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[肩の上の白い彼の相棒に目をやり、再びオトフリートに視線を戻して少し首を傾けた。]
宿につくなり気を失うのは、無理、だと思う。
…何かあった?
……はは。返す言葉もございません。
[実際、無理をしているのは感じているので否定すべくもなく。
引きつった声を上げる彼を、白梟は呆れたように見つめていた]
ええと……昨日の騒動の事は聞いた……のかな?
それと関連して色々と調べたりしていたら、身体がちょっと追いつかなくなっただけ……なんですが。
―Kirschbaum2F・朝―
[結局眠りはしなかった。ぼんやりと窓の外を見ている]
変なの。
一見バランスは保たれているのに、綺麗じゃないの。
[その理由はまだ彼女の知る所ではなく]
やな感じ。
[ただ桜の花弁が舞い飛ぶのを目で追い続けていた]
感じましたか……。
今、この町にいる力ある者は皆、何かしら感知したようですね。
[頷きの後、投げられた問いにはやや表情を引き締めて]
調べていたのは……書の行方。
時空を渡る我が力の欠片にて、失われしその力の追跡を。
……未だ、答えは還りませんが。
ー教会・私室ー
[いつもと変わりなく、夕べのミサを終え、聖書を手に、戻ってくる]
ああ、判っている。追ってきているな。
[足下の影に現れた黒猫に、笑みを向ける]
この世ならぬ空間も跨ぎ超えるとはさすが時空の竜殿だ。しかし、まだ追いつかれるのは面白くない。
[手のひらを、黒猫にかざす]
書は、自らの意思を持たぬ存在。
それならば、何者かが持ち出した、と考えるのが、自然。
……犯人を直接追えれば一番いいんだが、何せあの時俺が捉えていたのは書、そのものの力。
それを追跡するようにと、輪には命じてある。
[それにしても、相当に撹乱されているようで、中々たどり着けずにいる訳だが]
うーん。
やっぱり私には全然わからない。
[昨日彼までもが無茶をしていたから。
何か手伝えないかと思ったのだけれど]
やめておこう。
[息を吐いて窓を閉める。
これからどうしようかと考えながら下に向かった]
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