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…んっ…んー…
[寝るのは諦めたらしく、ゆっくりと起きあがると背伸びをして…小さく欠伸をする]
ふぁ…気持ち良かったぁ…
毎日、こんなベッドで寝てるのかな…
[羨ましい。お婆ちゃんも住ませて貰えばいいのに。
あまりにも無茶な事を心の中で呟くと、鏡の前で髪を梳き始める…]
…どうしよっかなー…
[ユリアンが見ていた案内図を思い出しながら、軽く身支度をし終える]
流石に夜に出歩くのは怒られるだろうし…
[ちら、と窓の方を見やる。
明るい日差しが差し込んでいる事を確認すると、おもむろに一つ頷いた]
お屋敷と言えば、お庭、よね!
[さすがに寝る場所は確保したい。昨日みたいに座って寝るのはあまり喜んで行いたくはないわけだが、和やかに喋っている雰囲気の二人に割ってはいるのはさすがに悪いだろうか。と思いながら歩いていたら好都合なことに向こうから気づいた]
こんにちはー。
[と気楽に二人に声でかけ。まず確実に知っているほうに返答をする]
うん。まあ一応招待客。本当は父が招待されたんだけどな。
君もってことはエー…リッヒもだよな。まあいるってことはそうなんだろうけど
[名前の部分に間があったのは微妙に思い出すのに時間がかかったからだ。そして召使のほうにも向き直り、会ったかどうか微妙に思い出せないままに]
ええ、招待された一人…父、アモン=ハイゼルの変わりに来た。ユリアン=ハイゼルです。お世話になります。
[と軽く一礼]
[確か、小説では綺麗な花や噴水があるのだと少女は記憶している。
ならば、見なければならないだろう…
夜になると、外は暗くて見えないだろうし、何より怒られるかも知れない。
…怒られるのは、まだ子供だからなのだが…
ともかく。少女の足は階段を降りていた]
…えっと…こっち?
[辺りを見回し、出口を探す。
時々、すれ違う使用人の視線を感じるも、小さく微笑んで…]
…
[逃げるように早足。
迷ってるなんて悟らせてはいけないのだ。
少女の小さなプライドが許さない]
[色の変わりゆく紅茶を細めた緑の眼差しで見詰め、
望まれた通りの量でぴたりと止め、静かにポットを置く。
卓上に零れ落ちかけた白の滴は、清潔な白の布に拭い取られた]
主は、人とお会いするのが好きな方ですから。
オルゴールのお披露目も目的の一つですが、
それよりも色々な方にいらして頂きたかったようです。
[探るような様子には気付けど、やはり笑みは湛えたままに。
視線も揺らぐ事はなく、失礼にならない程度に、客人へと向ける]
オトフリート=クリューガーと申します。
[軽く胸に手を添え礼をして名乗るも、次の問いには緩く首を振った]
いいえ、残念ながら。
オストワルト様の下で長らく勤めてさせて頂いておりますが、
私を含め、使用人は誰も音色を聴いた事はないかと思います。
皆様にお披露目するのも、これまでに例のない事ですから。
[名前を呼ぶ時の微妙な間は、取りあえず気にしない事にしたらしい]
俺はまあ、大抵は呼ばれてるからね。
ん、代わり……って、アモンさんは?
何か、急用でも?
[きょとん、としながら素朴な疑問を投げかける。
数日の缶詰明けのため、世情には疎いかもしれない]
[…長い廊下を歩く。
少女の歩幅では更に長く感じられ…]
…窓から出ようかな…
[ぼそ、と、不穏なことを言い出した。
しかし、幸いなことに行動に移す前に外に出れそうなドアを見つけ]
…ふぅ、もぅ、なんでこんなに広いの…
…
[小さく笑いながら息をつき、ドアを開ければ…
中庭にはほど遠い、壁が目の前に広がっていた。
…実は少女が外に出たドアは使用人の出入り口で…そのせいで使用人達からの視線を集めていたのだが少女は気付かない]
…ま、良いか。
[散々悩んだ末、中から通るとまた迷うかも知れない、と考えたらしい。
外から壁づたいに歩くことを決めたようだ]
大抵…そっか。
[と、聞いて、そういえばエーリッヒって何か色々研究しているのだっけか?と思い出しながらも父のことを聞かれ答える。]
父は急用…というか私用というか…
ついこの間結婚した若い奥さんと一緒にイチャイチャと旅行しに行った。……どっかに。
[何気にどこか聞いていない。そしてちらちらと。エーリッヒのもふもふ。もといローゼを見る。それは額についている宝石が綺麗だとか、珍獣だとかいうことに邪な感情を抱いているわけではなく、ただただ撫でたぞーー。となっているだけ]
うん。俺としては仕事のタネにもなるから、非常にありがたいんだけどね。
[それはそれで、邸の主の意図に対してどうなのか。
そんな突っ込みの入りそうな事を、悪びれた様子もなく言ってのけて]
あ、再婚……そういや、何か浮かれてたっけ……。
[缶詰前に見た様子を思い返しつつ、ぽつりと呟く。
視線を向けられたカーバンクルは、なーに? とでも言いたげな様子で、ゆらゆらと尻尾を揺らしつつ首をかしげた]
[何やら親しげな2人。知り合いだろうかと思案
だが、エーリッヒの飾り職という言葉に、ん?と思い、続いてのユリアンの名乗りで合点がいく]
ハイゼル様……はい、承っております
ご主人様はアモン様は今回は来られないだろうと仰られていましたが、ユリアン様が代理参加ということでございますね
お部屋の方ご用意させていただいておりますので、どうぞお時間までごゆるりとお寛ぎくださいませ
ああ、申し遅れました。わたくし、本邸の召使いをさせていただき、今回の食事会のお客様の応対を任されましたユーディット=ローエングリンと申します。何かございましたら気兼ねなくお申し付けくださいませ
[そう言って深々と一礼]
フゥン、色々な方にネェ…。
食事会でご紹介いただくのが愉しみだわァ。
[笑みを湛えたまま模範的回答を返す執事に、嫣然と微笑む]
そうですの、オトフリートさんと呼ばせていただくわァ。
私の事もヘルガとお呼びになってネェ?
…アラァ、貴方ですらもなのォ?
[長い間勤めていても聴いた事がないという答えには、いつも物憂げに伏せている瞼をぱっちりと開けて瞬く。そうすると今は化粧が薄いのもあって、いつもより若く見えたかもしれない。
けれど直に元通りに半ば瞼を伏せ、物憂げな眼差しを向ける]
…ますます愉しみだことォ。
それでは少し交友を深めてこようかしらァ。
オトフリートさん、御馳走様でしたわァ。
[いつの間にか空になったカップを置き、部屋を出て行く。
これだけ行き届いている執事なら、部屋の探索などしないだろうとの*判断らしかった*]
…
[最初は歩いていました。
しかし。歩けど歩けど、見えるのは壁ばかり…
少女は気付いていなかったのです。外を歩けば大回りになるのだから、目的の中庭に向かう距離が大きくなると…]
…
[焦れったくなってきたのか、辺りを見回し、誰も居ないことを確認すると…走り始める。
元々、村育ちだから、体力には自信がある?らしかった]
…着い…っ!
[大きく開けた場所…つまり、中庭へとたどり着くと、その表情は明るくなる…が。
中庭に人影を見つけると慌てて立ち止まった。
…その頬に流れる汗、赤くなった肌は、先ほどまで走ってきたからなのか…それとも、恥ずかしい所を見られた為の冷や汗なのか?]
[ぬぬぬぬぬっ。これは誘惑か。ともふもふが尻尾を揺らしているのを見て思っていたため返答に少し遅れると]
ま、なんか色々なものがあるから俺も仕事とか役に立つこととかあるかもしれないなーとここに来て思ったからその気持ちはわかる
[エーリッヒと同じく突っ込みの入りそうな事を平然と言ったが、さすがに滞在費に関してまでは召使の前では言わなかった
そして父のことに関しては]
なんてーか…うん。年甲斐もなくというか…ま、当人同士がいいならいんだけど
[とため息をつきつつぼやく]
[自身が名前で呼ばれる事には快諾するも、
客人を名前で呼ぶように言われれば、些か渋る様子を見せる。
けれども微笑みを向けられれば、同じく微笑を浮かべ、言葉を紡ぐ]
……わかりました。
それでは失礼ながら、
ヘルガ様、とお呼びさせて頂きます。
[瞬く様子には今までと異なる印象を受け、少し意外に思う。
それを表に出す事は、やはり、なかったが]
いいえ、お楽しみ頂けたのならば、何よりです。
いってらっしゃいませ。お気をつけて。
[深々と頭を下げて、外へと向かう客人を見送る。
完全に気配が去った後にゆっくりと顔を上げ、
空の器をトレイに乗せ卓上を確りと拭き取ると、
室内には何一つ手を付ける事なく、*客室を後にした*]
[おっ、しっかり通った。父えらい。と、深々と一礼する。ユーディットと名乗った召使を見て思いつつ]
ええ、しっかりと予想通りこれなかった父の代理で。しばらくの間よろしくです。
部屋のほうもどうも
[と、そこでもふもふに気を取られていて忘れていた当初の目的を思い出し、言いづらそうに後頭部を片手でかきながら]
……あー…なんというか……申し訳ないが…俺の部屋って二階のどの辺りだろうか
[当のふわもこは、ユリアンの葛藤?何かは知ったこっちゃない、という様子。小首をかしげたまま、みゅうん? と可愛らしく鳴いている]
ああ、ここの蔵書の価値はこの近辺でも最高レベルだし。
オストワルトの御大のコレクションの中には、飾り細工としてかなりハイレベルな物が多いから、学べる事は多いんじゃないかな?
……まあ、当人同士がいいなら……ね。
[ぼやくユリアンの言葉には、苦笑めいた面持ちで返し。
それからふと、また新たな気配に気づいてん? と言いつつそちら──ブリジットの方を見やる]
やー。お嬢さんも、招待客かな?
[つい、固まってしまった身体。
落ち着こうと、ゆっくりと深呼吸をする…
声をかけられると、また心臓が跳ね上がりそうになったが、相手の声色から何か訝しげに見られていたりする雰囲気はない、と判断したらしい。
にこり、と微笑んで]
は、はいっ…お婆さまの、代わりとして、このお屋敷に、きました…
ぁ、あたし、ブリジット、って言いますっ。
[心臓の音がやかましく感じる。
ところどころで言葉が詰まるも、なんとか言えたと胸をなでおろす。
…そこで、ようやく視界が開けたのか…]
ぁ。ユリアン。
[初めてこの屋敷で出会った青年を見つけ、小さく呟いた]
確かになんか色々もっているよなー。細工の品もなんか色々あったし。本も……
[物好きなぐらいに見せてくれるらしいし。と内心で思いつつ。エーリッヒの言葉。細工に関しては、ホールに飾ってあった装飾品を見て確かに良質だったなーと思ったため同意したが、蔵書に関しては…麺のうちかたとかを思い出して……]
……たくさんあった。珍しそうなのも
[と若干堅い口調で答える。でも珍しいは珍しい。
そしてちらちらとみていたもふもふが…みゅうん?と可愛らしく鳴くのを見て聞いて。もふもふに...の心はついに折れる。
父…俺はもう駄目だ。悪魔に魂を売るよ……なーんて大げさなことあるはずもないのだが、実際我慢はもう無理なよう、だれか来たとかいうエーリッヒの言葉とか気にもせず、もふもふに怖がらせないようにそーっと手を伸ばした]
ユリアン様の部屋ですか
それでしたら……
[そう言って、ユリアンに宛がわれている部屋の場所を丁寧に教える
そして、外回りで現れたブリジットに気づくと]
こんにちは、かわいいお嬢様
道に迷われましたのでしょうか
[にっこり笑って、尋ねかける。どう見ても小さい女の子への応対]
……んあ?
[思わず手を伸ばしてもふもふに触れそうになったぐらいか。
そこで聞き覚えのある声に名前を呼ばれて、現実に引き戻され、間抜けな声をあげて振り返ると、そこには屋敷ではじめにあった子が]
…………
[しばし黙ってブリジットを見つめた後]
やっぱり一晩じゃ無理か
[と、明らかに背のことだろう、一晩では無理に決まっているだろうという突っ込みが余裕で来そうであるが、...はいたって真面目そうに…頭に昨日のようにまた手をぽむぽむ。当人に悪気はないのだろうが……ブリジットがどう思うかは別の話]
[…何事も落ち着いてくると、見えてくる物がある。
そう。例えば、自分に対しての接し方とか]
…
[そういえば、お嬢さん、って言ったよね、この人。
…可愛いお嬢様、って、大人への反応なのかな。
ぐぅるぐるぐる。凄く悩んでいる。
可愛い、と言うのは凄く褒められていると思うのだが…
お嬢さん…は…子供扱い?それとも、大人にも言うのだろうか?]
ぇ、えっと…べ、別に、迷ってなんか、いません、よ?
ちょっと、お屋敷の中を、歩かせて、貰っただけです。
[しかし、ソレよりも急務がある。
ソレは、少女が迷っていたという事実を悟られてはいけないことである。
…すでに勘づかれているのだが]
ぁ、後…その。あたし、19、なのですが…
おや、今回は代理出席が多いんだね。
[ブリジットの言葉に僅かに首を傾げて]
俺はエーリッヒ=フォン=レーヴェ。
この白いのは、相棒のローゼ。
どうぞ、お見知りおきを。
[にこり、と微笑みながら一礼を。
傍目、優雅とも見える一礼は、形式的な挨拶に慣れているようにも見えるだろうか]
ま、本に関してはね。
どっからこんなもん持ってきたんだよ、って、突っ込みたくなるモノも結構在るから。
[ユリアンの様子に気づいているのかいないのか、返す声はいつも通り。
ついでにふわもこもいつも通りに呑気な様子]
[えへへ、と話を逸らすように自分の年齢をアピール。
…間違っても、自分で「こう見えても」とは言ってはいけない。
認めたら少女の負けなのだ…
しかし、ソレすらも負けそうな勢いで頭をぽむぽむされる]
!
[やっぱり一晩じゃ無理か。
ユリアンの言葉に、コレは身長のことだと直感的に気付いたらしく]
そ、そ、そそそそんなの、無理に決まってるじゃない!
で、でも、ちゃんと牛乳も飲んだし、今日は沢山寝たもんっ!
[…少女は違う所で墓穴を掘っていることに気付いていない]
ふむふむ
[部屋の位置について、ユーディットの説明を聞き、しっかりと脳の記録に残すと]
ありがと。助かった。
[と礼を言う…内心冷や汗をかきながら
なぜなら、あのもふもふに心を奪われたままだったらきっとまた聞き逃していただろうというのがわかったから。
現実に引き戻してくれたブリジットに内心ほんの少しだけ感謝した。が]
あー…それと……様付けはどうにかならんもんだろうか。
[どうにも具合が悪そうに言った。そんな呼ばれ方がなんとも自分には合わなかったから。召使なので無理な気もするけどそれでも言わずにはいれなかったようだ]
――二階・客室――
[いつものように早朝に目覚めると、日課であるかのように庭園を散策して。
それを終えれば軽く食事を貰い、その後で再び部屋へ]
やれやれ、まったくの。
折角ここに居ると言うのに仕事は待ってはくれぬか。
[大事な店の帳簿を人任せには出来ず、暫し仕入先と商品などの確認を。
ふと気付けば日は高く、仕事にひと区切り付いたと見てペンを置き肩を鳴らす]
やれ、我ながら仕事となると時間を忘れるの。
余り根を詰めるなとは言われておるが、こればかりは譲れぬて。
[そう呟きながら、ぱたりと帳簿を閉じ人目につかぬよう鞄へとしまって。
一息つく為に茶でも貰おうかと階下へと]
――客室→ホール――
[19歳。まあ、嘘だろうとなんとなく確信しつつもそれを表に出すことなく]
それは失礼いたしました、ブリジット様
屋敷内はとても広いですので、くれぐれも迷子になどなられませんように
目的地がわからない際は、気兼ねなくお声をかけていただければご案内いたしますので
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