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― 中庭・木の傍 ―
[言葉に否定は返せなかったが。
彼女の様子に、小さく笑って]
良いヒトだ。
[それだけを、囁く。
彼女の溜息に、そっと頬に当てた指でそっと撫でて]
……オリガ、またそういう危険なことを。
あなたが栄養になってしまう。
[困ったものだというように。
笑って、手を離した]
少し、中に行く。
[そっと、周りのヒトに言葉をかける。
ウートラが使わないようなら、ディスプレイを回収して。
そうして、先ほどとおなじように水の中を潜る。
自室に戻ると、そっと目を閉じるのだった**]
― 自室 ―
[ようやくディスプレイの使いかたを理解した。
ディスプレイの使いかたを理解するのに時間がかかり、途中でウートラにつけられたあだ名を思い返したりしていたこともあったので、どれぐらい時間が立ったかよく覚えていない。
その間に中庭でベルナルトが木に飛び込むとかどうとかあったらしいことなど何も知らぬまま。
目当ての人が自室にいるのを確認して、行き方を確かめる。
どうやら、ディスプレイで相手の部屋に触れた後、部屋の扉からでれば目の前に相手の部屋の扉が出てくるらしい。
直接ほうりこまれないだけ親切設計だろう。
実際廊下に出てみれば、目の前に扉があった]
― レイスの部屋 ―
[中にいることは確認してからきたけれど、小さくノックをして。
誰何の声に躇いがちに声をかけた]
えと、あの、ドミニカ、です。
―― ちょっと、ききたい、こと、があって……
[部屋の中にいれてもらえれば、小さく頭を下げる]
……さっき、なんか、よくわからないちからが、
おかしのき、からレイスさんにむかったような、きがしたんだけど……
[手紙であった操られている人、というのが、操られている意識があるのかどうかも知らないから、とりあえず疑問に思ったことを伝えるだけで。
何が聞きたいのかもきっちりきまっていなかったりした]
……おかしのき、と、やりとり、できたりはしない、のかな……
[そんなふうに聞くのは、平和的に解決できないかな、という希望だった**]
― 自室 ―
[ノックの音に目を開ける。
視線はドアの向こうを見るように]
どちら?
[問いかけに答える声。
何かあったのかと、足はそちらに向かう。
急ぐことは出来ない。いくら水中といっても、足を使うのだから。
それからドアを開けて、彼女を中へと招いた。
潮の香り、海の音の空間]
足下に気をつけて。
椅子なんていうものはないけれど。
[近場の、ちょうど良さそうな高さの岩に、なぜか厚手の布とクッションがおかれているのに気付いたのはその時。
そこに彼女を勧めて、言葉を待った。
彼女の口から語られた内容に、海の色の目が、ひたと目を見つめて]
――…わたしに。
そう。
[それからそっと、目を伏せた]
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