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[2階から降りてくる見慣れない姿。誰なんだろうと首を傾げるうちに女性は主人へと話しかけて]
準備…?
何かやるのかな。
[視線は女性に釘付けになる]
[読み終えた羊皮紙の束を物憂げな表情で蝋燭の火へと近づける。パチパチと音をたて燃える其をぼんやりとした目で見つめ。手に熱が伝わる頃に真鍮製の屑篭に投げ捨てた]
さて、そろそろ舞台にあがるとするかな…。
僕がどんな役を演じる事になるかは…まだわからないけどねぇ…あははははは。
[キィキィと音をたて動きだす車椅子。錆色の煙をまだ上げる屑篭の中には燃え残った羊皮紙の欠片。
そこに見える文字──人狼─処刑─]
……家に?
[その言葉と、視線を逸らす様子から、何があったのかは察したらしく、僅かに眉を寄せて]
痛いとこあるなら、無理しちゃだめだからね?
[釘を刺すように言いつつ、宿へと歩みを進めて]
いいじゃない、花は可愛いもの。
magician of flower。
その道の専門家って感じでカッコイイと思うよ。
[呟きには聞こえない振りをして]
ああ、気にしなくていいよ。
賑やかな方が楽しいからね。
誰も怒りゃしないって。
[ひらひらと手を振った]
[降りてきた女性を見れば微笑を浮かべて]
こんばんは、クローディアさん。
やぁ…丁度いい頃に出てこれたみたいだねぇ?
皆集まって、これから何が始まるんだい?
[そう言いながら、ゆっくりと車椅子を進めていく]
―――夕方・村外れの丘―――
[木陰に座り、暮れる夕陽を背に眼下の村を眺める。]
[――朝、目覚めるとディーノは既に居なかった。
さては下に居るのかと半開きになったドアから外に出て、1階に降りる。
しかしそこにもディーノの姿は見当たらず。
きょろきょろとしていると、宿の主人が乱暴に目の前にハムエッグの皿を置いた。
これは一体何の嵐の前触れだと訝しんで視線を皿から上にやると、主人は不機嫌そうに
「朝飯だ。あの手品師の奢りだそうだ」
と言った。
その後にぶちぶちと、野良犬に餌をやるなんて…とか、俺は動物宿を開いたつもりは…とか小言が続いたが。
そんなものは耳を素通りさせて、ぺろりと有難くハムエッグを平らげる。
そして昨日と同じように、器用に扉を開けて外に出て行った]
[くん、と空気中の匂いを嗅ぐ。
昨夜覚えたディーノの匂いは、宿の扉から広場を抜け、教会のその先に続いているらしかった。
それだけ確認すると、パトラッシュはぶらぶらと村の中をうろつき始めた。
昨日は空腹でそれどころではなかったのだが。
自分が逃げてきたここがどういう場所なのか・暫く滞在しても安全そうか。
それを確かめるため、きちんと情報を得る必要があった。
そうやって1日歩き回って、今は丘の上。
村を眺めおろして得たのは、「まぁ、悪くないところだ」という結論。
ここは実に平和な鉱村だった。
と、広場で客を集めていたディーノが、宿に向かい始めたのに気づく。
もうそろそろ帰ろうか。
一度大きく伸びをして、ぱっと丘の上から駆け出した。]
〔今晩こそ、会えるだろうか…との下心に、亡き妻の追及を感じる〕
〔私を、探しているの?〕
〔それとも、あの子だから好きなの?…と〕
さぁな。俺にもわからねぇよ。
…別に、お前の事を引きずってるつもりは、ねえんだが…な。
〔胸のうちに溜まった何かとともに紫煙を吐く。ふいに、唇は微笑みの形になる〕
なにやってんだか…。あいつは、もう、いねぇんだよ。
今夜もいっぱい引っ掛けて、ぐっすり眠るとするか!
〔己で己を鼓舞するかのように言い放ち、戸口のジャケットを羽織り宿へ向かった〕
[フランの言葉に、ありがと、と笑みを向けて]
クローディア?
あの人がそうなのかぁ…。
[名前は知れども姿は見たことが無く。興味津々と言った様子で視線はクローディアに]
こんばんは。
ご主人に頼まれまして……この村の占いを。
[声をかけてきた村人には小さく挨拶を返して。
紫絹をテーブルの上に広げ、その石を中心に据える。
視界の隅にいるシャロンへと小さく微笑んでから石に目を戻して。
ゆっくりと集中し始めた]
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