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―――…。
[カルルの一言に、すぅ、と目を細める。
よろりと立ち上がる相手へとゆっくり近づいて。]
…残念だけど、俺はイレーネを人狼だと思ってねーんだ。
[どー言う意味か、判る?
カルルへと問いを投げながら場違いな程に柔らかく、ふわ、と笑んで]
[思い起こされるのは、数日前の記録。
あの時笑いかけてくれたのは、]
……アーベル、さ……?
[きゅうんとランプが、薄い青へと代わり。
そして、冷静に、辺りを見回した。
アーベルの腕の傷、血を流し倒れているエルザ、カルルの服の焦げ痕。
イレーネの兵装での傷という事が、当人には直ぐに理解が出来た]
う、
あ。
[理解は、プログラムを強く強く締め付けた。
サポートするべき人たち、護りたいと思った人たちが、傷だらけで回りに居る]
……ん、心配すんな、ティル。
[叫ぶティルには、軽く返して]
……だいじょぶ、イレちゃん?
[落ち着いた様子のイレーネに笑いかけつつ、ぽふっと頭を撫で]
[音の源はすぐに分かったけれど、事は既に収束に向かっているようだった。]
・・・・・
[少し離れた位置で、皆の様子を観察する。]
[イレーネのランプが青へと変わる。
暴走は終了した。これ以上攻撃を加えれば加害者はこちらだ]
……っと〜、ようやく止まった…かな〜〜〜?
[肩を竦めれば、ユリアンのふわとした笑顔に似合わぬ言葉]
ん〜さあ〜〜〜?
僕には〜この状況が全てだと思うけどね〜〜〜
[敵意はないと示すように、ひらひら両手を挙げてのほほんほん]
[イレーネは、事態の自分なりに飲み込んだ。
動いている左腕で、アーベルの腕を払いのけ。次に呟いた言葉は、]
……私を、破壊してください
……んだね。俺も、ついさっきまで悩んでた。
『2人』のどっちが人狼なんだろう、って。
[カルルのひらりと両手を挙げる様子に、僅かに笑みを深くする。
小さく息を吐けば、僅かに目を伏せて。]
でも、イレーネが人狼で、
ユーディっちを攫ったんだとしたら…
システムダウン前に、
名前呼んで警戒を促すのは、おかしいと思わねぇ?
っと……。
[手を払われた事に苦笑しつつ]
でも、それは。
傷つけたのは、イレちゃんの意思じゃないんだろ?
イレちゃんは、俺たちを傷つけたいと願った訳じゃないよね?
それなら……その願い、俺には聞けないかな。
[イレーネの呟きが耳に届けば、思わず目を見開いて。
暫し思案すれば、あー…と小さく声を上げる]
……レーネっち。
破壊してもらう前にさ、ちょーっとだけ待ってくれね?
[へら、と笑いながらそちらへと視線を向けて]
昨日、イレーネに尋ねられた質問
俺、まだ答えてねーのに。
[いーの?と、僅かに首を傾げる。
…本当なら、そんな事を言っている場合ではないのだろうけど]
形は、どうあれ……私に、もう、存在意義なんて、ありません……
それに、回路が、もう、壊れてしまっているようです。
先程の、行動は、どうあれ……私の中で、演算した、こと……。
……Zi…
[イレーネの思考に、微かにノイズが入る。
電子に生きる者なら、何かに気付けるだろうか。
ユリアンの言葉を聞くも、へたり込み俯いたままで。
右腕はパチパチと、小さくスパークしている]
[ユリアンのぶつける疑問にも、のほほん顔は崩れない]
さあ〜どうだろ〜〜〜?
【人狼】だったハインリヒだって〜皆を心配してなかったわけじゃなかったしね〜?
[一生懸命探してたとか言ってなかった〜?と、のほほんほん]
それに〜、僕だってユーディが攫われて哀しかったよ〜?
[これは本当なので、少しは真実味があるだろうか]
存在意義って、さ。
与えられたものだけが全てじゃなくね?
[そっと声をかけつつ、また、頭を撫でようと手を伸ばす。
同時に、左肩の雷獣が何か捉えたのか、きゅい、と怪訝そうに鳴いた]
ライ、どした?
……え? なんか、「いる」?
[皆の感情的な判断はともかく。
イレーネの今の状態では、CCを納得させられるだけの理論は組み立てられないだろう。そう判断して【隔離者】を逃れる為に甘い言葉を投げる]
えっと〜、壊すも何も〜博士に調べてもらえばいいんじゃ…
[そこまで言って、ふと致命的なことに気付く]
『イレーネって、博士に調べてもらえるんだっけ〜〜〜???』
[なんだか怪しげな液体で感情がどうのこうのとか〜。
メカと人間の二択なら問答無用でこっち隔離なんじゃないかと今更]
[イレーネの様子に、僅かに苦笑する。
ガシガシと頭を掻きながら、ぽつりと]
…俺は、正直「悪の手から地球の皆を守ってやるぜ!」とか
自分の命賭けて言えるほど、お人好しじゃないんだわ。
[僅かに苦笑を滲ませながら、何かさらりと問題発言。]
…でも、仲良い奴らとか―――仲間とかがさ。
危ない目とか、辛い目に会うのはすっげ、イヤだ。
……イヤだと思ったんだ。
[へら、と笑う。
…イレーネに、この声が届いているか判らないけども。]
イレーネ自身が存在意義が無い、って思ってても…
少なくとも俺は、イレーネが居なくなったらイヤだし。
…壊したくない。し、仲間を守りたいって思ったら、ダメかな。
私には……
[何かが、イレーネの学習装置を阻害している。
言葉が並ばず、出てこない。
ユリアンの声は、静かに回路へ入っていく]
私は……私は、私は……。
[ZiZi、とまたノイズが入る]
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