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薬師 ゼルギウス に 1人が投票した。
療養中の少女 ベアトリーチェ に 7人が投票した。
物識り ヨハナ に 1人が投票した。
療養中の少女 ベアトリーチェ は村人達の手により処刑された。
次の日の朝、墓守 ナターリエ が無残な姿で発見された。
現在の生存者は、薬師 ゼルギウス、調理師 ゲルダ、傭兵 マテウス、物識り ヨハナ、神学生 ウェンデル、指物師 エーリッヒ、迷子 エーファ の 7 名。
……。
[老婆は、すぐそばで二つの命が失われたことにも気付かず、ただ懇々と眠り続けている。
ともすれば、そのまま息を引き取ってもおかしくないぐらいの穏やかな表情で]
[振り下ろされた刃は少女の背中を捉え]
[滴る毒は傷口から全身へと駆け廻る]
[呼吸器系に作用する毒]
[少女の口から零れる苦悶の声]
[それは次第に聞こえなくなり]
[ゼルギウスが護ろうとした命はゼルギウスの手によって絶たれた]
[少女の顔は、まるで安らかに眠るような表情だった]
エーファ?
[子供の小さな声。内容は聞こえなかった。
ただ一番近くに居たからか、何かを言ったのだけは分かった。
怪訝そうに、警戒をしながら。
その身に蒼炎を宿しているとは未だ確りと知らぬがゆえに]
――…、ああ。
[朱い花。熱を放つ。
血を捧げよと、人狼を滅ぼせと、言う]
彼女は『貴方』を見ていたのに。
[今更だと思う。けれど、口から零れた言葉]
[子供の中に、残滓のように閃いた感情の欠片は、粉々に散ったカップの欠片と同じように、すぐに霧散していく]
人狼が、一人、死んだ。
[青い花が炎の中で喜びに震え、脈打つ。広がる炎を胸から、首筋までも青く染め始めている]
[刃についた紅を服の裾で拭い、懐の鞘へと仕舞う]
[力の抜けた少女の身体]
[それを抱え上げ踵を返した]
[少女の肩口から紅が床へと零れ落ちる]
[歩き出す前にナターリエへと視線を向ける]
[あの出血では到底助からない]
[医学の心得があるゼルギウスにはそれが見て取れた]
[歪んだ笑み]
[それを口元へと張り付けて、ヨハナの部屋を出て行こうとする]
[ウェンデルが零した言葉にゼルギウスは反応を示さなかった]
[血はとまらない、
目の前でナターリエの命は血が流れ出るととともに零れ落ちていき]
ナタリー…
[抑える手が緩まる、抑えていた血が流れ出す。
言葉がでない、思考がぐらつく、
傍にいるはずのゲルダに視線を向ける、ナターリエと親友だった彼女は今どんな様子であろうか?]
[花、という言葉を口にしたエーリッヒを、子供は見上げる。守護者は失われ、残るは二つの花のみ。すでに隠れる意味はない]
ぼくは、青き聖痕を持つ者。
[かつて、その同居人に対して告げたと同じように、はっきりとした声で宣言した]
どうして。
戻ってきてくれないの。
[ぎゅう、と握りしめる手の関節は、血の気を失って酷く白い]
ナターリエまで。
あたしを、置いていくの?
[呟くたび、瞬くたび、はたはたと眦から雫が零れる]
ゲルダ…
[ゲルダの身をそっと抱きしめて、
そこで初めて周囲に気が回り、
ベアトリーチェを抱えてさるゼルギウスの姿]
ゼルギウス…
[呼びかける声は力なく、その様子が普通じゃないことだけは感じ取れた。
ついで聞こえるエーリッヒ達の会話]
象徴たるもの…?
[つぶやいて出た単語は以前に聞いたことのある言葉]
[ウェンデルの頷きと、確りとした宣言に視線を戻し、見上げてくる子供の瞳を見つめ返す]
そうだったのか。
ならば、君は間違いなく人間だということだね。
[一瞬だけ瞳が穏やかになる。
確かに信じられる相手が出来るというのは、安堵を伴うから]
ゼルギウス。
一人で運べるんだな?
[少女を抱え上げた薬師に声を掛けた。
その狂気に少しばかり気押されて、疑問はただの確認になる]
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