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[ナターリエの、ぽつりと呟いた声を耳に拾い、
眼鏡を人差し指で上げつつ目を向ける。]
あぁ。
…――犯人、とやらが居ればですが、単独犯とは限らないのですね…。
異変に便乗して色々な思わくを持った者が竜郷を狙わないとも限らない。
時は一刻を争う、かもしれませんね…――
[眉を水平にして眉間に皺を寄せ
表情を険しくする。]
少なくとも。
ちゃんとした証拠が見つからない限りは、誰が、もしくは、何があって、ギュンターが消えたというのは分からないですわぁ。
誰ぞ。そういうのを調べるのが得意なのは、いなかったでしたっけねぃ?
ふむ。
[エーリッヒの言葉に少しだけ考え込む]
仮に、仕掛けたものがそう仕向けたのだとして、ならば次は、何故ギュンターを、この後に及んで結界内に入れる必要性があったのか?ということですわねぃ。
調べるの、ですか。
私には無理ですが誰か得意な方がおられれば…――。
[ナターリエの続く言葉には、小さく答える。
ふむ、と低い音で唸った。]
―食堂―
ひとつ、剣に関する情報を知っていると思った。
ふたつ、文武共に優れる皇竜の側近。事を運ぶのに邪魔だった。
みっつ、何か情報を知られてしまい、口封じのために押しやった。
[順に、指を一本ずつ立てながら呟いた]
憶測は幾らでもできるでしょうけれど、本当の所は分からないわね。
なるほど。
[ブリジットの言葉に小さく頷いた]
けれども。
ひとつめは、ちょいと考えにくいですわねぃ。ギュンターに聞かなくとも、他の随行者達の情報で充分。足りなかったとしても、それ以上を聞き出せるとも思いませんもの。
ふたつめ。それこそ、竜王様達と一緒に押し込んでおくべきだったと思いますわぁ。ま。竜王様達を優先した結果ギュンターだけが外れていた、とも考えられますけどねぃ。
みっつめは一番可能性のあるところですかねぃ。それなら、ギュンターの足跡を探ると何か出るかも知れないですわぁ。
[受けた情報を元に、自分なりに解釈して、考えを口にする]
[暫く空のカップを手にしたまま耳を傾けていたが、やがて立ち上がって必要の無いカップを下げ、おかわりが必要そうなら注ぎ足す。
そして考えに沈みながらギュンターがいる結界を見に*足を向ける*]
―食堂―
[意見を発展させてくれた水竜へ、感謝の意を込め微笑んだ後]
よっつめとしては、微妙なところだけど。
ギュンターが、剣を持っていると思った、とかね。
何にせよ――
[何か言いかけたところで、頭を過ぎるのは命竜の言葉。
一度だけ首を振るって、席を立つ]
私に出来そうなのは、結界を解析することだけです。
また少し、部屋で進めてきますね。
[その場に残っている竜たちへ一礼し、食堂を*後にした*]
ああ。
それから。
機鋼のが言ってましたけれども、
『あの結界に、人を閉じ込めたり出来るのはそれを仕掛けた者だけ』
これは70点ですわねぃ。
仕掛けたもの。
もしも、それに協力するようなものがいたのならば、この限りではないですわぁ。
誰が、何を、何の目的で、何をしているのか。ということは、共通であるとは限りませんからねぃ。
まあでも―――。
[くいと残ったお茶を飲み干した]
―――この騒動自体は、結界を仕掛けたものを見つけて対処すれば終わるのでしょうけどねぃ。
[食堂を出る間際、聞こえてきた水竜の呟きには]
早く、終わらせたいものですね。
その為にも、少し頑張ってきてみます。
[そう呟き返して、頷いた。再度一礼し、個室へと*戻っていく*]
[ことりと、空になったカップをテーブルに戻すと]
―――ごちそうさまですぁ。
体に染み渡るほど美味しかったですわよ。
[ある意味それは、水のものとしては最大級の賛辞でもある]
じゃ、少し私は眠りにつかせていただきます。
お休み。
[小さなあくびをまた漏らしながら、ナターリエが与えられた自室へと戻り、着ている服を全て脱ぎ捨てて全裸になってから床についた。
もし、誰かがナターリエの様子を見に来たら全裸のナターリエと*遭遇することだろう*]
[去るアーベルの背を見送ってから、ブリジットとナターリエへと目線を戻す。
険しい表情のまま、口を引き結ぶ。]
協力するもの。
それも含めて裁かねばなりませんね。
最も、この行為自体の目的も判らねば無理ですが。
善か悪かすら――曖昧で、苛々しますね。
[ふぅと深い溜息を吐き出した。]
[影輝の竜は一度戻るという。
それをきっかけに、戻るという声。
己もまた戻ると告げ、それでも暫くは話を聞いている。]
[エーリッヒは残るという。]
心配がられませんか?
[決して子供扱いをしているわけではないのだが。
それから流水と雷撃の竜の言葉を、悩む顔で聞いていた。]
[自分にもそういう力は無いと首を振って、やがてその場を立ち去る。]
[とにかく一度は戻らねばと、竜皇殿をはずれ、竜都の端から闇の竜となって飛び立った。
戻ると双子らが抱きついてくるのだが、それはまた*別の話*]
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