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─喫茶「Kirschbaum」─
[からんころんと鳴るドアベルに続いて、長身の青年が顔を出す。
臙脂のマントの下には煮締めた革の鱗鎧。]
…うわ、こんなに賑わってんのは久々にみた…。
[いつも気に入って座ってる席も埋まっていて、どうしようか暫く立ち尽くす。]
研究生 エーリッヒ が参加しました。
−Kirschbaum:入り口前−
[楽器の入ったケースを右肩に。左の手には旅行鞄。
きゅるりと小さく泣いたお腹の虫の音にほんの少しだけばつの悪そうな表情をしたあと、青年は扉を開いて店内へと足をすすめる]
────どうも。
[その声は小さいとは言わなかったけれど、ただ凛とした音を持ち、店内の空間へと発される]
−→Kirschbaum:店内へ−
[ユリアンに頭を撫でられて、うれしそうに、きゅうっと眼を瞑ります。]
朝ごはんはきちんと食べてきたよ。
でも、甘いものは別のお腹に入るんだそうだよ。
[乗せられたチェリーに、オトフリートに眼を向けたときとは違う、こどもらしいきらきらとした光を見せて、すぐさまチェリーにぱくつきます。
別腹とは云っていますが、ベアトリーチェは小さなからだに似合わず、ぜんたいどこに入るのかと云う程に大食らいなのでした。]
嬢ちゃんがこれ喰ったら喰い過ぎで腹壊しちまうぞ。
普通のサイズを頼んだ方が良くないか?
[流石に食いかけを渡すわけにもいかず。
……いや、俺が追加注文すればいいのか?]
[千花はティルの挨拶に元気よく返事する。苺目当てかもしれない]
「チッ」
私も千花も元気。ティルは?
[動かし辛そうな右手に視線を投げるも、今は何も言わない。
そしてようやく千花の口の汁に気付いて指先で拭ってやる。
白い指に赤い汁が付いたので舐め取った。]
お久しぶりですね、ミハエル。
[なにやら不機嫌そうな様子に、くす、と笑って]
いや、俺の仕事は相変わらず、ですよ?
[返す言葉は相変わらず楽しげで。
それから、所在なく立ち尽くす赤毛の青年に気づいて、おや、と小さく声をあげ]
[仕方がないのでカウンターではなく隅のソファーの席へ。
忙しそうに働きまわるバイトの少年に声をかける。]
とりあえず、いつものを大盛りで頼む。
…飲み物はレモンソーダで。
[竜の身体は高い再生能力を誇るが、傷を癒している間は普段よりもはるかに大量のカロリーを消費してしまうわけで…。]
[今度は器用に舌で結んだチェリーの蔕を、口から摘み出しました。じょうずに出来たとうれしそうにわらっています。]
うん、そうだよ。オトフリート。
ベアトリーチェが今、生きているのだって、さいわいなんだ。
たくさんの人のおかげと、神さまのめぐみに違いないのだと思うよ。
[それから、からだを斜めに傾け、オトフリートの隣に座った、ベアトリーチェの髪より少し色濃い金髪の男の子を見ると、緑の眼をまたたかせたのでした。]
オトフリートの、お友達?
[元気のいいブリジットに目を細める]
そう、ブリジット。ブリジ?
この町もこの店もいい所。パフェも絶品らしいよ。
今なら苺大サービス、だよね? ハーヴ。
[勝手に決め付けて、アマンダは岩清水を飲む。
誰を狙おうかと視線を彷徨わせている千花には微苦笑。]
オトフリート、貴方が此処に居るという事は噂も…。
[人前で話しても構わない事とそうでない事のボーダーラインを見失って語尾が濁った。]
[ありがとう、とアマンダに軽く手を振って]
[程なく運ばれた苺パフェに沈黙した。]
…こんなに沢山食べる予定は無かった。
[ざわついた店内は忙しそうで、けれど心地よい喧騒に満ちている]
『───悪くない』
[ふつりと脳裏に浮かんだそんな言葉に僅かに結んだ唇を緩め、適当に空いている隅のほうの席を陣取る。
色々な人種がいるものだと店内を軽く見渡していればそのうち誰かと視線もあうのだろうか]
─南部:商店街─
[頼まれたものを買い揃えると、ふぅと一息]
…………本当に。嫌な天気
[こんな天候の日は、あの影輝の気配の感じられる場所の方が落ち着くか]
…………ちょっと寄り道。しようか
[そう呟くと、Kirschbaumへ]
『うん、きっとあれもまた食べる機会はあるはず!』
[少しだけ残念そうにハインリヒのパフェから視線を外し]
え、苺大サービスなんですか?
じゃあ私にもそれを一つお願いします!
[注文を聞いては運んでいる青年に声を掛けてみる]
[そしてアマンダのほうに向き直り]
ブリジでいいですよ。
…ハーヴ?
[青年の方を見て首を傾げた。ちょっと勘違い]
神さまのめぐみ、ですか。
[ふと苦笑が過ぎる。
それは、人の子にとっての『神』が何かを知るが故のものか]
うーん、彼は……友達、というよりは……?
[言葉を切り、ミハエルを振り返る]
なんでしょう?
[こう、惚けた声で問いつつ。
ほんの一瞬険しさを宿した瞳は、まるで言わずもがな、と語るが如く]
[...は呼ばれて振り返るとそこには見慣れた顔]
ダーヴィットさん、久しぶりだね。
……なんかこの前よりは怪我増えてない?
いつもの『生姜焼き定食大盛』でいい?
[...はレモンスカッシュをダーヴィットに手渡しながら一応確認]
ミハエルという。
オトフリートとは以前に会ったことがあるが適切な表現は「知人」だろう。最も当たり障りのない表現だ。
[オトフリートの笑顔から顔を逸らして溜息を吐いた]
少女、これも食べるか。
[そしてアマンダの応援虚しく
パフェはベアトリーチェへと押しやられる事になった。]
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