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─廃墟・屋上─
[笑む気配に、もう一つ、瞬く]
ま、そうだねぇ。
やりたい事があるから、ここにいて。
そのためには、カードは集めなきゃなんない……わけで。
[自らのカードを例えに上げ、孤を描く様子に。
ふと浮かぶのは、天使の外見には似合わぬ獣の──狼の、笑み]
そーだねぇ、それも、外せないもの。
……そっちのとっての、これも、同じ、かな?
[指の間に『ジャッジメント』のカードを挟んで示しつつ、問う口調は、軽い]
[とりあえず焼けた一つを取って齧る]
ん…結構ちゃんとしてる。
[そう言うと軽く風を起こして、その匂いを回りに散らすようにしてみる]
…煙?
闘った痕跡とか、か…?
[空に上る白を近くに見つけ、足を進める。
近付くにつれ、漂う香りは、妙に食欲をそそるものなのだが]
…。
違ったみたいですわね。
[流れる風に深緋の髪を押さえる。
燃える火の側には、一人分の人影]
さぁ〜て。どなたがいらっしゃいますかねぇ〜
[寡黙の男からしたら唐突だっただろう。急に角から無防備なほどあっさりと頭だけだして、顔を向け]
おや、あなたでしたか。
いやぁ〜あなたのお名前は聞いてますよ〜私とは違って仕事をきっちりこなすかただとねぇ〜
[寡黙でさえなく。仕事をたまに放棄するという逆をいく...は手を振り陽気に声をかける]
あはは、それなら楽でよかったなー。
そのまま見学してたのに。
[何も問われなければ何も言わない。
飛ぶ能力は無い以上、できることで済ませるしかない。
氷は溶ければ水となって跡になる。仕方の無いことだ]
ルールが多少変わっただけで、今回の『場』とかいうのが終わってしまったわけでもなさそうですしねー。
まあ、なるようになれ?
最後に笑えるようになりたいですけど。
[多少潜めてはいるが声に出して会話している以上、気配を殺しきれるはずも無く]
あら。まーそれも巡り合わせか。
残ってるのはちょっとピリっとした空気ですね。
[スッと息を整えて、残っているの気配の方に近づいた]
んー、でも残ったのどうしようか、これ。
[魚を齧りつつ、残りを見る。数匹のつもりが結構大漁]
……干物、ってあり?
[などといいつつもくもくと。
携帯食じゃないものは実に久しぶりである]
[時折欠伸をしながら歩いていく。
集音機があるためか、あまり気を張って歩いている様子はない]
…あー。
[しかし、何かぶつぶつと呟いている]
―廃墟・屋上―
[指の間で揺れる『審判』が一枚。
朽葉色がソレを捉え、そうして飴色へと戻る]
と、言っても。
[言葉と同時に瞳は一時目蓋の裏に隠れ]
[次に開いた瞬間には、張った気配は霧散していた]
腹が減っては戦は出来ぬ、ということで。
いい匂いがして仕方無いからそっち行きません?
[にっこり、毒気の一切無い笑みで首を傾げた]
お知り合いです?
って、あー。
[煙草の匂いは男に染み付いていたものか。少し眉が寄った。
ディーノの後ろ、二歩ほど離れた場所で足を止めた]
─廃墟・街外れ─
[運良く他の者に追われることなく街外れまで辿り着き]
しっかしどぎゃんするとね。
奥義ばもう使えんしのぅ。
少なくとも『デュエル』ば間は使えんき。
まぁええかぁ、普通にやったろ。
[深刻さなぞどこへやら。楽天的に言い、男はその場でしばしの休憩]
……。
[少しの間、対象を睨むような形で対峙していたが、やがて]
……。
[煙草を投げ捨てて、この場所から逃走。
ビルの窓を潜り抜けて、地面へと飛び降りる。
『隠者』にとって、人が集まる場所は好ましくない。どういう理由か、そういう場になり始めている此処は、男向けの場所では無くなって来ていたので、色々と仕込んだものを放棄するのに躊躇いも何も無かった。
ましてや、2対1になりそうな状態だ。勝てる戦いをするのではなく、負けないための戦いをするものにとっては、これ以上無いほど好ましくない]
……。
[地面に降りると同時に黒い箱を操作。
煙幕弾を投げ捨てて、周りに煙幕を撒き散らして、更に逃走]
ん?
[気配を感じて振り返る。魚を銜えたまま。
そこにいた姿に魚を放して]
そこの綺麗なお嬢さん、魚食べるかーい?
[この場に似つかわしくない言葉を掛けてみた]
[瞬間の変化。
獣は楽しげなものを刹那、掠めさせた後、影を潜める。
天使の描かれたカードは、再びポケットへとしまい込まれ]
あー……そうだねー。
食べるもの探すのも一苦労だから、お腹空いたし。
むしろ、林檎一個かじった後、ずーっと探し物しててそっち忘れてたしなあ。
んじゃ、行ってみよっか?
[笑う様子は、屈託の欠片もないもの]
[太陽のカードから、眼前の男の情報を得て。
そのまま、にこやかに近付いていく]
随分と美味しそうに食べるんですね。
[気配を消すどころか、自ら声をかけてみたり]
ええ。楽なのはいいことですしねぇ〜…いえ、そうなると私たちで争うことに次はなってましたかねぇ〜?
[首をかしげつつ口にして]
ですねぇ。同盟を組んでも最後の最後に立つのは一人でしょうからねぇ〜。
最低限の『場』があるのでこのまま管理者がいないまま続行なだけなんでしょーねぇ〜
[とはいえ多少なりとも理とは外れたことが起きるかもしれないが、それぐらいは気にせず]
おや、変わった表現ですね
[ピリっとした空気。という言葉に、興味深そうに呟いて]
[そして続く問いに、男へと視線を戻して]
いえ〜。直接面識は…ありましたっけ〜?
[あっても依頼を請け負う場所で数回すれ違ったぐらいかもしれないが…問いは帰らない。なにせ]
あれ〜?…どうやらシャイのようですねぇ〜
[ビルから脱したと認識したときには、既に遠方にあるだろうからそんな検討外れの言葉は届かなかっただろう]
[視線はカードの行方を僅か追い。
屈託のない笑みに頷いて返した]
食べたければ瓦礫を引っ繰り返せ、ですからね。
探すだけで食べ物分のエネルギー使っちゃうって。
…食べ物以上に大切な探し物?
[屋上の縁、匂いの漂う方へと歩きながら首を傾げる]
成る程ねぇ…
[一人呟く様子は、端から見ると少し怪しい。
見た目も相まって、何処か凄味がある]
ん?
[集音機から音を拾う。
何か爆発様な音と、地の砂利を蹴る微かな音]
何か起きたのかねぇ…戦闘…じゃあ、無さそうだが。
んー、そりゃまぁ、まともな食いモンは久しぶりだし。
[躊躇いなく近づいてくるのには警戒もせずに]
俺も食事中になんかしようって趣味はないからなぁ。
つことで、安心していいぜ、「太陽」のマスターさん。
[カードが伝える情報のままにそれを伝える]
あ、これなぁ、結構いっぱい取れたし、一人じゃ食いきれねぇし。
というわけで一つどうだ?
[程よく焼けていそうなものをロザリーに差し出して]
だよねー。
こういうところでの食料探し、ボクはわりと慣れてるけど。
それでも、ここじゃ苦戦するなあ。
[周囲を警戒しながら、という前提があるが故の苦戦、なのは伝わるか。
こちらものんびりと歩きつつ、投げられた問いには]
え?
ああ、うん。
使えそうなお風呂、探してた。
[あっさりとこう返す]
……。
[しばらくの間、走り続け、以前に調査しておいたビルの中に入り、追ってくる音が聞こえないのを確認してから、片手で煙草をくわえて、火をつけた]
……。
[ゆっくりと、長く煙を吐き出し、そのままビルの奥深くへと入り込む]
[きょとり、と朽葉色が瞬く]
…そうか、それならコツとか伝授してもらいたいな。
遠征とかでも大概食料準備して向かってたから。
[縁から眼下を見下ろす。
地上までの距離を目で測りつつ]
ああ、…女性はどうしても気になりますよね。
浴室だけならこの建物にあったけど、
水道も電気も全滅だから、本当にあるだけかな。
[言い残して、ひょーいと、落下]
…まともじゃない食べ物?
[あまりにも「お嬢さま」な疑問を呟いてみたり]
…うふふ。
それならずっと食事をしている方が安全かもしれませんね。
そういうわけにもいきませんけれど。
[こちらを見つめる様子に紫紺を細めつつ]
食べ終わったら、すぐさようなら、かしら?
おやおや。煙…煙幕か。
さっきの音は。
[ゆっくりとした足取りで。
足音を追わずに歩いていると、やがて、薄れかかった煙を見つける]
しかし。戦闘があったわけじゃあないのか。
残念なような、残念でないような…
ここまで慎重なヤツ、ねぇ。
そうなったかな?
でもそんな流れにはなりませんでしたねー。
[首を傾げるのにはどこか楽しそうに返して]
退場する気がないなら、続けるしかないですからねー。
え、変わってます?
[マイペースなまま会話を続けていれば、先に居た人物がいきなり走り去ったりするわけで]
逃げたっ!?
………。
見られたのが恥ずかしかった、とか?
[奥に張られたポスターを見て目を背けた。
確かに追いかけるのに致命的になる間は稼がれた。
が、ありがたくないだろう感想も生まれてしまった]
それなら、有り難く頂きますね。
…御心に感謝を。
[差し出された魚を受け取るも、紫紺は、じい、と男のほうを見るばかり。
少し、困ったような表情を浮かべてもいた]
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