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[ 淀んでいた空気が元に戻ったか。]
おや……。
[ この種の持ち主にはそれが伝わったかもしれない。]
――――――…。
さて、これは誰かにお話するべきでしょうか。
[ と言っても、長老に話を聞く気にもなれず。
本で調べようかとも思えど、その気にもなれず。]
まぁ、何とかなりますか。
[ そう言って羽根をまた広げた。]
……父親みたいなモンだからね。
[言いつつ、枝の上にひょい、と立ち上がり]
それが旦那のいい所さね。
……まあ、お陰でチビさんには、嫌われちまってるようだけど。
[ばしゃばしゃばしゃとしばらくもがいて、態勢を整えた後
誰か周囲にいるかどうかなど気にとめることもなく。]
冷たい冷たい。でも楽しいね〜♪あはは〜♪
[と、ぬれて重くなった服をものともせずに、着岸しようとじたばた泳ぐ]
ま、それでも。
アンタみたいに、何考えてんのかさっぱりわからん御仁よりは、安心して付き合えるけどねぇ?
[くく、と笑いつつ、下を見る。
泳ぐネロの姿が目に入ったなら]
……相変わらず……何してんだか、あの坊やも。
[零れ落ちるのは、呆れたよな声]
お褒めにいただき、光栄至極。
[おおげさに狐は言って、わらう。
それから、枝を蹴り、地面に降りる。
音のしたほう、ネロの居るほうへ。
手を差し出して]
つかまるか?
別に、褒めちゃいないんだけどねぇ……。
[さらりと言いつつ、自分も下へと向かい。
ネロが無事そう……と確かめたなら、自身は聖殿へと足を向ける。
昨日は疼きに煩わされて出来なかった事──封印の経緯などを、*長老へ問うために*]
[着岸する位置まで泳いで、水からあがろうとしたところで
声に気づき]
あは、狐さん〜。うん。つかまるつかまる〜。でもネロは自由だからね〜。あはは〜
[と差し出された手を握って、水からあがり
耳に入った水を追い出すよう頭を振る。まだ枝の上にいるアヤメには気づいていない]
―回想―
[聞こえた言葉に、細い目を限界まで見開く。
アヤメを下して首をコキリと鳴らした姿のまま動きを止め、言葉を発したカレンを見て。]
…ジョエルが、中、に……?!
[ふらりと、結界樹に近づく。
その大きな幹に手をぺたりとつけ、俯いた頭を擦るようにつけると、長い間そうしていた。]
[水に濡れた子どもの手が、狐の手を掴み、力をこめる。
引き上げた岸の上。
振り返ると降りてきたアヤメがいた。]
ああ、行くのか。
気をつけて。
[見送り、ふたたびネロに目を向ける。]
そうだろうな、お前は自由だ。
[耳から水を出したあたりで、降りてきたアヤメに気づき。
無事だよ〜と陽気に答えた後、手をぶんぶん振って去っていくのを見送りつつ
ともに見送ったケイジが視線を戻したのを見て]
うん。ネロは自由〜。誇りとかはいらないの〜
[と、唐突にいって、結界樹のほうまで近づいていく]
―回想―
[カレンに声をかけられれば、アヤメを再び背に乗せて施療院まで運ぶ。
道中、アヤメを元気づけるか自分を誤魔化すかのように軽口を叩く。
施療院へつけば、その外で蹲る様に座って腕の中に顔を埋め。
朝までそうしていた。]
[結界樹へと近づく。
後を追うようにしているケイジに特に振り返ることもなく。結界樹へと手をぴたりと触れて。下から上までじっと、じぃぃっと見て]
変わってない、おっきくなってなーーーーい
増えたっていってたのに、なんでかな〜?
[首をかしげる]
うん。増えたっていってた
えっと。翠流が二人?
[思い出すようにいって、また確かめる。人が増えたのに大きくなってないのを不思議がる。そもそもクローディアが増えたときに変わっていなかったことを忘れている]
このなか……狭いのかなー?
[流石に、寝ていたようで。
スティーヴが来た事に気がついて顔をあげ、一緒にアヤメの寝ている筈の部屋へ行って抜け出したと聞けば、何とはなしに責任を感じた。]
俺、探してきます…!
[言い置いて、同じその窓から外へと飛び出した。]
―→現在:空中―
そうだったな。
リディア殿は、長老殿が封じた。
そして、付き人殿は――おそらく、堕天尸が。
さァ、狭いか広いかは知らないが。
広いんじゃないか。
あは、そっかそっか
[二人の名前に特に見当もないので頷くだけ
ジョエルのほうとは喋っていたのだが、気づきもせず]
うん。広いならよかったね。広いほうが楽しいよ。
でも…狐さんはいなくなるよりも、いたほうが楽しいんじゃないの?
[もう結界樹を見るのもやめて、狐面を見る。陽気に楽しそうに]
[面の下で哂うケイジを見る。面はいつものままだが]
あはは、狐さんはそうだよね〜。うんうん
[それでも納得したように頷いて]
うん。僕も楽しいよ。例え
誰が堕天尸でも。
……誰が消えても。
あなたが兎の面でもね〜。あはは
あはははははは
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