情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 5日目 エピローグ 終了 / 最新
[1] [2] [3] [4] [5] [6] [7] [8] [9] [10] [11] [12] [13] [14] [15] [16] [17] [18] [19] [20] [21] [22] [23] [24] [25] [26] [27] [メモ/メモ履歴] / 発言欄へ
[ジーンズの上にTシャツを着ただけ、髪も整えていないフユと
ショートパンツの上にタンクトップを着ただけで、柔らかな髪を寝癖で乱したままのモモはふたり、ベランダで
熱気を失いかけている、夕暮れの風に吹かれていた。]
「珍しいよねーフユが一日中寝てるなんて」
……たまには良いじゃん。
「ちょっと浮腫んでる」
放っといて。あ、そういえば昨日さ、天野先輩と話す前に
ヨウスケ君と少し話した。
[風が止んで、蝉も一斉に鳴き止んだ。]
アンタ、なんか進展したの?
[モモは、からかうようなフユの声にも
ベランダの手すりにべったりと凭れてただ黙っている。]
アイツさあ、私の名前間違えてたんだよ
ほら、昔よく居たじゃん。「美由」と間違える奴。
アイツ、私のこと『美由さん』って。
三年間間違えたままって、どうなの。
もう呆れちゃって。
[昨夜の出来事をいまになって思い出すと、少し可笑しい。
フユは笑う。]
「フユってヨウスケ君とそんな仲良かったっけ……?」
いや別に?
多分、まともに話したの昨日が初めてなんじゃないかな。
もしかしたらアンタが私の名前を出してるんじゃないかと思ってたから、まさか名前間違えられるとは思って無かったけど。
ねえ、あんな馬鹿の何処が良いわけ?
[フユはまた少し意地悪そうに、軽く笑う。]
「ヨウスケ君の事、悪く言わないでよー」
いや、だってさあ。
いかにも何か抜けてるし、アイツ絶対馬鹿だって。
[笑うフユ。]
「悪く言わないでって。しかもアイツ呼ばわりとか、
フユ、何様のつもり?」
[ぴたりと。冷たく言って、モモは部屋を出て行った。
モモに投げ付けられたタオルを手に、フユは暫く
呆然と立っていた。]
……いや、いきなり。
タオル投げ付けて出て行くって、訳わかんないから。
…………怒ったの?
………………何それ。
(……下らない。)
[驚きはやがて苛立ちに変わる。
室内にタオルを投げ捨て、モモの部屋を出た。
既に陽は沈んで、紺色の夜に塗り潰される間際の橙色の雲が、木立の向こうに僅かに残るだけだった。]
−寮・食堂−
ごっそーさまでした!
[ぱんっ、と手を鳴らして声をあげる。
空になった食器を乗せたトレイを持って、立ち上がった。
普段は人で埋めつくされてる食堂も、今は人影は疎ら。
他の残留生徒と言葉と交えながら、洗い場に向かう]
…出るって、何がー? 桜の木の下?
あぁ、よくあるよな、…埋まってるとか。
[休暇中の片付けは各自がやる事になっているから、
相手と話しながらスポンジを手に取り、汚れを落とす。
沸き立つ真っ白な泡が、辺りを覆った]
そりゃ幽霊って言ったら、夏だけどさあ。
[納得いかない、という表情が作られる]
桜は春じゃん?
こじつけくせー。
柳とかじゃねぇの。
[キュ、と。力を入れて、かたい蛇口を捻る。
ざあぁああぁぁあ―――談笑は、水音に流されていく]
─剣道場/昼頃─
ふうっ……そろそろ、切り上げるか……。
[素振りや型などを一通りこなしたところで、一人、呟く。
ある程度予想はしていたが、他に訪れる部員の姿はなく道場独占状態ではあったものの。
……やはり、相手のいない稽古は、物悲しいものがあり。
時間的な区切りも悪くない……と思い、自主練はそこで切り上げる事にした]
ふう……あっつぅ……。
[道場の掃除を終え、独りごちる。
道場と部室の戸締りを確認した後は寮に戻り、一息入れた後、茶道部の部室へと]
−校舎・玄関−
(ああもう、訳分かんない。
何なのアイツ。腹立つ……)
[フユはロングスカートと半袖のカーディガンに着替えているが、色合い的には制服と大差がない。
フユが、夏休みの間帰省しないと分かったら
顧問は嬉々として練習室の戸締まりをフユに担当させた。]
─茶道部部室/昼頃─
……っと。
あれ、思ってたよりにぎやかだね?
[畳敷きの空間を有する部室のドアを開けるなり聞こえてきた、賑やかな声に思わずこんな声をもらす。
こちらは剣道部に比べて、部員が残っているらしい。
集まっていたのは、主に一年の女子─と言っても、そもそも男子部員が少ないのだが─であり、彼女らが集まっている時は大抵、部室の中は小鳥のさえずりさながらのお喋りで満ちているのだ]
「あ、各務先輩っ! 聞いてくださいよ〜っ!」
[中に入るなり、呼びかけてくるのはツインテールの目立つ少女。
その様子に、ああ、またか、などと思いつつ]
どーしたの、佐久間さん。
また、お兄さんと何かあった?
[居合わせた部長から、お疲れ様、と言わんばかりの視線を向けられつつ椅子の一つに腰掛け、ユリにこんな問いを投げかける。
それに対する返答に、適当に相槌を打ちつつ、部長と夏休みの間の活動予定の話し合い]
(しかも、昨日マイコが怖い話とかするから……
夜の学校なんて怪談のメッカじゃない。)
[誰かに同行を頼んでも良かったのだが
生憎、モモとは唐突に喧嘩をしたばかりだった。
校舎から出ると、月明かりを受け校庭に立つ桜の樹が見えた。]
(あー、マイコが何か言ってたっけ……桜の話)
……じゃ、俺はそろそろ。
[大体の取り決めがまとまり、ユリの愚痴も一段落したところで席を立つ]
「お疲れ様、各務君。
ああ、剣道の方が忙しいなら、無理にこっちに顔出さなくてもいいわよ、予定の変更とかあったら、知らせるから」
……あはは……ありがとうございます、部長。
[部長の言葉に苦笑しつつこう返し、後輩たちにまたね、と声をかけ、外へ]
んー……さて、どうしようかな。
少し、散歩でもしようか……。
[そんな事を呟いて。
まだ、グラウンドで動き回っている運動部を横目に、のんびりとあてもなく歩いていく]
―校舎・生徒会室―
「よし、後は新学期でOK!」
[響子の晴れやかな声が響く。
結局二日連続で遅い時間となってしまった]
「つき合わせてごめんね、ヨウコちゃん」
いえ、私には特に急ぐ用事はありませんから。
[ユウイチロウの言葉には首を振った。
やりたいことはあっても、やらなくてはいけないこと、ではない。
早く戻らなければいけない彼の方がよほど大変だ]
「じゃ、帰りましょっ!」
[アッサリと言う響子に苦笑するユウイチロウ。
思わず視線が合ったので同じように苦笑をしながら部屋を出た]
[昨日、桜の怪談はしただろう。
現在、彼女は部屋の中。
なんだか宿題をがんばっているかもしれない。]
あー、うー。むっずかしー
[状態異常:混乱]
人の生き血を吸うだとか、
人の命を喰らって咲くだとか。
アヤカシ?を呼ぶとか、わけわかんねー。
そりゃ、ウチの学校の桜はデカいけどさ。
樹齢何年だっけ? …まあ、いいや。
オカルト番組かなんかの、見過ぎだろー。
[けらけら、笑い飛ばす。
怖がるでもなく、話に乗って来るでもないショウに、
これ以上言っても無駄と悟ったか、相手は肩を竦めるばかり]
おし、洗い物終了ー。
[カチャン、すっかり綺麗になった食器に、満足げな顔]
[校庭に佇む桜の大樹。
ここは、入学以来のお気に入りの場所で。
一人になりたい時などは、よく世話になっていた──主に、上の方の枝に]
……久しぶりに……。
[周囲を見回し、誰もこちらに注意を向けていないのを確かめると、ぽんぽん、と幹を叩いて足をかけ]
いよ……っと!
[掛け声と共に、器用に上っていく。
上の枝には、緑の葉の帳。
それに隠れるようにしつつ、枝の一本に腰掛けて。
そのまましばし、色彩を変え、夜へと染まっていく空を、見上げる]
(咲いてるところは綺麗なんだけど。)
[桜撩学園の名にも桜が入って居た、と思い出す。
巨大な、シンボルツリーと化している桜の樹。]
(馬鹿馬鹿しい。
あんな青々とした樹に怪談も何もあるかっての)
[それはとある高校の話です。
大きな桜の樹が一本、門のところにありました。
その桜は本当に大きく、春になると綺麗な花を咲かせます。
その年も綺麗なピンクの花を咲かせて、新入生はその花びらをあびながら入学式を行いました。
そうして花が散って実をつける頃、その制服を身に着けた女子生徒が、桜の下で発見されました。
――――そう、彼女は死んでいたのです。]
そんじゃなー。
[別れを告げて、食堂を後にする。
バタリ、扉を閉じると、喧騒は遠くなった。]
−寮・食堂→廊下−
[風の吹き込まない寮内は、聊か暑い。
昨日のシャーベットがまだ残っていたと思い出して、
人が居ないのをいい事に、駆け足で廊下を抜ける。]
[1] [2] [3] [4] [5] [6] [7] [8] [9] [10] [11] [12] [13] [14] [15] [16] [17] [18] [19] [20] [21] [22] [23] [24] [25] [26] [27] [メモ/メモ履歴] / 発言欄へ
情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 5日目 エピローグ 終了 / 最新