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[己にとってはごく当たり前の場所。
けれどその自宅は、誰かと過ごすのは随分と久し振りな気がした]
…まあ。
こんな形で、だとは思わなかったけど。
[兄が茶を淹れるのを待つ間、そんな呟きを洩らした。
置かれた状況を思えば、久々のこの時間も素直には喜べない。
やがて香草茶の香りと共に、話は始まる。
最初の、上層部の決定にはやはり眉を寄せた。
もっと穏便にできないものか、との思いが過ぎるも、やむなきことと知ればそれ以上口出しはできず。
途中でミリィの名が出れば少し首を傾げるが、信頼云々には納得できた。
彼女がこういう時、嘘を吐かないことは己も知っている事だから]
[暫し間が空いて。
沈黙を誤魔化すように、茶を一口啜る。
味を感じる余裕はなかったけれど]
…以前。
そういうこと、か。
[再開された話。
不養生を注意する度に出る口癖のような言葉は、ただの強がりか何かだと思っていたのだけど。
同時にこの『月』さえ昇らなければと、そんな思いは表に出すことなく、服の上からその場所に触れるだけ]
[続く『解放』の話の間は、終始俯いて聞いた。
万一の話とはいえ、空気が重くなるのは致し方ないこと。
生者の、という言葉に暫し考えて]
ギュンターさんか。
…だから、2本必要なんだ。
[そう言った後は、また口を噤み。
聞かされる言葉、知らない場所の話にただ頷いた。
一つ一つ心に留め置くように]
[そうして、立ち上がる気配に顔を上げ。
映るのは穏やかな色。
張り詰めていた表情が、ふと緩んだ。
それも憂いを完全に消し去ることはできなかったけれど]
…ああ。
懐かしいな。
[まだ両親のいた頃。
同い年の少年たちと違って、その頃から内にばかり興味を向けていた己はしばしば苛められて、その度に幼馴染みたちに助けてもらったりしていたのだけど。
泣きながら帰って来たある日、たまたま家にいた兄がこんな風に慰めてくれて]
あの時は、何を作ってくれたんだっけ。
[目を細めた。
あの頃と違うのは、己がもう泣くような年ではないということ]
[そうして籠にいっぱいのヒカリコケを集めて嬉しそうに笑い、
キラキラ光る手を表裏とひらひらさせて何度も見た。]
たくさん。
ふふふ。
[籠を片手に下げてゆらゆら揺らし
リディに手を振って別れると、軽い足取りで向かうは家路。
籠の中からきらきらと落ちるヒカリコケが風に乗り、
人の家の中や外、色々なところに明かりを灯した。]
[くるり、家への道を手に持った花を回しながら、行く。
ふと歩きながら周りを見ると見ると、
「告示」と書かれた大きな紙が都市の中の要所要所に張られていた。
書いた字が躍っているのを見ると、上層部も色々焦っていたのだろう。]
…なぁに、あれ?
[高い位置に張られた紙を見上げて話し合う大人達に
後ろから声をかけてみるけれど、無視されてしまう。
そもそも見えたとて、文字が読めないのだから意味は無いのだけれど。]
……むぅ。
なにがいかんかったのだろうなぁ。
[腕を組み、ぶつぶつと呟きながら歩んでいく。
白はすっかり抜け落ちていたが、疑問は尽きない]
今は所有していないから白……は、
まだわかるとして。
あの爆発は絵師の力と反発でもしたか……?
むぎゅ
[変な声が出た。
ぶつかられた男は先程の声の主だと思ったのか、
気にもとめずに会話を続けている。
低い位置にある頭が誰か、見えなかったのだろう]
…………なんだ、なんだ?
[数歩引いてきょろきょろ。
身長が低くて見えない。]
……ん?
[大きく振られる手に、目を細めて見つつ、
そちらに寄る]
ああ、エリザベスか。
……元気か?
[ぱち、と瞬いて、近くで改めて少女を見た]
― 図書館・書庫 ―
[ヒカリコケのランプの灯りの下、ペンを走らせる。記録しているのは、先日来の絵筆盗難事件のこと。主観を交えず、事実だけを正確に書き記していく。犯人探しと、その処置に関する告知もすでに知らされていたので、記録はその内容まで書かれて止まった]
・・・・・絵師の手によって封じる、か。
[皮肉な笑みが口元に浮かぶ]
あの馬鹿には最悪に似合わない役柄だな。
[ペンを置き、懐から取り出した蜜蝋を、くちゃ、と噛んだ]
ごきげんよう!
[近寄るミリィに、笑顔で挨拶。
元気か、との質問にも深く頷き]
元気、元気よ。
だから何も要らないわ?
[矢張りすこし警戒が混じるのは
彼女の職業ゆえ、なのだけれど。]
…あのねえ。
[最後に置かれたことばに、思わず苦笑が浮かぶ]
それならばいいが、
アーベルが心配していたぞ?
こわいことでもあったのじゃないか、とね。
しんぱい?
[未だ全ての警戒は解かず、
ヒカリコケの詰まった籠を持つ手に力はすこし、
入っているのだけれど、
言葉を聞けばそれはすこし緩まった。]
心配、うれしい。
こわいこと…、ん。
[視線を空中に彷徨わせ、思い出した、と、頷いた。
青白く細いけれど女性として普通に身長のある方の彼女は、
小柄なミリィを見下ろす形になるかもしれない。]
綿毛畑に、いっぱい人がきて。
ここが、きゅうってなったの。
でももう治ったから、大丈夫、元気、よ。
[言いながら、白いワンピースの胸元を
空いた片手できゅっと掴んで見せた。]
綿毛畑に、か。
[落ちてくる視線を受け止め、僅か首を傾げた。
絵筆を探しに訪れたのだろうとは容易に想像できる。
声音はいつもより、いくらか和らげるよう心がけ]
ふむ、ならば驚いてしまったのだろうね。
大人達にも、困ったものだ。
もっとやり方があるだろうに。
……そう言えば、今日はそれを採りにいったのか?
[籠を見やり、問う]
[伸ばしっぱなしの、セルシアンブルーの髪を揺らしてうんと頷き]
起きたらまっくらで、びっくりしたのよ。
目を開けても目が開いていないみたいなの。
すごく、びっくりしたのよ。
[ミリィの言葉が和らぐのに、
自覚なく落ち着いてにこりと笑んだ。
その時ドン、と後ろに告示を見に来た大人がぶつかって、
小さくたたらを踏む。
あ、と思い出したようにそちらを振り返り]
あれ、なぁに?
[人ごみに背が届かずそれが見えないミリィに、告示が張り出された方向を指差して問うたのは、
別に意地悪をするつもりでは、決して無い。]
[懐かしい、という言葉。
辿るのは穏やかな頃の記憶。
思えば、自身がここに近づかなくなったのは、両親の『絵』を描いてから。
師父を看取った時とはまた、異なる苦しさに。
いつか、確実にそれを負わせる事実が重たく思えたから]
あの時は……ああ。
母さんの特製シチューを、伝授してもらいながら作ったんだっけか、確か。
久々に、作るか。
[思い返した記憶の内、明るいものだけを留めて動き出す。
慌しい外とは対照的な、穏やかな時間の後]
……じゃ、俺は一度、アトリエに戻るから。
また、な。
[いつもと変わらぬ口調でこう告げて、アトリエへと向かう]
─自宅→アトリエ─
[眼前で揺れる青は「海」のようだな、などとぼんやり思う]
それは大変。
どこか、ぶつけてしまったりしなかったか?
私の部屋だったら、惨事になりそうだ。
[所狭しと書籍や材料の置かれた作業部屋。
ヒカリコケを切らしたことはなかったけれど、
もしそうなったら、何が起こるか想像するだに恐ろしい]
開けている場所じゃないと、灯り一つでも一苦労だ。
[見上げても此処からは「空」は見えない。
ぶつかる音が聞こえて視線を戻し、大丈夫か、とエルザに手を伸ばす。
続いた問いに、彼女と同じほうを見やった]
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