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村は数十年来の大事件に騒然としていた。
夜な夜な人を襲うという人狼が、人間の振りをしてこの村にも潜んでいるという噂が流れ始めたからだ。
そして今日、村にいた全ての人々が集会場に集められた……。
[ふぁさり、と揺れる、虹の燐光に包まれた翼。
島の『巫女』たる娘は数回軽く瞬くと、ゆるり、小首を傾げた]
……これは?
『虚』の気……?
[小さな呟きが、唇から零れ落ちる。
瞳には、微か、憂うような陰り。
しばしの沈黙を経て、娘はゆっくりと立ち上がり、祈りの場を出た]
[村の中央、祭事を執り行う広場に面して作られた、『天凰の聖殿』。
そこを出た娘は、そ、と空へ向けて手を差し伸べた]
……皆さん……広場へ。
大切な、お話が、あります……。
ゆっくりでも、構いませんので……。
集まってください……。
[言葉と共に、差し伸べられた手に虹色の光が生まれる。
それは弾けて風に散り、そして、島の隅々まで娘の声を、『巫女の言葉』を運んでゆく]
……わたしの、気のせい……ならば。
それが、一番、よいのですけれど……。
[虹の光が散ってゆくのを見送りつつ、娘は小さくちいさく、ため息をついた──]
村の設定が変更されました。
くの一 アヤメ が参加しました。
[不意に届いた声に、伏せていた目を空へと向ける。
風の中に舞い散る光へ向け、そう、と手を伸ばして]
一体、どうしたってんだか……落ち着いてないねぇ、随分と。
[呟きつつ、湖に漬けていた足を振り上げ、飛沫を散らす。
散らされた水は、光を跳ね返してきらり、煌めいた]
ま、集まれと言うなら、いかにゃあならないね……。
[やれ面倒な、と独りごち。
ばさり、羽ばたかせるのは、深紫の翼。
湖面近くに張り出した枝の上から岸へと移り、脱いで置き去りにしていたロングブーツを履いて、手を空へと差し伸べる]
ラウル、おいで。
村に戻るよ!
[呼び声に応じ、舞い降りるのは一羽の鳥。
真白の羽と長い尾羽の特徴的なそれは、差し伸べられた手にふわりと舞い降りると、くぅ? と首を傾げた。
もう帰るの? とでも問いたげなその様子に、一つ、頷いて]
ああ、ローディが呼んでるみたいだからね。
何かは知らないけど、急いだ方がいいだろうさ。
[軽く言いつつ鳥を肩に乗せ、翼を畳んで村へとゆっくり歩き出す]
少年 ネロ が参加しました。
こ〜え〜♪こ〜え〜♪クローディア姉ちゃんの声〜♪
どこかな、どこかな。あは、あはははは
[歌うように楽しげに、きょろきょろと周囲を見渡す]
絶対に見つけてやるんだー。見つけて…見つけて…あは。
[石の下を見た。虫がいただけで、クローディアはいない。
川に潜った。魚はいても、クローディアはいない。
草むらを覗いてもいない。いない、いない、いない、いない
だんだんと腹が立ってきて、ずぶぬれなまま木を素手で何度か殴りつける。手が切れようが気にしない。
見た人は服もぼろぼろで、足は裸足で泥まみれなのも気づくだろう]
どこなのかな。どこなのかな。ちゃんとちゃ〜んと見つけるよ〜♪
[気にかかったのは言葉の内容より届いたという声らしく、周囲をただ探している]
かぶき者 ケイジ が参加しました。
集会所ね。
あァ、お前を運んでやるつもりなど、さらさらない。ひとりで行け。
[相手を見る闇の双眸に、温かみなどは見当たらない。
視線を変えぬまま、無造作に手を伸ばしたテーブルの上。置かれた赤茶の果実を、長い指が摘んだ。]
それとも、 ――喰って行くか?
[爪が皮を裂き、真珠に似た色があらわれる。
濡れた指、くれないが薄く開いて、実は口の中に隠された。]
かくれんぼ〜♪
見つけられたら食べられる〜♪頭からばりばり食べられる〜♪
[自分の手をはぐはぐと噛みながら愉快に愉快に笑いながら、翼を広げる
体躯に似あわぬ真紅の大きな翼は、陽光の下、色鮮やかに輝く一枚
無残にところどころ欠け色褪せた赤褐色の翼が二枚
合計三枚の翼を。そしてはばたき]
あぶぅっ
[思ったところにいけず木に激突]
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