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ヨハナさんにもいろいろありそうだな。
[その言葉と様子になにか自分達以上に重ねた年月の重みを感じ]
俺も、いや、
きっと村の皆もヨハナさんのことは大切に思ってるんじゃないかな?
15年も村出て行ったきりの俺がいうセリフじゃないかもしれないけどな。
……予測が、正しければ。
[ごくごく小さな呟きを家主に返して、軽く、目を閉じる。
思い返すのは、団長とのやり取り。
「村を守る」という言葉。
累積するのは、嫌なイメージ。
そのイメージと、周囲を飛び交う『旧知の会話』というのがどうにも息苦しく思えて、一つ、息を吐いた]
さすがに、皆に心配かけっぱにしとくのも悪いだろう。
言っただろう、人のつながりは重要だってな。
[ゼルギウスに笑いかけてから]
だろうな、あの時薬渡す時のお前なんかおかしかったからな。
悪いが第一の被検体はどこかの誰かにやってもらったぜ。
[ゼルギウスにいい笑顔を返して]
まぁ、今度はもっと出来のいい薬をできれば俺以外のやつで実験してからで頼むぜ。
[マテウスに頷いて]
まあな。ウェンデルは昔は道で俺に会ったら嫌いは嫌いなりに「イーだっ!」とかしてたじゃないか。
そういうことをしなくなったよなあ。流石にそういう年頃じゃなくなったんだなあ、と思っていたが、なんかその代わり、視線が合わなくなったな……
そこまで嫌わなくてもいいだろうよ、と思っていたんだが、そういえば、他の懐いていた連中に対する態度も変…だよな…???
[今になって漸くウェンデルの変貌に思い至ったようだ]
婆もそう思うか。…うん、その通り…だな。
何時になるかまでは聞いてないが…待つしかないか。
確かに、騒々しいというか姦しいというか。
…まぁ、薬師殿も来てるし、マテウスが15年ぶりに帰ってきたのだけでも大きいしな。
[ヨハナに言いながら、普段と変わりないように見えるヨハナに、安心したようにうっすら微笑んだ。]
元気でよかったなという村からの快い挨拶だろう。
対薬師殿限定のな。
[あまり行き倒れに会う事も少ない村。好意的に見れば、愛され珍重されているという事だろう。
ゼルギウス側から見れば、ぐったりするような挨拶だろうが。
様に悪い悪いと軽く笑みながら返して。]
まぁ…ヨハナ婆が言うように、待つしかないか。ギュン爺を。
そういう所は、十分可愛いんじゃないかなぁ。
[再び紅茶を啜りながら、ナターリエにも茶々を入れる。
今だけでもこの空気を楽しみたい。そんなことを考えながら]
寝てるところを叩き起こす、とか。
俺も戻ってきたところで捕まったけれど、一度思い込んだら容赦ないな、自衛団の連中。
[イヴァンの言葉にふっと息を吐いた]
そういや、ベアトリーチェ。
君も休んでいたところを無理やりとか…?
[これまで殆ど話したことも無い相手だったが。
療養中ということくらいは噂に聞いていたらしい]
ふふ。
こんなお婆ちゃんでも、一応、女性ですから。
それ以上の詮索は、駄目ですよ?
[人差し指を一本立てて、口に当てる。
そして、その後のマテウスの言葉には、驚いたように口を開けて]
おやまあ。
そう思ってくださっているのですかねえ?
それなら嬉しいことですけど、私にとっては、いえ、親にとっては、ただ子を想うだけで満足なのですよ。
だから、それ以上を望むのは、私にとっては大きすぎて……。
[それでも、嬉しそうに老婆は笑みを浮かべる]
そうか?正直な感想を述べたんだけどな。
[ナターリエが赤くなり背中を叩くと結構いい音がして]
痛っ、
[背中をさすりながら]
そうか爺様にさらわれたんじゃしかたがねぇな。
ほら、昔みたいにおにいちゃんって飛び込んできていいんだぞ。
[ウェンデルにしたように両手を広げる]
なんだよ、エーリッヒまで。
皆俺のことどう思ってるんだ。
俺はこう見えて人情にあついんだぜ?
[少なくとも傭兵の言うセリフではない]
ところで気になっていたんだが。
いやな、こう懐かしい面子ばかりみていてさらに思ったんだが。
そっちのエーリッヒと話してる、
[ライヒアルトに視線を向けて]
どっかであったことあるな。
ああ、そういえば特にイヴァンはウェンデルに嫌われてる節があったかもな。
[その後のイヴァンの疑問には首をかしげて]
そうか?
俺には昔と代わらないウェン坊のまんまに見えるが。
[確かに態度のとりかたとかは変わったけどなと笑いかける。
呼び名は本人がいないせいか昔のまま]
そう。その笑み。
[ナターリエの微笑みに、老婆が嬉しそうに目を細めた]
女の子なんだから、そのように笑ったほうがずっと可愛いですよ。
お前は、昔から思い悩んでは、難しい顔をすることの多い子なのだから、もう少し笑顔を多くなさいな。
そうしたら、お前のような可愛い子は、引く手あまたになりますよ?
[老人らしいおせっかいを焼きながら、老婆が笑みを携えていた]
だからその真面目っぷりが意外だっつの。
言ってることは同意できるんだけどさー。
って、お前なんてことを…!
お前だから多少影響出ても大丈夫だと思って渡したのに!
[それもどうかと]
結果かぶれのことが分かったから良いのかな。
その人には悪いけどさ。
おぅ、もちろんもっと良いのを作って見せるさ!
お前で実験したら意味がないことは良く分った。
[最後はマテウスに対する厭味だったかも]
はは…それは災難だったな。
自衛団が元気なのはある意味良いこと、ではあるんだが。
[イヴァンをちらと見た後、視線は別な方を向けたまま低い声で。
一応他に聞こえないよう声を潜めたが、この雑とした空間では、どこに拾われたかは分からない。]
ああ。…私見だが、爪や牙の跡――獣にやられたような傷だった。
だが獣なら、人間が”容疑者”として集められる理由にならん。
最悪、獣狩りをすればいいだけだからな。
…一体、何が起こっていると思う?
[あれは人がやる殺しではない。
だがあの死体を見た後では、あまり楽観は出来なかった。]
……は?
[不意に向けられた視線と、言葉。
今までは、半ば意図的に逸らしていた意識がその主へと向けられる]
いや……それは。
気のせい、だろ。
[とっさに口をついたのは、否定の言葉]
(……覚えてなくてもいいだろうがっ……)
[同時、内心に零れるのは、こんな言葉]
ちょっと待て。
それは俺が喧しいということか。
[ナターリエがヨハナに向けた言葉を聞き咎める]
[実際喧しいのだが]
[けれどその突っ込みの勢いも次の言葉に意気消沈]
俺限定かい。
[案の定ぐったりしました]
[続く言葉には、ん、と短く返事をして]
しゃーないから待つことにするよ。
それで何か分かるんだったらな。
そんなものなかね?
[ヨハナの言葉に思考をめぐらせ]
俺もいずれ年取ればわかるようになるのかもな。
若い時分には見えないことは多い、年をとってからわかることがたくさんな。
[ヨハナに笑いかけて]
まぁ、まだまだ俺は若輩者だからヨハナさんからはたくさん学ばないとな。
[同居人の言葉に一瞬睫を伏せる。
何をどこまで知っているのだろう。自分のように御伽噺に引っかかりを覚えているだけでは無い気がする。
それでも溜息は押し殺し、何でもないかのように表情を戻す。
今のこの空気が心地よくて。壊したくなくて]
情に厚い傭兵、ねえ。
ま、小まめに近況を書き綴るマテウスとか、昔のことを考えてもあまり想像つかんですよ、と。
その辺も皆、変わってきたということかな。
[傭兵という仕事。実際にどんなものなのかは知らない。噂で聞くようなそれは、どちらかというとドライなもので。
それでも昔のマテウスは確かに頼れる兄だった。
だから冗談めかすようなからかうような口調で軽く返し]
ライ?
知り合いなのか?
[同居人を、今度は顔ごと振り返った]
気のせい…?
いいや、どうやら気のせいじゃないな。
[じっと顔を見つめて]
ライヒアルト…
[名前を呟き]
眼鏡…やめたのか…?
[ぽつりと聞いた]
13人目、迷子 エーファ がやってきました。
[バタンという音と共に扉が開き、粗末な黒いチュニックとズボンを身につけた12、3に見える子供が一人、自衛団員に突き飛ばされるように入って来る]
あ……!
[外の雪に靴が濡れてでもいたのか、そのままバランスを崩して、ぺたんと床に手と膝をついた]
やることはしっかりとしないとな。
信頼ってそういうもんも大事だろ?
たしかに普段はちょっといい加減に見えるかもしれないけどな。
[その後のゼルギウスの言葉にじとーっと咎める目で]
それは俺のセリフなんだが…。
まぁ、今回はよかったってことで勘弁してやろう。
納得はいかんが……。
―――獣。
[ナターリエがイヴァンへと囁いた言葉は、老婆の耳に飛び込む]
―――殺人の容疑者。
[続く言葉。
老婆の中に収められた膨大な知識の中から、思い浮かぶのは一つの伝説。
それは、先ほど一瞬だけ頭をかすめ、そのようなはずはないと一蹴した物語]
―――……。
[―――人狼。
そのような言葉が頭に浮かんだ]
―――御伽噺の中に含まれる一片の真実。
[遠い目。
その小さな呟きと共に老婆の頭の中に浮かんでいるのは、どのような思い出なのか。
それは、老婆自身にしか知りようのないことだった]
講師補佐 アーベルが村を出て行きました。
[マテウスにとほほ、という表情を向けて]
何だぁ。やっぱり俺だけかよ。嫌われてるの。
ウェンは兄貴に懐きまくってるから、同じように兄貴にまとわりついて行ってる俺のこと嫌ってるってのもあるぜ、絶対。あいつはまだ小さくてついて行けない場所に行った話とかさんざん自慢してやったもんな、俺。
はあ。
いやまぁ、情と仕事は別ってな。
[エーリッヒに笑いかけながら]
細かいとはいかないが、
無事してることと最近あったことで思いついたことをちょこちょこ書いてたな。
[ゼルギウスを指差しながら]
たとえばこいつのこととかな。
13人目、講師補佐 アーベル がやってきました。
どうも、あの後何か…
[広間に顔を出し]
て。
えらく賑やかだと思ったら、何だこの人選は。
[その姿勢で止まり][眼を細める]
[面子一人一人を見定めるように]
まさか。
皆さん容疑者、…とか言わないでしょうね。
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