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−→探偵事務所−
[アマンダが向かったのは、ハインリヒの事務所だった。
主の居ないその部屋は、助手であるユリアンの為にか鍵はかかっておらず、容易く入る事が出来た]
…何かある? 千花
「アンッ」
[鼻先を紙に埋めて探していた千花は、短く否定の鳴き声を返す。
人のしての文字も、おかしな気配も見つけることが出来ぬまま、アマンダは主のいない事務所で、困ったように腕を組んだ]
[ばさり、と。
大きく羽ばたく相棒の羽音。
同時に感じ取る、咆哮。それは]
……これはっ……同族の……イレーネかっ!
[がたり、と椅子を倒し、らしくない焦りを帯びて立ち上がる]
一体何が……ティル、かっ!?
まったく、そろいもそろって!
[苛立たしげに吐き捨てつつ、右手の腕輪から鎖を解き放ち、右腕に巻きつける]
[もう一度その方角に意識をやるも、既にその力は街を囲んだ結界に、押さえ込まれるように霧散し。]
…何が……。
[一度目の悲鳴は苦痛、だが…その後の咆哮は、困惑の色に聞こえた気がした。]
[頭に止まった花びらがふわりふわり。
桜の木の周りをとび周り]
そういうことか。あれは…ってどうした!
[突然花びらが激しく動き出す。
風とは無関係な軌道で、くるくるくるくる暴れ狂う]
…なにか、あったのか?
早く戻れ!僕も後から追うから!
[...の声に花びらがふわり宙に浮かび、
そのまますごいスピードで飛び去った]
ええ、見たところ大事は無かったようですが、少し心配ですね
[エーリッヒだけでなくハインリヒも消えたことを聞くと]
……そう。あの探偵さんも
[Kirschbaumへの誘いには]
そうですね。この街の中で現状に最も詳しそうなのは、あの人でしょうし
(あるいは……)
[小さく呟き、背後の教会を見上げる。そこに未だ居るはずの同居人。『あくまでいつもと変わりの無い』神父様。だが、軽く頭を振ると]
いえ、そうですね。行きましょうか、一緒に
[コエも返せぬほどに。
苗床は消耗し。
それでもゆるりと立ち上がる。
左の目の金は広がり。
それでもゆるりとそこへと近寄る。
血濡れの竜族の少女の姿]
[種と苗床は呼びあいて。
額にふわり、いつのまにか舞い戻る三ツ花か。]
苦しいか。
かの子の苦しみがわかるか
竜族の娘よ。
君に……
[触れようと手を伸ばすか]
全く、揃いも揃って愚か者の嵐だ。
…連れてゆけ。
[オトフリートの遣う鎖が解き放たれたのを見て、机に代金を置いて席を立ち、椅子をカウンターの下へ入れる。]
王、紅茶はまた後程頂きたく。
[ミハエルの言葉に、そちらを見やり]
ああ、全くだな。
影輝の王、すまん、緊急事態なんでな!
[叫ぶように言い放ち、右腕の鎖に意識を凝らして]
エターナル・ロンド!
『渡れ』っ!
[鎖に命じる。いつもの加速とは異なり、時空そのものを越える跳躍。
その勢いは、周囲の力ある者を無作為に巻き込むやも知れないが……気づかずに、声の元へ]
─…→墓地─
[振り返った視線の先には、緊張しきったダーヴィッドが]
あれ、ダーヴィッドさん。
ねえ今のって……
[その時横を抜けてゆく気配があった。
全身を強張らせる。この気配は]
…………。
[思わずナターリエの影に隠れるように。
歩き去るクレメンスから身を遠ざけた]
―現在・遺跡―
[浅い眠り。それを破る大気の震え。]
[びくりと跳ね起きる。]
……なんだ、今の……?
[再び聞こえる。ここより少し東側から。そちらを見やり。]
……竜?
[呟いた後、そちらへと駆けてゆく。]
―→墓地―
…多分、墓地のある森だと思う。
昨日もあの場所で、木が一本喰らわれていたし。
[困惑するブリスに声をかけ、どうする?と問う。]
[しかしかがむ拍子に、その足の力がふらりと抜ける。]
……は、まったく。
こんなになって、しまうなんて……
[力の欠如は、
力の供給を止めて。
それが奪うは当然――かわりとなるもの。
力の代わりとなりしは……
昨日の、樹へと捧げたしづくに同じ、苗床自身の……]
─墓地─
[ふわり、と。
滲み出るように現れる、姿。
力ある者の目には、一瞬重なるように不思議な影が見えようか。
黒と白の、龍の影]
……まったく……いい加減にしてくれ……。
[跳んだ先の光景に、こぼれ落ちるのは、ただ、嘆息]
−中央部・広場のそば−
[赤、黄、緑、青、白。淡いいろも濃いいろもとりどりに、花ばなは広場へと続く道のかたわらで、ほのかによい匂を漂わせ、花壇いっぱいに咲いて居りました。それはとても綺麗なのですが、端のほうには萎れたものもあったのでした。]
ぜんたい、どうしたのだろう。
[しゃがみ込んでじいと見つめながら呟くと、そばで世話をしていたお爺さんがこちらに顔を向ました。]
いって、みる。
[緊張を声ににじませたまま。
ダーヴィッドの問いかけにはそう答え]
ごめんなさい、先にそっちにいかせて。
[ナターリエに謝った]
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