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……何か妙に水の精霊が騒いでるな。
[ゲルダを手で動かないように静止ながら、室内をぐるりと見回す。どうやら精霊のざわめきは真円の泉付近から聞こえてきた]
ゲルダさん、ちょっと待ってて。
[彼女の返答を待たず、ゼルはゆっくりと泉に近づいていく]
[その体表に槍を突き立て]
―――む。
[すぐに槍を引き抜き、なおもファイヤボルトを放ち続けるサラマンダーの攻撃を円を描くように走り、一定の距離を保ちながら、かわし続けた]
ふーむ。
さすがに私のオートマジックシェルを持ってしても、ファイヤボルトは熱かった。
更に言うのならば、サラマンダー相手に普通の武器ではあまりたいしたダメージにもならんか。
さて、どうしたものかな。
外さない自信は無いわよぅ?
[どちらにも少しだけ猫を進ませて見るが大きな差異はなく]
それじゃ、右に進んでみましょ。
さっきもそっちに曲がって何も会わずに済んだから。
[根拠としては限りなくいい加減なものだった]
くくっ…図星か
[目が泳ぐ様子にやはり女らしくない低い笑みを浮かべてライヒアルトを見ながら]
そうだな…つまりここは敵のホーム…。というかそこまでひどいのか。
いや、私も古代言語は扱えこそするが。
『主はやりかたが悪い』
[こちらもこちらで突っ込まれてたり。
確かに変なところで女性を意識する...による…物凄くぶりっこして支配…とかしようとしたらとんでもない怒りを買いそうとか]
…ん。なら決まったならいくか…向こう察しているようだしな
[と、敵意と警戒を露にしだしているノームを睨みつつ。数歩下がる。
ライヒアルトが思いっきりできるように]
おや、学長。
出て来たんですね。
それともこっちは魔力ですかね?
[首だけで振り返り、オトフリートへと声をかける]
実戦に勝る経験はありませんからね。
戦闘力もさることながら、柔軟性、判断力、その他様々な能力を必要としますし。
二層以降は生徒同士のバトルも始まります。
ここでどれだけパートナーと疎通が出来るか、それが鍵ともなりましょうか。
[ゆっくりと泉に近づいていくと、水の精霊が勝手に実体化し、彼の周りを飛び回り始める。どうやら精霊は落ち着かない様子だ。
その様子を横目にしながら、真円の泉の前に立った時、泉の水が一人でに動き出した]
!
[唐突だったため驚いて一歩後退してしまったが、おかげで噴き出した水の変化がはっきりと確認できた。
水は一気に天井付近まで吹き上がると、そのまま重力に任せて落ちてきて、ぴたりとゼルの視線付近で止まった。水は少しの間その場所で停止してから一気に少女の姿へと変化していく。
長い足元まで届く髪に、尖ったエラの耳。整った顔立ちとすらりとした肢体が水で形作られていく。しかし下半身だけは人ではなく魚の半身――つまり、マーメイドに似た容姿へと変貌した]
ウ、ウンディーネ……。
[まさかこんな場所で会うとは思っておらず、呆然とした声色でガーディアンの名を呟いた]
――……異界の門よ、開け。
我が友を傷つけんとする力を水の盾となりて弾け!
[防御呪文ではあるが、発動させるのは彼自身の体ではなく、彼の前にある空間。]
[笑う声に、ほんの少しむっとしたよな色が天鵞絨に過ぎるが、それは一瞬の事]
大体、交渉だの支配だの、回りくどいのは、俺の性に合わんからな。
[そんなんだから、すぐに喧嘩の売買になるんだろう、というのは置いといて。
下がるナターリエとの距離を肩越しに確かめた後、先ほど用意したカードを取り出し]
……猛る火炎は、集いて貫きの一閃とならん……火炎槍!
[ノームに向け投げつけたのは、炎のルーンを描いたカード。
砕けたカードは炎の槍を生み出してノームへと襲い掛かるものの。
精霊は、見た目よりも機敏に、その一撃を避けながら、石礫──ストーンブラストを放ってきた]
りょうかーい。
根拠なんて私もありませんよ。フィーリングでゴーゴーです。
[そう言うと、右手の道を進んでいく。
辿りついたのはまたもT字路。うーん、と考え、]
えーい。
[懐からコインを取り出し、ポーンと投げる。]
表(奇数)が出たら右、裏(偶数)が出たら正面!
[現れた精霊の姿の優美さに、ほう、と感嘆の息をつく]
…敵なのか?
[少しだけ柄にかけた手から力を抜きながら、精霊、相棒どちらにともなく問いかけた]
はっはっは、さすがですねえ。
ええ、私はまだ「下」に居ます。
導師が次元回廊を繋げてくれたので、こちらに覗きに来たんですよ。
明日からの本番のために、皆さんの様子は見ておきたいですからね。
[導師の看破したとおり、ここに居るのは分身らしい。地下に居るという本体が
何をしているかは言わぬが花]
「うけけ、あんにーちゃんは相変わらずやな」
交渉・支配はせず、か。
ヘルムートの所もだな。
ありゃ交渉なんてこと考えもせずに、って感じだが。
[戦い始めた2チームの部屋に視線を走らせる。
物理的な槍を振るうヘルムート。
炎の槍を放つライヒアルト。
偶然なのだろうが、似た得物を操る二人を男の視線は追っていた]
[サラマンダーを中心にくるくると回りつつ、機を狙っていると、突然、目の前に水の盾が浮かび上がった]
ほう。
これは助かる。
奴の攻撃を阻む良い壁となりそうだ。
では、落ち着いて、私も魔法を使わせていただこうか。
【神よ!我が武器に力を!】
[効果:自らの武器一つの物理ダメージを光属性の魔法ダメージに変える]
てえええいっ!!
[武器に魔力を付与し、相手の攻撃の合間を縫って、サラマンダーに一撃を与えて、すぐに水の盾の後ろへと退避]
ふむ。まあまあ、か。
その考えは敵が増えそうだなぁ…嫌いじゃないが。
[むっとした様子のライヒアルトに嫌味ない笑みを浮かべつつ言って]
それに、先のことを考えると…お互いの呼吸を知っておくのも悪くない
[と答えつつも、注意深く流れを見つつ]
メラニー
[その呼び声に答え。細長い体をした金色の龍が髪よりにょろにょろ出て、腕へと巻きつく]
まずは無難にこれか
―――開きたまえ開きたまえ。祖は異界への扉。祖は哀しみを運ぶ風の門
我が友を介し…満たせ
[詠唱と同時に出でるのは直接的にはなんの害もない…ただこのエリアを支配する土属性の領土を奪わんとするだけの風の力]
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