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少年 マリオン を 3人が心の中で指差しました。
仕立て屋 イゾルデ を 1人が心の中で指差しました。
青年 クルト を 1人が心の中で指差しました。
奉公人 ドロテア を 3人が心の中で指差しました。
旅人 ルイ を 1人が心の中で指差しました。
村娘 マルガレーテ を 1人が心の中で指差しました。
医者 ヴェルナー を 1人が心の中で指差しました。
奉公人 ドロテア は人々の意思により処断されたのです……。
情報屋 ヒルダ は絆に引かれ、 奉公人 ドロテア の後を追いました。
今日は犠牲者がいないようでした。運が良かったのか、それともただの気まぐれでしょうか?
今、ここにいるのは、少年 マリオン、少女 アナ、仕立て屋 イゾルデ、騎士 ゲルハルト、青年 クルト、旅芸人 ツィンカ、旅人 ルイ、村娘 マルガレーテ、医者 ヴェルナー の全部で 9 人かしら。
[前後不覚に、船酔いのような感覚。
もっとも、船に乗ったことはないのだが。]
……うう……何だかくらくらする……
みなさん、大丈夫ですかー?
[へたったまま、力無く呼び掛けた。]
俺たちもちゃんと握っとこう、ヒルダさ…へっ?
[しっかり握った手の感触。
するりふわりと抜けてった]
ええええっ!?
ドロテアさーん!
[もう片方を握ってたはずのドロテアの名を呼ぶが…]
[視界が金に覆われた後は動くようなことはせず]
僕は居るよー。
マルガレーテ、ヒルダ、ツィンカ、ドロテア、アナ、居るー?
[ヴェルナーに返しながら、女性だけ名を呼んで確認する]
[くんっ。
光の靄に紛れ、指先から光が尾を引き飛んでいく。
くるり。
光はクルトの傍で輪を描くと、その軌跡と共に靄の中に掻き消えた]
…。
[一つ瞬きをするが、皆の声が聞こえれば顔を上げて]
あ、あたしは、大丈夫。だけど。
[名を呼ぶ声に、瞬きひとつ]
えっと、オレは、へーきっ!
てゆっか、兄貴、ドロテアさんがどーかしたのっ!?
[上擦った声に気づいて、聞こえてきた方を見やる。
刹那に姿を見せた光の珠は、霞が引くのに紛れて、消えた]
[伸ばされたマリオンの手を手探りで掴む]
まったくほんとに、
金色なのよ
何も見えるしない
ヨウセイの 仕業?
[ リイイ ―― … ン ]
ワッ
[腰元の荷物にもう片方の手を伸ばす
ごそ、あるのは箱に入った鈴のようなもの
その音が変わった]
[響いた音は少し、大きめ
消える霞と共に、その音は引いていく]
…
[ぱちぱちと、瞬いた
けれど、クルトの声にはっとして]
エッ!
ドロテア居ない?
アッ ワタシ、ツィンカ、居るするよ!
マリオンも一緒!
[金の靄の中で、銀の粒子が輝きを増す。
風も無く髪は揺れて舞い上がり]
……エリーゼ。
『私ってば流石?』
[ちっ、ちちち]
『…睨まないでよ、ルイ』
[…ちっ]
[銀月光で繋いだ二人。
導かれたのはドロテアで、光に引かれたのはヒルダ]
[『道』に引っ掛かってはいないか。
それだけが気がかりではあったのだけれど]
えーと。えーと。
ヒルダさんが消えたー!
手握ってたのに消えたーっ!!
ドロテアさん返事してくれないー!!!
[見えないままにも探そうと、握っていた手を闇雲に伸ばす]
ドロテアとヒルダだけ、かな。
[『視た』ために人物が消えていることに対して驚きは少なく。
混乱している幼馴染とは対照的に落ち着いていた]
マルガレーテとツィンカは無事、と。
他に居なくなった人は居ないよね?
[『視た』人以外で消えた人が居るなら、流石に探さなければ、と考える]
……俺もアナも、居る。
[自身は兎も角、少女の身を案ずる人間は多かろう。
一声上げて、繋ぐ手に僅かに力を篭める]
[薄れる靄から解放される時には、銀の粒子は*跡形も無く*]
[やはり先には誰もおらず。
どてっと見事に転がった]
…何がどーなってんだよー。
[そのままその場に座り込み、しばらく頭を*抱えてた*]
ど、どうしたんですか?
ドロテアさん???
[青年の呼ぶ声に異変を察して、よろりと立ち上がるが]
[続く鈴のような音に、更に思考を乱されて]
え――え?
[ただ混乱するばかり。]
[丁度、霞が晴れていくところだった。]
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