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ソレ、愛って言わねー。
[突っ込みを入れつつも、しっかり一口。
が、自分が作ったものとなると思うところもあるのか、
グラニュー糖の量がどうだとか、小さく呟いて]
あー、冷た。
………いいや、今日はもう寝る。
作る気力も失せたし。
グラニュー糖ってなんスか。 美味いと思うんすけど。
ま、ゴチソウサマでしたーって事で。
[ありがとございました、とけらり笑いながら
スプーンを器の中へカランと投げ入れて。]
ういッス。俺も腹いっぱいだし、寝よっかな。
…で、この皿どうすればいーっスか。
[部屋で雑誌を読んでいると、僅かに顔色の悪い気のするフユが部屋に入ってくる
電気をつけたまま寝ていいかという言葉には]
はい? まあ……いいですけど?
[首を傾げながらも承諾の返事を返す]
しかし、何か下が騒がしいみたいですけど。何かあったんですか?
[そう問えば彼女はヒサタカのことを語るだろう]
……へぇ、アズマが言ってた転校生って噂の弓道部の元エースだったんだ
2年に編入……それはそれは。興味深い、かもしれないですね
[クスクスと笑う彼女の真意はきっと同居人も*量りかねるだろうか*]
砂糖の一種。入れ過ぎたかなぁとか。
[腕を組んで空の器を見やり、]
今ここでオレに渡すか、
給湯室に置いとくか、
給湯室で洗って棚に戻すか3択。
後になるほどベター。
[どれにするー?と冗談めかして問いかけて、
返答次第で給湯室に向かうなり、*自室に戻るなりするだろう*
…機嫌は一応、治ったらしい。
嫌な事はすぐ忘れるタイプだ。]
―昨夜―
それでその子、雨の中に外に出たんですよ。
そしたら……なんにもいなくって。
だけど家の中に入ったら、やっぱりコンコンってノックの音がするんです
[ひっそり声でそんな話を続けて。
当然せんぱいが怖がっているなど気付かず……にいたのに、あっさりひっかかった]
えぇぇ!
台風じゃなくて麻薬だったんですか!?
[すごーい!とやっぱりきらきらした目を向けて、しばらくは話したり、テレビを見たりしていただろう]
[対して義兄は、妙に真剣な様子にたじろぎつつ
内心いろいろつっこみをいれたかったかもしれないが
目を泳がせて]
「こわがっては、いませんよ」
[苦手なだけだというのはさすがにいわず、
おとなしく義妹のそばに腰を下ろし、
どこに集中しようかと*顔色変えずに考えていた*]
─昨夜─
[適当な所で話の輪から離れ、自室へ。
部屋には、いつの間にかケンが戻っていた]
「おっかえりー、どっか寄り道してたん?」
ん、ちょっと一階にね。
[竹刀を壁に丁寧に立てかけつつ、共有スペースでの出来事を話し、自分の机の椅子を引っ張って腰掛ける。
携帯を開いて見れば、下で話している間にメールは結構たまっていた]
「お、メール? 誰からだよ」
んー、七恵姉さん。
「……なんだ、ナナ姉かよ」
なんだって、なに。
[妙に残念そうなケンの言葉に、呆れたように突っ込みを入れて。
食事会のレポートを一通り読み終える]
ほんと、何はしゃいでるんだか……。
[やれやれ、と言いながら、レポートお疲れ様、という言葉と、それからヒサタカと話した事を打ち込んだメールを送信し、一息。
……次に来るメールには、ヒサタカ留学時に飛び交った噂が事細かに記されているかも知れない]
「……ところでさー、マコト」
ん? どーかした?
「あー……うん」
……なんだよ?
「あーっと……あ、英語の課題できたら写させて」
[妙に深刻な雰囲気で切り出してきたから何事か、と。
身構えていたものが、その一言で瞬間崩壊し]
……自分でやれよ。
[一言で切った]
─剣道場/早朝─
[その後、妙に大げさに泣きつくケンを軽くいなし─まあ、この辺りは昔からやっている事なので、互いにどこまで本気かはわかってるのだが─て、眠りに就き。
翌朝、早めに朝食を済ませるとすぐ剣道場へ。
誰もいない早朝の空気の中、上座に向かって精神を集中した後、*一人、朝の自主練開始*]
─寮・自室─
ま……アンタと同級生ってことに
なるわね。
[同居人の真意は杳として知れずまま、煌煌と明かりを灯して夜は更ける。寝そべり小説の頁を捲るフユの指は、頑として止まる事をしないまま。時折吹く夜半の風に不安げな目を向けているといつしか鳥のさえずりが。
要するに]
……殆ど寝れなかった。
[結局、フユが眠りに着いたのは朝方だった。
それからは、普段ならとっくに起きている時間を過ぎても眠り続け、昼までは寝たり起きたりと、全く休暇中の学生らしく、またフユらしからぬ様子で、怠惰に*過ごした。*]
−早朝/公園・コート−
[ダン、ダン、ダン―――
跳ねるボールの音は体育館内に反響はせずに、
僅かな鈍さを感じさせつつも、青に溶け込んでいく。
天を仰ぐ。晴れ渡る空に、流れる雲。
目覚めて間もない太陽は、まだ低い位置にあり、
目指すバスケットゴールは、より近い位置にある。
それでも人にとっては遠く、けれど望めば届く場所。
それを臨んで、目を伏せて、息を吐き出して。
全ての動きを止め、手の中にボールを収める。]
[距離は、3m。高さは、3.05m。近くて、遠い。
足を肩幅より少し狭めに開いて、右足を半歩前に。
軽く内側に入れながら、通常より深く膝を曲げる。
もっと、高く飛べるように、近くに届くように。
上半身は真っ直ぐ、ボードに正対して、力を抜いて。
右手で額の上にボールをセットして、左手を添える。
呼吸を止める。風の流れを感じる。
眼差しはゴールだけを捉えている。
ぱたり、汗の落ちる音が、耳の奥に響いた。
膝と足首のバネを使い垂直に飛び上がり、
両腕を伸ばして、少し遅れて手首を返して、
放つ。
宙を舞うボールは朝日に重なり、黒い太陽のようで。
打った後にも崩れず、指は目指す先を差している。
影が、山なりにリングへと、その上へと向かって飛び、]
[―――ザンッ、
ゴールを通り抜け、地へと落ちる。]
[世界に、音が戻る。
蝉の合唱が、聞こえる。
公園からは、微かな話し声。
夏の朝は、今日も、賑やかだった。]
………ぷはぁっ。
[転がるボールを見送って、座り込む。
隅で大人しくしていた仔犬が跳び回るボールに反応して、
待ってましたと言わんばかりにじゃれつきに向かった。
シャツを引っ張って、風を送る。
入り口の方から、近づく人影が見えた]
「先輩、相変わらず、フォーム綺麗ですね」
ぬぁー。…ハルヒじゃん。見てたん?
「えっと、3連続ミスの辺りから」
………結構前じゃんか、趣味悪ぃ〜。
「気づかない先輩も、先輩だと思いますけど」
[苦笑しつつ傍に立つ後輩に、じっとりと眼差しを向けるも
投げられたスポーツドリンクを受け取れば、あっさりと崩れる]
サンキュ、助かるー。
「にしても、体育館でやればいいのに」
オレもう部員じゃないもん、出来ねーって。
「それはそうですけど…」
ハルヒこそ、なんでここにいんの。部活はー。
「散歩です、散歩。部活は、殆ど自主練ですし」
[キャップを捻り、思い切り呷る。
喉を通る液体の冷たさが心地好い]
…あ、そーそー、ハルヒ。
「はい? なんですか?」
[暫し他愛もない話を交わしていたが、
ふっと思いついたように、声をあげる。
仔犬が、乗っていたボールから、ころんと落ちた。]
オレ、明日、誕生日なんー。
夜にでも、花火しよーぜ、花火。
構内じゃ怒られるだろうから、外でかな、やっぱり。
「…そういう事は、もっと早くに言って下さい」
[何も準備出来ないじゃないですか。そう眉を寄せる後輩に、
けらけら笑いながら、別に何も要らないしー、と返して]
夏休みに誕生日って、ビミョーにヒドイよなぁ。
………っとー。
そろそろ戻って、シャワー浴びて着替えないと。
バイト、遅れちまう。
「…今度は、遅くならないようにして下さいね。
ただでさえ、校則じゃ推奨されてないんですから」
あれはー。残業頼まれたんだから、仕方ねぇじゃん。
[反省の色なく言い訳を口にする先輩に、
先日の侵入劇を思い返し溜息を零す後輩]
おし、リュウ、行くぞー。
そんじゃ、またな!
[そんな様子も気にせずに、仔犬とボールを拾い上げ、
目覚め始めた朝の街へを歩んで、*寮への道を辿る*
1人と1匹の姿を見送り、ハルヒは、空を見上げた。]
村の設定が変更されました。
—女子寮—
[女子高生の発する、独特の嬌声が廊下に反響する。
小さな足音が行き交う。
それらの全ては混ざり合って騒々しい。
この日の夕、ベランダからは、夏の空にたなびく雲をのぞむ事が出来た。
暮れかかった陽は空の低いところを赤く染め、
それより上には紫色をした夜が滲んでいた。]
[授業の日程を終えてから幾日も経ったというのに
終業を告げるチャイムが、遠くで響いていた。
余韻が消える。
いっとき静寂が流れた。
どのくらいの時間が経ったかは判らないが、暫くして蝉が鳴く事を再開した。
時折何処かで、甲高い山鳥の声のように、誰かのはしゃぐ声があがる。
規則性のない、それでいて絶え間ない、あらゆる音は
不意に寄せる波のように響き続けて喧しい。]
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