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召使い ユーディット に 5人が投票した。
工房徒弟 ユリアン に 2人が投票した。
召使い ユーディット は村人達の手により処刑された。
今日は犠牲者がいないようだ。何かの介入か、それとも……?
現在の生存者は、音楽家 エーリッヒ、少年 ティル、娼婦 イレーネ、詩人 ハインリヒ、工房徒弟 ユリアン、小説家 ブリジット の 6 名。
……離せっ!
[しがみつくイレーネに、舌打ち一つ。
切りつける一撃は、自身の刃で打ち払い、引き離すように振り解く。
そこに届く、ユーディットの叫びに、はっとそちらを振り返り]
[既に倒れたものとしてユーディットの動きには意識を向けていなかった。
次なる標的に幼い少年──ティルを選び、爪を振るおうとした時]
───っ、つぁ!!
[右眼に走る激痛。
右半分の視界が朱に染まり、そして暗闇が訪れる]
っ、この、アマぁ!!
[異形の右腕で傷付いた瞳を押さえ、最後の力を振り絞り短剣を揮ったユーディットに踏みつけるような蹴りを放つ。
何度も何度も、苛つきを全てぶつけるように。
ユーディットが事切れたのはいつだったか。
そんなことは気にも留めない]
く、そ……。
…滋養を…傷を癒すための贄を!
[瞳を押えた腕はそのままに、今度は左腕を変貌させて、当初の標的であったティルへと襲い掛かる]
[目前の展開に、口も挟めず眺めていたが。
異形へと変わるユリアンの姿には、身体が竦んでいく]
え…ユリアン…兄ちゃんが…
[目の前には、狼の爪]
……てめぇっ……。
[ユーディットを蹴りつける様子に、何か、切れた気がした。
それは多分、ずっと押さえ込んでいたもの。
他者が傷つけられる事への憤りとか、そういうもので]
……やらせねぇって、言っただろうがっ!
[ティルへと向けられる、爪。それを見た瞬間、動いていた]
Die Flamme, die mein Leben bekam.
Führen Sie Macht der Verteidigung herbei!
[床を蹴ってティルの前へと飛び出し、銀の短剣を翳す。
ゆらり、立ち上るのは焔の如き、気。
それは守りの壁の如く揺らめいて少年を包み込む]
これ以上は……死なせねぇ!
[直後、繰り出された銀は真っ直ぐ、大気を裂く]
[爪を振り下ろす前にエーリッヒがその前に立ちはだかる]
死することを望むか!
我が力と成り果てるが良い!!
[にぃ、と口端が吊り上がる。
狂気に支配された表情。
相手の力量を測らぬまま、爪を振り下ろそうとする。
しかし]
────!?
[放たれる炎の如き気。
一瞬の怯みが、僅かな隙を作る。
直後、切り裂かれる大気。
本能的に、左腕を顔を庇うように翳した]
…がっ…!
お、のれ……護る者め…!
[飛び散った鮮血は己のもの。
毒となり得る銀による、二度の負傷。
分が悪いと、一足飛びに出入り口へと飛び退り、扉をぶち破って外へ逃げた]
[頭を振り立ち上がる。聞こえるのは悲鳴と、敬愛する主人の咆哮。]
―――――エウリノ!
[呼ぶ名はいつものものではない。赤い世界で囁いた真名。
傷つけられる人狼の姿に悲鳴を上げた。
ティルに飛び掛るユリアン、それを防ぐエーリッヒと、赤い壁、その明らかに特殊な力に、きっと睨み、小さく呟く。]
『守護者』…!
[だがそれも一瞬で。
外へと逃げた主の後を追うべく、他の人間がユリアンに気を取られている間、そっと入り口から外へと駆け出した。]
[おそらくユリアンの行き先は知れたが、その前に別の方向へと走り出す。
たどり着いた先は、もう一人の主だった診療所。
幸いなことに自衛団も居なかったのは、もうある程度中の調べが済んだからだろうか。今はしんとしていた。
窓やドアを一つずつ調べ、鍵のかけわすれていた場所を探し出して、そこから中へと入り、棚から見たことのある薬をいくつか取り出した。
ふと、テーブルの上に置かれた見慣れたメモに気づき、より必要な薬―痛み止めや傷薬など―を手にして、メモと一緒に持ち出した。
それから向かうのは、今朝まで居た工房。]
――!
[声にならない叫びみた物と共に、脈々と続いていた演説が途切れる。一時立ち尽くしてから、弾かれたように宿屋の方を見]
……、
[宿に向かって駆け出しかけたところで、勢い良く開く扉に反射的にか足を止めた。出でる赤に濡れし姿を少しく遠目に捉え]
[逃げる姿は獣の如く。
風のような勢いで村の中心部から逃げていく]
おのれ…おのれ…おのれ…!
俺の邪魔をする忌まわしき者め!
覚えてろ…次なる標的は貴様だ…!
[相手の力量を見誤ったことに舌打ちをし、立ち塞がったエーリッヒに憎しみを募らせる]
[駆けて辿り着いたのは己が一番馴染む工房。
僅かに息を上げ、ふらりとした足取りで中へ転がり込んだ]
……ちっ!
[狙いよりも浅い手応えに、舌打ち一つ。
追うかどうか、逡巡するものの。
どうせ村からは出られないはず、と思い直した。
何より、ユーディットをそのままには出来ない、という思いが強く、刃を下ろす]
……仮定は、あっていた……って事か。
[掠れた呟きが、零れる。
人狼が離れた事を察知してか、焔の気はゆるりと鎮まって行った]
[逃げていく姿を見送ってから、早足に、けれども途中からはゆっくりとした足取りで、宿屋へと向かい。破られた戸の前に姿を現す。そこから店内の様子を一望し]
……変容、が。
再び来たりしか。
黒き影は……一つでは、なく。
[ぽつりと、独りごちるように]
[小さくため息をついた後、銀の刃を鞘へと収める。
刃に、先の朱は残ってはいなかった]
……ほんとに、君は……いや、君も。
無茶しか、しない。
[呟きつつ、倒れたユーディットの傍らに膝を突き。
顔に跳ねた紅の痕を、ポケットから出したハンカチで拭った]
……ブリジットか。
ああ、影は、一つじゃなかったようだな……。
[それから、やって来たブリジットの方を見て。
その呟きに、こう返した]
エウリノ…!
[工房の中に入り、血の匂いのする方へと向かって走る。
そこで倒れこむようにして体を休めた主への傍らへと座った。]
エウリノ、エウリノ、ああ…、こんな、酷い。
[片目と、左腕が、鮮血で染まっていた。左目は特に酷い有様で。
血を拭い傷口を水で洗い流す。]
ごめんね、痛いだろうけど、我慢して…
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