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ほんと、こんな状況でなきゃ、ね。
……ま、無駄死には、『死の宮の御子』としての主義に反するしな、オレは。
浮ついて、無茶する気はないよ。
[言葉を返す表情は、いつになく真摯か]
ああ……なんか、複数交差してるような……。
どうなってんだ?
[呟けど、当然のごとく、それへの答えは出ず]
仕事上や戯れの打ち合いでならば、ある程度は楽しめもするのですが。
――其れは、安心しました。
…此方も無闇に、黄泉の旅へ向うつもりも御座いませんし。
[真摯な響きに、其方へ視線を向けない儘も
返す言葉も、笑みを浮かべながら何処か真剣みを帯びて]
ええ。少なくとも―― 一対一の差しでは有りませんね。
まるで、…「奇襲」を彷彿とさせる手口です。
[言葉にして、物騒だとも思ったのか。
小さく舌打ちを絡めながら、ぽつりと呟き]
浮ついて無駄死に、は、裏切り者さんの思う壺、でしょ?
[くすりと笑う、その様子は既にいつも通りの飄々とした態度で]
ああ。
確実に、真っ向勝負じゃ、ない……。
[強襲は常套手段の身ではあるが。
それとは多少、意味合いを異ならせているような感覚に、言葉に宿るは微かな苛立ち]
[...の射撃を受け止めつつも、痛みにうめくシャロンの懐に「味方」が飛び込む。]
[射線が重なる。...は射撃の狙いをシャロン本体からその武器へと切り換え、「味方」を援護する。]
[と、「味方」の刃がその機能を解放、「斬れ味」が急上昇する。頑丈な鉄ですら切り裂くことが出来るその刃を、下から上に袈裟切りに振り上げられる。]
ええ、全くです。
自滅に陥り、あまつさえ裏切者の思う壺では…癪に障る。
[相手の態度に、緩く瞼を瞬きながらも
くつくつと喉を鳴らし、其の笑みを深め。
相手の言葉に混じる微かな苛立ちに気付けば、すと目を細む]
――…お気に成る様ならば、気配を辿りにでも向いますか。
[僕も気に掛かる所では有りますので、と。
小さく、呟くように問い]
[先に何かに気が付いたのは、やはり【彼女】だった。
やや一拍おいて、再び引きつれ始めた空気に気が付く。
猫は何かを訴えるように細い声で強く鳴き、カリカリと爪をたてて主の指先を引っ掻いた。
やがて床にひらりと飛び降りたなら止める間もなく走り出していってしまった]
ちょ…っ、レギーナ?!待っ
[止める間もなく飛び出していった猫に、微かに眉値を寄せ]
…まったく、こんなときは猫の言葉を誰かに翻訳してほしいものですね…!
[微かな苛立ちを含みながらもため息ひとつ]
[急所を守る其れ自体が狙われる。此れでも薬は飲んでいるのに――痛みは消える事が無い。
苦痛を覚えていては、逃げる事も出来ない。
考えなど殆どない。一つを守りより攻めに。
伸びた黒の腕は、それを犠牲にしてでもエドガーの銃を叩き落とそうとするだろうか。
只、其の動きに弾は顔の真横――フードを弾き、銀糸の髪と細い面を露にした。
だが気になどするわけもない。
其のもう一人が、振り上げた刃。
普段ならば弾く銀は、あっけなく切れる。それだけでない。
普段より戦闘なれしている体が一歩下がらなければ、彼女自身も裂いていただろう。]
このっ…!
[然し手元に武器は無く。後ろと前の裂けた服は落ち、キャミソールの姿では彼女が女であるとはっきり判るだろう。近くに居る其の人に向かい、足を蹴り上げる――]
さすがに、それは悔しいからね。
[ひょい、と肩をすくめて言いつつ。
続いた言葉には、それがいいか、と頷いて]
……っと。
猫さん、どしたの?
[飛び出して行った白猫に、一つ、瞬く]
―自室―
[レッグが去った後。緩やかに瞳を伏せシャロンを思えば、真っ先に浮かんだのはレギーナと戯れる姿。思わずくすと笑い。]
まー、お互い本気だと、こちらが不利かしらね?実際に彼の殺り方を見た訳じゃぁないけど。
[言いながら、己の武器を再確認。]
よしっ、行きましょうか。鬼が出るか蛇が出るか知らないけども。
[黒曜石に湛えた艶やかな光は、殺戮者としての其れそのもの。]
[そうして、部屋を出て行く。]
[ディーノが頷くのを見やれば、部屋を後にしようとして
矢先部屋を飛び出て行く白猫に、僅か驚いた様に緩く瞬く。
ふと、思考の端を過ぎる人物に、僅か目を細めた。]
…――シャロン?
[言葉がわかる筈も無く、唯構っていたのを思い出しただけだが。
白猫の慌てっぷりに、良い想像など思い出す筈も無く]
ジョエル、レギーナの向う先は判りますか。
……何だか、急ぎ彼女を追った方が良さそうです。
[ディーノの問いかけに肩をすくめる]
…さぁ、わかりません。
流石に猫の言葉までは解せませんので…。
[引っ掛かれたり噛まれたりで朱が僅かに滲んで解れた白手袋そのままの手を遣る辺なくぱたりと下ろすだろうか]
[マイルズの呟いた名に、碧は険しさを帯びるか]
……シャロン?
[まさかな、と。その呟きは、他者の耳に届くかどうかすらわからぬ小声で]
さすがに、そこまでは無理、か。
[ジョエルの返答には、一つ、ため息]
いずれにしろ、追った方がよさそうだな、猫さんを。
…ですが……いえ、有り得ますね。
[マイルズに指摘を受けたところでようやく思い当たる。
──ああ、彼女は【彼女】になついていた]
……見失ってしまっては流石に追い抜けはしませんが…辿ることはどうにか。
走りますよ、着いてきてください…!
[懐から懐中時計を取りだしパチンと蓋を開ければ、皆の返答を待たずに、人が彼を追えるギリギリのスピードで走り出して]
[鞭のようにしなり黒い閃光のように殺到した触手に、両手で保持していた銃を弾かれた。しかし...はうろたえる事なく、素早くそれまでと逆の左手を前にした射撃姿勢をとる。その左手の袖から小型の隠し拳銃…9mmパラベラム弾を吐き出す拳銃が飛び出し、両手の内にぴたりと収まった。
今自分の銃を弾き、無防備に伸びきっている腕の一ヶ所を狙い、連続で射撃する。]
[「味方」はシャロンの蹴りを非致命的と見切り、あえてそれを腹筋で綺麗に受けるように膝を伸ばす。
それは、...の射線をシャロンから隠すためのブラインドとなるように――]
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