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[詳細を訊ねられ、あからさまに身を強張らせる]
わ、たし、は、くわし、い、こと、は、しら──。
[未だに言うべきかを悩み、知らない、と言おうとして、言葉に詰まり、びくりと再び身体を強張らせた。玲の、呟きが耳に届いてしまったがために]
[意識が例の話に集中していたところに、蓮実の声が聞こえハッと意識を周囲に散じる]
琉璃、は、服を、取りに行く、って。
[一人で旅籠を出たことを蓮実に告げた]
[先程の家の前に辿り着き、足で戸口を開ける]
…許せないな。
[今まで、危なげない足取りで辿り着き、上半身を下ろす。
呟きを、もう一度繰り返す]
許せない。
[厳しい言葉とは裏腹に、毛布をかけようとする所作は優しい。
黙祷を捧げた後、立ち上がる。
何を告げるでもなく、自然な所作で出てきた玄関へと向かった]
[動揺のあまり、蓮実や史人が来たのには気づかなかった。
ただ、額を押さえたまま、ふらと体が揺れ、勢いよくイスへと体重を預ける]
……。
[重いため息]
…そう。
本人が言っていたの。
[ゆるりと顔を上げる。白く表情の薄い顔を利吉に向けて]
怖くて、どうしていいかわからなかったから、って。
[目覚めた利吉。だがそれは今、涼と晴美のことについて聞いているようで
困ったようにこめかみをかき]
なっ。一人でって……どうして私の昔なじみには無茶が好きな人が多いのでしょうかね…
[言いながらも、今入ってきたばかりの史人も見る]
琉璃兄、一人…?
[蓮実と榛名の会話に軽く眉を寄せた。
思考判断力が落ちている。それは自分でも分かっていた]
…兄さん。
[扉の音に視線だけを向ける。表情は…変わらなかった。
どこか心ここに在らずで]
……っと。
[中に入り、ぐるりと見回す。
共に出た者は戻ったのか、と問うより早く、目に入ったのは椅子へと崩れ落ちる利吉の姿。
その姿に、聞いたのか、と思いつつ]
……別に、俺は無茶好きじゃないが。
[こちらを見た蓮実の言葉に、ぼそり、と返す]
……玲?
[こちらを振り返った玲、その失せた表情。
名を呼ぶ声には、戸惑いが織り込まれ]
……どうしたんだ?
[そちらへと向かいつつ、そう、と問いかける]
[家に向かう途中よく見知った顔を見つける。雨で視界はぼやけているが辛うじてその顔を判別することはできた。]
裕樹、小百合どうしたのこんなところで?
[自分も同じことを問われても仕方のないような状況ではあるが、
そちらによっていくと、板壁にはじめなにかが見えてそちらをよく見ればそれは人の姿…よく見知った……しかしだいぶ変わり果てた聡の姿が]
さ…聡っ!?
[思わず声が上ずり警戒の色を二人に見せる、
いつでも逃げ出せるように間合いをそれ以上は近づかず]
[事実を知った利吉にはかける言葉が見つからず。思わず視線を逸らしてしまう。
そのやり取りの合間に史人が戻ってきて、その無事な姿に安堵。続く蓮実の言葉にはやや同意するように頷いて]
私も、着いて行こうと、思ったんだけど、ダメ、って。
…私が、行っても、足手まとい、だもんね。
[今の村の惨状を目の前にして、歩き回る自信は無い。それは理解しているために止められると大人しく引き下がったのだ]
あまり説得力を感じないのですが…ま、いいでしょ
[ぼそりと呟かれた声にもあまり取り合う気がないのかあっさりとおさめ、改まったように史人を見て]
ところで…どうでした?
[琉璃の声に気づいて顔をあげる。]
琉璃ちゃんこそ…こっちは、色々あって。
とりあえず、さっちゃんを寝かせてくるから少し待ってて。
[そう言い先ほどの家へと向かう。
中に入り、半分の体を並べるように置いて。
裕樹の独白のような言葉には、ぽつりと返す。]
そうね…さっちゃんは死ななきゃいけないほど、悪い子だったかしら。私にはそうは思えないし。
[許す、許せないは、自分に言う権利がないと思っている。
だからそれだけ言いながら。
同じように黙祷を捧げ、自分も外へと向かう。]
[蓮実と榛名、二人の会話とここにいる人数から、琉璃が一人で出た事は察しがつき。
大丈夫ならいいが、と呟いて]
……今の所は決めかねてる、ってのが、俺の本音かね。
現場は見て来たが、状況が把握できん。
[利吉の方を見やり、その問いに静かに答える]
少なくとも、南部クンの祖母が桜に関わるものに殺されていた事。
それから、晴坊っちゃんが、刺されて死んでたことは、間違いないからな。
いえ、榛名さんが悪いわけではないですよ
私も離れていましたしね
[既に手遅れか。無事であるかの二択なのだろうか。思って扉を見る]
ん。…ああ、ごめんなさい。
[近寄ってきた史人に改めて声を掛けられれば、目を瞬き]
ちょっと、難しくて。
[軽く首を振ってそう暈して。それから利吉に顔を向け直し]
…今はまだ、決めかねてる。
でも。
[そう切ったことで、取るかどうか考えている手段のことは気付くだろう。相手は勘のいい探偵なのだから]
[蓮実の問い。零れたのは、ため息]
……生存者関係は、かなり厳しいな。
とはいえ、まだ櫻木の様子は見に行ってないから、全く希望が無い、とは言えんけど。
[あそこは結界みたいなもんだし、と呟いて]
……お前まで謝り癖がついたか?
[玲の言葉に、思わずため息混じりの一言を零す]
幾ら悪い子だって、聡はまだ未成年で。
やり直せだって、しただろうにさ。
[会話の中、ようやくいつもの調子を取り戻す。
先ほどは聡に意識を取られていたからか、琉璃に反応できたのは今更で]
そう言えば…琉璃は一人か?
よく、無事だったな。
まだ…決めていません。その前にやることが残っています
少なくとも…殺したから殺し返そうなんて単純なことはするつもりはないですが
[利吉に問いには濁しながらもそう答え
史人から生存者のことを聞けば顔を顰めるが]
様子…見にいきましょうか。
電話が通じるとしたらそこやあなたの家。西行院家でしょうし、それが無理でも伝承について多く残っているのは櫻木でしょう。何か対応するものがあるかもしれません
この現象が純粋な人為的なものとも思えませんしね
>>173>>175
……恨みは恨みによって帰るぞ。
きっと。
俺も、涼が殺されたなら、どんな手段を使ってでもそいつを殺そうとするだろう。
[―――静かに、低い声のままそう告げる]
人を殺したことには、裁きが下らなければいけない。
だから、涼は公の場で、裁かれるのを、俺は止めない。そこまでは、俺には出来ない。
普通の人間が、人を裁こうとするのは、そいつの手には余るぜ。
だから、出来ることならば、ちゃんとした場で、裁かせてやってほしい。
それが俺の願いだ。
どんな結果になろうと、例え、世界中の人間が敵になろうとも、俺は涼の味方であり続けるがな。
[顔を上げることなく、そのままの姿勢で、利吉がそう告げた]
今、聡の姿を見ながら改めて、それを感じさせられているよ…。
[裕樹に向ける視線からはまだ警戒の色は消えなかったが]
やっぱり思考…回りきってないのかな…。
[呟き、今の状況を見ながら考えることは一つ。
わざわざ運んでいる二人が聡を殺した本人なら…、
そんなリスクを負う必要があるのだろうかと考え、加えるならば今は2:1、口封じを仕様と思えばおそらくは…。
考えいずれにせよ必要以上に警戒するだけ無駄なことかと]
やっぱり…思考鈍ってる…かな…。
[再度呟き幾分か警戒は解いた様子で二人を改めてみた]
[涼への対応。監視下に置くに留めるのか、それとも──。
考えはするが、言葉には出来ず。ただ玲達の言葉に耳を傾けた。
蓮実の返答には]
無事だと、良いんだけど、ね…。
[それだけ呟き、視線が出入り口へと向かった]
はい…戻ってきたら、榛名さんはいっぱい泣いて琉璃さんを困らせてあげてくださいね
いい薬になるでしょう
[雰囲気を和らげるように榛名に言う]
それが説明できる人がいたら、その人が犯人よ。
[琉璃に首を竦める。
それから一通りを終えて出る途中で裕樹には。]
…そうね、やり直して…
あの性根だってかわったかしら?
[いつもの調子が見てとれたので、こちらも少し軽めに返しながら。]
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