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[そうとは意識しないままワンクッションの勤めを果たしつつ。
挟まれたまま、背後のミリィとやって来る兄を交互に見た。
小言を零したいのはむしろこちらだったりしたが、ミリィの要件が先と]
はい。
…まあ、そういうことみたいです。
[代わりにアーベルの言葉を聞いて、苦笑を零した]
いや、それもそうっすけど、起きたものは仕方ないかもなぁ。とも
[言いつつ、ミリィがエーリッヒを手招きしてるのを見て言葉を止めつつ
エルザに視線を移す。とりあえず撫でてみる]
[近付いて来たところでミハエルの背後から出ると、
伸ばした手をエーリッヒの肩に置き、
自身に程よい位置に高さを合わさせる]
で。
その対とやらは、無事なんだな。
だったら、毛を寄越せ。
ここでまずければ、後でお前の家に行く。
[ひそひそ。
耳打ちするさまは、先の噂もあり傍から見れば
別の意味で怪しいかもしれなかった]
まあ…こんだけ騒ぎになっちまえば…ねぇ。
ミハエルの兄さんならなんとかなるんかな…いや、ギュンターのおっちゃんのほうがいいかな
[絵師様だったり長老であれば。とか。発言力があればなんとかなるのかな。とか。
その相談をしてるのだろうかとかミリィとエーリッヒの耳打ちを勝手に思ったりするが、遠くから、絵筆がどうだとかも聞こえて、?と首をかしげる]
[背だけは無駄に伸びている、との自覚はあるので、高さ合わせには素直に従った]
ああ、どうにか二本は持っていかれずにすんだ。
……て、毛なんか何に使うんだ?
[先ほども思ったが、絵筆の毛を要求する、というのは不可解に思えて、こちらも小声で問う]
と、いうか、さすがに毟り取るとかできるもんじゃないんで、ここで、といわれても困るっちゃ困るんだが……。
[傍目の怪しさとかは、とりあえず気にしてないというか気づいていない]
元凶か、盗んだ当事者が、とっとと名乗り出てくれれば一発解決だがな。
[やはり勘違いには気付かぬままに、ためいき。絵師が動いた事には気付いたが、呼んだ相手を見ればそのまま見送った]
[アーベルのほうに意識を向けていた故に、その話の内容は此処まで届かず]
というか、兄さんがどうにかしないといけないんですけどね。
[相変わらず会話の食い違いには以下略なまま、ちらと当事者を横目で見て、溜息]
[絵筆がどうだとかの声がひそやかに聞こえてくる。それは先ほどの騒ぎが沈着したからかもしれないが]
元凶…か
[リディの妄想とかいっていたが――盗んだ?盗み見?
いや、でも名乗り出れば解決するものなのか?]
…………えーっと…先生
[ぴっと手を上げるのは質問するときの昔の癖で]
名乗り出れば解決するものなんですか?
[返される問いは当然の事で、どういったものかと言葉を探す]
先日読んだ本に面白い記述があってね。
もしかすると、犯人を見つけられるかもしれない。
そのためには探すものと親しいものが必要なのだよ。
……まあ、魔術に近いものだから、上手く行くかは怪しいが。
[手をあげたアーベルに、視線を向ける]
もちろんだ。絵筆が戻りさえすれば問題ない。
どうやら絵師殿も、何事もなく戻れば持ち出した事をとがめようという気は無いようだしな。
[後半には苦笑が混じった]
お。やっぱそうなのか。
[考えれば己も堅苦しいから絵師様と呼ばず、結局ミハエルの兄さんと呼んでいたりするが、絵師がいえば確かにみな納得するかも。リディなんか特にだろうし。リディみたいに思ってるものも他にはいるだろうし]
んーむ。ミハエルの兄さんはやっぱ凄いんだな
[腕を組み…そうになったが桶を頭に乗せてるためできずに、ミハエルの言葉にただ重々しい雰囲気で頷く]
そうかー………ぇ?
[思わず癖のようにオトフリートの言葉に頷きそうになって。
言葉の内容が脳に入って思わず沈黙する]
…………
[そして思わず周囲をきょろきょろ。絵筆がどうとか聞こえるが]
せ、先生。もう一つ質問です
[ぴっとまた手を上げる。そして少しいいにくそうに]
………絵筆って…なんの話ですか?
……犯人を、見つけられる、かも知れない?
[告げられた言葉はかなり意外で、瞬きひとつ]
……まぁ、あんたはこんなタイミングで人かつぐような真似はしないから、嘘じゃないだろね。
心配なのは、本の記述の真偽だけど……見つけられるなら、なんでもやった方がいいんかなぁ……。
[アーベルに撫でられれば目を細めて嬉しそうに。
あわせた両手をもぞもぞとこねくりながら、
オトフリートとアーベルの話を聞いて
首を、傾けた。]
ね、もどらないと、どうなるの?
[ふとした、疑問を口に出す。]
ええ。
兄さんの不注意も原因の一端ですし。
[盗み出す者がいるとは己も予想はしていなかったものの。
それ以上に、釘刺しが効いていなかったことも入り交じって、つい愚痴めいた言葉になる。
が]
…え。凄い?
[アーベルから出た言葉に、初めて緑色が瞬く。
褒められる要素などあっただろうかと]
いや、戻らないとって
[エルザのふとした疑問もそもそもわからない...はオトフリートとかミハエルとかエーリッヒとか見つつ]
ぇ?原因の一端って。
[ミハエルの言葉に、リディとオトフリートはいっていたよな。とか頭がぐるぐるしつつ、オトフリートの声を聞いて少し困惑が収まってから]
話って。大変なことで。…オトフリート先生とミリィ先生の噂が広まって大変なんかなぁーと
[あ、忘れろっていってたんだった。とかいった後に思い出して汗がつつー]
[エルザの問いには、しばし沈黙。図書館の書物の知識と、絵師との付き合いの長さから「どうなるのか」の答えの終着点は見えてはいたが]
とりあえず、絵師殿が困るだろうな。
それに長も困っている。
[ひどく迂遠な告げ方をしたのは、彼女に理解できるようにとの配慮か別の意図があったのか]
うわさ?
[アーベルが汗をかいていることも知らず
判らない事だったので、口元に笑みを浮かべたまま
首を傾け、アーベルに問う。
ほかのひとの様子は、みていない。]
当たり前だ。
[憤慨した様子で眉を寄せる]
まあ、その辺りの心配があるし、
誰が犯人ともわからんゆえに、公に言うわけにもいかない。
こうして、お前にだけ言っているわけだが。
[そんな話をしていると、なにやら周囲がきょとりとしていることに気付く]
? なにか、あったのか?
[エーリッヒから身を離して、周囲を見回した]
[アーベルの言葉に、ぴき、と額に青筋が浮かびかけたとか]
・・・・・・お前は・・・・・・・いや、いい。
[なんとか堪えて、本日何度目かのため息]
今、話していたのは、絵師殿の絵筆が盗まれたという話だ。
[アーベルの返答を聞いて。
暫し、沈黙が落ちた]
…。
もしかして、知りませんでした?
[ややあって、小さく尋ねる。
主にオトフリートの反応とか気にしながら]
ん、確かに大声で触れ回れる事じゃないしな。
んじゃあ後で……。
[渡すから、と。
言うより先に、周囲の空気が変わったのがはっきりとわかり]
……って、一体何の話してたんだ、そこの君らは……。
[屈めていた身体を戻しつつ、呆れたような声をあげ]
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