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─森─
……あららぁ、猫君ですかぁ。
そんな所に隠れて、何をしてるんですかぁ?
[返って来た声に、素で返した。
白い鳥、くるると鳴きつつ、ばさりと一つ羽ばたき。
こちらはどうやら、呆れている様子]
別に大きく動かなきゃ鳴る訳でなし、気にしなきゃいいのにねェ。
せっかく可愛くしてもらったんだから我慢おし。
[鏡に向かって何とも言えない顔つきで動かなくなった猫に言い置いて、寝床でバラバラに千切られていたマタタビを今の内にと暖炉に放り込んだ。
それから栗を水に浸し、ほんのり温かいシュトゥルーデルで一息]
[挨拶されて思わず頭を下げた後、空を見上げてみた。
丁度太陽が雲に隠れたかも知れない。
そこには突っ込みを控えたが]
そこまでは小さくないが。
[訂正箇所は他にもあるだろうが、一瞬しか見ていなかった為に言ったのはそれだけだった]
─森─
何にもしてないなら、隠れなくてもいいんじゃないですかぁ?
[こて、と首を傾げつつ、素で聞いた。
それから、投げられた問いに]
ボクですかあ?
ちょっと、調べ物を。
昨日から、村の周りに違和感みたいなものを感じるので、それが何かを確かめようと思ったのですよ。
[太陽が陰った後の沈黙は気にしないことにした。
もとから無口な人だって母さんも行っていた筈。]
えっ!
もっと大きいですか?
……これくらい?
[取りあえず膝立ちになってみた。]
…それにしても。
面白そうな妖精の訪問なら大歓迎だが、崖崩れがソイツに関係してたりしたら嫌だねェ。
違和感どうのこうの言っとるのもよく判らんしなァ。
お前は何か感じてるかい?
[ただの村人である婆には封じられた事などわからず、一方的に猫に話かける。返って来たのはやる気の無い尻尾一振り]
茸採りがてら見るだけ見てみるかねェ。
お前もおいでツィムト。何か変なものを見つけたら教えておくれ。
……閉ざしてる、壁?
[ティルの言葉に、眉を寄せ]
やっぱり、結界系の術が施されているの……?
ええと、その壁は、村全体を包み込んでいるのかしら。
だとしたら……やっぱり、何かを封じるための陣……?
―― 森 ――
[ミリィが眉を寄せる様子に首を傾げる]
なあんだ、気がついてたんじゃないの?
魔女のくせに鈍いなあ。
うん、村は覆ってるんじゃないかな、森の端っこに壁があったから。
きっとあの変な妖精の輪のせいだよ。
[言いながら、特に深刻な表情は見せない。むしろ楽しそうにぺらぺらと]
あんな妖精の輪、見たことないからね!
森の妖精だって、きっと怯えてるんじゃないかな。
─森─
確かにボクは魔女ですけど、力の半分は抑えられているんだから、仕方ないじゃないですかぁ。
[鈍い、というティルの言葉に、ちょっとだけむくれてみせた。なんか色々とあるようです]
村全体を覆う陣……その力の反応は、高位妖精のもの。
なんだか、昔話の状況に近いですねぇ。
[思い返すのは、守護妖精の伝説の一端、妖精王によってかけられたという封じの陣]
……変な、妖精の輪……ですかぁ?
見た事ないって……どんな風に、変なのです?
合格ですね!
[同意を貰い、嬉しそうにきょろきょろしながら歩き出す。
数歩で立ち止まると振り返った。]
これ、歩きにくいですね……。
こんな大きさで歩けるなんて、さすが不審人物……。
って、なんで首を傾げてるんですかー!?
―― 森 ――
へへー、それじゃ半人前魔女なんだ?
[箒を怖がっていた反動か、力を抑えられていると聞くと、途端に態度がでっかくなる]
変は変なんだよ、判んない奴に説明したって、どーせ判んない。
[ふふん、と鼻を鳴らした]
[ぽかんと見送り、どれだけ経ったことやら。
元気な老人を追うことはさっくりと諦めて、好きに動くことにした。
普段よりは静かな森、賑やかなやりとりの源を辿るのは容易で]
……へー。
俺以外にはお喋りなわけな。
[二者のやりとりから幾らか離れたところで、声を発した。
少年の背後寄りのその位置は、死角になっていたのだろう]
あら。
[急に態度が大きくなった様子に、くすり、と笑んで]
……それでも、魔界の皆様のご助力を願うくらいは、簡単にできるんですよぉ?
[にこにこ。
でも、目だけは笑ってません]
それはさておき……妖精が見ても、異変を感じる妖精の輪、ですかぁ。
それを押さえるために、結界が張られた、と考えるのが妥当なのかしら。
……でも、だとしたら、守護妖精様は?
おかしなものが近づけば、退けてくださると思うのですけど……。
もっと小さかった、かな。
[記憶は曖昧らしい。
首を捻り。
それはそうと、膝立ちのまま歩く少女を見て]
…それで歩かなくても。
[やや遅い突っ込み]
あ……あらら?
[唐突に聞こえてきた声に、きょと、と瞬き一つ]
……エーリ?
いつから、いたんです、の?
[こっちも気付いてなかったようです]
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