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[ロランが持っていた木材は傷ついてささくれていた。
そのために、ワンピースのすそを引っ掛けられて、千切れた裾の間から斜めに赤く傷ついた足が見える。
木材が引っ掛けて行ったのは服だけではなかったようで、その痛みに顔をしかめた]
――っ、……大丈夫……ごめんね、ロラン。
あたしも、考え事してたから……
[手にした飾りはワンピースのポケットに突っ込んで、痛む足を見下ろした。
身を乗り出したロランからは、傷が良く見えたかもしれない]
…っっ、血、が…
[伸ばした手が、カチューシャのスカートのすそを掴む。
ほっそりした足に、赤い筋が見えて。
ロランは更目を見開き、息を飲んだ]
ごめん、カチューシャ…!
直ぐに、レイスの所に行こう。
歩くのが痛かったら、俺が呼んでくるから、
[自分の身に傷がついたかのように、
痛そうに顔を歪めて早口で言う。
それから心配げに、彼女を見上げた]
……っ
[斜めに二つ三つ、引っかかれたような傷がある。
ささくれていた木材でついた傷はきれいとは言えず。
早口で言葉を重ねるロランに、痛みをこらえて]
大丈夫、だから……
歩けると思うし。
ロランのせいじゃないから、ね。
[ちゃんとよけれなかったのが悪いのだからと、心配そうな顔をする人に、もう一度ごめん、と告げた]
カチューシャが謝る必要ない。
膝に座ってもらって進むこともできるけど、
[そこまで言って、はたと動きを止め。
パッとスカートから手を離した]
俺、ごめん…!
[しかも脚を覗き込んでいた。
手で口を覆い、顔を横に向ける]
[傷を見るために軽く持ち上げられていたスカートがふわりと下がる。
見えていた傷は、スカートの千切れた箇所に重なって、裾がすこし汚れた。
あわてたロランの様子を見て。
さっきまでがどういった状態だったのかを客観的に考えて]
――え、あ……いや、心配してくれた、だけだって分かってるから。
[謝るのにあわてて首を振った。
ロランの様子につられるように、そわ、と視線がさまよった]
え、あ、うん、そう、だけど、
でも、流石にひどいね。ごめん。
[口を覆った手は軽く拳握り、咳払い。
顔色はいつもの白いままに、耳だけが赤いけれど、
夕陽の下では全てが紅く見えるだろうか]
…レイスのとこ、行く?
[幼馴染も目をそらすものだから、
目は見れずに尋ねた]
[どっちの意味で謝られているのか。
判断がつかないというかつけたくないからこくりと頷くだけにしておいた。
あまり顔色の代わらないロランの耳が赤く見えるのが夕日のせいかどうか、つられたように湧いてきた羞恥心の聖で、確認することはせず]
えと……あとで、キリルのとこ行くし。
そのときで、いい、よ。
[歩けないほどではない。
すこし足を引きずるけれど、我慢できないほどの痛みでもないから、小さく首を振った]
[広場に程近い茂み。
マクシームが襲われた現場に男は立ち寄る。
黒に近い濃い赤はマクシームが流したもの。
葉にこびりついた歪な塊は――]
――…くっ
[口許に軽く握った手の甲を宛がい眉間に皺を刻む]
何か手掛かりが残っているかと思ったが……
さすがにそれほど甘くはないか。
[独り言ちて、男は静かに瞑目した**]
そ、か。
…急いでた…?
[車椅子の音にも気づかれなかった。
問ながら、車輪を回して転がった材木へ寄せる。
横に身を乗り出して手を伸ばす]
急いでたっていうか……
ちょっと、考えごとしてたから。
[急いではいない。
ただ、混乱していただけだ。
ロランが微かに血のついた材木を拾うのを見る]
ロランは、それ、どうしたの……?
―広場―
[指先は無意識に髪留めを弄ぶ。
暫くぼんやりとしていたから、カチューシャには彼女から声を掛けられるまで気がつかなかった。
一度瞬きをして、彼女の顔を見る。]
何……嗚呼、そう言うことなら。
[断る理由は何も無い。
経緯は見ていなくても、妹が彼女を誘った理由は察する事ができた。]
考え事…?
[材木に手を伸ばしながら首を傾ける。
続いた問に、ん、と頷いて
材木を膝に置きつつ身を椅子へと収める]
ん…、これ、見て。
材木小屋の木材がこんな感じにくちゃくちゃになってたんだ。
何かあったのかな、って、誰かに聞こうかと思って。
確か、棺を持ってきてくれたのはイヴァンだったかな。
[まさか彼がひとりでやったとは知らぬ事]
[ふと、自分の手の中にある物に目を遣る。
体勢を僅かに変えて、カチューシャの目の前にそれを持ってきた。]
そう言えば、これ……髪留めかな。
此処に落ちていたんだが。
[丁度良いからと尋ねた後で、そう言えば汚れたままだったと気づいた。恐らくは彼女の兄の血。
洗ってからにすれば良かっただろうか。そう思いながらも、]
カチューシャの物かと思って。違うか?
[問い掛けた言葉に、不自然な沈黙が落ちる。]
……カチューシャ?
[二度目の呼び掛けで、漸く彼女は頷いた。
心なしか、先よりも顔色が悪くなったようにも見える。辺りの色の所為で良くは分からなかったが。
どうして、と呟く声。]
あ、……嗚呼、悪い。
[何が、と尋ねる前に差し出される手。
彼女の物だと言われれば、返さないわけにもいかない。指先から離れた髪留めは、僕よりも小さな掌に収まった。]
いいや。
[礼の言葉には首を振った。]
分かった、伝えておく……
大丈夫か?
[ぎこちない笑みは、此処で話し始めた時からそうだった。けれど最初とは何処か違うようにも見える。
髪留めを受け取った掌は、微かに震えていたようにも見えた。
小さな、幾つかの違和感を残したまま、カチューシャは早足で去って行った。]
[静かになった広場で、また空を見上げる。月は未だ無い。
とは言えイヴァンを訪ねるにはもう遅いだろうか。]
……戻るかな。
[そうして僕が動き出したのは、ミハイルやユーリーが広場に来るより少し前の事。
道すがら掌に視線を落とす。髪留めを摘んでいた指先には、あの黒ずんだ色が少し移っている。
其処からは微かに錆の様な臭いがした。**]
聞いてみようかな、と、思って。
…、
[視線はまた彼女の足に向いて、赤を追い。
ゆっくりと逸らされた]
…じゃ、キリルのとこ行ったときはレイスに診てもらって。
俺の肘も、もう、痛くないから
[知っているだろうけれど
レイスの傷薬は良く効くから、と添えた]
そっか……イヴァンさんは大丈夫だと思うけど。
一応、気をつけてね。
[聞きに行くというロランに小さく頷き]
うん、ちゃんと診てもらうから。
ロランの怪我もたいしたことなくてよかった。
[傷へと向く視線と、続く言葉に素直に頷く。
肘の傷も大丈夫だといわれて、安心したように笑みを浮かべた]
[カチューシャの笑みに、ロランも表情を和らげる。
手を伸ばし、届けば彼女の腕をそっと叩いて]
暗くなる前に、キリルのとこ行ってね。
夜はまた何があるかわからない
[告げて、向かうのはイヴァンの家の方角だ]
[そっと触れるロランの表情が和らいだのに、笑みを返し]
うん、わかった。
ロランも、遅くならないようにね。
[動き出す車椅子を見送って、歩き出そうとして。
足の傷が痛むのにゆっくりとした足取りになった]
[車椅子の音が遠ざかり、小さく吐息を零す。
足の傷はずきずきと熱を持ち始めていたから、足取りはとてもゆっくりなものだ。
ちょっと歩いては痛みをこらえている間に、茂みのほうからやってきたユーリーを見つけ]
あ、ユーリーさん。
[小さく、名前を呼んだ**]
―イヴァンの家―
イヴァン…いる?
[作業小屋にいるとは知らず、扉をノックする。
声はあるだろうか。
暫く待ってみて物音でもすれば覗くし
何もなければ自宅向かい広場の方へ帰る心算]
…、誰が、何の為に。
[小さい呟きが落ちた*]
[結局何もみつけられずに茂みを出る。
ガサガサと茂みを掻き分けようとして
男は手に握られたままの紙くずに気付いた]
……あ。
[作業小屋に落ちていたイヴァンの書き損じた恋文の一つ。
じ、と見詰め、其れを開く。
けれど目を通す前にカチューシャの呼ぶ声がした]
やあ、カチューシャ。
[不自然に思える足取りに視線を落とせば
スカートの裾が裂けてみえた]
足、怪我したの?
[労わるような響きで尋ねる**]
―― 作業小屋 ⇒ 家 ――
…………………
[ユーリーの先ほどの用件を考えていた。
精一杯止めたつもりだが、彼はやると決めたらやるのだろう。
無罪な人物を公表したところで何が変わるとも思えず、首を振る。何か無言で考えた]
[レイスの心の裡は知らず、他に来客予定もなかったのでゆっくりと家にもどっていく]
やぁ、ロラン
……そこで何してるんだ。
[さすがに常のように笑みは浮かべられない。
車椅子の背後からゆっくりと声をかけた。
疲れた喉から出る音は、なんだか淡々として低い]
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