で、姐さんは確か隠密活動得意だかっていう噂を耳にした事があるんで、シャロンの方をお願いしよーかなってさ。
まあ……ねぇ。
[言いつつ、右手を握り、開く。
浮かび上がるは、銀時計]
話した方がいいんだろうけれど、さて。
オレが垣間見たものを話して、果たしてキミは信じるかな?
……キミが、あちら側ではない、ともいいきれないわけだし、ね。
[面倒なのは、真理だけどね、と。
そこだけは、笑みと共に返して]
[銀の輝きに目を留めるも、其れには矢張り綺麗な物だと思うばかり。]
さて、如何だろうな。
只。
僕としては――あの場に一つの神しか信じ無い男が居たのに、不用意にも時の神を口にしたお前は、少しは信じられるとは思うね。
まぁ、信じ切れる等と云う事も無いし。
だからこそお前が僕を信じきれないと云うのも良く判るが。
[ふぅ、と溜息が落ちた]
信じろとも云えないしね。面倒な事だよ、真実に。
[レッグの話を聞きながら、再び煙管に葉を詰め、ゆっくりとふかし]
ふむ、ノブとシャロン、ね……。
ノブは私も気にかかってはいた。本当に、人形とやらを横取りされて気づかないものなのかってね。むしろ、彼自身が操っていたと考えるほうがスムーズなんだもの。
……まぁ、十二宮相手に隠密活動はなかなか遣り甲斐ありそうだしね。
[いったん言葉を止め、煙を深く吸い込んで、そしてゆっくりと吐き。緋が艶めいた笑みとなり。]
構わないわよ。任せて頂戴な。
[時を刻む銀、それを取り巻く二筋の光に視線を落とし]
……そういう見方もあり?
オレがカミサマキライなのは、昔からなんだけどねぇ?
[生まれついての異形に、異端の力。
それらに対する認識の曖昧な時代に生まれた身故か、神を信じるような気持ちには到底なれなかっただけ、なのだけれど]
信じきれないのは、お互い様……か。
とはいえ、少なくとも……あれが演技でなければ、キミは『彼』とは、対立している……と判断できる。
それは信じても、かまやしない……かな?
[こて、と首を傾げつつ。碧の瞳は、鋭い光を帯びて、シャロンを見つめ]
[レッグ自身があちら側であろうとも、そしてこの依頼が罠であろうとも、それならそれで好都合などと考えながら。]
あぁそうだ……私からもお願いがあるのだけども。
もし、誰かが死ぬ事があれば真っ先に知らせてもらえるかしら?
ちょっとやりたい事があって、ね。
[アヤメの返答に、ほっと息をついて]
ありがたい。
ただ、円卓の発言を聞く限り、シャロンも危ない感じするし、姐さんも気をつけてほしーなっとね。
[瞳の置くから険が取れ、普段の気だるそうな雰囲気が戻ってくる。ただ、それも次のアヤメの言葉に、ポカンとしてしまった]
へ?
誰か死んだら?
いや、まぁそれはOKだけど……どうして? と聞いても?
[ダメだろうなぁと思いつつも聞くだけ聞いておく]
―客室―
[一度解散、と言う白羊宮の言葉の後、
面々へと短く挨拶を掛け、割当てられた客室へと引篭もった。
レッグの言うクローディアの状態とやらを、
確認と言う名を借りて、足を向けても良かったのだが]
…――全く、
[本当、面倒な事に成りましたね、と。
扉が閉まると同時にぽつりと呟いた言葉は、誰へと投げかけられたのか
憮然とした表情を持って、静かに空へと霧散して消える。
其れは常に笑みを湛える彼にとって、至極珍しいとも言えた]
[特段、面倒事に不満は持ちこそすれ、倦厭する性質でも無い。
死に対しての恐怖等はとうの昔、あの時に置き去って久しいし
同時に生に固執する理由や心算は、更々無い。
…しかし今。彼を喪う心算も、無い。]
[――考えておくとは、告げた。
実際に持ち掛ければ、是の応えが返るのだろう。
…だからとて、その話を持ち出す心算は薄々でしか無かったのだが]
…万が一の時には、
本当に視野に入れなければ成らないでしょうか。
[薄く開いた口唇から、小さく言葉を紡ぐ。
銀フレームの向こうの目を冷やかに細めながら、
零れる溜息と併せる様に、鮮やかな蒼がさらりと*揺れた*]
昔からじゃ、判断に成らないのか
ま、僕も神様とやらは信じて居ないがね。
流石にあれの前で云うのは憚られる。
[クツクツと哂う儘に。
彼が如何して其れを厭うか等知る事も無いが、対して其の理由を知られる事も無い。]
まァ、此う云う状態で、互いを信じ切れる等。
其んなお目出度い事が起きたら、其れは其れで凄いと思うがね。
……彼?
ん……。
[一瞬の逡巡。
もし彼があちら側で、そしてそれを聞いてここで動くなら動くで構わない。すでにトラップは幾つも部屋の中に張り巡らしている。
また、彼から他の者へと伝わるなら、それもまたよし。
そう判断して話し出す。]
まぁ簡単に言えば、クローディアみたいな能力が使える、って事。
あいにく星を詠むなんてロマンティックなやり方じゃないんだけど。
それに、私のは死体にしか効果がないのよ。それも死にたての、ね。
生きてる人間に効果があるなら、片っ端からやっちゃうのだけどね。
[そうして、小さく肩をすくめ笑った。]
[会議室に入ろうとしたところで、猫が鳴いた。
ドアノブはまだ扉を開こうと手を乗せたところで]
…どうしました?
[首を傾げて猫を見下ろす。
そのまま猫はどこかへと消えてしまい]
『?』
[何となくその後ろをおいかけたくなって*踵を返して軽やかに廊下を走り出した*]
まあ、信じてるようには見えないけど。
……確かに、あの御方の前で言うと、説教飛んでくるからねぇ。
[けらり、と笑いながら言って]
そうだねぇ。
オレは、過去視の結果次第では、相手を信じてもいいが、逆は難しいだろうしね。
[ここまでは笑みを帯びた軽い声で。
そして、最後の疑問に対しての答えには、やや、鋭い声となり]
……今、話題にかすめたご当人のコトさ。
そりゃまた……。
つーか、それってかなり重要な能力だなぁ!
スッゲー!
そういう事なら了解!
誰か逝ったら、姐さんに知らせるさ。
……もし、仮に俺が逝っても、ナナエに呼びに来させる。
[それは心から信頼しているような満面の笑みであった]
んじゃ、俺はさっそくノブの尾行してくらぁ。姐さんもよろしく!
[ドア向こうの気配を探り、特に何もないとわかると、さっとすばやくアヤメの部屋を出て行った]
そもそも12宮の中で信じているのなど居るのか? 牡羊の以外に。
[肩を竦めて]
お前の力、なのか、時の神とやらの加護なのかは知らないが
――牡羊の、か?
対立した心算も無いが。信じても居ないがね。
…………真逆、あれが、裏切り者だと?
いないんじゃないの?
[ひょい、と。こちらも肩を竦めて]
ああ、そこらはオレにもよくわかってない。
ただ、オレはその力を使える、というだけのこと。
……ま、オレも最初は驚いたが、ね。
ただ、そうと考えれば、流血沙汰を避けようとし続けた理由も……いくつかの物言いも納得は行く。
信じる信じないは、ご自由に。
そして、広める広めないも、ね。
……オレも、いつまで生きてられるか保障ないからな。
預けてもわるかなさそうな所に、情報はパスしとく。
[後の扱いは、ご自由に? と。
浮かべるのは、冗談めいた笑み]
[レッグの反応に大げさだなぁなどと思いながら、この笑顔は信用しても大丈夫だろうか、などと脳裏にちらりと過り。]
すごいと言っても、所詮限定された力だからね。もう少し応用出来ればもっと色々便利なんだろうけども……。
……逝っても、なんて縁起でもない事言うんじゃないの。こちら側なら、生き抜きなさいな。
[そうして去り行く背中に]
OK、それじゃこちらもぼちぼちやらせてもらうわ。気をつけて、ね?
[他人の目を枷として自らに負わせる。
そんな手段を取る羽目になったのも随分と久しぶりのことで]
フン、昔を知っている相手は厄介さね。
まあいい、多少昂ぶっているのは否定しないよ。
だがアタシだってあの頃のままじゃない、多少の自制くらいは身につけたつもりだよ。
…降りかかる火の粉は払わせてもらうけどネェ。
[薄く笑って目の前の相手と幾つかの会話を*交わしてゆく*]
まァ、使える物は多いほうが良い。
お前にせよ、時の神とやらにせよ、お前が使えるなら其れで良いんだろう。
[其れから聲は少し落し]
確かにね。
――あれはひどく僕らを纏めようとした。誰も疑わないように。
……判った、少し考えることにしよう。
僕自身も又、何時死ぬかも判らない。
邪魔をしたね。
[そう言って、扉に手をかけた]
[アヤメの、恐らく心配してくれた一言を背中に受け、手を振りながら答えると、すっと息をついた]
……たとえ生き抜く心持でも、ここのメンツ相手に自信過剰になれるわけないさ。
だから、何かあったら頼むわ。
[その言葉が聞こえたかどうか……*それは誰にもわからない*]
そういうコト、かな?
[力に対する言葉には、僅か、笑みが掠めたろうか]
……オレも、それが気になったから、過去視をしたんだがね。
ま、時間がどれだけあるかはわからんが、考えてくれ。
いつ死ぬか、わからんのはお互い様だ。
[ここまでは静かな口調と声で言うものの]
いんや、全然邪魔じゃなかったよー?
[最後の言葉は、いつもと変わらぬ*明るい声で*]
[部屋を出て、自室へ向かう。最後の言葉に、軽く手を振って。
気配を殺した人には、屹度気付かぬことだろう。
殺気には反応出来るだろうが、ひどく考え込んだまま。
*部屋の扉を越えて、ベッドに腰掛けた*]
まぁ、ね。
この十二…いや、十三宮に選ばれたそれぞれ、だからねぇ……。
それでも、心構えだけは大切よ?
[自分も人のことが言えない、最悪相打ち覚悟で挑まなきゃ、とは思ってるけども。]
[そして、いったん*扉の鍵を掛けた。*]
―客室―
[ベッドの上に寝転びながら己がやるべき事を考える]
…やっぱ適当に殺ってみるしかないかね。
[はぁと溜息を一つ吐くと軽く勢いをつけて身を起こし]
だったら…どうせ何時殺られるかわかんねぇってんなら―
[―一番戦いたいヤツと思う存分戦っておこうじゃねぇか?
そう呟くとディスを連れて*部屋を出た*]
[やわらかいベッドは細い体を沈める。
上着だけを脱ぎ捨てて、背の大きく開いた白のキャミソール。
異様なのは背後の二つの手か。
聞いた情報は、如何するか。
否――
彼の所へ、往くべきか、否か。]
どちらかは、確実に、裏切り者か。
アハッ、真実に面倒だね。
兇すにも、兇されるにも、相手に不足は無いけれど。
…誰かに、云うべきなのか。
其れとも――
・・・!
[目を開ける。部屋の眩い明かりが目に入る。それは少年の覚醒を促すのには充分であった。]
・・・ゲレフト?一体何が・・・
いつの間にか寝ちゃってたかぁ。さて、そろそろ僕も動こうかなぁ?
[呟いてゆっくりと身体を起こす。同時に耳を澄ませ、注意深く風の音を聴く。]
・・・っと、これはどうやら動く必要も無い、かな?
[クククッ、と含み笑いを浮かべる。その口元には不気味な笑みが描かれる。それと同時に。部屋の温度は急激に下がる。つい先程少年が見た、夢のように。]
嗚呼、全く面倒で仕方が無い。
[云いながら三日月は消えることなく]
カマをかけるか。
其んな事で何かボロを出すとは思えないが――
其れでも、僕が知っていると思えば、行動に起こすかもしれないね。
[彼が裏切り者ならば。
自分自身に屹度伝わる様な態度は、其の場では取らないだろう――が。
其うと決まれば、腰につけたナイフは其の儘に。
しなやかな体が、床に下りた。]
[シャロンを見送った後、ふう、と息を吐いて立ち上がり]
……さて、どうなるか。
[手札を晒したのは果たして是か非か。
いずれにせよ、これで刻がどう動くのかは、楽しみと言えば楽しみで]
ま、それはそれとして……オレ自身もどうするべきか……だな。
『星詠みの君の星見に寄れば、御方の他に後二人……見切れるか、今の状況から。
現状で疑問があるのは……双児の旦那、だが』
[黒は床を這い、白の手は棚に伸びる。内から引き出された瓶。
大した物では無かった。
僅かばかり、痛みと衝動を抑えるもの。
其れを一口、含み。]
……効きすぎても困るが。
効いてから往くか。
[他にも2,3の瓶が有る。だが其れには手を付けず、再び棚に戻すと服を取った。
*何時もの様に身に纏った後、暫くしたら部屋を出るだろう。*]
[目的の部屋が近づくにつれて周囲の気温が下がっていくのは錯覚だろうか―]
…違うみてぇだな。
[やがて辿り着いた目的の部屋。
扉の向こうから明らかに発せられる冷気を前にして誰とも無しに呟いた]
あちらさんも臨戦態勢みたいだけど…いくとしますか。
[左手に小さな炎を浮かべ右手で扉をノックする]
おーい、ちょっと用事あるから開けてくんない?
……正直な所……何がどうなってても、不思議はない……からな。
[小さく呟いて、また一つ息を吐き。
それから、控える少女を振り返る]
さて、とぉ。
今の話、聞いた事にするのもしないのも、好きにしていいからね?
[にこりと笑いながら言いつつ手を伸ばし。
掬い取った栗色の髪に、軽く、口付ける]
……できれば、死ににくい道を選んでくれると嬉しいんだけど。
キミのは、あまいし。
……それに、可愛いしね。
[愛しくなるくらいに、と。
冗談めかした囁きを落として。
それに何か答えが返されるよりも早く、*柔らかな唇に触れて、言葉を閉ざす*]
[自室にて。卓に腰掛け掌中の「あるもの」をもてあそぶ。]
強い者がいい。なるべく近接白兵戦闘に長けた者。そして賢明な者。この状況にあって、まだ冷静に戦闘を避ける事の出来る者。
そういう者に「これ」を託さねばならない。
誰…かな。
[頭の中に十二宮のリスト・プロフィルが浮かべ黙考する。]
[扉からノックする音が聞こえる。そして発せられた声に呼応するように]
あぁ、鍵は開いてるよ。少し冷房が効きすぎてるかもしれないけどね。
[言って、冷気をほんの少しだけ収める。
氷点下だった気温は一気に秋風の心地よい涼しさに変わる。]
『炎・・・かな?これはヤル気だねぇ。さぁ、どう料理してあげようか。』
んじゃ遠慮なく。
[許可を受け、温度が上がった事を確認してから扉を開ける。左手の炎を隠しもせずに室内に入り]
まあ疑ってるとかどうこう言う訳じゃねぇけど…俺と死合ってくれね?
『ふぅん・・・とりあえず、いきなり奇襲、なんてことはなさそうだ。無駄だけど。』
へぇ・・・疑ってるわけじゃない、と。それはどう云う訳かな?
[無邪気そうにこて、と首を傾げ。しかしその瞳には冷たい光]
まぁいいよ。僕も死ぬ前に君と戦ってみたいとは想っていたしねぇ。
もし仮に君が裏切り者だって言うんなら、それで手間も省けるし。
[言ってクスクスと笑い、周囲の温度を再び真冬の温度まで下げる。]
[急激に下がった温度も意に介さず]
誰が裏切り者かなんて考えても分かんねぇしだったら適当に殺ってみようかなってワケ。なら何時殺られても悔いの無いように一番戦ってみたいヤツからやろうかな〜って。
[軽い口調とは裏腹に掌中の炎はサイズを増していきその双眸は冴え冴えとした冷たい光を放つ]
ああ、お前が裏切り者ならイッセキニチョウだな。
[本当にたった今気付いたかの様に言う]
ふふっ、それは光栄だねぇ。一番戦ってみたいヤツ、それが僕だって事でしょう?
[カルロスの冷たい視線にニコ、とどこか冷たい笑みで]
僕は裏切り者なんかじゃないよ。・・・と言っても、信じろって方が無理だけどね。
・・・さぁ、どんな楽しい花火を見せてくれるの?
[暫くして、ゆるりと手を動かす。其れは白か黒か、両方か]
……行くか
[立ち上がる。身体にだるさは残っていない
……といっても痛みを抑えるもので有るのだから
少し動きは鈍いかもしれない。
其れを感じさせる様な事はないだろうが]
……行くか。
会議場に居るかな
[考えながら、*部屋を空に*]
そりゃあ炎と氷のどっちが強いか…確かめてみたいもんだろ?
[ニッコリと―それだけ見ればなんの邪気もない―笑顔を浮かべ]
バカにしてっとヤケドするぜ?なんせ、世の中にゃあ花火の暴発で死んだヤツもいるんだからな?
[その言葉が引き金だったか―]
んじゃイイカゲン寒くなってきたし…いくぜ!
[言うが早いか左手の火球を解き放った!]
・・・来なよ。
[ニヤリ、と微笑む。それと同時に火球を絶対零度の冷気を膜とした真空の空間で包む。火球は音もなくその勢いを落とし、消える]
さて。小手調べだ
[呟くと同時に懐から銃を取り出し、三回引き金を引く。
一つは心臓へ、一つは眉間へ。そして最後の一つは右の腿を狙って。時間差で放ったにも関わらず、それらは向かう対象に対して同じ距離を保つ。それと同時にカルロスの前方以外の方向全てから、無数の氷柱が襲いかかった]
ふん…中々やるじゃねぇか。
[消え行く火球を見ながら不敵な笑みを浮かべる]
だが…まだまだ甘いぜ!
[右手を振るうと全周囲に緑色をした炎の壁が立ち氷柱と銃弾を溶かす]
へぇ・・・緑色、か。
でもこれは・・・溶かせないよ?
[言うとニヤリと微笑み、次の攻撃を繰り出す。
見えない無数の「真空の刃」がカルロスの居る空間に出現し、彼を切り刻まんと襲い掛かる。同時に鋭い氷柱をカルロスの全方向へと向けたまま静止させ、先の炎を打ち消した絶対零度の真空の膜で包み込む]
―会議場―
[入った先に姿は無く]
――
[吐息が軽く落ちた。
其れから其処に居たメイドに声を掛ける]
牡牛のの部屋は何処だ?
[ディーノの時もだが態々聞くのは何故か。
……判りきって居る。
其れから聞いた部屋へと向かった]
ちっ…!
[真空の刃が...の首を落とさんとしたまさにその瞬間...の姿はその場から―“消えた”]
ったく…テレポーテーションなんて久々だぜ。
[その声がオーフェンの背後から聞こえるのと青き炎が放たれたのは同時だった―]
――!
[背後にカルロスの気配が移ったのを確認すると。]
『これは少し拙い・・・か。』
[頭の中で少しだけ思考を巡らすと、衝撃波を自分の周囲に浮かべて解き放ち、「青い炎」ごとカルロスの身体を強烈な冷風で吹き飛ばす!!]
ぐわぁっ!!
[冷風に吹き飛ばされ背後の壁に激突する!]
グ……。
[口の端に滲む血を片手で拭い再び炎を現出させる―その色は禍々しき黒]
[カルロスの方向を向き、一歩下がりつつ]
・・・そんな能力が使えるとは驚きだよ。これは僕も本気を出さないと失礼だね・・・!
[言ってカルロスの身体から数mmの距離を絶対零度の冷気でできた厚い膜で包みこむ。その向かう先は迷うことなくカルロスの心臓へと。それと同時に部屋のあらゆる場所から、そして...の足元からも。無数の蒼色の蔦が枝分かれしながら対象の足元へ襲いかかる!]
―廊下―
――…、近いな。
[慣れた、力のぶつかり合う気配に僅かに目を細め
廊下に佇んだまま、ぽつりと言葉を零す。
その気配を深く探れば、どの宮の力かまで薄ら辿り着いた。
…小競り合い、と言うには聊か力が大き過ぎる。
裏切り者と称される者の粛清の為か、または。]
[粛清以外を含むならば止めるのが筋だろうが、
恐らく、止めた所で聴く耳を持つ彼らでは無いだろうし
…何より、巻き込みを蒙るのは御免だ。
廊下へと佇んだまま、其方へ向けた視線を逸らさずに]
こっちもちと本気を出さなきゃ…な!
[それと同時に黒炎が...の全身を包み込み同時にその一部がオーフェンの頭上目掛けて放たれる]
炎の雨には要注意…ってな?
[パチン!指を鳴らすと炎が無数に分裂、その全てがオーフェン目掛けて降り注ぐ!]
・・・ちっ!
[カルロスとの距離を一気に詰め、その大半を回避するも、一つの「黒い雨」が...の左肩を掠め、その細胞を変質させる。しかし傷口を氷で固め、怯む様子もなく。右の拳を氷で固め、その腕に真空の刃を纏ってカルロスへと突っ込む!]
冷気だけだと思うなっ!!
[そしてカルロスとの距離を詰めると同時に。廊下、そしてビルの外の空気から残っている熱を奪い、カルロスの居る空間を「自分の」灼熱の炎で包み込む]
─自室─
[感じ取った血の匂いにピクリと眉を寄せると、口元を薄ら笑みに歪め]
そう、始まったんだ。んじゃ私もちょっと様子を見に行くといたしますか
[そう呟くとベッドから飛び起き、どこかへと向かっていた]
―廊下―
[ふと、目の端に青が過る。
ちらと覗いた其れは、水瓶の姿。
彼は、何だろうか。
少し考えるも、答えなど出る訳も無い。
聲を掛けるか、掛けないか。]
悪いがこっちも炎だけじゃねぇんで…なっ!!
[オーフェンの突進と同時に『オーフェンの目の前に』テレポーテーションし―]
喰らいやがれ―『殺炎』!!
[形無き物をも焼き尽くす黒き炎がオーフェンの周囲の熱を焼き尽くし幼い少年を「自らの」氷に閉ざす―!]
[力のぶつかる気配に、暫しの間意識を向けていたが
ふと、別の気配を感じ。警戒を解かぬまま視線を向ける。]
――…あぁシャロン、貴方ですか。
[視界の端に捕らえたフードの姿に、緩やかに其方へ顔を向ける。
どうかなされましたか、と目を細め、僅かな笑みを]
[否、今は良い。
ゆる、と首を振って――
エドガーの部屋へ直接向かおうとして、聲を掛けられる。]
嗚呼、僕だよ。
やぁ。
[口元に小さな笑みを。]
否、一寸ね。
考え事をして居た。
……やっている様だね。
…どうやら、引き止めて仕舞いましたか。
[声を掛ける直前に、何処へ踏み出そうとしていた様子に気付き。
それは失礼しました、と短く侘びを告げて。
続く言葉に、浅く頷きながら先程まで
気配を探っていた方向へ視線を再び向ける。]
今の状況では、考える事も多いでしょうね。
ええ、どうやら――巨蟹と、人馬が。
[止める心算も無いが、と小さく吐息を零して]
否、構わないさ。
[少しほっとしたのかもしれない。其んな事を自分で思いながら]
蛇のの部屋に行ってみたんだけどね。
矢張りカードは無い様だった。
誰が、其れを持っているのか。――其れが無ければ僕等は此処より地上に戻れ無いと云うのだからね。
そういうことを考えていただけだけれど
[小さく息を吐いて]
其うだね。どちらかが、裏切り者なら良いんだが。
―な・・・に・・・?
[黒い炎に焼き尽くされ。少年は氷の中で永遠にその動きを止める。]
『あぁ・・・全部、思い出した。』
[死の直前で。全ての記憶が蘇る。そして、少年の本来の心も。]
楽しかったよ・・・カルロス。有難う・・・
[...を閉ざした氷がバラバラと、その幼い体と共に小さな欠片となって崩れ落ちる。最期に放った言葉に含ませた、今までの彼には無かった優しさと温かさは、果たして彼に届いただろうか]
[廊下を歩いていると前の方にシャロンとマイルズの姿]
ごきげんよう、シャロンさんにマイルズ
[気流の乱れにチラリとある方向─オーフェンの部屋の方向─を見遣り]
殺り合っているのは、オーフェンとカルロスかな?
それは良かった。
[微かに笑みを浮かべたまま、短く言葉を返す。
続く報告に僅かに目を見開ながらも。有難う御座います、と告げ]
…そうですか。やはり、向こう側の目的はカードなのですね。
成る程、必然裏切り者を粛清しない限りは
――我々も降りる事は叶わないと、
[予想はしていたが、面倒事には変わり無い様で。
再度、吐息を零す。]
……あの二人では、どうでしょうね。
どちらが仕掛けたにせよ、乗りそうな二人でも有りますから。
おやカレン。御機嫌よう―――、…
[投げられる少女からの言葉に、視線を向けようとして。
は、と。気配の漂っていた方角へと咄嗟に意識を向ける。
一つ、気配が消えた。
レンズ越しの赤茶の瞳を、僅か細める。]
…人馬の。――オーフェンですね。
[何が、とまでは告げず。ぽつりと]
やぁ。
[やって来たカレンに、口の両端を吊り上げて]
其うだね。
否、其う だった 、のかな。
[其んな事が、少し溜息を含んだ口から零れた。
それからマイルズに肩を竦めてみせる]
余りきちんとは探しては居ないけれどね。死者への冒涜に成るだろう?
[くつっと笑みが浮かび]
僕がエレベーターに行った時は其うだった。
……本当に其れだけならば、裏切り者で無いならば。
血気盛んなのは余り望ましいものではなかろうに。
[直前まで少年だったモノを見下ろしながら―]
…最後にそんな事言うのかよ。
[呟いた声が沈痛な色を帯びていたのは気のせいか―]
…いくぞ、ディス。
[そう言って顔を上げた時には既に何時も通り―
そして...は待たせていた自らのドールと共に人馬宮の部屋を去って行ったのだった―]
……と、どうやら決着(ケリ)が着いたようだね
ふぅん、勝ったのはカルロス、と
面白いカードだとは思ってたけど。そう、こういう結果になったか
[そう言ってクスクスと笑う]
―客室―
[自室へと戻るエドガーを見送り、他に誰も来ないとなれば仕方がなしに自分も部屋へと戻る。
他愛ない昔話に幾つかの記憶が呼び覚まされただろうか。
再び休んでいたその時、それは訪れた]
っは、はハ、ハハハ!
辛抱の効かないのがいたようだネェ。
こっちは必死に抑えているというに!
[ザワリと突き上げる衝動を必死に押さえ込む。
闘気、或いは殺気と呼ばれるもの。
その気配に誘発させられそうな己の中の狂気を]
いえ、確りと探さなくとも十分ですよ。
其れに、死者への冒涜は僕も好む所では有りませんから。
少し探しただけとは言え、其れで見付からない以上は、
…恐らく無いのでしょう。
[ふ、と吐息を零すように淡々と告げる。
たった今一つの気配が消えた方へ、向けて。]
望ましくなかろうとも始まり、そして一つの座が消えた以上は。
――此れから、どの宮がぶつかり始めても可笑しくないかも知れませんね。
…さて、如何しますか。何が残ってるとも思いませんが。
[一応、見に行こうかとは思いますけれども。
その場の2人に、緩く首を傾げ問い]
―廊下―
[なー、と長く猫がひとなきして自分を抱き上げようと屈んだ主人の肩に飛び乗る猫。
自分はといえば、思わずレギーナを見るだけで]
…今のは…。
『まさか』
……レギーナ、走りますよ。
振り落とされないようにね…!
[にゃう、と返事のようにないた猫に微笑み廊下を走り出す。
それは人を越えたスピード。
しばらくしないうちに廊下に宝瓶と金牛、その奥に獅子の姿を見つけて]
マスター、今のは…!
[足を止めると、振り落とされないように必死な猫を腕に下ろして]
嗚呼、僕が見ただけじゃないが。
双児のも見て居たから、――と云うより僕より先に居たから、後で聞いてみたら如何だ?
[確か無いと云って居たが、と云って]
そうだな。もう、誰が兇されても、誰を兇しても可笑しくは無い。
自分が兇されない為にな。
[其れから申し出には、少し考えてから首を横に振り]
否、其れはお前――
水瓶のと、お前、獅子ので見て来れば良い。
僕は、行こうと思っていた所に往くよ。
――ジョエル。
[ふと、聴き慣れた声に其方へと視線を向ける。
何処か安堵したように、僅か目を細め]
…巨蟹と、人馬の二人がぶつかった様です。
そして丁度今し方、オーフェンの気配が絶えました。
[恐らくは。
続きを口にせず、再び視線を部屋へ。]
[と、とても早く駆けてきた乙女の姿。
其の肩から下ろされた白の姫君に、仄かな笑みが浮かぶ。
――和んでいる場合でも無いのは判って居るが。]
――双児、が…
…判りました、有難う御座います。
[シャロンの言葉に、一瞬訝しげに眉を寄せ。
何処か、考え込む様に視線を巡らせた後短く謝礼を述べる。
続く言葉に、浅く頷いて]
ええ、承知しました。
引き止めてしまい、申し訳有りませんシャロン。
と言う事で、僕は様子を見に行きますが。
カレン。…ジョエルも、貴方方は如何なさいますか。
礼を云われる様な事でも無い。
[何かを考えた様子にも、何も云わず。云えず。
白猫から視線をずらして。]
別に構わないよ。
其れじゃ、失礼しよう。
[誰かがついてくると云うのを止める為か、其れ以上は何も聞かない様に、彼等から離れる。
そのまま直接、エドガーの部屋に行くのはまずいだろう。
――裏切りを匂わせるか、如何するか。
未だその答えが出ないから、直接向かえなかったのかもしれない。]
フフ、これは相当気をつけておかないと。
引き摺られ、引き摺り込みかねないさね。
本当はサッサと散らしておく方が楽なんだが、白羊のがまた怒るだろうし。
それともここまで来れば構わんのかネェ。
[生命の消失と共に収束する気配に抱えていた肩から手を外す。
呼吸を整え大きく手を振れば、立ち籠め始めていた香気が散る。
それを見届けながらクツクツと笑った]
やれ、どちらにしろ確かめねばならんだろうて。
[薄笑いと共に立ち上がり、扉に手を掛けた]
[マイルズの言葉に顎に指を当てうーんと考えていたが、シャロンの言葉にん?と顔を上げると]
行こうと思ってた所? 何か他にもあったんですか?
[すると向こうから人離れしたスピードで駆けてきたジョエル]
んー、まあ凡そマイルズの言った通り。後は推して計るべしかな
[背を向けて去るシャロンに、
視線を送りながらも引き止めるような事はせず。
カレンの問いに、あぁ。と短く相槌を零す]
何処かへ向われる途中だった様です。
どうにも、僕が引き止めてしまった様で。
[…詳しい事は問うておりませんが。浅い笑みを浮べ言葉を返し。
ふと、投げられる視線に気付いたのか、一つの扉へと意識を向ける]
――ミュウ、如何なさいましたか。
[にゃーにゃー鳴くレギーナに軽く肩をすくめ、シャロンへと彼女を差し出しながら]
…ご一緒します。
[飼い主のほうは真面目な顔して宝瓶に頷いた]
お揃いのようだネェ。
何が起きたのかはまだ未確認というところかい。
[薄く笑ったまま、声を掛ける]
どうもこうもあるかい。
あれだけの気配を飛ばされちゃ、おちおち休んでもいられやしないだろうが。
消えたのは…オーフェンのようさね。
[改めて一騒動あったらしき扉の方を見やる。
消えているのは凍える風のような少年の気配だった]
[シャロンの言葉にはふぅんと気の無い返事を返し、去っていく彼女を見遣っていたが]
そうだね。私も一緒に見に行こうかな。どういう状況かも気になるし
それに……カルロスと次に殺り合うのは私、かもしれないしね
[そう言って薄ら笑みを浮かべる]
[ジョエルから差し出された姫君は、一度喉を撫でてやって手を離していた。
其のぬくもりが手に残っている。
――逡巡。
其の部屋の前に辿り着いて、体が緊張を孕む。
黒の手は直ぐに動くように。
白の手は其の緊張の儘、扉に甲をぶつけた。]
確かに…あれだけの気配を発されては困難でしょうね。
今更確認と云う程も無いでしょうが、此れから行こうかと。
貴女もご一緒に如何ですか、ミュウ。
[少年の気配が消えた部屋へと身体を向けながら
小さく笑みを零して、双魚に応える。
ジョエルの言葉に、口許に柔い弧を描き。]
――判りました、参りましょうか。
カレン、貴女も気になる様なら一緒にどうぞ。
[笑みと共に告げ、部屋へと向け足を踏み出す。
事が起きたであろう部屋の前まで辿り着けば
中の気配を探りながらも、その扉を開け放ち]
―廊下→人馬宮の部屋―
ああ、ごきげんよう。
…そうさね、ご一緒させてもらうとしようか。
[カレンには微笑と挨拶を返す。
一瞬口元を押さえはしたが、マイルズの言葉にも頷いてその部屋へと向かう]
[気配が無いのを視界でも再び確認し、
漸く、僅か張り詰めた緊張を解いた。
床へと散乱する氷の幾つかを、靴で軽く押し割りながら
痕の残る室内に、僅かに眉を寄せる。]
――炎と、冷気のぶつかりとは云え、
矢張り、凄まじいですね。
[小さく吐息を零しながら室内を一瞥し。
残っているかと考えて居た少年の身体が見当たらない事に、
――そして床へと残る一枚のカードに、おや、と小さく声を上げた。
静かに其方へ歩み寄り、慎重に。濡れた其れを持ち上げる]
[シャロンにおいていかれてしまった形になった猫は、なうー…、と小さく鳴いて尻尾をぱたりとひとつ揺らした]
[マイルズに頷いて、彼と共に*向かう*]
[マイルズ達と共に激闘の舞台となった部屋へ。
勝者は既に立ち去っており、室内は凄惨なまま静まり返っていた]
流石は両極の性質を持つ能力者の闘い、といったところさね。
おや、それは人馬宮のカードかい。
持ち去らなかったというのは、どういうことなんだろうネェ。
[マイルズの持ち上げたカードに気が付くと片眉を上げた]
否。
[その問いと体勢に、答えは簡単に返った。]
僕は別にお前を兇したい等思っては居ないよ、牡羊の。
――お前が裏切り者だと云うなら、其うするに何も問題は無いけれどね。
[くつっと小さく笑みが浮かび]
なんてね。
蛇ののカードの行方、知らないかと思ってね。
……知っているか?
[紅は笑みを含んだ儘。
だが――如何問えば良いのか、矢張り心理戦など苦手だと心の中では*毒づいて*]
…その様ですね。
[ミュウの言葉に、濡れたままのカードを一度裏返し。
その真偽を確認して、ぽつりと言葉を返す]
…クローディアのカードは、キッチリ持去られていた様ですよ。
少なくとも巨蟹宮の彼は、カードが目的では無かった事に成りますね。
もし彼が「裏切り者」為らば、
…目的の物を置いて行くヘマは成さらないでしょうし。
[彼が、裏切り者とは違う可能性が高く成りましたね。
吐息混じりに、カードを表面を撫ぜる。
カードに纏わっていた水が、瞬間にして気化し。
残るのは、乾ききった一枚のカード。]
…人馬の彼が裏切り者だったのか、案に粛清とは違う戦闘だったのか。
其処までは判りかねますが。
[マイルズに続いてオーフェンの部屋にやってきたが]
ふへー、これは酷いねぇ
[のぞき込んだ部屋は、凍りついた家具やら溶けた金属やら焦げ付いた壁やらでなんというか凄惨な状況]
普通に考えたら火がカルロスで氷がオーフェンだろうけど
[そう言って見遣ったのは、氷と水で出来た水溜り]
どうやら、単純にそうとは言い切れなさそうだね
ん? それってオーフェンの? 置きっ放しってことはカルロスは裏切り者じゃないのかな?
[鼻を僅かに動かす。来訪者から微かに薬の匂いがする。]
[自分もしばしば殺しに使うから分かった。麻酔か鎮静剤系の匂いだ。]
[金牛宮がしばしばそれを入手している、どうやら自らの衝動を抑える為に服用するようだ、という報告を思い出しながら、内心独りごちる]
『どうやら本当にやりあうつもりは無いらしいな…。』
…クローディアのカードか…。いや、知らないな。レッグから詳しい報告は受けたが、彼も見ていないようだ。恐らく裏切り者が所持していよう。
それがどうかしたのか?
カード目的ではないのかネェ…堪え性の無い。
いや、手っ取り早くて助かるか。
[呟いた言葉を即座に否定してクツリと笑う]
カードが欲しかったんだとすれば手落ち過ぎだろう。
そこまで愚かではないと思うね、カルロスにしても。
それ即ち裏切り者でないという証と言うつもりもないが。
…そうとは言い切れないとはどういうことだい、カレン。
んー。でも、裏切り者にとっては最終的にカードを全て集めることが出来ればいいんだから、その過程でカードを誰が持っていようと構わない
だから、一概には裏切り者じゃあないとは言えないのかもね
[そう言って、意地悪そうに笑う]
いや。
エレベーターに行ったが、矢張り乗れなかったからね。
有れば外に出られるんじゃ無いかと。
[其れから、くつっと哂って]
ふゥん?
――本当に、知らない?
堪え性が無い…のは同意ですが。
まぁ、遅かれ早かれ事が起こっていた様には思いますね。
[ミュウの言葉に、苦笑交じりに小さく喉を鳴らす。
続く言葉に、浅く頷いて同意を示して]
確かに、裏切者では無いとは言い切れませんが。
……もし、彼が裏切者なのだとしたら…
人馬宮のカードを持出さなかった事を良しとして置きましょうか。
[カレンの言葉に、僅か眉を寄せて。
手に持ったカードで、口許を隠しながら思案するように]
しかし、3人居ると云われる裏切り者以外…の手に渡れば
その分、余分な戦闘を行う可能性も有り得る筈ですから。
単純に考えるならば自らが倒した者のカードを回収する方が
一番早く確実だとは思いますが。
実際、クローディアのカードは抜かれていましたしね。
[一瞬怪訝そうな顔をして、直ぐにまた普段の表情を出すと]
…なるほど、私を疑っているわけか。
残念だが、と言っても誰にとって残念かは様々だが、私は確かにクローディアのカードについては何も知らない。
誰に何を吹き込まれた?
いや、カルロス。
カレンの言っているのもあながち間違いじゃないだろうよ。
倒した相手のカードであれ、誰が持っているのかが分かればそいつを倒せばいい。
どうせ全員分のカードが必要になるのだからネェ。
裏切り者じゃなければ、みすみす差し出したりはしないだろうし。
やれ、となるとこの場で分かることは殆ど無しか。
無駄足になっちまったかネェ。
[やれやれと溜息をついた]
アハッ
[クスっと哂って、手を口元に当てた。]
まァ、良いんだけどね。
誰に?
――僕自身だとは思わないのかな?
[三日月の笑みは消えない。]
─客室─
ん……。
[感じた気配に、ゆるく瞬く]
……『半身』?
[小さく呟いて、右手を握り、開く。浮かび上がるのは、銀時計]
ん……落ちたのは、人馬の御子……か。
[小さく呟く。
摩羯宮──『陽が入りて死せる宮』に座す彼にとって、人の死はなんら感慨を得るものではなく、ただ、それだけで]
……一応、見にはいっときます、か。
[呟いて、ベッドの方を振り返る。
栗色の髪の少女に目覚める様子がないと見て取ると、微かに笑んで、部屋を後に]
[ミュウの言葉に振り向くと、軽く肩を竦め]
そうだね。まず、オーフェンの死体がないということ
カルロスが焼いたにしても灰ひとつ残ってないのは不思議
そして、その代わりにそこにある砕けた氷。そしてその中にあったオーフェンのカード
これってもしかすると、各員の能力に対する認識、改めないといけないね、ってこと
[それと、と今度はマイルズに振り向き]
まあ、カード隠すのだって楽じゃないでしょ
それに、カードを持っていることはそれだけで疑いの元になる
だったら、最後まで手元に置かず、最後にまとめて回収する方が効率はいいんじゃないのかな
――…成る程。
[ミュウの言葉に、カードを顎に添えて思案する。
銀フレームの向こうの瞳を、僅か細め。
カレンの言葉に暫くの沈黙の後、
人差し指と中指に挟んだカードへと視線を落とし、
ヒラリと人馬宮のカードを翻す]
…無駄足に成る事を残念に思うのならば、
為らばミュウ、今から腹の探り合いと参りますか?
此処にいる全員が裏切者で無いならば、唯の取り越し苦労ですが。
持っているだけで疑いの元になるこのカード、
――誰が持ちましょうか。
[私が持っても良いし、誰に預けても構いませんが。
何処か愉しげに、笑みを浮かべて]
─…→オーフェンの部屋─
[目的の部屋に近づけば、人の気配が複数感じられ]
……皆様、考えることは同じ……ってとこかな?
[小さく呟きつつ、部屋の中を覗き込み]
や、皆様お揃いで。
[いつもと変わらぬ軽い口調で言いつつ、ひらり、手を振り]
調べる力が、有るって云ったら?
[――ハッタリ。
それは判って居る。そしてだからこそ平常の儘、云える。
嘘も真実も云い慣れた。
其処まで誰にも深くを赦して事など――只子供であった頃しか無いのだ。其の嘘はばれるわけはない。]
まァ。
態々此処に来たって事は、――判るだろう?
[戦う心算は無いと云ったしね。と]
ああ、そういうことかい。
確かに普通ならばここには黒焦げの死体か、完全焼失した跡がなければおかしかったネェ。
まあ、能力は全てを知らされているわけじゃなかろうよ。
…お互いにネェ。
[クツリと笑ってカレンに答える。
マイルズへと向けられた後半には頷いて]
アンタとの腹の探り合いは疲れそうだネェ。
ま、発見者の権利という奴でいいんじゃないのかい。
アタシは面倒そうなのは遠慮したいネェ。
カレン、アンタは権利を主張するかい。
[薄く笑ったまま肩を竦めて見せた]
ああディーノ、貴方も来たのですね。
[手を振る相手に、笑みを湛えながら
指に挟んだカードを示す様にヒラリと振って。
この場に揃った四人を、順に一瞥しながら]
…確かに私は君の能力の全ては知るまい。しかし…
[困惑をありありと表す顔で、]
何かの間違いではないのか?
私は神に誓って裏切り者などではないぞ。
ああ、『半身』がうるさくて、ねぇ。
[せっかく、いい気分で寝てたのに、と冗談めかして言いつつ。
マイルズの手のカードに、碧の瞳をわずかに細める]
……落ちたのは人馬の御子、落としたのは……火炎の巨蟹……か。
[派手にやり合ったみたいだねぇ、と。
部屋を見回しつついう言葉は、どこか人事めいて]
ああ、ディーノ。まあ、見に来るのは当然の心理かな
たとえやる気があろうと無かろうと、ね
[マイルズとミュウの言葉には軽く首を横に振り]
別に私も持っていたいとは思わないから遠慮する
それをどうするかはマイルズに任せるよ
まァ、お前が何と云おうとも僕は構わないよ。牡羊の。
[哂った顔は、何処か酷薄に。
――途中で止めるのでは意味がない。
どちらが裏切り者かは知らないが、突き止めて兇せばいいのだ。
死ぬ心算などは、無いが。]
只、僕は聞きたかっただけだからね。
カードさえあれば、お前が裏切り者だろうと、気にもしないさ。
僕との探り合いが疲労に繋がるとは、
――其れは、誉め言葉として受取るべきでしょうか。
[ミュウの言葉にクツと笑みを零しながら
ディーノの言葉に、同じ様に室内へ視線を廻らせながら
静かに頷きで肯定を返す。]
ええ、其の様です。但し巨蟹の彼は、この通り…
人馬宮のカードを持去ろうとはしなかった様ですが。
まあ、ねぇ。
どんな風になってるかは、さすがに気になるから。
[カレンにけらりと笑って返しつつ]
カードを、ね。
持って行かなかったのか、それとも……単に、忘れてたとか?
[さすがにそりゃないか、といいつつくすり、と笑って]
で、それ、どうするか、って相談中だったのかな?
[交わされていた言葉から察して、マイルズにこう問いかける]
――…判りました。
[カレンの言葉に緩く赤を瞬き、
浮かべた笑みの表情を変え無い儘言葉を返す。
ディーノから投げられた言葉に、僅か笑みを深め頷き肯定を返し]
流石、お察しの通りです。
このカードを誰が預かるか、と云う話をしていた所ですが
…ディーノは、如何なさいます?
此れを持ちたい、と云う用件でもお有りなら、お渡しします。
――唯、他の方に容易に拾われるのは、僕の気に障りますので
お持ちに為らないと云う場合は、僕が持つと宣言させて頂きますが。
半身…。
[小さく呟くも特に強く問いかけることもせず。
カルロスの言葉にはクツクツと笑いながら]
ああ、褒め言葉さね。
アンタやレッグ、白羊のは学があるしネェ。
アタシなんかじゃとうていおっつかないだろうよ。
まあ、こんな状況なら、勝者が持つべきだろうけどねぇ。
[置き去りになっちゃっててはなー、と、いいつつ肩をすくめ]
……オレも、遠慮しとく。
刻の行く末は、流れ次第……それを左右しかねないモノは、背負い込みたくないからねぇ。
[表面上はけらり、と笑いつつ、マイルズにこう返す。
その実、手にした『情報』を元に動く際に敗北する可能性を考えれば、迂闊に手にはできない、という。
そんな計算もあるのだけれど]
……ん?
どうかした?
[それから、ミュウが何か呟いたような気がして。
そちらに向けて、こて、と首を傾げてみせる]
[ナナエは、オーフェンとカルロスの戦いの一部始終を目撃してから、おもむろにアヤメの部屋に走った。
レッグもノブを調査するために忙しい身。
代わりに、彼女に依頼された仕事を伝えるために、だ。
ナナエはアヤメの私室前にくると、さっと二人の戦闘について紙に記すと、ドアの隙間に差込んだ。
それが終わると、元のレッグ付のメイドに戻るため、その場をしずしずと離れた]
ええ、本来なら勝者が持つと言うのが――筋なのでしょうが。
判りました。成らば宣言通り、僕が預かります。
[これではね、とカードで口許を隠しながら小さく笑みを零して。
続くディーノの言葉に、緩く目を伏せ頷きを返した]
…嗚呼、他の方にも告げて頂いて結構ですよ。
必要ならば遠慮無く―――奪いに来て下されば、という事も。
[貴方も宜しいですか、とジョエルに問うて。
可の返答が戻れば、自らのカードの納まった内ポケットへと
人馬宮のカードを滑り入れた。 と、ミュウの言葉に小さく笑んで]
――其れは、嬉しい言葉ですね。
レッグ辺りは僕よりも学を持ち合せていそうですが、
折角ですので、有り難く受取って置きましょうか。
ああ…。
先刻「『半身』がうるさくて」と言っただろう。
どういう意味なのかと思ったのさね。
[各人の能力は全てオープンにされているわけでもない。
だが当の本人に水を向けられたのなら聞いても悪くは無いだろうと、その疑問を口にした]
じゃあ、任せるよー。
[カードをしまうマイルズに、にこりと笑って]
ま、その辺りは言わずもがな、でしょ?
最終的にどうしたいか、それに最も適した手段を選ぶわけだし、みんな。
[続く言葉は冗談めかしていたものの、碧の瞳はどこか鋭いか]
……ああ……『半身』……『アルゲディ』、ね。
言葉の通り、人が死ぬとうるさいのよ、コレ。
[ミュウの問いには、笑いながら右手の上に銀時計を浮かべて答える。
『アルゲディ』というのが、彼の振るう大鎌の名なのは、周知の事]
ああ、任せるよマイルズ。
必要とあれば「受け取りに」行くさね。
[内ポケットにカードを仕舞うのを微笑と共に見届けて]
なるほど、そういう意味だったかい。
たしかにソイツはアンタの半身だろうし、死に敏感であってもおかしくはないさね。
[頷きながらも、銀色の時計を認めて僅か目を細めた]
…ええ、確かに任されました。
[向けられる笑みに釣られる様に同じ様な意味を返し。
続く冗談めいた口調には、薄く苦笑を返す]
――確かに、その通りですね。
まぁ、受け取りに来る時は…出来うるなら
対複数で無ければ好ましいですが。
[そう言っても難しいでしょうか。
ミュウの言葉に、やはり何処か苦笑の混じる笑みを浮かべる。
しかし、そのレンズ越し微か鋭い光を瞳に湛え]
おかげで、仕事の時はうるさくてねぇ。
[良し悪しだよー、と。頷くミュウに冗談めかしてこんな事を言い]
……複数とやり合うのは、苦手かな?
まあ、もしオレが「受け取り」に行くとしたら、単一だからご心配なく?
[マイルズには、どこまで冗談かわからないような言葉を返して、また笑う]
[内ポケットにカードを仕舞い込むマイルズに]
うん、じゃあ任せるよ。奪われないよう頑張ってね
[そう言い小悪魔的笑顔を浮かべる
そしてディーノが銀時計をアルゲディと呼ぶのにはすっと目を細め]
ああ、そういうことだったんだ。いやー、どうやっていつも鎌を取り出しているのかと思ってたけど、なるほどそういうカラクリ
[そう言って*薄く笑った*]
[きょとん、とした顔をして]
山羊の?
[何が、と云う顔は其れにふさわしい感情で。]
ま、お前は僕を信じようとはしないだろうね。
其れも其うか。
其んなに気になるなら、山羊のも調べてみようかね。其れとも……他のにすれば、誰が裏切り者だか判るかな?
[にぃっと哂う、其れは何処か挑発する様な。]
必要無きゃ行かないし、多数で嬲るのはアタシの趣味じゃない。
そこは安心するがいいよ。
[瞳に宿る光の変化にクツリと笑い返して。
ディーノの言葉にもクツリと笑う]
おやおや、うるさいのはいただけないネェ。
さてと、ここに立ち尽くしていても仕方が無い。
一度部屋に戻るとするかネェ。
[ヒラリ手を振ると部屋から出て廊下へと*消えてゆく*]
うん、そういうコト。
[薄く笑うカレンに、にこり、と笑みを返して]
ま、この姿形も、『半身』本来のモノかどうかはわからないけど、ねぇ?
ほんと、困りモノ。
とはいえ、翼と同じで、切り離せるもんでもないから、ま、仕方ない?
[ミュウの言葉に、くすくすと楽しげに笑って。
立ち去るその背に、ひらりと手を振る]
苦手と言うか、…仕事上は慣れておりますから、出来なくは有りませんが。
…貴方達の様な実力を持つ方々が、仮に三人も来られたら
流石に無事で居る自信は有りませんので。
[単一なら兎も角ね、と。
笑みと共に投げられるディーノの言葉に、クツ、と笑みを深めて。
部屋を後にするミュウの背中を見送りながら、
一度、室内を一瞥する。ゆるりと瞼を伏せ。
自らも部屋を後にしようと、一歩を踏み出し――]
――、…?
[微かな、力の気配に眉を寄せ]
[黒の片手は当然の事ながら急所を守り]
っ――!
[僅かに反応が遅れた事を悔いつつ、二人の姿を同時に目に入れられるように壁に背をつけられるように、床を蹴って逃げようと。
其の状態になったなら、もう一人の存在を、はっきりと認めるだろうか。]
そりゃ、できないヤツはここにはいないでしょ、基本的に。
……それに、どうせやり合うなら、一対一の方が面白いでしょ?
[どこまでも楽しげな口調でマイルズに返しつつ。
じゃあ、自分も行こうかな、と思った矢先]
……『半身』?
[手の上の銀時計が微かに震えたような気がして、一つ、瞬く]
……確かに、其れは同意ですね。
力が均衡すればする程、一対一の方が面白みが有りますから。
[愉しげな口調に、クツと笑みを深めて。
しかし、感じる力の衝突と相手の呟きに、緩く瞬き。
扉の向こうへと意識を向ける。]
――…其方の半身とやらも、感じましたか。
[誰、とまでは未だ解りませんが。
赤を細め、ぽつりと呟き]
ま、中々拮抗した相手には、めぐり合えない訳だけどね。
そういう意味、この状況に浮つきそうなのは、否定はしない……かな。
[一応、抑えてるけどね、と。ひょい、と肩をすくめつつこう言って]
……ああ。
また、どこかで始まってる……な。
[小さく呟き、銀時計を握り締める。
微か、嫌な予感が過ぎるのは、先のやり取りのせいだろうか]
[「味方」の刃はシャロンの手によって急所を外された。元々黒い衣服のため、出血などの確認は取れない。
...は、「味方」がシャロンを狙う射線から離れるや射撃を開始、
また同時に「味方」は、シャロンが自分を確認してこの後生き延びる可能性を1%も残すまい、と東洋の武術だろうか、一歩の足運びで数mを移動してシャロンに肉薄する。]
此処の方達で有れば、誰一人違わず
均衡の力を持ち合わせて居るでしょうしね。
――気持ちが、判らなくも有りませんが。
[何処か複雑な面持ちを残し、苦笑を零しながら、
ディーノの言葉に相槌を打って。続く言葉に無言で頷く]
…気配が、読み辛いですね。
――今回は…、誰でしょうか。
[力の先を探ろうとするものの、僅か目を細め]
っ――!
[顔を認めた瞬間に過ったのは、何の色か。
然し二人は待ちはしない。]
こ、の…!
[射撃を防ぐ為、急所に当たりそうなラインは、二つの黒が防ぐ。衝撃に揺れた黒、そして痛み。
――幾ら薬を飲んだとて、其処までが無視されるわけでは無い。
急所以外に狙われた弾は、細い体を掠める]
く…!
[二対一など。
如何考えても、勝てるわけはない。
逃げるしか無い。そう思うも――その時には素早い動きの裏切り者が]
[取れる防御など、己が白の手二つ。]
[急所を狙い、引金を引く。反動を抑えつけて再度照準、射撃。]
[遅くもなく早くもない、メトロノームのような単調なテンポで、銃声(サイレンサーが付いているので「プス、プス」という間抜けな音だが)が響く。]
ほんと、こんな状況でなきゃ、ね。
……ま、無駄死には、『死の宮の御子』としての主義に反するしな、オレは。
浮ついて、無茶する気はないよ。
[言葉を返す表情は、いつになく真摯か]
ああ……なんか、複数交差してるような……。
どうなってんだ?
[呟けど、当然のごとく、それへの答えは出ず]
仕事上や戯れの打ち合いでならば、ある程度は楽しめもするのですが。
――其れは、安心しました。
…此方も無闇に、黄泉の旅へ向うつもりも御座いませんし。
[真摯な響きに、其方へ視線を向けない儘も
返す言葉も、笑みを浮かべながら何処か真剣みを帯びて]
ええ。少なくとも―― 一対一の差しでは有りませんね。
まるで、…「奇襲」を彷彿とさせる手口です。
[言葉にして、物騒だとも思ったのか。
小さく舌打ちを絡めながら、ぽつりと呟き]
浮ついて無駄死に、は、裏切り者さんの思う壺、でしょ?
[くすりと笑う、その様子は既にいつも通りの飄々とした態度で]
ああ。
確実に、真っ向勝負じゃ、ない……。
[強襲は常套手段の身ではあるが。
それとは多少、意味合いを異ならせているような感覚に、言葉に宿るは微かな苛立ち]
[...の射撃を受け止めつつも、痛みにうめくシャロンの懐に「味方」が飛び込む。]
[射線が重なる。...は射撃の狙いをシャロン本体からその武器へと切り換え、「味方」を援護する。]
[と、「味方」の刃がその機能を解放、「斬れ味」が急上昇する。頑丈な鉄ですら切り裂くことが出来るその刃を、下から上に袈裟切りに振り上げられる。]
ええ、全くです。
自滅に陥り、あまつさえ裏切者の思う壺では…癪に障る。
[相手の態度に、緩く瞼を瞬きながらも
くつくつと喉を鳴らし、其の笑みを深め。
相手の言葉に混じる微かな苛立ちに気付けば、すと目を細む]
――…お気に成る様ならば、気配を辿りにでも向いますか。
[僕も気に掛かる所では有りますので、と。
小さく、呟くように問い]
[先に何かに気が付いたのは、やはり【彼女】だった。
やや一拍おいて、再び引きつれ始めた空気に気が付く。
猫は何かを訴えるように細い声で強く鳴き、カリカリと爪をたてて主の指先を引っ掻いた。
やがて床にひらりと飛び降りたなら止める間もなく走り出していってしまった]
ちょ…っ、レギーナ?!待っ
[止める間もなく飛び出していった猫に、微かに眉値を寄せ]
…まったく、こんなときは猫の言葉を誰かに翻訳してほしいものですね…!
[微かな苛立ちを含みながらもため息ひとつ]
[急所を守る其れ自体が狙われる。此れでも薬は飲んでいるのに――痛みは消える事が無い。
苦痛を覚えていては、逃げる事も出来ない。
考えなど殆どない。一つを守りより攻めに。
伸びた黒の腕は、それを犠牲にしてでもエドガーの銃を叩き落とそうとするだろうか。
只、其の動きに弾は顔の真横――フードを弾き、銀糸の髪と細い面を露にした。
だが気になどするわけもない。
其のもう一人が、振り上げた刃。
普段ならば弾く銀は、あっけなく切れる。それだけでない。
普段より戦闘なれしている体が一歩下がらなければ、彼女自身も裂いていただろう。]
このっ…!
[然し手元に武器は無く。後ろと前の裂けた服は落ち、キャミソールの姿では彼女が女であるとはっきり判るだろう。近くに居る其の人に向かい、足を蹴り上げる――]
さすがに、それは悔しいからね。
[ひょい、と肩をすくめて言いつつ。
続いた言葉には、それがいいか、と頷いて]
……っと。
猫さん、どしたの?
[飛び出して行った白猫に、一つ、瞬く]
―自室―
[レッグが去った後。緩やかに瞳を伏せシャロンを思えば、真っ先に浮かんだのはレギーナと戯れる姿。思わずくすと笑い。]
まー、お互い本気だと、こちらが不利かしらね?実際に彼の殺り方を見た訳じゃぁないけど。
[言いながら、己の武器を再確認。]
よしっ、行きましょうか。鬼が出るか蛇が出るか知らないけども。
[黒曜石に湛えた艶やかな光は、殺戮者としての其れそのもの。]
[そうして、部屋を出て行く。]
[ディーノが頷くのを見やれば、部屋を後にしようとして
矢先部屋を飛び出て行く白猫に、僅か驚いた様に緩く瞬く。
ふと、思考の端を過ぎる人物に、僅か目を細めた。]
…――シャロン?
[言葉がわかる筈も無く、唯構っていたのを思い出しただけだが。
白猫の慌てっぷりに、良い想像など思い出す筈も無く]
ジョエル、レギーナの向う先は判りますか。
……何だか、急ぎ彼女を追った方が良さそうです。
[ディーノの問いかけに肩をすくめる]
…さぁ、わかりません。
流石に猫の言葉までは解せませんので…。
[引っ掛かれたり噛まれたりで朱が僅かに滲んで解れた白手袋そのままの手を遣る辺なくぱたりと下ろすだろうか]
[マイルズの呟いた名に、碧は険しさを帯びるか]
……シャロン?
[まさかな、と。その呟きは、他者の耳に届くかどうかすらわからぬ小声で]
さすがに、そこまでは無理、か。
[ジョエルの返答には、一つ、ため息]
いずれにしろ、追った方がよさそうだな、猫さんを。
…ですが……いえ、有り得ますね。
[マイルズに指摘を受けたところでようやく思い当たる。
──ああ、彼女は【彼女】になついていた]
……見失ってしまっては流石に追い抜けはしませんが…辿ることはどうにか。
走りますよ、着いてきてください…!
[懐から懐中時計を取りだしパチンと蓋を開ければ、皆の返答を待たずに、人が彼を追えるギリギリのスピードで走り出して]
[鞭のようにしなり黒い閃光のように殺到した触手に、両手で保持していた銃を弾かれた。しかし...はうろたえる事なく、素早くそれまでと逆の左手を前にした射撃姿勢をとる。その左手の袖から小型の隠し拳銃…9mmパラベラム弾を吐き出す拳銃が飛び出し、両手の内にぴたりと収まった。
今自分の銃を弾き、無防備に伸びきっている腕の一ヶ所を狙い、連続で射撃する。]
[「味方」はシャロンの蹴りを非致命的と見切り、あえてそれを腹筋で綺麗に受けるように膝を伸ばす。
それは、...の射線をシャロンから隠すためのブラインドとなるように――]
[─割り当てられた部屋の中。頭上を舞う12枚の紙。
その一枚が糸を切られた短冊のようにゆらりと落ちる]
あぁ、始まったんだね。
そして、一つ…終わった。
さよなら、オーフェン。
[床に舞い落ちた紙の結合した繊維が少しずつほぐれ粉になっていく。それを一滴指で掬い、口に含んだ
─見上げれば頭上では更に二枚の紙が舞う]
…次に終わるのはどっちだい?
[数刻前に会話を交わしたシャロンの姿が目に浮かぶ]
願わくば、君に『紙』の加護のあらん事を。
気配がハッキリしない以上は、
――白の姫君を追った方が、事が明確に成るかも知れませんし、ね。
[ディーノの、溜息交じりの言葉に小さく言葉を返して
ジョエルの返答に了解の意を応えると、
走り出す相手を追う様に、其の後へ続き部屋の外へと]
[小型の拳銃は見る事が出来ない。故にその黒の手は、それまでの手に撒きつこうとした。
紅の視線はもう一人に。
――そしてその先の出入り口に。
自ら受けたその様子に、僅か警告を覚えるも。
此の状況で此処に留まるのに良いことは、無い。]
ッ!
[足を下ろしたそのままに、もう片足は踏み出して――其れは隙を突いたように、何とか退路を切り開いたようには思えたのに]
……ああ……確かにね。
[マイルズの言葉に、一つ頷いて]
……裏目に、出ちまったか……。
[呟く言葉は、微か、苛立ちを帯びるか。
ともあれ、右手の時計をどこへともなく隠すと、二人に続くように、部屋の外へ]
―円卓会議場―
[十三宮のメンバーは誰一人おらず、警戒されないようにとひとまずはメイドに軽い食事を頼み。何気ない調子で世間話を交えながら他に誰か来なかったかと問えば目的の人物の名。エドガーの部屋を聞かれたと答えられ。表情は変えぬまま。]
ん、ありがとう。
[礼を述べたその時に、二つの大きな気配のぶつかり合いが届き、唇にそっと人差し指を当て。]
あぁこれは……彼ら?
[くすくす笑う。理性では無駄な損傷は避けた方が無難とは思いつつも、本性は其れを望んでいる。
ぶつかり合う気配をBGMにして、ゆっくり食事を楽しんだ。]
終わった、か……私の出番、ね。シャロンのことは後回しにしましょうか。
[口元をナプキンで軽く拭い。]
ご馳走様。
[かたりと席を立ち、手をひらひらさせながら、円卓会議場を出て行った。]
[触手が...を狙うが、銃撃を受けた上、本体が視認出来ていない為動きが鈍い。]
[と、シャロンが「味方」を挟んだ位置から飛び出した。射線が通る、シャロンには見えていない。]
[一瞬でその無防備な急所を照準、微塵の躊躇もなく引金を引いた。2発。]
[一度自室に戻り扉を開ければ、差し込まれたメモがひらり落ち。拾い上げ確認すると、灰皿の上で燃やし尽くして。その後、気配がぶつかり合っていた方へと向かった。]
―→オーフェンの部屋―
[――だから、銃は嫌いだ。
ぷつりと体の中に這入って来る其れ。幾ら小さくとも衝撃は伝わり、体がぐらりと崩れた。
銀のチェーンのその下。小さな銀のメダルの裏側に、小さく折り畳まれたカードは在るのに――せめて此れだけは守らなければと思うのが、意識としての最後か。
其の時、反応の遅れた黒の手は、今までの様に彼女を守りはせず、
只、ほんの微かに照準を外させただけで、殆ど変わりは無いのだった。
止めなどささずとも、もう――其の体に動く力は無い。声を出す事も出来ない。
ただ黒が僅かに震えて、床に根を下ろす。カードを取られないように――其れは殆ど力を成さないのに。]
[せめて、誰だったか位、教えられればと、
若しかしたら其の時に考えたかもしれない。
只、其れが叶うほど命は残らず、
口唇から頭から背中から紅は零れ、紅の瞳よりも彼女を染め上げる。
胸元の紅い花は、甘い血のにおいに埋もれ。
もう、指先も動かないのに。
見開かれた紅の瞳は――其処を映して]
[猫は走った。ひたすら走った。
飼い主ではない、ただ一人の心から認める友の為に。
それは猫の持つ野生の勘と言うものでしかなかったのだけれど、ただただ走る。
やがて、かすかに扉の間の隙間を抜けて彼女の元へと辿りつく。
一歩、二歩、と歩き出し。
ゆっくりゆっくり彼女に近づいた。
生きているのか、死んでしまったのかもよくわからなくて、とりあえず猫は彼女の頬をぺろりと舐めた。
彼女が生きているなら、きっと喜んでくれると思ったのだ]
[ノブの動きに変化はない]
はぁ。こんな事ならシャロンについてた方がよかったかなぁ?
[そんな事を呟きながらぼんやりしていると、唐突に二つの殺気が膨れ上がった。
はっとして、そちらに向かおうか迷っている間に、殺気の一つは消えうせた]
……誰か死んだのか?
いや、死んだな……。ったく、これだから殺したがりの死にたがり連中は……。
「レッグ様」
ナナエか。誰が逝った?
「オーフェン様にございます」
[あの、何処か寂しげな少年の顔を思い浮かべ、大きく溜息をついた]
どうせなら年寄りが死ねってのなぁ。
シャーネーナー。俺も少し見てくるから、ここは頼むわ。
[そう言って少しばかり歩を進めたところで、猫を追いかけていく集団を見つけた]
?
何だ?
[そう呟き、彼もまた猫の後を追いかけ始めた]
[先ほど弾かれた自分の銃を拾い上げ、埃を払って、懐のホルスターへ。左腕の小型拳銃の仕掛けは取り外し、しまう。]
[荷物の中から一本のコンバットナイフを取り出すと、無造作にシャロンの血だまりに突っ込んで、適当な布で拭く。]
[まだシャロンが生きているのは分かっていた。]
[向かうすがら、また違う気配が揺らぎ。思わず紅が弧を描く。]
皆血が滾っちゃってるのかしらね?ま、こんな状況じゃぁ当然なんでしょうけど。
[目的の部屋にたどり着けば、出て行く1匹+αが見え。気にかかったが先にこちらをと部屋を覗けば。]
派手にやっちゃってるのね……遺体すらないだなんて。
[思わずため息。]
参ったなぁ……これでうまくやれるかしら?ま、やるしかないんでしょうけども。
[もう其れは死体とも云って良いものだっただろう。
猫の舐める感触など、伝わる筈も無い。
只、ただ。
其れはある種、奇跡とも云えるのか? それともただの、反射なのか。
守るべきは、カードではなかった。
まだ其処に居る裏切り者の手に、彼女が誤ってかかってしまわないように。
守る様に、動いた。
紅の瞳は白を映す。――動けたなら、口唇だけでも動かせたなら。
否、其れを認識して居るのか居ないのか、其れすらも判らぬままに。
エドガーが、生に気付いて居ても居なくても。
そして突き立てられたナイフに、
*もう、何の奇跡も、起きるわけはなくなった。*]
[力の衝突を感じ取り目を細める。そして騒ぎ出す白猫]
ふぅん、続けざまに事が起きるなんて。何だかんだ言って皆暴れたかったんじゃないの?
どうやら、その子も何か感じ取ったようだね。ついていこう
[そして駆けていく白猫についていった]
[だが同時に止めも必要無いと分かっている。]
[もって数分だ。何か余計な事を出来るほど力は残っていまい。いつもなら、痛み止めを射ったりや懺悔を聞いたりした所だろう。が、彼女は殺しの標的ではなく敵だった。勝者が敗者にそんな事をすれば、余計に彼女の最期を安らかならぬものにしてしまう。]
[だから、何処からともなく現れた猫も、ただ見ているだけにした。]
―自室―
[衣装を外し、浴室へと入る。
シャワーを捻り、水と石鹸とでザッと肌を流す]
このままじゃ巻き込んじまうからネェ。
[香気を香気で押さえ込む。
抑え切れないそれで周囲を巻き込むのは本意でなかった]
[猫は彼女に守られたかったのではなく、彼女にただ笑ってほしかっただけなのだが。
それは叶わず、洞へと閉じ込められてしまえばそれは嫌だとば仮にかりかりと洞の中から爪を立てたけれどそれは開くことはなく]
[ややして、廊下から部屋にバタバタと幾つかの足音が届き始めるだろう。
眉は鉄錆の匂いによって歪められ、やがて彼らは白羊卿の座所へと辿りつくだろう]
[二枚の紙が舞い、一枚が落ちる。ひらひらと舞い落ちる其れを手に取って]
…君が落ちたか。シャロン。
[頭上で未だ舞い続ける一枚の紙。そこに浮き上がる一点の黒い滲み。それが徐々に広がっていき]
─それは一点の違和感。
『戦わせない』と言ってたのは何故なのか。
裏切り者は複数居るとは言え、絶対数は圧倒的に少ない。
我々が活発?にランダムに戦った場合、彼らが撃破される可能性もまた上がる。しかし、我々を大人しく固定しておけば、彼らの望む形で各個撃破する事ができる…。
一方で「我々が最早ボスに信用されてない」と言い危機感を煽り、一方で「自分がボスを説得する」と言う…。
[黒い滲みが一気に広がり紙を黒く染め上げていく]
何時以来だろうね、ここまでするのが必要になるのは。
白羊のに知られたら笑われてしまうかネェ。
[湯を浴び直し、蛇口を捻って止める。
タオルで拭きながら浴室を出て、衣装を再び纏う。
微かに硬質な音が響いた]
やれ、もう一つの途絶えた気配を確認に行くか。
[ゆっくりと部屋を横切り、扉を開く]
[白い影を追い、かけた先。
見えて来たそれは、ある程度、予想していた場所で]
『やっぱり、裏目に出たかっ!』
[ふと過ぎるのは、そんな苛立ち。
無意識の内に、唇が噛み締められるか]
――此処は、白羊宮の…、
っ…!
[後を追うように踏み入れる部屋に気付き、僅かに目を細める。
そうして立ち込める徹錆の匂いに、口許を覆うように手を当て。
卓上へ投げ出された武器と、床へと伏せた身体に眉を寄せた。
椅子へ落ち着き払い座る、部屋の持ち主へと向ける視線は
レンズの向こう、鋭く。赤と銀に光って]
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