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……そりゃどうも、と。
[わかる気がする、との言葉に、くく、と笑んで。
懐から抜き出したのは、漆黒の柄を持つ短刀。
柄には、桜を象った細かな紋が刻まれて]
お互い、思考は似たようなモン、か。
なら。
……生き残った方が、それをやる……って事になるかね?
[上手く動かぬ右手。
それに、力を入れつつ、向けられる視線を見返して]
[出来ることをやる。些細なことでも。おそらくはこの中で一番取り乱しているのは、自分。自分のことで精一杯になってしまっている自分が、この先誰かを助けることなど出来るのだろうか]
…やって、みるけど、自信が、無いよ…。
また、さっきみたいに、なるかも、しれない…。
周りに、気が、回らない、かも、しれない…。
[泣き顔のまま、不安げな様子で蓮実を見やる。相手の落ち着いた口調と笑みは、榛名を現実へと引き戻し、思考出来るまでに回復させている]
あり、がと。
ありがとうっ、玲ちゃん
[ほっとして、近くに寄る。]
うん、誰も、みないで。
口にしないで。
――玲ちゃん、ありがとう。
[握っていた手を開いて、差し出した。起き上がらなきゃ。]
[―――祈りの言葉は天に届いたのだろうか。
自分には理解できない。
雨が降りしきる。
暗い闇が、自分を待ち受ける]
―――涼。
[どこからか、何羽も何羽も、まるで暗闇のような色をした鴉が飛び立った]
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