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[こくっと瑞穂に頷いた。きっと大丈夫、明日になったら帰れると。
そう思いながら、連れられ歩く。
伽矢とほんの少しだけ距離をあけたのは、怒ってるような気がしたから。
じ、と視線は伽矢の手に。
痛いかな?と思いながら見ているが、怪我とかはとくに無いような。
通り抜けた中央公園に、居た人らには気づかない。
さくらも今は見ないまま、通り過ぎて繁華街へ。]
―中央公園入口―
本当にどうしたの。
[息を乱している史人に首を傾げて。
顔を上げると周囲へと向けた。
まだそれなりにある人影、視線はその中でも背後にある出入り口から繁華街へと抜けてゆく少年少女を少しの間追いかけた]
…あ。どうする?
私は行ってみたいけど。
[話はまだ聞いてみたくて、史人を振り返りお伺いを立てた。
そもそも自分の部屋に帰るなら道はずっと一緒なのだが]
―中央広場入口―
……悪い。
大丈夫。
[深く息を吐いて、顔を上げた。
そこで瑶子から差し延べられていた手に気がつけば、軽く手を振って遠慮を示す]
あーうん、それ、ちょっとありがたいかも。
あやみんとこ、こっから近かったっけ。
[息を整えながらそう返した。
そこにいつものような笑みは*浮かばなかったけれど*]
─繁華街─
[しばらく歩き続けて、オレの家と、それに隣り合う幼馴染の家の前まで来る。
ここまでの道では壁にぶつかることは無かった。
オレは一人、自宅へ向かうように歩く]
……ダメだ、ここから壁がある。
[そこはオレの家と幼馴染の家の丁度中間。
オレの家は見えない壁の向こう側にあった]
―繁華街―
[しばらく通りをいく。
もうすぐ家につくというところで先ほど見たのと似たような光景、やはり通れないらしい。]
こっちも通れない?
[口をついてもれる声、人だかりは丁度自分の家付近で近づいていくと伽矢の声、自分も手を差し出すと見えない壁に手が触れた。
自分の家と伽矢の家を隔てるように壁があるらしかった]
私の家には…入れるみたい。
[人だかりの中には百華の姿も見つかるだろうか?
複雑な面持ちで伽矢に視線を向ける]
―繁華街―
かやにいちゃも、おうち帰れない……?
[壁の向こう側、あまり連れて行ってはもらった事はない伽矢の家を見上げて。]
なんで、かえれないのかな。
あしたになったら、かえれるかな……。
[だいぶ元気なく呟いた。背中のうさぎは、ゆらりと揺れる。]
……ちえ、おなかすいた。
[ぽつりと、空腹を訴えた。]
[裏手へ回る路地に沿うように、見えない壁は続いている]
ん……オレん家もダメっぽい。
瑞穂ん家なら入れるみたいだし…。
瑞穂、悪いけど千恵休ませてやってくんねぇか?
オレはもうちょっと調べてみる。
[元気のない従妹を慰めるように撫でながら、オレは幼馴染に済まなく思いながら*頼みごとをした*]
―中央公園入口―
そう。ならいいけど。
[史人に遠慮されれば、触れないままに手を引いて。
話が纏まる間に桜の大樹の方を向いた]
気脈…。
[小さく呟き、公園内に留まっている人々へと巡らせた視線は一度途中で止まった。
けれど礼斗と史人が歩き出す気配に、踵を返して後ろに*続いた*]
[千恵の頭を撫でながらその言葉に安心させようと笑顔を向ける]
どうだろう、伽矢くん調べてみるみたいだから。
それ次第かな?
[自分ながら曖昧な返答しか返せなかった]
私も後で静音さんに聞いてみる。
伽矢くんも、駄目そうだったら家にきてね?
夕飯作っておくから。
[千恵の空腹の訴えもあってそう告げてから、すまなそうな伽矢に気にしないでと笑顔を向けた。
千恵を連れて家に入ると]
千恵ちゃん何食べたい?
何でもってわけにはいかないけど。
……ちっ、話には聞いていたがマジで咲くなんてな。
ということは……『桜の少女』もいるってわけか。
[そう呟くと、(礼斗たちがいるのとは別の)入り口から公園の中へ入り、中央広場・桜の大樹の下へ。
そこには桜を見上げる綾野の姿。それに駆け寄り、襟を掴んでこちらを向かせる。]
おい、あんた。これはどういうことだ?
季節外れの桜。不可視の壁。それと……
[そこで言葉を切ると、ちらりと視線を上─見事に咲き誇る桜花─に向け、]
……桜の少女。今は見えねーが、いるんだろ?
とりあえず知ってること、教えてもらおうか。
[そうして語られるのは、桜花が言い残した言葉と礼斗が聞き出した内容。]
……桜の童女『桜花』に、『司』と『憑魔』、ねぇ。
なるほど、合点がついた。それが行方不明の真相か。
―繁華街―
[なでなで。伽矢にされても、すぐに笑顔にはなれない。
瑞穂にも撫でられるが、曖昧な返答に、表情は優れない。
何食べたいのか尋ねられてると。]
……ハンバーグ。
[じ、と見上げてそう言った。
伽矢がどこかへ行くと知ると。]
かやにいちゃ、いってらっしゃい。
[小さな声で見送った。気をつけて、とは言えなかった。
うさぎはどこか不安げに、首を*傾げる。*]
―書店―
[千恵の返答には笑顔を返し、まずは一階に案内し店内の電気をつける。]
それじゃあ腕によりをかけて作るね。
千恵ちゃんの読みたい本持っていっていいよ。気に入ったのあったら一冊持って行ってもいいし。
[千恵が選ぶ本を手にして店内の電気を消しながら二階に上がる]
本読んで待ってて、TVとかも見たければつけていいよ。
[電話をかけるより先にまずは夕飯を作ることにした。
ほどなくしてハンバーグにレタスと胡瓜のサラダ、豆腐とご飯を二人分を食卓に*並べる*]
[そうして、綾野の襟を離すと、つかつかと桜の樹に歩み寄る。
そして、ひとつ息を吐くと、]
(ごっ!!)
……おい、聞こえてるか。
俺を怒らせたこと、絶対に後悔させてやるから覚えておけ。
[幹を思い切り殴りつけそう言うと、ギロリ桜の樹を見上げる。
もし呼応して桜花が現れたなら、その目つきはますますキツくなる*だろう*。]
幹を殴る音。
向けられる、言葉。
それに応えるように響くのは。
哀れむような響きを帯びた。
童女のわらう、声ひとつ──。
―中央公園・入り口―
ああ、ここからすぐんとこだ。
黒江嬢と同じ、っていや、早かったか。
[近かったっけ、という史人に頷き。
歩くのが辛いようなら、手を貸せるようにしつつ、歩き出す。
途中、すれ違った者たちが話す事――道の先に進めない、というそれに、僅かに表情は険しくなる。
記憶との合致は、嫌な予感を更に高めた]
―自宅―
[ざわめく人群れをすり抜け、自宅へと。
仕事場と化しているリビングに二人を通すと、パソコンを立ち上げながらキッチンへ]
コーヒー淹れるが、飲むか?
それ以外だと、野菜ジュースかほうじ茶くらいしかないが。
[微妙に偏っているのは気にしちゃいけない。
ともあれ、リクエストがあるならそれに応え。
パソコンから、ネットへのアクセスを試みるが]
……こっちも、ダメ、か。
[返されたのは、ネットワーク異常、のアラートメッセージ]
[ため息を一つつき、パソコンの横の写真立てをちらりと見る。
紅葉の山をバックに、自分と、茶髪の女と、アッシュグレイの髪の男の三人が写る写真。
そちらに視線が向いたのは一瞬、すぐに瞳はパソコンへと戻り先程も引っ張り出したフォルダを開く]
……さて。
俺も、何から何まで知ってる、って訳じゃないんだが。
一応、わかってる事は、話しといた方がいいか?
[パソコンのモニタから、史人たちへと向き直り。
投げかけるのは、こんな問い**]
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