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リカ に 7人が投票した。
ケイコ に 1人が投票した。
リカ は村人達の手により処刑された。
今日は犠牲者がいないようだ。何かの介入か、それとも……?
現在の生存者は、 ミツクニ、 アズマ、 ケイコ、 ヒサタカ、 マリー、 ヒビキ、 サキ の 7 名。
/*
はい、赤組様&先落ち組み様お疲れさんでしたー!
空気読むランダム神に笑ろうたよ。
で、お小言そっちかー。
治療の時に縁故からナニ言われるんかと期待しとったんに。
したら(ログ読みで)待たんと起きよかな。
あ、治療ってどのレベルまでしてもらえるん?
即完治やったら外出るゆーからある程度残った方が都合ええねんけど。
/*
???
発言するまで>>*1>>*2赤見えへんかった!
キャッシュの問題なんかな。
ん、わーったよ。あんがと。
したら中は引っ込むな。ラスボスさんきばりや! ノシ
─『隔離の陣』・個室─
[ぱち、と音がしそうなほど覚醒は急で、視界一杯に広がる見覚えない天井にしばし呆然]
…あっれー?
うちなんでこんなトコに…?
[寝起きのせいかなんやら体動かすん億劫なんで、顔だけ捻って辺りを見回す。割とこぎれいな一室。カプセルホテルよりは上っぽい]
んー、誰かの家…かいな。
――って、ぅわ、ちょい待たんかい! ったぁーーーぃ!!!
[闘いの最中やったコト思い出して飛び起き、走った痛みに悶絶。
けっこう建物内に響いちゃったかもしれない]
[切り傷等の怪我の手当てはちゃんとされてますが、打撲と筋肉痛が洒落にならないっぽいです。全身余す所なく打ったからね。
そんなこんなで、その後の動きはゆっくりと。
まあ学習(略)なのでいつまで気を付けるのかなかり怪しいですが]
うわー、なんちゅーかひっどい格好やなー。
ほとんどミイラ女やん。
[顔・手・足とそれぞれの首から先は動きの都合により巻かれてないですが、他の服から出てる所は漏れなく巻かれております。全身シップ無理なんで薬塗られて包帯で馴染ませてる様子]
…つーか、これ、誰の服?
[掛けてあったタオルケットを避けて、思わず唸る。
裾ぴらぴら。サイズぴったりなんが妙に恐いです。仄かに木属性の名残がするのは気のせいですよねったら気のせいですよね?]
[まあ、びしょ濡れやったんは確実なんで、服の件は置いといて。
次に探すのは当然アレです、アレ]
…へ、ちょぅ待って、なんでないのん!?
うちの眼鏡ー! マジ見えへんやんか!!!
[枕元を探すもなく、テーブルなどの上や下を覗いてもありません。
近眼なんで近くは見えるけど、遠くはちょいと辛いです。
必死に涙目で探索するも、当のアレは空き地のどっかに残骸と化して*転がってるのでした*]
[外の様子を見ることについてはこればかりは任せることしかなく。
食事の誘いは二言返事で了承した]
おかしいな…ここにきて少し良かったと思えてしまった
[表のほうは相変わらず気にかかるも、それも真実。
というか夏休みはいってから、良かったと思えることの二番目がこれだったのではないかと。ちなみに一番目は旅行について、付き合ってもらえる啓子が事情を察してくれる人だったということで]
ごちそうさまでした…ああ、片付けぐらいは
[せめてそれぐらいはしようと。断れれたら無理強いはしないであろうが。
結局外で何がどうなってるかは*まだしらない*]
/*
リカお疲れ様でーす。とりあえず昨日のダイスには吹いた。さすがランダム神としかいいようがないですな。
ちなみに独り言でいってるけど戦闘の最後のとこ。吹き飛ぶ描写まで一気にせず手前で止めてたほうがよかったんだろうかとかちと反省したとか。いや、他にも色々ありそうな気配がするけど(遠い目)申し訳ない。
といいつつ、朝はこれまで、表は無理せずに、でもがんばってねーと。*ふいじゃあ*
/*
>>+8
あーい、こちらこそどーもですよ。
たまきちゃん地上おったらvs妖魔希望してカウンター敗北くらう予定(そんでもって仇討ち期待)やったんけど、昨日の状況やとうち落ちても話動かんし(鳳凰動けんし)バカップルでも裂くかーと対戦受けたら、よもやの展開になって笑いましたがな。
しかもそこで確定勝利出されるとか。ランダム神美味しすぎやで!
で、二日目戦闘は受けていただきありがとでした!
キョウヤんのだるーな性格から能動的は難しいかと思たんでヒサタん経由で突付きにいったんやけど、がっつり受けていただけて助かってんよ。マリりんは位置美味しいから初回落ちはなーて。同じ考えやったよで何より。
最後のアレについてはwikiに技の詳しい解説乗ってんでどーにかなるやろ思いつつ、もしやりにくかったらうちがロール回すつもりでメモで聞いたんで、そちらさんに敗北ロール回してもらうんは無問題でした。吹き飛ぶんは大丈夫、詳しく攻撃描写してなかったんでどーとでも対応でき思うてた!
[←器用貧乏]
/*
↑中記号抜けた!脳内補正よろしゅう。
>>*3
おつかれさんです、姐御!(←姉やなく姐なんがミソ)
地上も仕事もきばってなー。
うちは初期機動で電池切れたんでのんびりさせてもらうわ。ノシ
/*
そやね、既にvs妖魔一戦決まってるもんな。
地上はおケイはん&マリりんのルームメイトコンビの動き期待かな。
もし可能やったら、vsヒサタんを中断ルール使用で火花散らしとくの推奨かなー。アズマん残った時、参加時間帯的にもう一戦可能かもしれへんから。昨日あんだけしてて一日放置もきついし。ま、無理は禁物やけど。
[探し物は見つからず、床に座り込んで時計を見上げ一言]
……………おなかすいた。
[大変育ち盛りな台詞ですが、失った力を取り戻そうとする自然な要求やったりもします]
…誰かおんのかなあ。
てか、ここどこやねん?
[小声なんは体力だけやなく気力も落ちきってるせいやったり。
眼鏡なくて視界低下してるので部屋の外に出るのは結構不安ですが、壁に手を突きながらおそるおそる移動開始。
なお、生徒会長のお説教が(まだ)ないんは共犯者的オトモダチのおかげだなんて知りません]
[廊下を進み、窓の外を見て絶句。
どう見たって記憶にない草原やら池やら森やらが広がってました]
……夢やないよな。
あー、もしかしてココ、陣の中やないん?
[目を閉じて気を探ると案の定、内側に木気が満ちてる感覚。
たぶん『麒麟』の治療用空間とかいうミツクニの話が過ぎり]
―――ってコトは…
た ー ま ー き ー ち ゃ ー ん ! ! !
[声の限りに叫んでみたり。何が起こるかは、*出たとこ勝負!*]
はい。お粗末さまでした。
[ぽん、と手を合わせて、空になった皿を重ね始める。
半一人暮らしに近いと言うのに、数人分の料理を妙に作り慣れているのは――
まぁ、主な理由に従妹が関与しているのは推して計るべき。
片付けを名乗り上げられれば、暫し考えた後に
それではお願いします、と任せる事にして。]
…さて、と。それではその間に僕は一仕事しますか。
しかし外の様子を見る、ねぇ。
[…まぁ、内部の方が作りやすいでしょうか。
一人ごちて、ゆるりと首を傾ぐ。
何をするにしても、陣の中の他と比べて金の気が強いのは此処だ。]
んー…食事をしたからと言って、そう力が戻るとは思えませんし。
[そうでなければ、誰が此処で大人しくしているのかと。
尤も、回復したところで「ややこしくなるから大人しくしていろ」と
此処から出してもらえる保障は、…一切なさそうだが。
ともあれ、現状を振り返る限り、さほど大きな力を使えそうにはない。
――ならば。]
…媒体を使うのが一番早いでしょうね。
[さて、何がいいでしょうか。
と、周囲を見渡して――はた、と。突如響き渡る呼び声にひとつ瞬いた。
……霊亀によって、誰かが運ばれて来ていたのは、知っていたが。]
――璃佳?
[おやまぁ、と言わんばかりに不思議そうな声が上がった。
…本当に外で何があったのやら。呆れにも苦笑にも似た溜息が零れる。
気にするつもりは無かったのだが、少々興味が沸いた。
声を辿って、廊下に出る。程なくして目的の人物は呆気なく見付かった。]
…人を呼ぶときは、もう少々お淑やかにお願い出来ませんか。
仮にも女の子でしょう。
[うろうろしている少女に、苦笑交じりに声を投げる。
――何だか、餌を捜してうろついてる動物みたいだ。
…とは、口にはしないが。]
仮にもやのーて、ちゃんと女の子やもんっ!
…て。あ、ホントにおった!
[苦笑交じりの声に反射的に振り向いて叫び、顔を見るなりダイブ!
(注:二人とも怪我人で運び込まれたんですが、ココ)]
ぃぃったーーー!
[もいっかい叫びが響きましたとさ。涙目]
はい、女の子なのは知ってます。
でももうちょっと呼び方というものが有るでしょう?
[苦笑交じりに。
うわ。と思いながらも、飛び込んできた従妹を確り受け止めました。]
―――…っ、…!
[が、痛い。
流石に肩と首筋を負傷している身に、ダイブは痛い。]
…璃佳。
[痛いと判っていて、何故飛び込むのかと。]
[飛び込んだ方も当然痛い。
つーか二日連戦の上、怪我したてほやほや全身打撲なんですが。
やけど、それ以上に色々とオーバーヒート]
ぅわーん、ちゃんと動けててよかった!
なんも言わんと怪我したって聞いて心配しててんからね。
しかも帰ってこられへんし会われへんし、寂しかったよー!
[受け止められたんをいいコトに痛い痛い言いつつ半泣きでハグ]
そんでもって負けたし痛いし眼鏡無くなってるし!
お腹すいたー!!!
[小鴨ぴーぴー]
――大げさですね、そんな死ぬわけでもあるまいに。
…ご心配お掛けしました。
[相変わらず此方も痛いのだが、甘んじてそのままにしてやる。
……傷口開いたら麒麟殿に怒られるかな、と思いつつも
まぁ、いいか。]
――はい、がんばりましたね。
判かりました。何か好きなもの作ってあげますから。
[だから、泣き止みなさい。ぽふ、と半泣きの頭を撫でて、宥めてやる。
…何だか、雛に餌付けしている気分。]
そんなん、当たり前やん。死んでたら張り倒すで!
[死者に鞭打つ気ですか]
……めちゃめちゃ心配してんからな。
うん、タマキちゃんの分も思うて頑張ったよ。でも、力及ばんかった。早う出してあげたかったんやけど…ゴメンな。
[何か好きなもの作ってもらえると聞いて急激にクールダウン。
撫でられてちょっと潤みながらも笑顔に変化。イトコの味は偉大]
…あ、でも。
ホンマ大丈夫なん? 痛あない?
[たった今、痛くさせた張本人ですが。
手をパタパタ服の上から当てて、大丈夫大丈夫と聞いてみる]
――…張り倒されるのは敵いませんね。
[死ぬ気は更々無いのだが、少々頭が痛くなった。
死んだ後の身体をどうされるも自分の及ぶところでは無いが、
…多少なりとも労わって貰いたいと思うのは贅沢だろうか。]
自己責任ですから、璃佳が謝る事ではありませんよ。
貴女も大事が無くて何よりです。
きちんと手当てしていただきましたから、支障もありませんし。
[多少は泣き止んだらしい従妹の頭をぽん、と撫でて。
ぱたぱたと触れる様子に、小さく笑う。]
それじゃ、何を作りましょうかね。
巴君が片付けをして頂いているところに、洗い物を増やして恐縮ですが。
ん、やから死んだらあかんよ。
[死ななきゃ問題ないとばかりに言い切りました。
いや、ホントにそんなコトになったら泣きまくるだけやろけど]
ま、タマキちゃん元気やったらそれでええわ。
うちは大丈夫やで。
…これ、してくれたん生徒会長なんかなあ? 後でお礼言わんと。
[ぽんと撫でられたら満足気。
御礼言いに行ったらお小言待ってるとかしりません]
したらね、オムライスがええなあ。ふわっふわの!
キョウヤんお皿洗ってるんや。うちも手伝うから大丈夫やよ。
[すっかり立ち直った様子で付いて行きます。ぴょこぴょこぴょこ]
あはは、それでは善処します。
[けらりと笑う。それは確かに尤もだ。死ななければ良い訳で。
――そう、簡単に死ぬ事は無いと思うけれど。]
大丈夫ならば良かったです。
――…、まぁ、お礼を言うのは良いことじゃないでしょうか。
…多分、ですけど。
[…幸か不幸か、小言が待ってるだろう事は黙っておいた。
まぁ、言ったところで避けられる事でもないですし。うん。
外を見る手段を作るのはもうちょっと後になりそうです。]
オムライスですね、了解しました。
――っと、嗚呼…そうだ。璃佳。
[ぺたぺたと素足のまま廊下を進む。
ひやりとした廊下が、足の裏に心地よかった。
…気温が調節されている所為か、外より陣の方が快適な気がする。]
鏡、もってません?
[持ってたら、ちょっと貸して欲しいんですけど。
へらりと笑みを浮かべながら、問いを投げる。
――もしかしなくても、外の様子を見る媒介にする*つもり*]
[けらり笑うイトコに偉そうに頷いて。
微妙に言いよどむのには気付かず、ようやんねーとか暢気そのもの。
眼鏡ないんで服の裾ちゃっかり掴んで付いてくのは甘えかも]
……へ、鏡?
んと、うち体一つで運び込まれたみたいなんやけど。
[誰の趣味かあんまり考えたくない白ワンピを見下ろし、困り顔。
それでも役に立ちたくて、んーとなにやら考えて]
…あ、さっき部屋にちっちゃいスタンドミラーあったん!
それでええなら借りてくるで?
[頷くイトコに、多分アッチやったと見えてない目で指差して。
なんとか戻って媒介げっと☆
元気の源の美味しいゴハンを食べたなら、媒介作るお手伝い]
[なんにせよ、三龍揃い踏み。性格全然違うけど。
呼び出したり、仕掛けたり、売られた喧嘩は即買いだったり、揃って*血の気は多いようですが*]
/*
>>+9 リカ
いえいえー、種まいてもらったんで助かりましたよー。まあ強縁が天魔と四端だったんで状況に応じて動けるなぁと思ってたんで。
展開とランダム神はとにかく噴いた。やっぱりいい仕事しますな。
wikiの説明にあった技だったけど、追撃の攻撃がどうなるかと思ったんで実はそれになっても単に地裂からのでもいいように曖昧にしてただけだったりする(ぇ)
とりあえずよかったならよかったけど>>+10までその当時思考が回ってなかったりして手前で止めてたほうが流れ的に自然だった?と思ったりだったのですなぁ
まあともかくお付き合いどうもってことです
[タマキを見送った後、皿を洗ったり、拭いたり。
身体はまだ痛むが度重なる幸貴の訓練(?)の成果か痛みにそれなりに耐性があるのか。単に、治療者と同じ木だからこそ治療の傾向がよかったのか。
というかこちらにきて些少頭も冷えてくると。だんだんなんも言わなかった友人への怒りが沸々と。そもそもそんな間などなかったろうに。
どうやらまだ頭は冷えてないのかもしれず]
……ぁー…来たんだ
[タマキちゃんと呼ぶ声の主が誰かすぐ知れて、テンション高いなぁと思ったとか]
[片付けるのを終えて一息。
とりあえずタマキが外を見れるようにしてくれるらしいが]
ん…やることねぇ。
[考えることはどうにか出れないことかぐらいで。とりあえず外に出ることにした]
―寮自室―
[気を失っているマリーをつれて帰り、本人のベッドへと寝かせる。眦からは再び透明な雫が流れており、この事態にどれだけの衝撃を受けたかが窺える]
アレは流石に、辛いよな。
マリィが一途に思っていただけ、ヒサタカクンがマリィを一途に思っていただけに…尚更だ。
[涙を拭い、そっと頭を撫でる。
優しく強いルームメイト。でも今は痛々しいまでの姿で]
ホント、よりによって。
一本気なだけに憑かれやすかったのかね。
[およそ本来のクラスメイトならありえない態度と言葉を思い出しながら、溜息と共に呟いた]
[ふわふわとろとろオムライスは本日も絶品でした。
新たに増えた洗い物も全て片付けて、媒介も無事に出来て一息。
ふと時計を見れば、目覚めた時からそれなりに時間が経っていて、慌てて椅子から立ち上がった]
したら、うち先に生徒会長に御礼言ってくるわ。
ほななー。
[見送るイトコの気の毒そうな視線を知らなかったんは幸か不幸か]
[目に見える傷は応急手当を。手近で用意できる救急セットでは出来ることはそう多くもなかったが]
えーと。
会長が麒麟で治癒できるんだっけか?
[道具を片付けつつ、自分の喉にも手を当てながら考える。
喋らずとも残っている鈍い痛み。このままだと普段の生活にも支障が出かねないという危機感がある]
頼みごと、もう一つ増やすか。
ああ、もう終わってからも殴れそうに無いや。
[至極残念そうに呟きながら、立ち上がる。
眠るマリーにそっとタオルケットを掛け。隣室との裏工作も済ませて。目立たないように外へと出た]
[通りすがりの廊下から遠く見えたんは、二つの人影。
――と言っても、眼鏡ないんで誰が誰やらさっぱりわからんとか]
おやー、なんなんやろ?
髪長いんから短いのが下がって…なんや迫られとんのかなー。
[問い詰める的には正解っぽいですが、色気があるかは微妙な所。
ま、所詮は他人事なんで完璧に野次馬根性で背伸びしてみたり。
そんな事したって裸眼やったら遠距離全然見えないんですが]
─ →屋上─
[ふわり、と。
屋上に舞い散る、紅の光の粒子。
『隔離の陣』との接点が開き、先ほど消えた姿が再び現れる]
……っつーか、俺、何を口走ってんだよっとに……。
[はあ、と。零れたのはため息。僅かながらに、焦りの響きもあったかも。
ともあれ、火気の高まりすぎたこの場にいつまでもいるのは影響が大きい、と判断して。
とはいえ、歩いて帰るのもなんなので、非常手段をとる事にした]
あぢー…。こんなとこまでリアルにしなくてもいいのによ。
[結局しばらく森に行きたいと思って木陰に入ったりしてみた。ついでにいえば木の傍のほうが回復が早いからだが、今度は暑くなってきて]
そろそろおわってっかなぁ。って…ん?
[璃佳の姿が遠目に見えた。その後ろの存在のほうが遠いはずなのに大きく見えるのはこれいかに。南無南無と呟きながら、とりあえず見なかったことにして]
んぁ…?幸貴…って幸貴は…確か出入り自由だったんだっけか。
[いいよなぁ。なんて思ったり]
/*
発見したけど表忙しいならさくっといってくれていいんですぜ姐さん。
そしてそれとは別に、きっと小さい頃は幸貴ちゃんとか呼んでたんかもしれなぁ…とかちらっと思ったり
[非常手段、というのは、空間を移動する能力の事。
実は、結界展開の法などを多く取得した結果の副産物だったりするのだが。
ともあれ、空間を渡り、辿り着いたのは自宅──瑞雲神社の一本桜の枝の上。
いつもの、慣れた場所に落ち着くと、はあ、とため息が零れた]
……しっかし……厄介なとこに聞かれた……。
[無意識って怖いですね。
なんにせよ、自業自得ですが]
[タタン、タン。歩調がリズムを取っているのは無意識。そしてそれは普段よりはずっと重くキレがない]
……。
[無言のまま、神社の石段を上がる]
[振り返るんがこんなに恐かったんは、タマキちゃんに怒られた時以来やった気がした。や、それはうちが悪かったんやけど]
…え、と。その……どーも、です。
[予想通り、そこにいたんは探し人でした。
なんや、笑顔がやね、うん。タマキちゃん系やからかなー思うた]
あ、治療おおきにでした!
なんや色々してもろうたようですんません!
[勢いよく頭を下げると、会長のひらひらの裾が見えたりなんだり。
やっぱ、これ絶対この人の趣味かおさがりやと確信したんでした]
[枝の上から降りる気もせず、何となくため息をついていると、紅鴛がぱたた、と羽ばたいた。
それで現実に戻った意識は、近づく気配を捉える]
この気は……。
五十嵐、か?
[金の気配に小さく呟き、ふわり、枝から飛び降りた]
[遠くキョウヤが薄情にもクラスメイトの危機を見捨ててたとか。
サキに至っては気付いてもいないとか。
四面楚歌のアレも辛かったけど、孤立無援も切ないもんですな]
[璃佳の苦難は見なかったことにした。ほんの少しだけ健闘を届かない祈りをしたかもしれないが]
ああ、それは一応生徒会長から聞いた……なんかしばらくここにいろとも…な
[後者についてはちと不満げにもらす。まあやったことのまずさはほんの少しだけ理解してるけど]
で、なんだけど。そっちはどうなってる?
あ、戻ってた。
[飛び降りてきた姿に軽く手を上げてそちらへと。
その声は掠れていて、囁くように小さいもの]
頼みごとの続き、いいかな?
ちょっと増えちゃったんだけど。
[掠れた声に、ほんの少し眉を寄せ]
……霊亀から、少しは聞いたけど。
お前も大概、無茶したろ。
[呆れたような口調で言って、ため息一つ]
ああ、そういやまだ何かあるって言ってたな。
わざわざ俺に、って、一体なんだよ?
まあ…仕方ないだろうけど
[だが、あまり納得いくわけでもなく嘆息。
少なくとも普通に動く分には問題なさそうだが、本性変化の負担が半端ない上に威力も悪いようなのは試さずとも理解できてはいるし、そもそも自力で出れん以上どうしようもない]
天魔か…それって…あいつ…だよなぁ
[言いよどむ様子とここに来る前の話でだいたい察せられ、自然と浮かぶのは複雑なもの。敗北した以上仕方ない。と思いつつも、納得できるほどでもないが]
イトコて…あ、ミックん?
そう言えばあれからどない……
[なったんか、は訊けませんでした。やってオーラが。オーラが!
こーゆー時は逆らってはいけないと保身を図り、お口チャック。
あ、共犯者なオトモダチとはこんなトコ(笑顔がとっても恐いイトコ)にも共通点あったんやね。発見しても嬉しゅうないけど]
………ご講義、タイヘンありがとうゴザイマシタ。
[ながーいながーいお小言の半分は確実に、恐怖でのーみそ上滑ってった気がします。
生徒会長の服を出来るだけ見ないんは、眼鏡ない自分の今の格好という現実から思いっきり目ぇ逸らしたかったせいですが。
あ、キョウヤんはプールで素顔見てるから気にせーへんかもやけど]
しゃあないしょ!
皆使い慣れてない力に振り回されてる感もあるし。
ま、他人のこと言えないケド。
[ムッとした顔で言い返し。それからハァと息を吐いて]
一つはその辺り。
保護された相手の治癒終わったら、こっちも頼めないかなって。
マリィも相当消耗してるしさ。
私は…ちと喉もヤバくて。
[目を逸らす。無茶をしすぎた自覚はあります、流石に]
もひとつはさ。神社繋がりとか出来るのか知らないケド。
祖母への目晦ましを手伝って欲しいんだよね。コレ終わった後。
─『隔離の陣』→学校屋上─
[金に近い黄の粒子を纏い、『隔離の陣』から屋上へと出てくる]
さて、やることやらんと、ね。
[待たせている九尾の下へ行く前に、屋上に吹き溜まった火気の均しを行う。火生土、過剰な火気は土気へと転換され、力として蓄えられた。まるでこの後起こることに対し備えるように]
さ、九尾。
一旦ここから離れよう。
[先に出た光邦には上手い具合に見つからなかったようで。屋上入り口を開けて、そこに待機していた九尾の手を取る]
[『隔離の陣』の中で光邦をからかったのは、作戦だったのかもしれない]
や、それにしてもミックんが会長とイトコやったなんてビックリやわ。
言われてみたら、なんとなく似てへんコトないんやけどな。
[話題の転換を試みたのは、正解やったか失敗やったか。
タマキちゃんとうちが似てるんと同じ程度には血筋あるなーて素直な感想込みやってんけど。
あと、一応あれからどないなったんかの探りも入れたかったとか。
無理してるんは黄龍のおかげで理解してるんで、それなりに気にしてたり。どこぞの誰かさんみたく泣きはせんやろけどな]
……ま、それに関しちゃ、俺にも責任あるわな。
[慣れてない、との言葉にぼそり、と呟き。
一つ目の『頼み』に、軽く引きつりました]
ま、まあ……そこらは、頼めば……なんとか、なる、だろうけど。
[思いっきり歯切れ悪いのは、なんなのか。
先ほどの無茶+諸々で、従姉とは接しづらいのが本音、なのだが、状況的にはそうも言えず。
わかった、と頷いて]
は?
……神社繋がりの……目晦まし?
[もう一つ、の方に、きょとり、と]
あ、そなんだ。なんというかそういう情報もほとんどないままやることだけ言われるってのはかなり問題だと思うぞ。
[一応こちらにきてさらってなかった知識を少し咀嚼したつもりだが、少なくとも天魔何人とか知らなかったりするが]
それが本当に救いになるんならいんだけどな。…そもそも昨日今日降って湧いた知識を全部信じることは俺はできん。
[知識をさらいつつもそれはばかりは本心であり、久鷹が他を害するのを喜んでするかといえば否。であるから得られた知識と齟齬が生じているが、従姉の顔を見て嘆息して、目をそらし]
…まあ、あのご老公の言うことは信じれんし、この知識もいまいちわからんが…幸貴のことは信じてみる
[というかそれしかないわけだったりする。]
私が反発はしても悩まなかった理由。
つまりはウチも本来は関係者みたいなモンだったりするわけだ。
[きょとりとなるミツクニにケラと笑う]
白羊の楽師、或いは奏上の巫女。それが私の祖母。
五十嵐は姉さんが嫁いだ相手の苗字なんだよ、本当は。
私は普通の生活が送りたくて家出してきたってね。
ま、本気で知らないわけでもないんだろうけれど。
騒ぎに巻き込まれたとなったらこれ幸いと連れ戻されかねなかったりもするわけで。それは避けたいんだ。
だから隠蔽工作を手伝ってくれませんかと。
それと、こないだ言ってたじゃん。
人の封印ならどうとでもできるものだって。
時間掛けて白虎の力使えば抑えも外せるだろうし、そうすればもう少し協力できるはず。
後で隠蔽工作手伝ってくれるなら本気出すよ。
…聞いたんでしょ?ヒサタカがどうなったかも。
ことこうなった以上、少しでも早く終わらせたいんだよ。
マリィのためにもね。
[一気に話すと、喉がピリピリした。
上から押さえて溜息一つ。まったく困ったものだ]
ま、それにしても喉が治らないと無理ですが。
というわけで二つほど、条件飲んでくれないかな?
……なるほどね。
それで、あのタイミングであの攻撃ができた、と。
[出会い頭の金属球を思い出しつつ、頭を掻……こうとして。
走った痛みに顔をしかめる]
まあ、そっちのお家事情に口挟む気はないが。
白虎を宿した、を口実に連れ戻されたくはないから、そのための手助けをしろ、と。
[言いつつ、振り返るのは、社務所兼自宅。
両親の……というか、母と九条院の叔父に頼めば、多分どうにかなるだろう、という予測はあって]
……どこまでできるかはわからんが、一応、助力の打診はしてみる。
『五神』の力を整えるのは、現状の急務だし、そのために必要なことなら、仕方ねぇ、わな。
……どっちにしろ、俺が生贄になりゃすむことだし。
[最後のそれは、なんなんですかと]
あれは説明する気がなかったようにしかみえんのだがなぁ。大雑把なだけかもしれんが、混乱する様を望んでるようにも俺は見えたぞ
[ちと真顔。であんな説明を思い出す]
…ん、任せた。んでここに送ってくれ。とりあえず何も言わんかったのを問い詰めでもするから
[これも結構真顔。なんれあれそれは己の中で確定事項]
ああ。いってらっしゃい…って。むっ
[普段と違う柔らかい笑み。それを見るのもどこか久しぶりに感じながらも最後は子ども扱いされたみたいでちと不満げになりながらも、見送った]
[そう言えば、麒麟は麒麟でも黒麒麟ってのもいたよーな気が。
あと美しい黒髪を緑の黒髪とかも言いますな。閑話休題]
はあ…あんま詳しい話は互いにしてへんもんで。
面倒やし。
ってーか、気ぃなんて許されてんのかなー?
あんまミックんって気ぃ使わんでもええから、うちは楽やけど。
[残念そうな声音にも、あっけらかんとした答え。
話したかったら話すし、興味なかったら聞き流す。そんな繰り返しで互いの間にある情報はえっらく偏ってるっぽいです。
イトコの話も互いに気持ちよくスルーされたんかもしれません。
なんという似たもの同士なオトモダチ]
[元々、九尾という妖怪は、天界と地界に溜まった、行き場のない気が集まって生まれたものだった。天界の気が陽となり、地界の気が陰となり、互いが両義――つまり陰陽道でいう太極図となり、尾という形でまとまっていた。だからこそ、強かった。
一の尾には陰陽の力が。
二の尾には陰陽の理が。
三の尾には陰陽の技が。
四の尾には陰陽の知が。
五の尾には陰陽の善が。
六の尾には陰陽の邪が。
七の尾には陰陽の然が。
八の尾には陰陽の宙が。
そして九の尾には陰陽の心がそれぞれ封じられていた。
九本に天と地。合計十八の力を宿した獣。それが九尾であった]
[またその他にも十八を分解すると、完全を意味する三。それに実在を示す二が生み出される。それもまた九尾を最強に仕立てている要因でもあった。
しかし、優しき心は人として生きたいと願い、変化の力を使い時の権力者に取り入り、幸せに暮らしていた。だが、悪しき心はそれを許さない。人々の断末魔こそがソレの幸せだった。
歴史を紐解けばわかるだろうが、九尾は常に当初は大人しく、良妻賢母の一面を示す存在であったが、突然性格を変えて、国を滅ぼす大妖となっている。有名なのは殷周革命で名を轟かせた妲己が良い例である]
[その後、日本で鳥羽上皇の寵愛を受けるも、正体がばれてしまい、数万の軍勢に討ち取られた。その後、玄翁和尚によって打ち砕かれ、そのかけらが全国3ヶ所の高田と呼ばれる地に飛散した。
ヒサタカに助けを求めたのは、その中で三の尾と四の尾、そして九の尾が封じられた越後国高田に飛んだ殺生石から、ある程度の力と記憶と知恵、そして優しき心が転生に成功ものだ。
目的は静かに人に寄り添って生きて生きたいという事だけ。それ以上は望むつもりはなかった]
「……ただ、石の中で切り捨てた筈の、悪しき心が、どうしてか、残してきた技をもってこっちに、出てきてて、それが、ヒサタカに憑いた、んじゃないかと、妾は、思うの」
[自分を隔離せずに、話を聞いてくれているサキの手を両手で握りながら、九尾はそう自分のことを説明した]
は、生贄?
[今度はこちらがキョトンとなった]
というか、そっちも負傷してるん?
それならご老公も会長のお世話にならないとダメじゃないか。
[笑いの混じる声は小さいものの、普段の態度に近くなる]
なんにせよご理解感謝。
自分で出来るところは自分でやるから、それで十分だ。
[約束を取り付けた安堵に気が抜ける。
待つ間は戻って休むかな、などと考えつつ、無防備に笑っていた]
[ 笑う声に。
混じる、異質なモノ。
ひゅ―― と。
木々の合間を抜けて、何かが“飛ぶ”。
風を切る音が耳に届くのと、
その接近に気付くのと、何方が早いか。
言葉を交わす二人の片割れ、
ミツクニの背へと向け、放たれるは不可視の刃 ]
─ →自宅・自室─
[自宅へと移動しながら、九尾は自分のこと、久鷹に憑いたもののことについてぽつりぽつりと話してくれて。家族に見つからないように自室へと転がり込んでから、詳しい話を改めて聞いた]
切り捨ててきたはずの悪しき心、か。
考えられるのは、何らかの原因で殺生石の封に綻びが出来て、そこから抜け出て来たとか。
九尾が転生で抜け出る際に気付かれぬ程度の力を付随させていたとか、かね。
まぁ、今は原因を考えても詮無いことなんだけど。
つーことは、その悪しき心ってのを久鷹から引き剥がせばあいつは戻る、ってことだな。
[話を聞きながら考え得ること、対抗策を模索していく]
[苦痛。
生きながらに、全ての痛覚を開放したような痛みは、殺生石になったときに味わった。
延々と約千年もの間痛みを味あわせられながら、優しき心は人を信じたいと抜かした。冗談じゃない。ふざけるな。自分達の発展しか興味のない生命体に寄り添ってどんな意味がある? ソレが断末魔という娯楽を求めて何が悪いというのか?]
クソ……! どっちにしても力が足りねぇ! 誰かの魂を食わなければ……。
[町の北側にある、開発失敗によって放置された雑居ビルの一室で苦しみながら、ソレは雷を四方に放ち、八つ当たりをした]
……ああ、細かいことは気にするな。
こっちの家庭事情だ。
[疑問はさらりと受け流し。
会長に、との言葉にははあ、とため息ひとつ]
いや……一応、手当ては受けた。
[全快させると無茶をするから、という理由で軽くされたらしいですが、それは誰も知りません]
ん、まあ、それじゃあ……。
[気乗りはしないものの、意識の接触を持つか、と思うのと。
風が鳴るのは、どちらが早かったか]
……っ!?
[風鳴りの音、それを捉えた時には、それはすぐ側に。
防御のための『音』を紡ぐ間はなく、動くには遅く。
何より、傷の痛みが回避を妨げて──]
「でも、どうやれば、離れるか、わからない。その……隔離の陣? でどうにかなるなら、今がチャンスかも、しれない」
[悪しき心を浄化できるのであれば、であるが]
……って……なんだよ、いきなり。
[その場に膝を突きつつ、口をつくのは、こんな言葉。
紅鴛が慌てたように、ばさばさと羽ばたく]
……大丈夫だ、紅鴛。
……堕ちるほどじゃ、ねぇ。
一時的に弱らせる必要はあるね。
パワー全開の状態で封じようとしても、跳ね返される可能性が高い。
大人しく久鷹の中から出てきてくれるかどうか…まずはやってみないと。
浄化出来るか、封ずるのみに留まるかは、その時次第、かな。
…今がチャンス、ってーと。
まだ、その悪しき心ってのは久鷹を支配し切れてないんだな?
[あれこれと考えながら。チャンスと言う九尾に問いかけた]
手当てしたのに?
…すぐには治せないほどの無茶したんだな。
[会長の姉心?は知らず。適当に解釈して]
うん…!?
[ミツクニの応えに被る風の音。舞い散る紅]
ちょと、大丈夫!?
[慌てて膝を突いたミツクニを庇うような位置を取る。更に奥、「何か」を放った相手を確かめようと、顔を向けた]
……あー。
やっぱり、イメージし難いわな。
見えないモンだと。
[ 仕留めるつもりだったんだけど。
手首を振りながら、ゆらりと木々の向こうより現れる。
日の落ちゆく頃、深く陰になり、その表情は窺い辛いが、
その声も姿も、常の彼と変わらぬもの ]
ま、いいか。
どうも、お邪魔しま。
[ ――けらり。
フードの下の口許が、場に合わぬ、軽い笑みを浮かべた ]
へ、そうなん?
[今、明かされる謎!みたいな生徒会長のお言葉数々に、
きょとん、と、ぽかーん、の中間くらいの顔になりました。
それでも紅鴛と翠麟の名前は知らんかったんで聞きましたけど]
……や、ミックんやる気はなさげやけど、そこそこ親切やし。
別に付き合いにくいっつー訳でもない思うんやけどなー。
[入学式の翌日、耳上に隠し刺してるヘアピン使って屋上侵入。
貯水タンクの陰で爆睡してるんを呆れた声で起こされたんが出会いやったり。(その名残で5分前の目覚まし要請続いてるとか)
そんなコトを思い浮かべながら、イトコを案じる会長を見上げる。
既に現在、屋上が人気ないから好んで行ってるんか、ミツクニいてて居心地いいから行ってるんか不明やったりします。つーかお子様なんで気にしてないのが真実ですが]
大丈夫だ……。
[啓子に返す言葉は短く]
この程度で……堕ちるわけにゃ、いかねぇ……。
[続いた言葉は、自身に言い聞かせるかのように]
……随分と、いきなりな挨拶してくれますねぇ……。
[最後の言葉は、現れた姿へと向いたもの]
「支配、仕切れていないんじゃない。力に、振り回されているから……。本当は、妾と二つの心で、制御するべき、ものだし」
[ちゃんと説明したいが、うまく言葉が纏まらず、最後にはあうぅぅ……、大きな瞳に涙をじんわり]
……我妻。
[最初の無茶をやらかして。運んでもらった記憶も新しい相手]
まさか、ユゥゴ君も。
取り込まれた…?
[ヒサタカの例を見ていたからかもしれない。
それはアズマ本人でないと、そう信じたいというような声音で]
別れの挨拶のつもりだったんだがね?
[ 軽く首を傾げてみせた ]
そうならず、残念無念――
すぐには使いモノにならんだろうけど。
と、いうことで。
[ す、と手を横に伸ばす。
無秩序に流れていた空気が一定の流れを持ち、
ひゅう、と小さく音が鳴った ]
今のうちに、そちらさんを削らせて貰おうかと。
[苦痛は時間を置くほどに増していく。脂汗が廃墟の床にぽたりぽたりと染みをを作り、終いには小さな水溜りではないかと思える程、溜まっていた]
ダメダ……。このままじゃ制御も、痛みも……。
[と、そこでふと思いついた。そうだ役立たずが居たじゃないか]
そうだ……。役立たずだったんだ……。最後くらい俺のために動いてもらっても、いいじゃね? ふ、フフフハハハハハハハ!
[すでに眼は血走っていた。焦点は合わず、ただ脳裏に唐突に浮かんだ考えがなんとも妙案にしか見えなかった。一頻り自分の考えに酔った後、久鷹はマリーのところへと、ふらつく足取りでビルを出た]
あー、泣くな泣くな。
[瞳に雫を溜める様子に慌ててぽむぽむと九尾の頭を撫でる]
とにかく、抑えなきゃならんのは確かだな。
このままじゃあいつ、暴走しかねない。
久鷹に憑いてる奴は、遠慮なく滅しても良いんだよな?
九尾は、人と、久鷹達と一緒に居たいんだろ。
[袂を分かったと言っても、向こうも九尾の一部。改めての確認を取る]
─寮・自室─
…………んう。
[苦しそうな呻き声を上げ、彼女はゆっくりと瞼を開く。
身体は言う事を聞かず、頭はガンガンと割れそうな程に痛む。
頭を押さえ、億劫に首を動かして周りを見渡すと、そこが自分とケイコの部屋であることに気づく。
そのルームメイトの気配は部屋にはないが、おそらく彼女が運んでくれたのだろう。
身体を起こそうにも、まだ起き上がるだけの気力も体力も戻っていない様子。
外はジーワジーワと蝉が喧しく鳴き続けている。
ジッとしているとどうしても思い出されるのは、邪悪な笑いを撒き散らすヒサタカの姿。]
…………ヒサタカ。どうして。
[つー。頭を押さえた手の隙間から一筋の水──涙が零れ落ちる。]
……んな、情緒のねぇ別れの挨拶はいらねーってぇの。
[情緒あったらいいんかい、というのは置いといて]
ったく……今日はほんと、ついてねぇなっ……!
[使い物にならない、という指摘は間違ってはおらず。
どうにか立ち上がるものの、『音』を紡ぐにも、痛みが集中を妨げた]
[滅する。と、言う言葉に、これまで生きてきて、襲ってきた人々の般若のような表情を思い出し、背筋が震えた。
だが、これまで九尾を助けてくれた人達は、皆優しい人々で……]
「う、うん……。よろしく、お願いします……」
[尤も、悪しき心を滅した後で、己がどうなるか予測がつかないが、それでも九尾は勢い良くお辞儀した]
残念ながら。
剥がす方法は不勉強にして知らないからな。
叩きのめすしかないっしょ。
[アズマの言葉には、緊張しつつも笑みで返す。
両手を軽く触れ合わせ、光と共に金の爪を喚び出した]
ご老公。今の一撃、効いてるよね。
ここは抑えとくから、準備整えてきて。
[何かを覚悟したような声でミツクニへと言った]
生憎、男相手にんなもん持ちたかないね。
[ その返答もまた、何処かずれていたろうが。
ミツクニの動きを認めるも、
障害にならぬと判断して、視線をケイコへと向けた ]
うちにはようわからん事情あるみたいやし、ミックんがどう思ってるんかはしらへんけど。
普通の人やなく"黄龍"でもええんなら、関わるんは嫌やないよ。
……そんな心配せんでも、ええんやないかな。
[窺うように少し上がった語尾。
礼の言葉に傾げた首から、切り揃えた髪が項を掠めて流れて]
…ん、どないしたん?
[急に虚空を見上げる様子に、つられて見上げる。
残念ながら、心配せなアカン事が思いっきり起こったらしいですね]
[僅かに九尾が口篭ったのに何かを感じ取ったか]
(そうか、滅して九尾に影響が出ないとは限らない、か…。
となると……)
[考え得る方法は、一つかもしれない。しかし今はそれを口に出すことは無く。これから相対するであろう相手をどうするかだけを考える]
よし、任された。
…それじゃ、九尾はマリーのところに居てくれ。
あの子も、ショック受けてるだろうから。
[行こう、と九尾に手を差し伸べて。再び家を出ると、一路学校の寮へと]
火剋金――だっけ?
どっちにしろ、手を出さない方がいいと思うけどね。
[ そう、一言付け加えて。
現れ出でる金の爪に呼応するように、
渦巻く風が彼の手元へと収束していく ]
そりゃ、わかりやすいやり方で。
まあ、お前をやりたい理由はそれなりにあるし。
よろしく頼もうか。
ダチを勘違いでやってくれた、とか、ね。
[ それは楽しみを一つ奪ってくれた、と読み替えた方が正しい ]
……おま、な……。
移動するのもきついってーのに、気楽、言うなっ……。
[啓子の言葉──その声に篭るものは察しつつも、最初に返すのは、この一言]
とはいえ……ここに火の俺がいると、不利、か。
[火剋金の理を紐解くまでもなく、それは明らか。
そこに場の影響が加わり、火乗金に至れば惨事は間違いなく]
……わかった……従姉殿、連れてくる都合もあるし……ここは任せる、白虎。
……は、言われるまでもねぇ……。
大体、俺が手ぇ出すまでも、ない、だろうからな……。
[付け加えられた言葉に、低く言い放ち。
傷の痛みを堪えつつ、意識を集中して、力を紡ぐ。
解放される、『音』。
その姿は、ふい、と空間から掻き消えて]
[至極あっさりと寮までは到達した。いつ襲われてもいいように、通り道に仕掛けを作り、牛歩で進んできたが、あまりに簡単で呆気にとらえれたくらいだ。
だが、悪知恵を働かせる余裕はあれど正常な思考は働かない。次第に迫る痛みに、焦る心を必死に抑え、己の複製を作り上げた]
さぁマリー、愛しい愛しい王子様が助けを求めてやってきたぞ……。
[複製は、オリジナルと同じく苦痛に苛まれた表情を浮かべながら、マリーの部屋前までいくと、ドアに爪を立てて引っかきながら室内に居るであろうマリーの名を呼んだ]
「マ、マリー……。開けてくれ……。俺、だ……。ぐ! あいつに騙し討ちされて、……血が……ぐぅぅぅ!」
[思ったコトは全て顔と口に出る裏表の無さが警戒いらんだけかもしれませんが、そこら辺はミツクニ本人しかわからないに同意。
ついでに"注目"はやめて欲しいと言える唯一のチャンスを逃したのに気付いたのは、*騒ぎの後でした*]
あー。宝条先輩。
あれは本当にあそこまでやるつもり無かったんだケド。
まあ完全にこっちのミスだぁね。
[悪かったと思ってるよ、とは少し殊勝に。
だが構えを解く様子は見せずに]
こちらこそヨロシク?
今度もまた加減してる余裕は無さそうだし。
[スゥ、と気息を整える]
はい、任されました、と。
急いでくれると嬉しいな。
[ミツクニには軽く返しながら、間合いを計るようにアズマを見つめていた]
[なんとか動けるだけの気力と体力が回復し、緩慢に起き上がる。
そして、服は倒れている間にケイコが着替えさせてくれていたが、その後寝汗をかなりかいていた為、シャワーを浴びようと脱衣所へ向かおうとする。
その時聞こえてくる彼女を呼ぶ声。この声は]
!? …………ヒサタカ? ヒサタカなの??
[未だ言う事を聞かない身体を引き摺りながら玄関へ。]
―隔離の陣 森―
[なんとなく。不甲斐ない気持ちを抱いたまま家屋へと帰る気にもなれず。来たのは森。
己の属性もあってか知らないが、落ち着くし、草原よりは涼しく。
ただ融合によって知識の通り、内息を整えるよう丹田より一つ一つの血脈に気を何かの真似事のように循環させる]
「……マ、マリー……。はやく……。逃げたのはいいが、おそらく、あいつはすぐそこに……」
[カリカリと扉を引っかく。それは必死に抑えようとする焦りのせいか]
[あ、お互い様か。と"鳳凰"には納得。
そうして疑問に短く返し、駆け出す背を見送り]
はあ、無茶をねぇ…って無茶ぁ!?
あんのアホ、さっきの今や無いか!
[もちろんvsヒビキと現状の何かのコトです。
懇願とかすこーんと抜けて、慌てて追いかけてみたり]
[九尾の手を引き、寮へと向かう通路を歩く]
………そう言えば璃佳があっち行ったから属の補完しないと。
[これからやりあうってのに、とか思ったのは内緒。力の一部を属の維持へと回しながら、更に歩み進む。少し後に寮が見えてきて]
さて、何号室なんだろう。
[そう言えば自宅生なので寮とかさっぱり分かりませんでした]
――素直だねえ。
どいつも、こいつも。
[ やがてその両の手に収まるは、一対の戦輪。
幅を持った輪の外周は鋭い刃、
円の一部に備えられた持ち手を握り、
を一気に踏み込み、開かれた距離を詰める。
先ずは右の輪で胴を薙ぐ。
身を半ば捻り、勢いをつけた一閃 ]
[玄関の鍵を外し、ドアを開けようとノブに手を触れたところでピタリと止まる。]
…………ねぇ、ヒサタカ。『アイツ』って誰?
[その声は、動揺と焦りと不安と希望の入り混じった声色。]
…んぁ?
[集中していたからこそ。音というか気配に気づいたのだろう。誰か一人また来たようで]
もしかして…もう来たのか?
[来た。ということまでしかわからず、誰かが来た場所。草原へと向かう]
「アイツ……? アイツは、アイツだ……。あの薄汚い……狐野郎……。グゥ! ヤバイ、近づいてくる……。はやく……はやく助けてくれ……」
[致命的なミスをしたとも知らずに、マリーに呼びかける]
[頭に血が上ると痛みを忘れるんは仕様(学習能力以下略)です。
ちょいと遅れて追いかけていったらば、遠く見えるは錫での一撃]
ちょーっとストップストップ!
ミックんトドメさすんは全部終わってからやて!
[止めてるんだかなんだかわからん声を上げ、会長さんを引きとめようとしてみる]
キツネ……やろ、う? 薄、汚い……??
[ポツリと呟く。おかしい。『本当の』ヒサタカならそんなこと、言うわけがない。
ヒサタカは確かにあの子を守りたい、と言ってたのだから。]
……そっか。やっぱりヒサタカ、呑まれちゃったん、ダネ。
[ドアから手を離し、悲しそうな顔でポツリと呟く。
その声はドアの向こうにいるヒサタカ(複身)に聞き取られるか。]
[森から草原へ。遠目から見ると、錫杖で殴ってる生徒会長と、それをみて璃佳が止めてるような(そう見える)光景。何を言ってるのかまでは聞こえてはいない。
更に接近すればそれがミツクニであるとわかり]
ぁーー……大丈夫すか
[心配する両名とは温度差があるのは仕方ない]
素直で悪いか?
和を知る以上、ひねくれ続けるわけにもいきませんて、ね!
[相手は予想よりもう一段早かった。
ギ、と歯を食いしばりながら、左の爪を腹の前へ。寸前のところで刃を滑らせ受け流す。ギィンという鈍い音]
っと!
[一撃の重さに小さく眉を顰めつつ。流される勢いのまま身を翻して、裏拳のように右爪を肩口狙って振るう]
(気配が引いた――?)
[複製の視界に意識を飛ばしていた悪しき心は、扉からマリーの気配が離れた事に舌打ちした。本物のヒサタカは心の中でもがいている。従って複製は彼の思考を読み取って、悪しき心が脚色したのだが、どうやら綻びがあったということか]
クソ! だが、今役立たずは力を使い果たしているはず。そのまま押し切れば俺の勝ちだ!
[複製の手を動かし、ドアノブを回転させた。
あっさりとノブが回ったのを確認すると、そのまま部屋へ押し入ろうと――]
[怒れる会長の後ろから顔を出したものの、裸眼でよく見えません。
なので少し(会長に)怯えながら、側に寄って傷口を覗く]
ぅっわー、また派手にやられてんなあ。
今度は誰になん?
[言いながら近づく気配に顔を上げ、キョウヤに手招き]
あ、キョウヤんちょうどいいところに!
このアホの傷抑えられへん?
うち土やからなー、逆に力引っこ抜きそうでな。
べっつに?
宜しいんじゃありませんか。
[ ぶつかり合い、此方の右腕も後ろへと流されかけ ]
それで痛い目に遭うのは自分だろうしな。
[ 爪の振るわれる先を見定めると、
退くのではなく、また一歩先へ、
そして深く身を沈めて足払いでのバランス崩しを狙う。
金の煌きを抱いた爪が、傍で風を切る音が聞こえる ]
[ドアノブが捻られ、ドアが開かれようとしていることに、ハッとする。あ、そう言えば、鍵までは開けてた!!]
ひっ!?
[恐怖に引き攣った声を洩らすと、部屋の奥の方へ逃走。
だが、体力の戻りきっていない身体では逃げ切ることなど出来ようはずもなく、部屋の隅に追い詰められるか。]
……嫌。嫌だ、来ないで。
[尻餅をつき、ガクガクと震えて迫りくるヒサタカを見上げる。]
[寮の中へと入り、適当な人にマリーの部屋を聞く]
ふんふん、この部屋だね。
同室の人とか居るの?
[聞けば啓子と同室だと言う。そんな啓子は今出かけているらしいが]
ふ、ん?
マリーほっぽってどこ行きおった、あいつ。
[大変なことになってます。ともあれ教えられた部屋へと向かい。そして見える、久鷹(複製)の姿]
…はっ、探す手間は省けたなっ!
[駆け込み飛び蹴りでも食らわそうと思ったが、先の爆発を警戒し、ドアノブを掴む手を捻り上げようと、複製の手を掴み取った]
[杖で殴ったりする前に治療したほうがよくないかとか。思いつつも、口には出せないのは不可抗力です。不可抗力といえば不可抗力だが]
ちょうどいいところって…ああ…属性か。傷はやったことないからわからんのだが…って、って。璃佳…眼鏡どした
[こっちのほうが合うだろうに。とか思ったとか]
たとえそうであってもね。
[相手が沈みこむのに、ハッとなる。
だが勢いをつけたままでは避ることなど不可能なわけで]
逃げるわけにいかん場合っての、が、あるでしょ!
[見事にバランスを崩し、身体が地面へと近づく。
ただ予測は先にたったので、受身の要領で左手を突き、即座に横へ転がろうと]
そ、属性なん。会長も合うはずなんやけど……
[それ以上言えないのは、赤く染まってる包帯が見えたせいです。
そら、さっきの今やったら、治療する気どころかお怒りごもっとも]
とりあえず抑えて止血かな。
気を送るだけでも回復に繋がるはずやで。
[内心で謝りながらワンピースの裾を破る、傷にそっと被せて離れ。
ココ抑えながら木気送ってみて、とか黄龍知識参照で言ってみた]
あ、それがなー。どーも戦った時に失くしたらしいんよ。
見えへんでホンマ困るんやけど。
[予備はタマキちゃん家にあるんよねーと今更こっそりキョウヤの後ろに隠れてみた。まだ見られてないかもしれんし]
フードの金髪……って、アズマん!?
うっそ、変なん見えてんのは霊感やなかったんか!
[通じたようです。だがしかし、本名が出る訳が無いのでした。
そんでもって、キョウヤの指摘には(背後気にしつつ)手をひらひら]
や。やられきった後やし、もう今更やよ。
でも邪魔やったら引くよ?
[ミツクニに言いたいことの一つや二つはあったが、いえないのは不可抗力といったら不可抗力で]
木生火…だしな
さっきちょうど気を練成するの試してたしちょうどいい
[とりあえず治療だなぁと。璃佳の言うとおり傷口を覆う布のうえに手を当て]
ああ…あの人が…っと。先輩。やりますけどいいっすよね?
[後ろに隠れる璃佳に疑問を軽く抱きつつも、一応の確認をしつつも、返事をする前に、初めてなので加減がいまいち掴めぬまでも、知識を辿ってそれを真似て木気を送ってみる]
そっか…まあそれは仕方ない。予備俺も持ってないしなぁ…そもそも度が違うかもわからんけど
[というか自分の眼鏡はよく無事だったなと思いつつ。]
いや、そっちが辛くないならいい。
[ 追って斜めに振り下ろされた円刃は、
逃れられて地を掠め土を舞い上げるに留まった ]
逃げずにやられたら意味ないけどな?
楽しませて貰えるかね。
[ 即座に引き、距離を取ろうとバックステップ。
相手にも体勢を整える隙を与えはしたが、
その間、もう片手から輪は消えていた。
風の唸りを耳にする事は出来たか否か ]
[ドアの隙間からマリーの怯えた表情が半分だけ見える。それだけで悪しき心の苦痛が和らいだ気がした。さて、捕まえたとして、どんな方法でヒサタカとマリーを甚振るか。ヒサタカはマリーが甚振られるのを見せ付けて、血の涙を流させるとして、マリーにどんな地獄を見せるか。
思わず頬が緩む。
そして室内に踏み込もうとした時!]
――何!?
[不意に腕を掴まれ、慌てて意識を向けると、そこにはサキと九尾の姿があった]
き、貴様――!
はん、随分とお楽しみのようだね。
マリーに手ぇ出すってなら、アタシが相手するよ!
[掴んだ相手の手を捻り、その背中へ回し固定しようとする]
九尾! マリーの傍に!
[ドアと複製の間に隙間を作り、九尾をマリーの傍へと駆け込ませる]
で、”お前”は本体と複製、どっちなんだ?
簡単にやられるつもりなぞないし。
楽しまれるのも微妙だけど。
[相手が離れた隙に膝を突き立ち上がる。
腕を構え直そうとしたところで相手が無手となっているのが見えた。
ミツクニがやられるところを見ていなかったら、とてもじゃないが反応しきれなかっただろう。だが]
うぁっ!
[とっさにしゃがみ込んだ。鋭い音が頭上を抜けてゆく]
度はどないしよーもないからなあ。
[木気が送られるのを見ながら、大量に浴びせられた水気がまだ残っているか掌を開いたり閉じたりしてみた]
………ん、間接的にやったら行けるんかな?
[水気にしろ、土気にしろ、木が吸い取れるなら役に立つだろう。
試しにキョウヤの背に紅葉ぺちりして、ミツクニの声にそっぽ向く]
細かいこと言いなや。
地元で小中一緒やったんと違うて一から全部覚えなアカンねんで。
[怪しいあだ名付けは、名前覚え対策の一環でした。
だが結局、本名の方を忘れる罠があったりなかったり]
[他の五神や四端は知らないが、蒼龍として。一度力の流動のコツを掴んでしまえば後は問題なく行えた。この辺りの要領のよさが、幸貴に勧誘される理由な辺り自滅していってるかもしれないが]
いえ…ここでぶっ倒れてもらっても困りますから…手間もかけたみたいですし。
[何かそういうように生徒会長から聞いている。とはいえ、要点のみつかんで内容は上滑りだったのは璃佳と同じだったりする。
ちなみに手間とは五神同士で争った辺りで]
ってことはもう一人っていってたのはあの人なんかな
[聞くというよりも呟き。
霊亀のほうを聞けば軽く顔を顰めただけでそのまま続けようとして]
俺がやるより生徒会長やったほうが速いんじゃ…まいっか
[途中で遮ったのもきっと不可抗力]
……うちもさっき会長に治してもろたトコなんやよね。
[キョウヤの当然の疑問に小さく呟いた。
ミツクニと自分を治してまだ時間は経っておらず、なおかつ今からまた運ばれてくる可能性もあるとなれば、属性越えて治療できる『麒麟』を温存するのは合理的。
あと、イトコの話をした時の表情から、怒るんも無理ないかなあと]
[サキの言葉に、九尾は可愛らしい顔を勇ましく変えて、複製の横を抜けてマリーの前で両手を広げた。
それを忌々しく横目にしてから、サキに憎しみのこもった怒りの眼差しを向けた]
本体? 複製? そんな事もわからないから、貴様は天界のただのお人形なんだ!
[叫び、複製を形作っていた電子を電気に変化させると、サキの手を弾きながら、寮の外へと稲光となって逃走していく]
なっ
[急に背中を叩かれたので何事かと思うも、急に止めるとこっちのほうがやばい内息を乱すと血脈が閉じるとか。とりあえず危険だという認識で。振り向きこそしないも]
って。本気で何してんだおい
[入ってきた水気と土気。なんで水気がとか思うも]
…水気だけにしとくように
随分と苛ついてるな。
カルシウム足りねぇんじゃねぇの?
[軽口を叩き、鼻で笑う。冗談も通じない辺り、切羽詰ってそうだ、などと考えつつ。複製が電気へと変わり外へ逃げる様子にその後を追いかけた]
ち、待ちやがれ!
−学校・図書室−
[古典書籍のならぶ書架の中に、その姿はあった。
閲覧席の一つを陣取り、その机の上に置かれた書籍は普段なら興味を示さないような書籍ばかり。
五行思想。古代神話。陰陽。
パラパラと、めくってみるものの、頭にはあまり入っていない様子]
…五行。
一に曰く水、ニに曰く火、三に曰く木、四に曰く金、五に曰く土。
水はここに潤下し、火はここに炎上し、木はここに曲直。
金はここに従革、土はここに稼穡。
潤下は鹹を成し、炎上は苦を成し、曲直は酸を成し、従革は辛を成し、稼穡は甘を成す。
…だから海は塩辛くて血は苦い。果物は甘酸っぱい。か。
[ぺら、と有機質な音が響く]
あー…そういや俺もしてもらってたし……その際はどうも
[璃佳の言葉に、生徒会長だから大丈夫かとか無意識に思っていたなんて気づいたが、口に出来ません。
やっぱり人なのだなぁとほんの少しだけほっとした。]
どうせやるなら、楽しい方がいいじゃん?
[ 輪は勢いを殺さず、そのまま遠く、過ぎていく。
得物を一つ、失ったかのようにも思われよう ]
避けたのはお見事、けどな、
こっちはどうかね。
[ 動きを止めた隙を見逃すはずもなく、
残ったもう一輪も放つ。
刃を持った輪は、地を這う低さで駆けていく。
けれどそれさえ避けてしまえば、
今度こそ、その手には何もなく無防備――そう見える。
フードから覗く眼は、闇を宿した黒 ]
水気だけなあ…努力する。
[一部混じり合ってるので微妙です。どちらも気の力にはなるけど]
ん? ミックんも普通に呼んで欲しいん?
キョウヤん…キョウヤみたいに。
[そもそも、苗字覚えてないとかいう致命的欠陥が在るんですが。
アズマみたいに苗字覚えてる場合は、名を知らないのはお約束]
……そうなん。うちが残れてたらよかったんやな。
[相克であるはずの水に負けたコトを思い出し、少し静かになる。
その水気が今、役に立ってたりするのだが]
[部屋に侵入してこようとするヒサタカの姿をしたものにガタガタと震えていたが、]
……サキ先輩? それに、キューちゃん。
[複身の腕を捻り上げるサキと、彼女とヒサタカの間に腕を広げて立ち塞がるキューちゃんに驚きの声を洩らす。]
どう……して、ココに?
[電気と化した複製は、そのまま寮の影に隠れていた久鷹と融合すると、一度大きくため息をついた]
……落ち着け。アイツは、マリーより粋がいい。ここは、あいつの魂を食うように考えろ。でなければ負ける。
[苦痛は続いていて、昨日の開放時の力の半分以下が今の最大出力だ。直接戦闘するのは危険が大きい。ならば、どうするか?]
――なんだ。さっきまで置いてきたあれを使えばいいじゃないか。
[そうして口元を歪めると、わざとサキに背中を発見させるように、踵を返して走り出した]
一方的じゃなきゃ、ね!
[立ち上がる。その足元目指して迫る輪。
軽口を叩く暇もなく、前方へと跳躍する。
足の裏を僅かに掠めてゆく刃。
相手の懐へと飛び込んで。
見えたのは、フードの奥から覘く、闇の黒]
とりあえず…最悪拾えるようにしてください。俺ら出れないんですから
[幸貴のときもそうだが、動ける人間にこっちは任すしかない。まあもし己が出ても五神としての使命を全うするかといえばそれはわからんわけだが]
倒れられても困るんだからがんばれ。
[璃佳にはそんな投げ遣りにも聞こえる応援。
そりゃ確かに水も土も力にはなるが、それでクラスメイトが消耗するのも微妙であって]
…なんかキョウヤって改めて言われるとそれはそれで違和感があんな
[言うなといいつつそんな態]
[複製を追いかける直前、マリーの驚きの声には]
久鷹に会う前に九尾をマリーに届けておこうと思ってね。
ここで奴を見つけられたのは僥倖だ!
[半ば叫びに近かったが、その言葉を残し、複製の後を追う。外に出ると、まるで待っていたかのように背を向け走り去ろうとする久鷹の姿を見つける。違和感を感じたが、ここで取り逃がす訳にも行かない]
待てっつってんだろ!
[待つはずも無いがそう背中に叫び。相手が走るままを追い駆け出した]
あー…
[キョウヤが治してもらう原因なんはコチラでした]
…悪かったとは言わへんよ。
けど、ちゃんと治してもらえたみたいで良かったわ。
[会長への感想はコッチには伝わりませんでした。
ちょっと柔らかくなった表情とか見ちゃってたからかもしれないです]
ん?…ああ。そのことか。
[何か色々あって。璃佳とのことは半ば忘れていたが]
……そのことは後だ…ま、幸貴に頼んだから大丈夫だろ
[もし大丈夫じゃなかったらどうなるか。その懸念が浮かんで、平静さを失い。気の運行が乱れ、臓腑に痛みが生じるも、一、二度静かに深く呼吸をして整える]
[ぺらぺらと、ページをめくる。
興味がないせいか、黒板の内容と違って本当に頭に入ってこず]
…さて、どうしたもんか。
[どうせここでぐだぐだしていたところで変わらないとは分かっているのだが。
本を返却台に返して、一度家に戻ろうと図書室を出る。
まさか、ドンパチが今日も始まっているとは思いもよらず]
/*
まだバトルがはじまってない辺り、幸貴と久鷹の中身が心配になりつつあるぞ。
ちなみに地震は問題なく(というか普通にここで喋ってるし)
[ 嗤う口許が微かに動く ]
―― Komm zuru"ck,
[ 唇から零れるは異国の音。
輪が“有り得ない”軌道を描いた。
くん、とその場でターン、
引き寄せられたように使い手の元へ戻らんと ]
Brech.
[ 右手で、指を弾く。
迫り来る爪を映しながらも、黒は瞬きもせず。
左手が襟元を掴もうと伸ばされて、
瞬間、風が吹いた。
円刃は無数の矢へと還り、ケイコへと襲いかかる ]
[サキの言葉に未だ仁王立ちのキューちゃんを見るが、複身が消えそれをサキが追いかけることでその場に漂っていた緊張がほぐれると]
……う。…………うぅ。うあーーーーーーーん。
[緊張の糸が切れたのか、泣きながらキューちゃんの細い腰に抱き付き。]
ヒサタカが。ヒサタカが……。
[もう戻ってこないと勘違いしてるので、マジ泣き。顔ぐっちゃぐちゃ。]
潔いんは嫌いや無いよ、ミックん。
[ミツクニの答えに少しだけ笑い、傷治せと言われて、んーと唸る。
今、戦ってるケイコと立ち回ってるらしいサキ。二人と相性いいんは判ってるので、治すより溜めといたがいいかなーとか思ったらしい。
内心、倒れないギリギリならいいかなと、キョウヤにも頷いといた。
会長のツッコミには辛うじて頷かないでおく。武士の情けだ]
こらそこ。あんだけ文句言うからちゃんと呼ぼうとしたってのに。
いっそキョウちゃんて呼ぶで?
[イトコへの呼び方と同じ=一応尊称のつもりです。
が、高校生男子にちゃん付けはかなり心広くないと厳しいです]
/*
環のほうは地震大丈夫だろか。まあ単にいそがしいだけかもだが(それはそれで大変だが)
>>*49
や、本気で連日のこと考えると心配になってくるのだが、ぬぅ…無理せずにとか言うしかできんけど、無茶せずに
そういうことです。生徒会長がここにいたほうがいいなら余計に…脱走させてくれるんなら別ですけどね。
[と、ミツクニにいった直後に生徒会長に睨まれたかもしれないとか]
…いや、なんか違和感がなぁ…まあ学園の外で呼ぶときはそっちのほうがいいが…って、ちゃんづけはもっとやめれ。
[璃佳の中で尊称であることは一切気づかなかった]
ふぇ? …………ヒサタカが、戻って、これるの?
[キューちゃんに頭ナデナデされつつ、間の抜けた声を出す。
こくりとキューちゃんが頷くとズルズルと壁に寄りかかるように腰を抜かすと]
……そっか。そうなんだ。戻れるんだ。
[そう呟く顔は再び強い意志をもったもの。]
/*
>>*52
仕事先で寝るのは当然です(なんて駄目なやつ)
>>*53
ですよなー。
キョウヤからは縁が深い二人がまさかこんなに朝まで無茶するなんて(ほろろ
そうやね、サッキーならどないかしてくれるやろ。
[確かに今優先すべきはそれでなく。詳しい事に触れるのはやめる。
乱れた呼吸に、当てた手の指でとんとんと元の呼吸数を軽く叩いた]
[首筋を狙い、だが爪を立てるのではなく甲を向けて。
気絶狙いの一撃。それなりに気合の乗ったものだった。
が、同時に響く異国の音。その意味は知れず。
ただ不吉な予感だけが脳裏を駆ける]
似金行為…
[せめてもの防御をかけようと、口訣を紡ごうとして。
鋭く喉に走った痛みが一瞬、それを途切れさせる。
その一瞬が致命的だった]
――!!
[交差して喉元に伸びてくる相手の手を振り払うことも。
背後に感じた風への対策を取ることも。
何も出来ずに、飛来する矢雨に無防備な背中を晒す]
/*
>>*52
複製も武器の一環かと思うてたよ。
>>*53
無理せんと休みーや。
季節がら寝不足→貧血コンボは恐いんで、ほんまリアル大事にやで。
[ちらりと肩越しに見ると、絶対に逃がさないといわんばかりの表情で、追いかけてくるサキの姿。
予定通り。
思わず口元が歪む。
だが、それを見られてはいけない。サキとの距離を調整しつつ、寮前の通りをまず東へ走る。そこは閑静な住宅街が広がる一帯だ。迷いなくその中心へ足を進める。
――そして目的のものを見つけると、電子を構成し、黄金色に輝く流星錐を生み出すと、持ち手となる細い綱に雷を迸らせながら、電信柱へと打ち込んだ。
瞬間! 激しい光を放ちながら、昨日の複製と同じく光を広げていくが、ソレが目的ではない。目的は、激しい光によって生み出された影。激しい攻撃とは裏腹に、流星錐の対となるもう片方の鉄球を影に交わる色へと変化させると、足元の影から襲わせた]
ミックんは会長と仲いいんやねー。
外で怪我せえへんか心配してるんやろ?
[ちょっと自分とイトコの関係重なって見えたんで呟いてみたり。
いや、タマキちゃんは止めませんが。
『麒麟』を治療できる人いないかもやから心配なんやねー、と笑顔]
まー…な。ただ幸貴に追っかけられるのってどれだけ大変か…
[それについては延々とした過去があるためどこか遠い目。
だがそんなことせず気を引き締める
外が具体的にどうなっているか知らないが、とりあえずケイコが危機であることは知れていて、ケイコに何かあれば、仲がいいらしいマリーが悲しむだろう。そしてそれに連動して久鷹が悲しむと…。璃佳に仕掛けたのも、己がしなくてもマリーがするであろうことが想像ついたからだったりもしたが]
一応動く分には問題ないんですけどね…まあ戦う分には問題ありますが
[ミツクニの苦笑めいた表情を見て、こちらは諦めのような笑み。
戦うとかいってまた生徒会長に睨まれたような。だが]
はい…っと。そういえばですが鳳先輩。大雑把なだけかもしれませんが、もっとちゃんと説明とかしたほうがいいですよ。
俺本気で混乱させたいだけにも思えましたから
[ただ色んな件により今は大雑把なのと思ってるけど]
[そうなったら、このままじゃとてもじゃないが対抗するなんて無理。
幸いにそばには相生の関係のキューちゃんが]
そうと決まったら、黒い子を追い出すタメに水気を集めないと、ね
[そう言ったかと思うと、キューちゃんの手を引き浴室へ、。]
[途中目的も忘れてキューちゃんと*洗いっ子などしたろうか*。]
[追いかけていくうちに周囲の景色は変わり、住宅街へと]
っのやろ、どこまで逃げるつもり…!?
[舌打ちし掛けた時だった。目の前で迸る激しい閃光。目晦ましになるであろうその光に思わず手で光を遮った]
舐めた真似を…!
[そのまま一歩、歩を進めようとした時。己の影が競りあがってくるのを見る。否、それは影ではなく同色の鉄球で。咄嗟に両腕を顔と胸を覆うように掲げ、その一撃の直撃を避けようとする]
……やってくれるじゃねぇの。
[苦々しく口元を歪め、前方の久鷹を睨んだ。防御に掲げた腕には、いつの間にか亀の甲を思わせる装飾のついた篭手が据え付けられていた]
脱走かー。
[とてもとても小さく呟いてみました。えぇこっそり]
違和感て、この贅沢もん。やっぱキョウヤんでいいや。
もうばれちゃったんやし、諦めーな?
[いまさら呼び直しても、インプリンティングされたんは消えへんしなーとかうそぶく。まあ学校外では名前は呼ばないでおこうとか思ってはいるが]
/*
>>*54
寝落ちしませんようにー。その前に中断をーとか祈祷を
>>*56
ですな。体調も、そしてしっかりぶつかっていってくれてるし。
っと、こっちもそろそろ寝よ。眠い。
終わったから気楽なんてそんな
諦めが早いってより聞こえがええやん?
[大げさなため息にそう言って、突っ込まれなかったので後で実行]
動けるんはいいけど、抱えて来れそう?
そこまでは回復させな厳しいよ。
[最悪、一撃離脱の体力だけはと釘刺しておく。
きっと会長さんが厳しく残体力ゲージ監視してる気もするが]
[こっそりした璃佳の呟きは聞こえたが聞こえない振り。それは己も似たような思考をもってるからか]
んなこといわれてもなぁ。違和感は違和感なんだから仕方ない。
…とりあえず余所にまで定着させるのはやめてくれ。
[キョウヤん呼ばわりは応とも言わないが否ともいわない。
ついでに眼鏡をせず素顔が晒されてる分、普通の名前呼ばわりはむしろ違和感倍増だとか内心で呟く。]
まあ…そっちも色々あるんでしょうけどね
[それは生徒会長から聞かされたのか説教だったような。その副産物でか咎める気持ちは幾分やわらいでいるが、当時は混乱させて楽しんでるようなのを思ってたとか
おまけに蒼龍からの情報を得るのはグダグダだった分色々拍車をかけてる。
とりあえず抱えて動ける状態になったと聞けば、後は見送り。そろそろ外の様子を見れるよう環がしているだろうか?と。*家屋に戻るだろうか*]
キョウヤん愛されとるんやねー。
[他意はない。熱烈やなーというだけである。
仕掛けてきた経緯の心の動きまでは、もちろんコチラに届かない]
あ、それはうちも思った。
アンタうちが屋上行かな、説明すっぽかす気やったやろ?
省エネもほどほどにせんとアカンよ。
[キョウヤに乗じて文句をいい、ようやくその背から手を離す。
流石にくらくらしたので立ち上がらないまま、地面に手を付いた。
木の結界内でどれだけ回復できるかわからないが、土気を補給]
……その狙いが、甘いっての。
[ リーチは此方の方が長い。
襟首を掴み、されど、首に伸びる手を止める事は出来ず。
咄嗟に首筋を庇おうと挟んだ右腕に、痺れが走った。
風は木の一、この場に在りては五行に即す。
金は僅か、勢いを弱めることとなったが、気休め程度。
掴んだ手は相手の動きを捉え、その背に矢が降り注ぐ。
肉を貫く音は微か、されど低く響き、振動が伝わる。
散る色は、此方側からは見えないが。
直後、脇へと放り投げた ]
やったか?
[光の影の多重攻撃だ。普通の動体視力であればその高低差についていけず、そのまま流星錐に体を打ち抜かれるだろう。
振り返り、その場に止まり、電信柱の光が収まるのを待つ。
次第に光が弱まり、中央部を完全に打ち抜かれた電信柱が姿を現す中、久鷹は舌打ちした。
――そこには、無傷のまま戦闘態勢に移行したサキの姿があったからだ]
(クソ! 今ので決められなかったのは痛かった! 黙っていろ! ヒサタカ! お前もマリーと同じで用済みなんだ!)
[心の中に作った檻の中でヒサタカは必死にもがいていた。だが久鷹はソレを無視すると、サキの体制から、次の行動を予測し始める。
篭手を装着したと言う事は、攻撃は接近戦だろう。ならば、流星錐の連続で懐に踏み込ませないようにするのが常作だ。だが、あのサキがその程度の攻撃で満足するだろうか?
他の天界の駒であればある程度予測が付くが、まるで並の行動しか予測できない事に再度舌打ちした]
へ? やってイトコやし。
[固まったミツクニにコッチも首捻り。
や、会長との話とか結界内居てくれとか、普通に仲良しなんやろとしか思えません。ナゼに投げやり?とか思いながら端的に指摘。なにせイトコは仲がいいものだと信じてます]
─屋上─
[『隔離の陣』を出て、屋上へと移動する。
背に受けた傷は塞がっていた]
……っつーか、やっぱ入り口増設するか。
[ぶつぶつと、愚痴めいた呟きを漏らしつつ、意識を凝らす]
……間に合えよ……。
[零れた言葉には、微かに焦りの響き。
『音』が放たれ、空間を渡る。
渡った先に何があるかは、*未だ知る由もなく*]
んー、したらやっぱ慣れてるのが一番やよね。
キョウヤ君、 ―――とか言うたら舌噛みそうやもの。
[一瞬だけ今の容姿と呼び名が一致、したかは、はなはだ怪しく。
そうキョウヤに返すと、飛び立つ気配]
――今度は怪我せんと帰っといでや!
怪我増えてたら会長に加勢するかんな!
[張り倒し倍化宣言で見送って。溜息。
おかげで会長の困ったような表情には*気付きませんでした*]
[空手をやっているために戦い慣れはして居り、身体が勝手に反応する部分がある。今回はそれに助けられた形になっただろうか]
っつー…。
打撃系は骨にくるんだよなぁ。
篭手越しだったから何とかなったがよ。
[ぷらりと鉄球を受け流した腕を何度か振り、その痺れを取る。その腕の振りの最中にカシュ、と言うスライド音が鳴った]
おい、九尾の陰の心。
さっさと久鷹を明け渡してもらおうか。
そいつを待ってる奴が居るんで、なっ!
[両脇に降ろした腕を上へと跳ね上げる。瞬間、手から飛び出す円盤が、二つ。シュルル、と言う風を切る音を纏いながら、離れた位置に居る久鷹へと左右から迫った。同時に間合いを詰めようと前方、久鷹の居る場所へとツーステップほど踏み出す]
[爪がその首を庇う腕に触れてその属性を知る。
直後、背中に連続する衝撃。紅の霧が舞った。
悲鳴も上げずにその衝撃に耐える。耐え切れたわけでもないが]
――似金行剋木行!
[投げられる直前、腹から声を出す。両手の爪が消え、手首の金属の輪が光り、不完全に術が発動する。
ホンの僅か相手の力を削ぐだけの、最後の悪あがき]
グッ。
[地面に叩きつけられ、息が詰まる。
限界などとっくに越えてしまっている。力なく伏せていることしか出来なかった]
――…………、
[ 力を持った、ことば。眉を寄せる。
先に放った輪が戻り来るのを風を調整して掴み取るも、
感じるは不快――留め切れず、刃は霧散して流れの一と化す ]
ち、
[ 止めを刺し損ねた事に、舌打ちをする。
然程、力の扱いに慣れている訳でもない。
一度集中が途切れてしまえば、再度操るのは難しかった。
かしり、頭を掻く ]
仕方ないか。
煩いのが来る前に、退散しますかね。
……そうそ。
一つ、言っとくと。
鵬谷と違って、俺は、選んだ側。
ありきたりな言い方すれば、
悪魔との契約、ってとこかね。
[ 明かしたのは、気紛れか。
地に伏せたケイコにそれ以上の追撃は加えず、
されど冷えた黒の眼差しを向け、事も無げに言った ]
ど、して…?
[普通に声に出すのも辛かった。喉は熱く、口の中には鉄の味が広がっていて。
それでも言われた言葉は衝撃が大きかった。
どこかぼやける視界に苛立ちながらもアズマを見上げる]
[サキの手から放たれた円盤に、流星錐を手元で再構成して迎撃させる]
!
まさか遠距離だと!?
[カシュ。という音が聞こえた時、接近戦に持ち込み相手に打撃を与えると同時に爆発を生むか、もしくは打撃速度を上げるための機能が備わっていると予測したが、まさか円盤を打ち出すとは思っていなかった。
円盤を打ち落とした時に飛び散った破片が頬を切り裂く。その他の破片を回避するため一歩後退した時、ステップの音が耳朶を打つ]
く!
[元々、九尾の力は三分割されてしまっていて、しかもソレが得意とする力は別の地方へと飛ばされてしまっている。残っているのは雷を使う力と、知能だけ]
ならば次だ!
[流星錐を手元に戻すや、地面に向けて撃ちはなった。アスファルトが裂け、土砂が舞い上がる。その一瞬の目晦ましの間に、再度自分の複製を作り出すと、後ろに位置していたT字路を互いに逆方向へと走り出した]
……さて。
大した理由なんて、ないんじゃね。
そこにあったから、掴んだ。その程度。
[ 声色は平坦で、真意は窺わせない。
靴先が土を抉り、ざり、と不快な音を鳴らす。
眼を伏せつつゆるりと背を向けると、
気怠けそうに片手を挙げて、ひらりと振った ]
あんまり喋ると体力使うぞ。
どうせ、お迎え来んだろ。大人しくしとけ。
[あと一息で足──蹴りが届くと言うところで土砂が舞い上がった]
はっ!
[気にせず回し蹴りを放ち、土砂を蹴りの勢いで礫にし蹴り出すも、相手に届くことは無く。見ればまた複製を作ったらしく、二人の久鷹が先のT字路を二手に分かれ走り行く]
あれこれ小細工ばっかしやがって。
男なら拳で来やがれ!!
[叫び、その後を追いかける。分かれ道、どちらへ行くか迷っている時間は無い。手元に戻って来た円盤を篭手に装着し直しながら、直感を頼りに追いかけたのは──左の通路]
そん…!
[感情の読めない声に反駁しかけて。
ケホ、と咳をした。痛い痛い痛い。
そもそも本格的に武道をやっていたわけでもない人間が、知識と本能だけで戦っていたわけで。身体はしっかりそっちのツケも払えと主張し始めていた]
…バカ。
[小さく呟いたのは意地なのか、それとも。
最後の部分には反論もせず、遠ざかる背中から目を離し、瞑った]
−住宅街−
[家に到着。
自電車を止めて、玄関をくぐり、靴を脱ごうとしたところで感じる、不快な空気。
家から、それほど遠くない]
……?
[微かに首をかしげる。
おかえりー、と中から声が聞こえたのだけど]
…忘れもん、とってくるわ。
[リビングから顔を出した下の姉にそう告げて、急いで家を出る。
彼女はと言えば、不思議そうに首を傾げていたが]
…ったく、時はともかく、場所を選べ、場所を…!!
[明らかに苛立ちの混じった声で、気配のするほうへと走り出す。
しばらくすれば、そこに見えたのは右に曲がった一方の奇術師]
[サキに追われている方の久鷹は、肩越しに背後の様子を見て、ほくそ笑んだ。二つに一つの博打であったが、賭けに勝ったらしい。
・・・・・・・・・・・・・・・
――本物の久鷹に向かってきてくれたのだから。
ソレを確認すると、左目だけを複製に飛ばした。
複製は、右へと曲がった先にある廃工場脇に準備してあった、片腕がすっぽりと入る大きな鉄管を腕にはめると、そこに電子を磁石状に変化させて固めた釘の固まった玉を入れ、自分自身を発射エネルギーへと変換させた。
目標は廃工場前から一直になっているサキ――]
ハハ! 馬鹿力を持つものは、腕力だけではなくて頭まで力でしか解決を見ないよう思考を固めるらしいな! 返せと言われて返すと思うか!
[流星錐を一発サキの足元へと向けて打ち込むと同時に、右手にあった壁を三角飛びの要領で駆け上がった。
それが合図!
釘の玉が鉄管から発射された]
それで結構。
[ 耳聡く拾って、律儀にも答えを返す。
けれど振り返ることはなく、
石段をくだり、土のない地に立つ。
夜の帳は既に下りて、天には幾数もの星。
アスファルトの路から、熱は失われていた ]
……つーまんね。
[ 冷めてしまえば、そんなもの。
右腕の痺れが今更のように蘇り、
全身へと懈さが広がっていくような気がした。
途切れかけの街灯が、煩くちらついている ]
あっちは、どうなったかねえ。
[ 未だ黒に染まった眼と同じ、闇の奥へと*足を向けた* ]
…?
[見覚えがある。確かバカップルの片割れだ。
なぜ走っていく必要があるのかはともかく、この先に行くと廃工場があることぐらいはご町内の話なので知っている。
不審に思い、そのまま追いかけていけば何やらあまり喜ばしくなさそうな雰囲気。
ましてや、人を狙って金属の弾が発射されたとあれば──]
────っ!
──dople fayra tussu:naja!
[とっさに口にする火の音。
着弾までに間に合えば、金属はまるで水のように沸騰し蒸発するのだが]
[返るとは思わなかった答えには反応せず。
ただその気配が完全に遠のいてから、パン、と一度地面を叩いた。物凄く悔しそうに]
[間を置かず、自分には出せない『音』と共に現れる気配。
顔を上げる元気もなく、自嘲含みの掠れ声で]
ごめ、もたなかった。
[そこまで言って、今度こそ限界。
相手の反応を確かめることもなく、意識はスィと*遠のいた*]
思わねぇから一発ぶん殴ってやろうって言ってんだよ!
そりゃアタシは頭なんか良くは無い。
だからアタシはアタシなりにやれることをやるのさ!
[背後から狙われているとはまだ気付けて居ない。足元への攻撃をバックステップで躱し、壁を駆け上がる久鷹に対し飛び蹴り。タイミングがズレ、外し着地したところで何かの発射音を聞いた]
げっ!
[見れば高速でこちらへと迫り来る鉄の塊。避けるには体勢が間に合わない。仕方なく、先程鉄球を受け流した時と同じように迫り来る塊をいなそうと腕を掲げる。しかし次の瞬間、鉄の塊──釘の塊だと言うのは近くで見てようやく気付いた──は、瞬時に沸騰し消え失せてしまった]
…な、んだ…?
[呆気に取られていたが、釘の塊が飛んできた方向に見覚えのある姿を見つけると、僅かに口端が持ち上がった]
こりゃ、貸し作っちまったかな。
…それよりも。
[呟き視線を久鷹へと向ける。離れた位置へと立つ相手に、牽制するかのように再び円盤を嗾けた]
[発射された輝きは目に入った。そして釘は電子でまとめる――つまりは電磁石の要領で磁石化してあった。そしてソレを引き寄せる対極に当たるのが、今サキに打ち出した流星錐だ。SとNは引かれあい、サキの胴体に大きな穴を穿つ――筈だった]
な、に?
[それは本当に突然だった。
打ち出された玉が、まるで水に溶かした砂糖のように、一瞬で溶けた。しかも、金属の沸点を一息で到達し、蒸発もしてしまった。
もし、ここでヒビキの姿を見えていれば、舌打ち一つで済んだだろう。だが、不幸な事に、ヒビキは彼の視界に入らなかった。
そのため、思考が一瞬真っ白になり、無防備のままサキの前に着地した――]
[はー、と大きく息を吐き出す。
それは体にたまりこんだ不満を吐き出すかのように。
明らかに、神宮司へ向けた視線は不機嫌そのもの]
…お前等、人のシマで何してやがる…っ。
[シマっていうか、町内会ってだけなんですけどね。
まだ小朱雀を召喚するほどではないにしろ、漆黒の瞳にうっすらと丹朱が滲むが、その場所から今のところ動く気配はない]
[嗾けた円盤を追うようにして久鷹の懐へと潜り込む。無防備な状態なため、難なく滑り込み、踏み込みと同時に勢いを乗せた掌底を鳩尾へ繰り出す]
久鷹から出て行かねぇってなら、力ずくだ。
[す、と瞳を細め、追撃とばかりに反対の手で再び掌底を繰り出す。それは顎を狙う一撃]
[流石に今は響へ反応する余裕は無い]
――しま!
[ほんの一瞬の間に、サキに懐へと潜り込まれた。慌てて流星錐の縄部分をまとめて繰り出された掌底を緩和するための盾とするが……]
ぐは!
[その程度では防げなかった。衝撃はあっさりと盾を抜け、鳩尾から背面まで突き抜ける。
そして、それを合図に心の中で檻に皹が入った。ヒサタカが再度表に出るべく暴れる]
グアアアァァァァァァァァァ!
[内外からの痛みは、最高潮に達しようとしている。数メートル吹き飛んだ場所で、四肢を張りながら、サキを、まるで手負いの獣が復習を企むように、幻影すら相手に与える程の殺気を叩きつけた]
殺す……。生きたまま魂を抜き取る苦痛を与え、数千年の時を持って魂を弄ぼうかと思ったが、今、この場で永遠の闇を味あわせてやる!!!
[本来は久鷹も距離をとり、守りを固め、知略を持って敵を滅するタイプだ。
しかし、今も彼は、それよりも自分に傷をつけられた事が、知略を捨てさせていた]
[思いの他相手が吹き飛んだために二撃目は至らず。それでも相手には相応の痛手を負わせることが出来たか。吹き飛んだ相手を見、次への予備動作をしようとした時]
………っ!
[叫びと、向けられる殺気に一瞬動きが止まった。しかしここで怯んではならない。ぐっと地を踏みしめ、呼吸を整え、意識を集中する]
…やれるもんならやってみな。
アタシは負けない。
マリーのためにも、九尾のためにも。
──……恭也のためにも。
[相手を見据え、動きのタイミングを図る。ゆらり、幸貴に重なるように霊亀の影が揺らめいた]
[相手の本気度合いも肌で感じた。文字通り、空気がビリビリと震えているのがわかる。
だが、その程度の瑣末事など、今の彼には道端に転がっている石と同じくらい無意味だった]
ガアアアァァァァァァ!
[咆哮する。
それは幾多の国を滅ぼしてきた、金毛白面九尾として、大妖として遜色ない巨大さを醸し出す。
そして咆哮に合わせるように、体が変化した。体中から蒸気が吹き上がり、それに合わせて彼の肌がパリパリと電気に包まれるや、電気は巨大なスパークを起こし、白色の巨大な九つの尾を持った狐の姿へと変化した]
こ"の"ま"ま"ほ"ね"も"の"こ"さ"ず"き"え"う"せ"ろ"!
[濁った言葉が、咆哮と重なり、音の重圧となって周囲を襲う。それを見計らうでもなく、全長数メートルの巨体のままサキに突撃をしかけた!]
[目の前で久鷹が変化する。それは噂に聞く大妖の姿そのもので。こちらに迫って来る様子を見つめながら、静かに息を吸い、ぴたりと止めた]
”坤”!!
[練っていた気を、言葉を発すと同時に解放し、己の周囲に岩壁を作り上げる。それはまるで亀の甲羅のような形をし、狐より発されるスパークも、突撃してくる衝撃も全て受け切ろうと待ち構える]
[衝突の感触に、狐の口元が歪んだ。続く気の攻撃すらも、電気で編みこんだ擬似的な狐の体は貫けない。
勝った!
絶対的勝利!
後は高密度の電気がサキを飲み込み、一瞬にして身体全てを黒焦げにし、天界に召し上げられるところを掻っ攫う! それだけでEND。これ以上ない勝利だ。
――さぁ、神宮司幸貴! 今お前を殺してやろう!
狐の四肢に再突撃用に力が篭る。
そしてアスファルトを砕きながら押し切ろうとしたその時!]
――やめろぉぉぉぉ!
貴様!? 鵬谷久鷹!?邪魔をするな!
――煩い! これ以上、好き勝手させない!
――人の体で、友人を傷つけさせるものかぁ!
[亀の甲羅に似た岩壁を破壊した時、狐の大妖の体がビクリと震えた。それは、そう生命が最後までもがき、苦しみながら絶命して行く様に似ていた。
そしてサキの眼前に牙を立てるべき巨大な口をあけ――。
そこで動きが止まった。
電気の狐は、そのまま白色だった色を赤く、そして黒く変貌し、次第に久鷹へと戻っていく。肌にまとわり付いていた電気がバチィと最後に弾けるのを合図に、彼の体は仰向けに倒れこんだ]
[防御用に作り上げた岩壁を、攻撃用に作り変えるために気を打ち込むも、何故かそのまま岩壁を通過し、相手へとぶつかる。その気も狐を貫くには至らなかったか]
くっそ、練り方ミスったかな。
最悪だ。
[未だ力に馴染めて居なかったのだろうか。十分な硬度を作り上げたはずの岩壁が狐によって破壊される。覗く白き毛並み。眼前に見えた牙に覚悟を決めた──それでも頭を護るべく篭手を掲げている──が、唐突に狐の動きが止まった]
……な、んだ……?
[白かった毛並みが赤へ、そして黒へと変わり、見慣れた姿へと変化していく。半ば呆然とそれを眺め、相手が仰向けに倒れ込んだところで、ハッとして岩壁から外へと飛び出た]
久鷹!!
[未だ悪しき心が支配している可能性はあったが、突然の結果に一つの望みを抱き、久鷹の傍へと駆け寄った]
[流石に、白い獣の出現には焦りもしたのか、神宮司をいつでもサポートできるような位置までは移動していたのだが。
その獣が奇怪な現象を見せて収束し、再び現れた久鷹の姿に軽く目を見開く。
金気の薄れゆく様子にそれほど危なくはないと見たのか、近づいていくのは神宮司とは対照的にゆっくりとした歩みで]
…殺ったのか?
[彼女の背から掛けた言葉は、疑問に満ち]
……アタシは何もしちゃいない。
ただ壁を作り上げただけだ。
[背後からの問いに、視線は久鷹へと向けたまま、ぽつりと言葉を漏らす。壁から攻撃へと転ずるつもりだったのだが、それが成される前に異変が起きたのだ]
……あ、そ。
[ちら、と視線を向けたあと仰向けに転がる男を見下ろしてため息。
それからちらりと神宮司へと視線を向け]
…で、どうするんだこいつ。
このまま放置するわけにもいかないだろう。
[そもそも、放置なんて自分の家の近所でされた日には寝覚めも外聞も悪すぎてたまったものじゃないとばかりに返答を待つか]
[駆け寄ってきたサキを目の端に感じつつ久鷹は自嘲気味に笑った]
けっ……。情けねえ……。お前じゃなく、『ヒサタカ』に負けちまうとは……。
[あの瞬間、ヒサタカは檻の破壊に成功した。そして中から悪しき心を殴り飛ばしていた。尤も、その瞬間、九尾の力が流れ込んで来た気がしたがそれは口にださなかった。
とにかく、久鷹はサキの瞳を真っ直ぐに見据えた]
俺はここまでだ。だがアイツは違う。『ヒサタカ』のように俺を拒絶せず、受け入れた。……お前が一瞬ビビった殺気。アイツは平然と受け流した。それくらい強い。だから……。
[澱みなく語る。そして言葉を切るや、突然サキの頬にキスをした]
……地獄にお前が来るのを待ってるぜ。
[そうして、悪しき心は再び倒れた。後に残ったのは全身が慣れない雷によってボロボロになり、意識を失った*ヒサタカだけが残った*]
[『ヒサタカ』に負けた。その言葉に抑えられていた久鷹が悪しき心に作用したと言うのを理解した。真っ直ぐとこちらを見据え、忠告するような言葉を聞き]
…我妻か。
お前より厄介となると…。
[言葉は途切れ、眉根に皺が寄った。殺気に身を竦めかけたことに悔しさが込み上げる。考え込んでいる隙に、久鷹の顔が近付き、頬を掠めた。流石に驚き、掠めた頬に手をあて、少し後に不敵に笑んだ]
…言ってくれる。
そう簡単にやられはしないさ。
[そう言葉を紡ぎ、相手はそれを聞き取れるか否かのタイミングで倒れ込んだ。如何に相手が強大であろうと、今更引くわけには行かない]
連れてくよ。
治療してやらなけりゃならん。
[響の言葉にさも当たり前のように答え。ボロボロになっている久鷹を起こし上げ、背負うように背中へと乗せる。尤も身長差の関係上、足は引きずることになるが]
[どう見ても引きずっているようにしか見えない様子に呆れて]
……お前な。
治療したいのか、怪我させたいのか、どっちなんだよ。
[ため息をひとつついて、見下ろし]
…どこまで運べばいいんだ?
[言外に、運び役を代わるというようなもの。
最もどこに運ぶかが分からないので一応聞いてみる]
…仕方ないだろ、身長は直ぐには増やせねぇよ。
[久鷹ほどの体格を持ち上げる力も今はありません。どこまで、と訊ねられると、一瞬きょとんとしてから]
…あー、学校の屋上。
運んでくれんの?
[至極意外そうな顔だったとか]
…そりゃそうだけど。
女のくせになんつー無茶を。
[相手がきょとんとしている間に背中から久鷹をはがして、米俵よろしく担ぎ上げる。
決して納得ずくという顔ではなかったが]
…乗り掛かった船だ。
つーかここ、うちの近所なんだよ。
ご近所相手に迷惑かけられないし、救急車騒ぎになっても面倒だし。
[いっそ面倒で朱雀を喚んでひとっとびも考えたのだが流石にそれは憚られたらしい。
不思議そうな顔をしている相手を置いて、さっさと歩きだす]
その「女のくせに」ってのが好きじゃないんでね。
[少し不機嫌そうに言ってる間に久鷹を剥がされた。運んでくれると言うのだから、お言葉に甘えるとしよう]
あ、そうなのか。
そりゃ確かに拙いわ。
[誰かの家が近いから気をつける、と言う問題でもないのだが。響の言う事も尤もだったので一つ頷き。さっさと歩いて行く後ろを慌ててついていく]
運んでもらうってことは、何か礼でもしなきゃダメかね。
[先日生徒会室に差し入れを持って来た時のことを思い出し、冗談交じりに問いかけた]
あーはいはい。
というか、好きかとか嫌いかとか言う以前だろ。
男手があるのに運ぼうとするつーのが既に訳が分かんねえ。
お前だってそれなりに消耗してるんだろうが、馬鹿が。
[不機嫌そうな様子にはもはや呆れるのみ。
そのまま相変わらずむすっとした顔して後輩を担いでいたが、神宮司の言葉に少しだけ彼女を見る]
…別に。
むしろ、何か叶うならぜひとも俺の平穏な日常を返してくれ。
[それで充分だとばかりに見下ろすも、どうせ叶わないんだろう、みたいな顔をして。
足はそのまま動いていたけれど]
運ぶのは、アタシの義務みたいなもんだし。
今までもそうだったから。
[今まで運んでいたのは女の子だったから平気だったとも言うが。馬鹿と言われれば、言い返せず少し膨れたか。問い掛けの返答を聞くと]
あー……うん、しばらくは無理かな。
[至極あっさりと否定し、からりと笑った。しばらくして学校の屋上に着くと、運んでくれた礼を言ってから久鷹を受け取り、ふ、と久鷹ごとその姿を*消した*]
…義務、ね。
[ちらりと見下ろす視線は、何か言いかけたような。
けれどそのまま、何も言わず]
…だろ。
だったら、なんもいらね。
[淡々とした口調で断れば屋上を上がる。
ふっつりと、昨日の鳳同様に消えた二人を見てから、小さくため息]
……ったく…どいつもこいつも…。
[短い呻き。
何もかもが面倒で、何もかもが厄介で、やる気は欠片もおきない。
疲れたようにくしゃりと前髪をかきあげれば、風は少しだけ*涼しかった*]
/*
おぉぅ、アズマんも混乱し取る。
【 ヒ サ タ カ 吊 り 】
ダイス振っとるけど、カウンター敗北宣言ありみたいなもんやで。
既に陣にも運び込み済みやからなー。
─瑞雲神社─
[空間を渡り、飛び込んだ先。
最初に聞こえたのは、短い掠れ声]
…………。
[ほんの一瞬、表情を過ぎるのは、苛立ちめいたもの]
……生きてりゃ、十分だ。
[低い呟きが届く前に、啓子の意識は途切れていたようだけれど。
ともあれ、このままここには置いておけず]
陣に、連れてくか……。
[これで何往復目だよ、と呟きながら、気絶した身体を抱き上げる。
抱え方は負担を考えて姫抱きになのはまあ、仕方ないわけで。
一瞬、癒えきらない傷が痛んだのは押さえ込み、*『隔離の陣』へと*]
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