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[そんなこんなを話していると、厨房に入ってくるナターリエの姿に気付いて、老婆は優しい笑みを浮かべて、会釈した]
あら。
こんにちわ、ナターリエちゃん。
[自分の手をみつめて]
あの時しっかりつかんでいてやればって、
ふぅ…、思ったより気にしてるのか俺は。
[後半は半ば独り言に近く]
まぁ、いくわ。
[その場を後にして階下へおりていった]
[唐突な問いかけ]
[それが何を意味するかは直ぐに理解出来た]
……ああ、選ん、だ。
[やや、歯切れは悪い]
[しっかりと選んだつもりだったのに]
[選んだと、今言葉にしたはずのに]
[どうしてこうも揺れてしまうのか]
そうとも、取れる、な。
[要素の話には、短く返して。
投げ渡された欠片。
それと共に向けられた言葉には、薄く笑むのみ]
……ま、妥当な思考だ。
[マテウスの姿が見えなくなってから。
零したのは、こんな呟き。
顔貸し云々の話には、やはり、どこか渋い表情だったとか違ったとか]
こんにちはヨハナ婆。
[彼女に対しての警戒は薄い。
幼馴染等とは違うものの、ずっと村に居た老婆。疑う意志は薄かった。いや、そもの頭数に入れる事自体が稀だった。
それくらい、彼女の存在は薄く消えてしまうことがあった。]
…何の話をしてるんだ?
[会話に怪訝そうな顔をする。
団長がどうとか、人狼がどうとかいう話だとは思ったが。]
[唐突な問いに]
そうだよ?
だ・か・ら、たーべちゃーうぞー!
[がおー、と言いながら噛み付くふり。]
…えへへへ、人狼に見える?
[一階に下りると、探し求める小さな姿。何かに憑かれたように]
始末しなきゃ…みんなを、守るために……
[遠目に見つける、数人の談笑する姿、その中に探し求める相手]
[駆け寄っていって唐突に襲いかかり、その細い首を絞める]
[階下に下りるととりあえず厨房に向かった、
何か食べ物はと思いながら中に入るとゲルダとナターリエ、そしてヨハナの姿]
おっと、女性の秘密のお話中かな?
[話してる内容は聞き取れておらず入り口の前で声をかけた]
何かたべるものでもと思ったんだが、
お邪魔ならまた後でくるぞ。
え?
[いきなり、首を絞められる]
[首にかかる指を引っかく。腕を振り解こうとするのだけれど、手が届かない。]
……は…!
[突然のイヴァンの来襲]
[反射的に、持っていたトレイをイヴァンに対し投げつけた]
ベアタ!
[ガシャンと、食器やカップが落ちる音が響く]
食べる?
[おどけた様子にも、にこりともせずに、子供は瞬く]
人狼は、人狼に見えない。
[淡々と言葉を紡ぐ]
殺してみなければ、判らない。
……で。
家主殿、俺はほっといてもいいんで、下に行くなら、行った方がいいぞ。
ここは、冷える。
[幾分、和らいだ頭痛。
は、と一つ息を吐いてから、声をかけた]
―厨房―
あ。
[言われて初めて、食べられてはいないのだという事に気付く]
でも、それだと。
自衛団長様を相手に、そんなことが出来るなんて。
[真っ先に浮かぶのは、集められた人々の中で、もっとも力のありそうな従兄弟の姿。
自衛団の人間まで含めれば、そういうわけでもないのだが]
陥れると言われても、すぐには…わかり、ません。
[抑揚に欠ける口振りに、珍しくも困惑の色が浮かぶ]
[トレイを投げつけられて一瞬手を離す。再び小さな姿を探し求めるが、標的は既にゼルギウスの背後にしっかりと庇われている]
そこをどけ、ゼルギウス!!
[一歩、横に避けた。
食器が宙を舞い、音を立てる]
…どちらが人狼でしょうね。
[左手を握る。他者の目に映る動揺は、ない]
分からないのなら、どちらも。
[マテウスがライヒアルトに投げた破片。
軽く目を伏せた。何度も見たいものでは無かった]
まあ、俺も下行くか。
お前はどうするんだ。
[先の会話は届いておらず、同居人に問う。
その僅かな時間に、事態は急変してゆくのだが]
[首から手が離れたところをベアトリーチェの手を引いて後ろに庇い]
黙れ!
ベアタは殺させない。
絶対に。
[護る] [護る] [護る]
[先の迷いは消え、それだけが頭を支配する]
[階段を降りていく姿を見送り、は、と息を吐いてその場に座り込む。
猫が、案ずるように、鳴いた]
……逆らう思考は、痛みに阻まれ……。
受け入れるならば、無常の喜び。
……イヴァンを。否定するな、と?
[痛みの理由を辿り、呟く。
下からの物音が響いたのは、その時か]
……ち。
物思いにぐらい、耽らせろ……!
[子供は、ゼルギウスの方へと歩く]
邪魔をしては、だめ。ゼルギウス。
きっと、どちらかが人狼だから。
[ポケットに手を入れる。ハンカチに包まれた鋭いカップの欠片は、今もそこにある。余りにも、華奢な武器ではあったが]
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